2011/12/29

『TDV』-5 闇の海に沈もう、さぁ私と ・・・声明みたいだ!

■お前こそ許された奇跡だぁ


1幕のラスト、手を90度に曲げて思いっきり気取ったポーズでお城に帰っていった伯爵さま、2幕も冒頭からのご出場で、ありがとうございまっす。


美しくて若くて好奇心で破裂する運命!


各時代のコスチュームのかたがたに囲まれて、白いドレス(ネグリジェというのか)に赤いストールを掛けたサラが大人になることの不安と憧れを歌います。


文字に書くと、陳腐の彼方に飛ばされそうな歌詞ですが、客席の乙女の皆様の心は、もうサラと同じでして、アナタだけについて行くわ!と決めてます。ふんがー(あら、鼻息が・・・


自由になれる 自分をなくせば 夢は現実に 我らはひとつに
闇の海に沈もう さあ私と!
迷いも不安も捨て去って 時を忘れるのだこのまま



劇場に来ること自体、日常からの逃避でありますが、このセリフ・・・完璧。すべて忘れて、この瞬間に生きたい! 祐一郎と一緒ならこのままでいい!

階段の上でスタンバイする祐一郎の動きが見えますよね。あの動き見てるだけでも、涙出そうです。ちゃんと位置につき、左手はここ、右手はここ、って感じで。ヨシって感じに、ピタッとキメてから出てくるのが、好男子すぎなの。

マントのドレープも完璧ですよう。

1幕での誘惑に使ったような、強気に驚かすような雰囲気はもうありません。サラは自ら城にやってきたのですから。

変わって、優しく誘うって感じでしょうか。出だしの【ゆうになれる~】 ざじずぜぞがこんなに美しく歌えるのかしら? 素晴らしいなぁ 美声だよう。
声もさらに若々しくなって、ウキウキして弾んだ気持ちが満ち溢れてます。

われらはひとつに】とか、もうキラー・ワード連発で。サラを押しのけて階段を駆け上がりたい・・・・うう。
お前こそ許された奇跡だ!/ あたしの心に火をつけて~

またまた好男子な祐一郎、ここを歌い終わった後のくるっと回転に、ますます上達してる!

えーと、階段が踊り場を挟んで3段階に分かれたつくりになっていて、上段か中段に行くために、繫ぎのポールを支点にしてくるっと回るんですよー。それを、ね、さりげなく、くるっと。

でも、今日も素敵に回転したなって満足そうに中段の階段を降りてくる、そんな祐一郎が好きだー。うわーい。

激しい恋がしたかった どうなってもいい / 広がる闇 全てを飲み込む・・・

美しく歌う声とは別に、伯爵さまは手に入れちゃったらサラにはそんなに興味ないっぽい。サラを選らんだのは、若くてきれいな女の子だからであって、個人的に愛が芽生えたとかそんなんじゃないところが、伯爵さまの手広さというか、欲望に正直なところなのか。あたしにもチャンスあるかもと思わせる所以だ。手広いなら、あたしだってー!

対照的に、サラはおじさまに夢中になってるんだなぁ そういうことってあるよね・・・

世界はいま変わった 粉々になって。

↑、とはいえ、誘惑には手抜きなし。そこが素敵。【こなごなになって!】が何故にあれほど、気絶レベルのささやき声なのか。サービス旺盛なお方、祐一郎さま。

落ちてく闇 もう止められない~
もう決めたの どうなってもいい ついて行くわ ただ あなただけに!


おじさまの夢であろう。若い子からどうなってもいい、だなんて・・・ ふふふ。
ついに中段と下段の間で、伯爵さまとサラが接近。彼の胸に飛び込む娘、客席の乙女たちの夢よ! 抱きしめられたい~るるる~

いけない 理性持て! そう、慌てると楽しみを減らす
待ちわびた舞踏会で 明日こそこの娘に 永遠の命をやろう


欲望至上主義の方ですが、この時は後の楽しみを膨らませようとガマンなさいます。偉いわ、っていうか、このガマンさえも楽しいのよね。繰り返す日々のアクセントが、ガ・マ・ン♪
前より、いけない!って強引な表情ではなくなってました。軽やかに、いけない!って遊んでたよ。

ところで、この最後の音【やろう~(お~)】ですが、素晴らしい声で、例えるなら<声明を聞いてるときのようなうっとり感です。空気が振動してる感じというか。
オケの音と、コーラスの声と、祐一郎の声がまさに一体となって、とても神秘的で荘厳なのです。

幸い、この美しい声にフライング拍手をする傍若無人な方が客席にいらっしゃらなくて、しーんとただ聞き入ることができました。

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