2013/09/12

『二都物語』8/23-25マチネ-7 ルーシー、その人のことシドニーだと思ってる?

ついったーでも、どうだったのかなと話題になってまして、3回見ても毎度「???」と困惑した気持ちが残る場面について。

シドニーがチャールズと入れ替わって、薬で朦朧としているチャールズをバーサッドが無事にマネット一家のいるテルソン銀行屋敷まで連れてきます。

帽子をかぶり、ベンチでぐったりしているチャールズ(シドニーの格好)。父ドクター・マネットとロリー氏、プロスさんはバーサッドとのやり取りで、

・はじめはシドニーが酔いつぶれていると思ったが、それがチャールズ・ダーニーであると知って驚く。

という態度です。うんうん、そうです。

でも、誰もルーシーに向って<チャールズ・ダーニーが帰還した>とはっきりルーシーに告げるセリフや態度はなかった。
ルーシー以外の人物たちはばたばた早くフランスを発たねばならない、という気持ちになります。

そしてルーシーには手紙が渡される。↓ 

シドニー:(歌)「君の愛する人に僕の夢をゆだねよう、君の想いが天に届いて彼は自由になる。僕も自由に
ルーシー:(セリフ)「チャールズ

ゆっくり、この場面のやり取りを思い出すと、
・ルーシーはシドニーのやったことを、手紙で知った。
・ここで潰れている人は、シドニーではなく、夫チャールズなのか?と気づいた。

ですよね。

流れでいけば、ここのルーシーのセリフは「シドニー」と言ったほうが、分かりやすかったのではないかと思います。シドニーからの手紙を読んで、何が起こったのかに気づいた。その後「チャールズ」といいながら、ベンチに駆け寄る。

この後、小さなルーシーが「パパがかえってきた!」って言ったと思うので、小さなルーシーのセリフをもって、母娘の気持ちが同時に表現できたんじゃないかな?と。

さらに言えば、あれだけ苦悩していたのですから、ぜひともチャールズに駆け寄るとか、抱きしめるとか、シドニーの行為について悩む前に、チャールズがここにいる!という驚きを表してほしかったなぁ 直前のルーシーの苦しみが印象深いので、ちょっと淡白に思えます。

考え抜いた演出でしょうから、鵜山さんのしたかったことを考えてみますとー。
すみれさんのセリフまわしが全てにかかっている場面となります。自分ならどう言うかと想像してみたんですが、ほんと難しい!

<課題>
夫の帰還に気づいた瞬間、大事な友人(友人以上かもしれない)がした究極の行為について、畏れと感謝を抱いて、さぁ言ってみましょう!
「チャールズ」

難しいよ!

再演(熱望)時には、ここの場面は手直ししていただけたら、嬉しい。

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