2011/06/16

『レ・ミゼラブル』6/4-2 今ジャベとの闘い

市長殿のころのやや紳士的なものごしはどこへ・・・ 昔はオレもワルだった、とでも。筋肉で会話しようぜって感じの雰囲気です。とても「あなたの年で」などといわれるような年寄りには見えません。がおー。



■今ジャベ。
KENTAROさん、禅さんジャベにつづいて、今回の私には3人目のジャベ役となりました。こういうジャベールも、また魅力的ねと思わせるものでした。



感情的じゃない、というジャベール。KENTAROさんは、一生懸命にお勤め(お若いし、初役だしね)、禅ジャベは哀しさと怒りをばねに生きてる。
では、今ジャベが冷静なのか、と問われたら「一見、冷静そうに見えるけれど、むしろ感情が出せないひと」なのかもと思います。この一見冷静な男が、セーヌに身投げしてしまうほどの衝撃を受けているあたり、壊れた後との対比が際立つタイプのジャベでしょう。



さて、見るからに腕っ節で何でも問題解決してきた感の別所バルに対峙してた今ジャベは、脱獄犯の別所・(元)市長へは、一気に上から目線になった様子です。ダメ人間はお縄に掛かるがいい、と素直に思ってそうでした。
警棒が割り箸くらいの役にしか立ってなさそうなのに、果敢に別所バルに立ち向かって行ったのは偉かった。



そして、ジャベールをダウンさせるのも別所さんはワイルドでしたねー。今ジャベの横をずんずん歩いて先に急ぐところを、ジャベが追いすがる。祐一郎バルジャンなどは、いちおうエイ!っと手刀を振りおろして倒していたのですが、別所バルは捉まれそうになってた手を「おれに触んな!」と振り払っただけ、それだけなのにジャベ殿は床にダウンでした。ひーー。どんんだけのパワー??



今ジャベが仕事をしっかり果たそうとしている雰囲気なので、別所バルがいい人だけにおわらないのです。つまり、バルジャンはファンテとコゼットにする行為は正しいことだけど、基本的に脱獄囚の立場です。で、無慈悲なジャベールであっても、彼は官吏ですから、順法精神は正しいはずです。



どちらも正しくて、そして少し道からはずれ気味。どちらも、生き抜く困難さを抱えている、そういういろんな角度から舞台に登場する人たちをみる目線が後押しされる二人じゃないかと思いました。小市民的というのか・・・ とても身近な雰囲気なの。



今ジャベを置きざりにした別所バル、急いでコゼットを探しに飛び出していきました。やはり筋肉バルジャンですね。一途な感じがいいわー。





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