2012/05/31

『エリザベート』5/12-8 庶民派のシシィ

ぜんぜん新鮮じゃなさそうな、ミールク!



そもそもの意図としては、庶民が苦しんでても、シシィは自分磨きに熱心でミルク風呂に入ってたんだよ、わーすごいね、っていうこと・・・なんですよね。



ただ、その後にあの<肖像画のままの皇后が!>の1幕ラストにつながっていくため、あまり非難しているようには見えないエピソードだなぁと不思議。
フランツもミルク風呂を非難しないし。ってか、フランツはシシィに怒る場面はないのだった。



新、青年ルドルフがミルクで踊っているのかどうか、いろいろ聞いてたにもかかわらず、うまく見分けられませんでしたー。踊ってたのかしら~?



あまりコブシを廻さない今年のルキーニ、『ミルク』でも同様でした。若く見えるんですねー、ねちっこく歌わないと。社会に不満を持つひとの叫びとして、すんなり入ってくるな。



とりあえず好きな場面なので、ダンスと歌を楽しむ。



■私だけに!



ああ、ほんとにさ、ちょっと共感してもこの<私よ!>には疲れる。そして、ここまで叫ばねばならなかった窮屈で重苦しそうなシシィの境遇を気の毒にも思う。



気楽にいこうよー



御髪をととのえて・・・ 皇帝が妻に会いにきたら、たぶん妻が出てくるよね。フランツ、いいのかこんなんで! 侍女たちにまで、珍しい・・・とつぶやかれちゃってるよ!



どうも照明もくらいし、ミルク風呂~♪のイメージで、夜だろうと思ってしまうんですが、シシィはものすごくめかし込んでるわけだし、実は朝とかなのか。





さて、瀬奈さん。


衣装はとてもきれいで、当然まばゆいのですが、何かが・・・何かが庶民派なのであります。


仕草が大きいのかなぁ 
全体に、サバサバ、ざっくりとした雰囲気があります。雄雄しすぎるというのでしょうか。隙もないしな。きれいだが、モテない子って感じです。
まだまだバイエルンの山で暴れてた頃が忘れられない瀬奈シシィなのだった。


歌、セリフからも庶民派の香りがいたします。全体的に、<自分を隠さない人>に見えますね。王家の人間なら、本心を隠すのが上手そうなところを、瀬奈シシィはいつまでも素直に心を見せてしまう人に見えます。


ストレートな気質に見え、時代劇的な雰囲気よりも、現代女性が似合う人なんだな、きっと。


ついで、見上げる禅フランツ。おお、ほんとに嘆かわしいこと。


そういや、フランツがジャケットの片方だけ、袖を通さずに落として着ているのは、当時流行の着方みたいですね。服飾史見てて気づきました


君が望むものは君のものだ・・・♪ そこまで捨て身にならなくてもよろしいのに!


禅さん、とても良いお声で聴き入ってしまいます。シシィはいくつの設定かな、禅さんはすっかり立派な皇帝陛下の容貌。


声も、若さは過ぎ去り、日々の公務の疲れものしかかるオトナの男性の声になっています。どうやったら、こんなに声の色を変えられるんだ?


祐一郎。


生きる意味を見つけてしまった・・・ とかいいながら、
生きるシシィを見るのが面白い閣下である。
生き抜いて、そして自分の胸に飛び込んでくるその時を待っているのが、楽しい閣下である。


扉から出て、階段を降りていくシシィの後姿を見つめるトート閣下。もたれてたたずむお姿も素敵!


やはり、このときも自分のものにならない悔しさなどではなく、何時いかなるときも生きることを手放さないシシィを認めているようにも見えました。


今年の閣下には、何があったのー。


自分のものにしよう、とかそういうエゴがなさそうよ。エゴの塊のシシィとは正反対ね。


ただそこにいて、シシィの人生に寄り添っているトート閣下。誘惑されながらも、はねつけられる<死>の存在。
より、<死>としての存在に近づいているのかもなぁ 恋愛モノじゃなくて、生きるモノ。


ラストの3重唱、響きました。


ここが楽しみで息をせずに見つめている。愛してる/エリザベート♪ と、愛の告白されてシシィが発するのが<わたしに!>


やれやれー、二人の気持ちは全然届いてないわよ!


あとね、瀬奈さんの扇を広げるとこが、アッパレ!って宴会でご機嫌になってるおじさんのような仕草でした。ああー。
よく言えば、あたしはあたし!と息巻いてるとも言えるのかもだけど、もう少し優雅に振舞っていただきたいです。



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