2013/10/26

『ジャンヌ』10/9-2 みなさまカッコよろしい

ジャンヌ:笹本玲奈 ウォリック:今井朋彦 デュノア:伊礼彼方
ジャルルの小姓、ラドヴニュー(修道士マルタン):大沢健 シャルル:浅野雅博
ジル・ド・レエ:馬場徹 デュノアの小姓・ド・クルーセル:石茂田史朗
ブーランジュ、ジョン・デスティヴェ(告発官):金子由之
ジョン・ド・ストガンバー:今村俊一 賭方、イギリス兵:酒向芳 
大司教:石田圭祐 ラ・イール、フロックコートの紳士:新井康弘 
ラ・トレムイユ(侍従長)、死刑執行人:小林勝也
ロベール、ジョン・ル・メートル:中嶋しゅう コーション:村井國夫

玲奈ちゃんは、素朴さや幼さが残る可愛らしいジャンヌ。
可愛く神の声に従ってフランスを導く乙女となっていきますが、現実的に兵士として戦況を見ているところに、神が守ってくださる、とまっすぐ信じる言葉が差し込まれるアンバランスなところが危ういのでした。

ジャンヌの内面で起こっている神との対話が外部とつながると、想像以上の権力に翻弄されていくが、個人は権力とかと戦うには弱きもの・・・

そんなジャンヌが聖人となったと知らされ登場する最後の場面(けっこう長い)、銅像が建つかとか復活してみせようか、と言うが誰も賛同してくれません。死んでこそのジャンヌ賞賛であったということなのかしらね、等思う。 

オジサン率の高いカンパニーに、紅一点の玲奈ちゃんの図が、これまたジャンヌ的ですね。にこにこ笑顔のカテコでも、何たる可愛さ!

馬場くん、ちっともしゃべってくれないのだった。
フフ・・・とニヒル(久しぶりに使ったね、ニヒリズム)に笑ってました。いやカッコいいけど、今度はもっと活躍する舞台でお会いしたい。

他の皆様も、カッコイイです。出演者の顔ぶれ(写真)を眺めていても、カッコイイとはあまり思わなかった(大変失礼ながら)のですが、いざ舞台に上がるとひょええーってくらいカッコいい。

カッコつけている役、で見ることはあったけど、今回カッコイイよと思ったのが、今井さんでした。いやーーー、王様役とか殿様役をよくされますが、実務担当の役も似合うのねー。ああ、あと私を悩殺する<長いマント>を身に着けていたことも大きいかもしれない。マントをそつなく着こなしていました。

大沢健がとぼけ味と一生懸命さがうまく出せていたので、見直しました。顔がいいお兄ちゃんだと思っていたが、キャリア積んで来てたようです。

伊礼彼方くん、もっとジャンヌに食い込むのかと思っていましたが、ジャンヌにとっては神と国王とフランスが平和になることであって、ジャンヌ個人の人間関係はあまり描かれなかった。不器用な軍人ぽさは良かった。

頭飛び出てたのは、村井さんですけどね・・・ 
白い衣装も似合う。前回書いた<音が響いて聞き取りにくい会場>のせいで、村井さんのセリフは7割くらいしか意味が取れなかったわ。
幽霊なコーションなんか、もう俺はそんなに働きたくねぇよ、と。お見事。

舞台見ると、生身の人間ってこんなにカッコよく歩いたりするんだなぁと惚れ惚れする。自分もこんな風に歩くだけで素敵な人になってみたいと思うのだけど、なかなか難しいのだった。優雅に歩く、ってすごいねー(今井朋彦さん、身のこなしが美でしたよ)

声がわんわん響かない会場であれば、もっと集中できたのに!(まだ言ってる)

音への文句は収まりませんが、他はとても良かったです。いい意味でギラギラしてるはずのジャンヌ・ダルクを取り巻く話が、一歩引いた目線で語られた感じ。ジャンヌだけが熱くて、周囲は違うものを見ているというズレが、面白い。

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