2010/02/09

『アイーダ』2/6-3 切り札!

アムネリス、恋する二人が永遠に結ばれるのを王の態度で見送った毅然としたラストの姿には、きゅーっとなりました。



最初と最後が、同じ博物館のシーンの繰り返しなんですね。あの箱は処刑に使われたものだったのか・・・3時間の上演時間の中で、数千年を越えたなぁ!



アムネリス役は光川愛さん。



中央で動く阿久津さんに目を奪われている間に、いつのかにか客席に向き直った全身像のアムネリスが歌いだして、一気にテンションが上がりましたっ おお、来た来たって感じですね。
すらりとして、引き締まった表情のまま気高く、力強く、古代エジプトで出会った恋人たちの話を始めます。



やだー、カッコいいんですけどー!



おしゃれは切り札。


言ってみたいセリフだわー。淡いブルーのドレスを来て、プールでエクササイズ、お風呂で磨いて、メイクもドレスも完璧。


王女、として何が求められているのか全て理解して会話から着こなしまで、王女らしく頑張ってるアムネリス・・・偉い。偉いぞう。
賢い王女だけれど、賢さはドレスの奥に隠してるんですね。それがこの楽しいパートで伝わるのがスゴイ、うーむウマイ。


おしゃれにウツツを抜かして、と言われそうなところを、可愛さのなかに強かさもあって、アイーダの恋敵かと思いきや、立場は違えど同じく国家と恋に引き裂かれる女の子同士、どちらも応援したいなぁ・・・でもラダメスはアイーダなんだよね。


ファッションショーの衣装、猫帽子、あれは王女さまにしか着こなせなさそうです。さすがです。


衣装の変化


アムネリスの衣装の変化が顕著。婚約者のラダメスを理解しようと国の様子をゾーザーから聞いてるときの、赤い衣装。アイーダと愛し合っていると知っって、父王の跡を継ぐのは自分と覚悟した後の、すっきりしたヘアスタイルとたっぷりのローブ付き衣装。


淡い色からこっくりした色、すっきりしたデザインへの変化がアムネリスの心の変化をうまく出してます。


ちなみに、アイーダの後半の黒い衣装、切なくてかなしい。ラダメスも白黒、と変化してて二人の運命がツライですね・・・


物語をすっきりと、三角関係ではない恋愛を描くとした脚本に拍手。特にアムネリスの立場をどう描くかで、見終わったときの気持ちがぜんぜん違いそう。


出来すぎかもしれないけれど、ラダメスの気持ちはもう自分にはないと受け入れ、さらに国を統治する立場も受け入れるなんて、ものすごく自立しまくった女性です。さすがアメリカンです。


強がってるようにさえ見えない、王女としての気概なのか。なのに、光川アムネリスには同情はいらないわよ、大丈夫、って舞台から私のほうがたしなめられたような気がしました。




0 件のコメント:

コメントを投稿