2014/06/22

『ビッグ・フェラー』5/31-6/1 4 暗い空気がただよってくる後半

美術館。
ルエリがカレルマ(FBI)に情報提供していたことが明らかにされる。これだけ提供しているのに、なぜNY支部が野放しのままなのか、もうやめたいと詰め寄っているルエリ。
情報提供の見返りに、ビザ取得。資格も取り、NY市民として生活しているようだ。

IRAからは抜けられない規則だが、せめてもの手段でFBIに解体してもらいたいと情報をFBIに渡すが、泳がせて監視しているだけだった。

カレルマと会話中は訛りを出していたルエリだったが、マイケルの部屋へ場面が変わると(ルエリはメガネを掛ける)訛りがするっと消えていた。あれあれあれってくらい、スマートな都会の男風になるルエリ。舞台上で衣装チェンジ。

■1998年
分隊長になったマイケルとトム・ビリーが警報機の9割は間違い(いたずらとか)なのに、そのたびに俺たちは駆けつけなくてはいけない、と不満話をしているところへ、ルエリが耳が聞こえない人(通報できないから)でも使えていいシステムだ、と反論してる。

相変わらず聴覚障害者への差別語発言のトム・ビリー、横で<ヒゲ生やしてる!>マイケルはたしなめずアハハと笑っているのだった。

それから、イスラム教徒らが起こすテロについて<何を求めているのか分からない><自分たちとは一緒にするな>とわめきあっている。
IRAは予告するし、無関係な人は巻き込まないというが、オマーでの事件はどちらも行わず市民を巻き添えにした、とIRAも変わらぬテロ行為を行ったことがわかる。

巻き添えの市民にとってはどちらも殺人をしたテロリストなだけで、IRAもイスラム過激派も同じだ。たしか3回くらいマイケルが<(イスラムのテロリストが)何を求めているのか分からない>と繰り返していて、随分繰り返すなぁと気になりました。
分かったら納得できるのかしら。理屈が自分たちの世界観とは違う人たちがいることが、不安なのだろう。目的がわかったところで、テロ行為が正当化されはしないと思いますけど。

ルエリがトム・ビリーに、イスラムの人たちのゲイに対する考えとお前の考えは一致してる、と揶揄し、さすがに悪態もちょっと引っ込んでましたっけ。難しい話はわかんねぇよう~と笑っていた姿はもうなく、ヒューゴ・ボスのスーツを着てメガネかけたインテリ建築士な態度で、すっかり成功者に変身。IRAの使いっ走りから、大変身してます。
ゲイネタの時の、マイケルのフハハハ!の笑い顔といったら、安いビールをぐびぐび飲みながら下品な話に笑ってつきあう。大成功のルエリと対照的でしたね。品は金でも買えない・・・高潔な精神などどこかへおいてきたようです。
予告なしのテロを行ったIRAのように、マイケルもまた良くないほうへと変化していったのだった。

■犯罪歴があるのに、ビザが取れたルエリはあやしいと、マイケルに吹き込むトム・ビリー。
確かにね。
マイケルの心に疑念が湧く瞬間だった。素直なんだよね、マイケル。言われたら、そうなのか。って素直に聞いちゃう。そうだとしても、自分で考えないと!

疑念植えつけられた後に、またもトム・ビリーとルエリが言い合い(きっかけは忘れたわ)、2人は殴り合いに。止めようと間に入ったマイケルも、会話の流れでマイケルが恋人だったライアンを見殺しにしたことをルエリに言われ、仲裁どころかルエリをぶん殴った。

マイケルが暴力に直接うったえたのは、初めてのシーンです。もうショックなんですけど。図星なこと指摘されたからって殴るなんて、トム・ビリーと同じレベル。気に食わないやつは殴るのか・・・あーあ。

■口にキスしてないなら、OKなのか! おいー。
コステロが荷物を抱えて部屋に入ってくる。トム・ビリー、ルエリが男にフェ●したことあるんだってよ、とコステロに言うが、コステロは口にキスしてなきゃOKだって答える。アハハ。
してもしてなくても、別にいい・・・

ほんと、自分と違う考えの相手にどう接するかは永遠のテーマだわ。私も自分と似たような人と集まってたほうが楽だって思うし、まぁ楽しいことも多いもの。
でも、世界は自分と違う考えの人のほうが多いくらいかもしれないし、分かり合えないから敵と言うのは器が小さすぎる。納得できなくても、どうにか付き合える方法ってあるのかな。

最終段のコステロ、けっこう年とってました。白髪増えたし、動きも老人に入りかけてる。衣装は変わらずきっちりしたものだけど、動作や声で年齢感を醸してました。ウッチーうまい。

■かわいい! くまちゃん!
浦井くん・・・ これ英語台本も<くまちゃん>に匹敵する幼児語なのか気になるー。ひげ生やした分隊長さんが、くまちゃん・・・ かわいいけど、さっきまでの会話とのズレがすごい。このセリフ言ってる浦井くんは可愛いけどさ、マイケルはオカシイわよ。

中の器械を、起爆装置(だったけ)だかと入れ替えて、アイルランド(だか、英国だか)に送る手はずとコステロ。
かわいいくまちゃんに起爆装置を入れるなんて、ヒドイ。

ついに、ルエリは自分は降りる、作業はしない、と宣言してアパートを出て行った。ほうっておけ、というコステロはやっぱりオトナだ。もしかしたら逃げるチャンスが残っているかもしれないと期待したんだと思ったから。
きっとFBIに密告してたに違いない、と鋭い発言のトム・ビリー。警官は警官なりの眼力があるものね。

イスラム教徒は何を求めているのか? →罰すること(コステロの答え)
まだこだわっていたマイケルが、コステロに聞いての回答。宗教が問題の土台で、他宗教を信仰する人間を罰したいのだ、という。
これは一神教だから起こる感情なのかな。どの国にも神様がいて、いいじゃないかと思うけれど。自分たちの信仰のためには、他の宗教が邪魔になってしまうもの?

舞台では、短いルエリのシーンが挟み込まれ、ラストへと展開していきます。不穏な音楽が流れてたよ。FBI(きっとカレルマ)に今すぐ保護してくれ、と電話してます。






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