2012/01/12

『TDV』-9 ナポレオンの供の者~次から次

大阪公演も千秋楽。TDVカンパニーのみなさま、ありがとうございましたー。私の劇城はまだ上演中ー。


奥さん、ここらへんの歌詞でときめくのは、<ナポレオンの供の者 次から次>ですわよ。とりあえず、わたしはそう。ふんがー。


1730年 牧師の娘に会った 白い肌に 詩を書いた 赤いその血で


↑こんなの、日常茶飯事な出来事なんです。思い出のポイントは次のこちらよ。ぜったいそうよー(決め付けている)。
だって、すうっと歌ってたもの。祐一郎の動きがキュートだった。うきうきっとして歩いてました。あの子も可愛かったなとか思い出しているっぽい。


「詩」「血」ってはっきりと違うように言うの難しい言葉ですね。
血で詩を書いたのかぁ みみなし芳一みたいなの、つい想像しちゃうんですけど、きっと違う・・・


1813年は ナポレオンの供の者 次から次 求めてまた失う


伯爵さまは娘に対しては礼儀正しい。くちづけたり、詩を書いてみたり、カワイイお付き合いしてるようです。いきなり首筋にかぶりつかない。


でも、ナポレオンのお供さんたちには、欲望リミッターがないみたい。見つけたら襲ってる感じ。
つまりは、男子の血のほうがお好きなのね、そうなのね!うふ。


自分が女だからか、男のほうがうまいんだよって言われたほうが、襲ってもらえない言い訳できるもんね・・・


墓地でうごめく伯爵の化身のさらに向こう側に、伯爵さまがとても楽しそうに、そして少し切なげに、見目麗しいナポレオン軍の少年やら、がっちり軍人を襲ってるのとかを、ついうっかり思い描いてしまう・・・ すてき。
世界中のすべてを 理解しても この私がわからない 自分でさえ

図書室の蔵書も、理解なさっているらしい。知的で優雅♪ 理性vs.欲望という話になっているけれど、伯爵さまは両方とも極めておられる。ますます、すてき。

祐一郎の、自分でさえー! の畳み掛け方、絶妙で。毎回のように、ゴロンゴロンと転がされてます。
世界中の~♪あたりは、ちょっと弱めに入ってくるのです。そして、自分でさえーっといわれると、
大変だわ、あたしが助けて差し上げます!っと。 思うがままだ~♪ って私のことだし・・・

ついで、こんな絶望的な言葉が続く。

自由にもなれず 燃え尽きることもできず 天使でも悪魔でもない
なのに ひたすら愛する者たち引き裂く 虚しい存在

断言しよう・・・、かなりの数のお嬢様たち(観客ともいう)ここ、息止めて聞いてるはず。とりあえず私はそうです。

オケの音、祐一郎の声が、鋭角にきわまっていく感じが素晴らしすぎです。

虚しい存在・・・ 自分自身をもてあましている感じが表れてる言葉かも。虚しいといいつつ、その美しいたたずまいを保っているのは、なぜ?
虚しさを知りながら、生きている男。・・・ああ、すてき。

今回の祐一郎伯爵さま、じじくさい雰囲気を出さなかったため、「虚しい存在」という言葉が、さほど哀しみの海というほどには聞こえません。

むしろ、若者が憂いの言葉を述べているかのような、フレッシュさが(ほんとう)。青春の嘆き、に近い心境を聞いたような感じになりました。

すごい長い間この世界にとどまっているにもかかわらず、ハートはピュア★というか・・・

ふふ、それとここまで一気に言い切った後の祐一郎の表情が良いです。この先の聞かせどころへの余裕も残しつつ、客席からの熱視線を受け止めている、と・こ・ろ。

いやもう、何でも祐一郎さまの言うとおり、ですわー。ごろんごろん。

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