2009/03/03

DVD『ノーカントリー』

原題:NO COUNTRY FOR OLD MEN



監督/コーエン兄弟(ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン)
出演/トミー・リー・ジョーンズ ハビエル・バルテム ジョシュ・ブローリン



☆☆☆☆☆



カラカラの土地に、意味なんて探しても自分には納得できるものは到底見つけられそうもない気味の悪い殺し屋がいて、そして冷静なのに金を持って彼から逃亡する男、それからロマンのカケラがあったらしい保安官。



どうにもならない感じ、そのなかでどうにかしようと逃げる男を応援する気にもなれず、せめて保安官を応援したかったけど、無力な気分に覆われてしまう。



アメリカの田舎町って、恐ろしい穴が空いてて、それは理不尽さとか、暴力が圧倒する世界だとか言うことはできるんだけどー、その穴が自分には空かなきゃいいなぁと切実に思う。都会のほうが常識らしい常識も通じるような気がします。



アカデミー賞で助演男優賞を獲ったバルテムの気持ち悪さが際立ちまくり。
不死身ではないのに、死ななさそうなオーラが。だいたい、殺しの道具が空気銃(高圧の)だなんて初めて見たし、依頼された仕事以外にも殺しすぎで不気味です。
へんな髪型であっても、生身の人間くさいのにやってることが受け入れがたい人というのが、1番怖いものだ。話が通じないもの。



いわゆる物語のオチがつかなくても、追われる、追う、うさぎとオオカミのように、意味なんてない、そういうものだと言わんばかりの二人の状況が常に緊張感をもたらす。切れない緊迫感がたまらない映画でした。



意外と保安官(トミー・リー・ジョーンズ)の場面が、私の知ってる世界を語れる人なのでほっこりできる場面ですね。



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