2013/05/04

『スマイル・オブ・チャップリン』3/28昼 Act2 ちょっと切ないけと、あなた素敵。

■ACT2 『My Man Friday ~チャップリン秘書・高野寅市』



石丸幹二:高野虎市/回想ではチャップリン
浦井健治:矢末茂雄(記者)/回想では高野虎市



入れ子のような演出が楽しい。老・高野(石丸)が、昔のチャップリンの様子を記者に身振り手振りで聞かせて、高野の自伝を片手に高野を演じる冒頭。



そこから、当時のチャップリン(石丸)と高野(浦井)の場面へと展開します。



役割が入れ替わることで、全てメインの石丸=老・高野からみた物語であることが構造として見えるのね。面白い。



大声で英語まじりで広島弁の石丸さんが楽しそうにおじいさんを演じており、とても楽しいです。



日本を私的な旅行で訪れたときの話、犬養首相との面会の予定があったとか、すごい人が出迎えたとか。昔のスターの、スターらしい話ばかりでホヘーっとなってばかり。



そして、チャップリンの秘書として財政も管理していた虎市と、浪費がはげしいチャップリン妻との攻防戦。オレをとるか、辞めるか、で辞職した。



チャップリンへの尊敬と、その尊敬する男に仕えた自分への誇り、さらに女に負けたという悔しさから来る、チャップリンへの反感。
好きだけど、好きすぎて、会いにいけない頑固さ。わかるけど、もったいない。でもこれが、虎市さんなのですね。



お嬢さんから見た、虎市とチャップリンの関係は、父がいうほどのものではなくて、大勢いるスタッフの1人なだけだったかも、と冷静な視点が冒頭に差し込まれています。



ただ虎市さんの人生と、チャップリンの人生が重なって、作品や生活を彩ったことが、よくも悪くも虎市さんのほとんど全てとなっているのだなと。得がたいことですよね。喜びも苦しみも、スター級だったことでしょう。



楽しくて、でも切ない男の話。



石丸&浦井の舞台での雰囲気が、いいのだわー。彩乃さんもですが、何でしょう、非常に上品です。気取っているのではなくって、品があるのだ。すてき・・・。



休憩。





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