■役名に蜘蛛女、ってコワイわねーと思いつつ。金志賀さんは、元劇団四季の方ですけれど、私は縁がなかったのか、拝見したことがなかったようです(自分のブログ検索してみた)。
筋肉質な脚線美!にまずは目を奪われて、ついで落ち着いた声質にうっとり。
鍛えられた雰囲気なので、妖艶っていうよりは、いたずらしそうな表情が印象的な登場だったかな。それにしても、やや面長できりりとした顔立ちがとっても映えてて、きれいな方でしたねぇ
プログラムを買って、前回の舞台写真をあとで観た感じだと、朝海さんのオーロラはいかにもきれいな女優さんでした。金志賀さんは、魂の女優というか、見た目だけで言えば金志賀さんのほうが好み。男たちを翻弄できそう。
公演終盤だったけれど、ほかの出演者さんたちも含めて声がしっかり伸びていたもの立派でした。さすが!
■モリーナの想像している「オーロラ」なわけなので、部屋のなかを自由に歩き回ってすぐ側に居るのに、実際にはそこに居ない役って不思議な感じでした。すごくリアルだけど、オーロラがやってくると夢の世界だなぁって。
モリーナの言ってほしい、見たい「オーロラ」をそこに浮かび上がらせているはずなのに、少しずつ想像のオーロラの存在感が増していくのがねー。じわじわ、蜘蛛女の死のキスが迫る!って感じがして、なかなかでした。こんな女になってみたいわ~
■Gimme love
どんな演出なんだろうと楽しみにしていたパート。衣装は意外とシックな色合いにまとめて、ダンサーズとのコンビネーションがきびきびしていて、まさに別世界の華麗なオーロラが皆の視線を独り占めです。
しかし、いかにも女優なオーラをまとっていながら、数ミリ先にはドブネズミ色の獄中世界が広がるという面白さに参りましたー。
ここだけ宝塚みたいにきらびやかな色彩になっていたら、浮いた分、獄中の二人の世界との関係を結びにくかったかも。
■ロシアの映画。
モリーナの語るタチアナ役のオーロラの悲恋のラストシーン。舞台上で背景はほとんど変わることがないのに、ゴージャスなオーロラが登場して照明が変わると、すっかりそこは雪のちらつくロシア。
モリーナのメイド役もキュートで・・・。愛のため身を投げ出すタチアナに牢獄の二人の姿を重ねてしまいますねー。モリーナが憧れてる愛の世界を垣間見るというか。
■kiss of the spider woman
観て分かったことですが、蜘蛛女が来たから死んでしまったんじゃなかったんですね。そりゃそうだよねって皆さんきっと分かってますね・・・
モリーナのたくましき妄想のおかげか、このまま死ぬんだ!って言うヴァレンティンの影響か。つまり二人の世界のなかに「死」のイメージが濃くなってしまったので、そこに蜘蛛女がついに登場してしまったということ。
看守らに拷問されて傷だらけ、汚物だらけで死ぬなんて、最低最悪の最期です。蜘蛛女のイメージは、拒否したいのに惹きつけられる捕食者に睨まれた蝶? コワイけど、嬉しいような。雪女みたいな感じでしょうか。
蜘蛛女の衣装が微妙に色が変化する紫色で、すっと立って、舞台奥から静かにモリーナたちを見つめている見とれてました。好きになっても命を奪ってしまうのよ、とか。蜘蛛女にも哀しみあるのかもなんて思うような、なんとも言いがたい様子が良かったです。
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