2008/03/20

『ガチ☆ボーイ』

監督:小泉徳宏 120分



佐藤隆太 サエコ 向井理 宮川大輔 仲里依紗 泉谷しげる 川岡大次郎
瀬川亮 西田征史 中谷竜 小椋穀 久保麻衣子 フジタ“Jr”ハヤト



☆☆☆☆



批判しないで、ベタな展開をそのまま受け取って、主人公を素直に応援する2時間。佐藤隆太の笑顔が、うすっぺらくなかったのが◎
感動場面をだらだら引きずらないのもいい。



ひとつ誤算は、痛そうなものは苦手なんだった・・・ CGなし、スタントなしと聞いているせいで、余計に痛そうで、それがツライ。痛そうで~



高次脳機能障害という設定
ある日を境に、それ以降の記憶を保てなくなる。ほんの少し想像してみただけでも恐ろしくて背中がぞわっとする障害です。激しいストレスと毎日、毎日向き合わなくちゃいけない。



病気に向き合う話ではあるけれど、そのものに焦点を当てず、プロレスに打ち込むこと自体を物語の本筋にした点が良かったです。病気にめげずに頑張る青年、という面よりも、打ち込めるものを見つけて体当たりで人生にぶつかっている青年って感じですか。



天才五十嵐(佐藤)といわれた過去の自分とのギャップも激しくて、また自分を自慢に思ってくれていた父親、妹への申し訳なさも。それらが綴られたノートが「明日の僕へ」。
後半、事故のあと、息子とどう接していけば良いのか整理がつけられなかった父が、初めて息子の内面(ノート)に向き合う場面。



ずっと笑顔満開でプロレスに打ち込む五十嵐を追ってた流れから、初めて彼の苦悩がばっと吐き出されます。しかも本人の口からじゃなく、ノートが媒介するあたりが良い距離感。また、



何も言わずにテーブルに置かれた、出場するプロレス公演のチケットをじっと見る父
→フラフラになって意識を失いそうになっても向かっていく息子の姿をじっと見る父
⇔見に来てくれた父の姿を、リング上から見つける息子、



このように、言わなくても伝えられる、という演出が監督のお気に入りらしい。
私も好きだ。



マネージャーの朝子(サエコ)に告白したときの、彼女の反応に楽しい気持ちから絶望の淵へとふられる五十嵐、これも良いシーンでした。すいません、すいませんって言う哀しい気持ちもあるし、ふられた悲しさもあるし、努力してもカバーしきれないものがあることもわかるし。
もう頑張らなくていいよって言うのは簡単だけど、「これで生きてるって言える?」というつぶやきが強い魂の叫びでした。



痛そうなのが苦手



前述のように痛そうなものは不得意なので、ラストのガチンコ☆プロレスの場面は盛り上がるどころか、早くドロップキックを繰り出して終ってくださいと念じてました。さらにそもそも、学生プロレスだろうが、プロのプロレス(って言い方ヘンだな)だろうが、プロレスに興味なかったんだった。



エンタメと割り切れる安全第一の学生プロレスのほうが断然いいです。



北海道ロケ



何だか見慣れた風景ばかりでした。北大の運動場とか。そのバスに乗っても小樽には帰れないよ・・・というバスに乗ってるのもかわいい。できれば北大ではテラスじゃなく、ジンパしてほしかった。学生ならジンギスカンじゃないのかしら。











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