2014/06/17

『ビッグ・フェラー』5/31-6/1 2 健治、一丁

*1981年 カリビアン・ビジネス・ウーマン・オブ・ザ・イヤー/カレルマとルエリ
美術館にて。

ルエリのアメリカでの裁判についての話。まらルエリちゃんは訛ってる・・・
ルエリ・コーナーで待ち合わせ♪ 通りの名前にはなれなかったけど、ルエリはけっこうな有名人になったようだ。

ルエリから情報を得るため、再接近のカレルマ。颯爽としたビジネスウーマンですが、やはり町田さんの不思議イントネーション&裏声セリフにくらくら。

マイケルのアパート、いちゃいちゃ楽しそうな二人。マイケルとミス・ライアン

と、とりあえず白ブリーフ一丁(白ソックス付)の浦井くん。明るく楽しそうないちゃいちゃぶりで、あれか、水戸黄門における入浴シーンのような・・・ってそんなことはありません。おねえさんといちゃつくマイケルの悲劇への序章ー。
いちゃつくわりに、ちっとも浦井くんからお色気が感じられなかったけど、それは2-3階席だったから? 1階席には伝わってたのでしょうか。
明星さんはほっそりタイプじゃないけど、足がセクシーでした。うらやましい。あと、声も落ち着いていてとてもいい。

あれ・・・浦井くんが麗しいトート閣下以外とキスしてるのを初めてみた(ような?)。ライアン役の明星さんが、おねえさんなものだから、いいなぁと思ってしまう。(浦井くん可愛いから楽しいシーンだったよ、ジェラシーでめらめらするかと思ったが、ちっともでした)

結婚しよう! と単純に叫ぶマイケル。あと、男性たちといるときにはない素直な可愛い声でしゃべってた。男子ズの時は、低い消防士声で話してたよね。旅行先のレストランの話をするけど、全部ライアンに見透かされてかわいい。
それから男子ズのときは、会話がぽんぽん運ばないけれど、ミス・ライアンとはとてもスムーズに会話してる。これも脚本と演出の計算だよね。基本、素直なんだなぁ

ライアンの次の任務地についての知らせを持ってくるコステロだが、それはメキシコ行きだった。
1972年の場面で、マイケルは<メキシコ行き=死>の意味を知っているので、打ちのめされる。でも、規律には反抗できない。

トイレー!! と駆けこんでくるコステロ。酔っ払い。
ライアンにメキシコ行きの決定が出たので、嫌になって飲んでからきたのかな、と。

コミュニストどもめ! コステロはIRAのジェリー・アダムスの武装闘争から政治闘争への舵きりを快く思っていない。
アイルランドの心臓は、農民だ。ヒッピーじゃねえ! べろんべろんの酔っ払いで叫ぶコステロ。自論を饒舌に語っています。

土地を国有化する話も出てたっけ。それが嫌ならイングランドに下れ、と。アメリカで成功しているコステロにとっては、稼ぐことも闘争のうちだったんじゃないかな。資金を自分の手でつくって、活動して賞賛されることで満足していたんじゃないかしら<あのアメリカ人>と呼ばれる事を求めて。
それをカダフィに取られて、自分の存在価値が薄れていくことに怒っている。と、ライアンに指摘されてました。

酔っ払い風体のコステロに対して、冷静に応対しているライアン。この場にいる誰よりも本部の動きが見えているし、男たちが女性差別で自分を排除している、と語ってます。
利口すぎて抹殺・・・!? 優秀すぎる人への恐れがあるのかも、直感的にはそう感じました。
IRAロクデナシ!キイイ! ライアンが語る、マカードルのレイプ話も、ロクデナシ度アップ・・・ ミソジニー・・・

酔っ払いべろんべろんのウッチーですが、べろんべろんでゲロゲロ吐いてもカッコよかった。恐るべしだ。べろべろの内部がすごく冷えた心のようです。そしてたぶん、心の中は冷静。
コステロのゲロゲロは、この行為を実行する自分や命令を出した本部への嫌悪感そのものだ。

ゲローンの音を聞きながら、中華料理に手を出そうとするルエリ。無理よね、ええ、食べられない~

この時のIRAトピックスが、刑務所内でハンストして死んだ人が10人いるという話です。政治犯としての待遇を求め、ハンストだんて。食べずに自ら死んでしなうなんて、何と言う意思の強さでしょうか。何も悩みがなくて、ゴメン。

コステロ、お手洗いから出るとしゃっきり冷静に。覚悟決めたらしい。外で待っていたトム・ビリーが部屋に入ってくる。

メキシコだ、というのを聞いてダメダメー!と叫ぶマイケル。子供が叫ぶみたいだった。すごいイヤイヤっぷりでした。

この場面、お腹に黒いものがじわーっと広がったよ。一応、いやだ、と反抗するし一度入った部屋から出ようとするマイケルだけれど、本気の本気だったらルエリが押さえてるドアなんか消防士なら打ちやぶれるはず。マイケルのライアンへの愛もそこまでか。

ボリュームマックスの音楽が流れるなか、抵抗するライアンの叫び声、トム・ビリーが殴ってダウン。ルエリとトム・ビリーの2人が彼女を部屋から運びだしていった。

ひとりアパート内で嗚咽するマイケル。泣いてるうちはまだ人間らしかったのにね。1幕ラストはライアンを死なせるIRAと自分自身に引き裂かれているかのような、浦井マイケル。と、押さえて抱きとめるルエリの姿でした。ルエリは、IRAにいたいと思うけど殺しちゃうのは嫌だ、と言いますが、嫌でも抜けられない二人です。

殺しちゃうIRAが嫌なら、どうするか? が2幕での二人の分かれ道になりました。1人は何もかも飲み込んで何も感じないように自分を守る殻を厚くし、1人は密告者となる。そうして、もう1人も、密告者に。

命令なんだ、と何度も繰り返される言葉と、さっきまで結婚しよう!と無邪気に言っていた相手が殺されることのギャップが激しすぎて、この殺人が本当にアイルランドのためなのかを考えたほうがいいよ、マイケル。

泣いてるけど、君は何も出来なかった1人になってしまったんだね。ほぼ無抵抗に行為を追認したマイケルは、同罪なのだった。もちろん、マイケル自身もそれは分かっているだろうけど、後半も同じ部屋で生活しているのを見ると、ゾゾーっとしてくるのだった。

納得した、とか乗り越えた、とかじゃない克服方法をもって、あの部屋で30年暮らしているように思える。何だろう、すべて受け入れちゃう怖さがあった。


ところどころ笑えるところがある分、仲間内で秘密裏に殺してしまうなど。余計に怖い。
普段は普通の、むしろ善良な市民である人が、ある組織に入って<命令>というだけで、個人的恨みもない相手を殺してしまう。はぁぁ

コステロもそういう男なんだな・・・(ウッチー!)とショボンとしかけていたが、コステロ大将はラストに大ホームランを打ったんですねー。さすがビッグ・フェラーだ。あまりにセツナイけれど。

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