けっこう長くM!を見てきて、こんなにコンスタンツェがきちんと機能してた公演は初めてでした。
ヴォルフガングの好演が引き出した部分もあると思うが、何よりソニン、平野綾ちゃんたちの、表現が素晴らしかった。
以前のコンス役さんたち(見てない松たかこは除く)、カキワリの人形が動いてる程度にしか思えなかったのに。
なんでこの子と結婚したんだろうなぁといつも不思議でした。
それがどうでしょう~ ちゃらららーん♪
引き金になったのは、毒親のせいだとしても、今年のヴォルフとコンスの間には通じ合っている様子がひしひし感じられ、完璧な人間じゃないからこそ、お互いを必要とした。
相変わらず、芸術のため(のみ)に生きてるようにみえてしまうヴォルフガングに、「生活」「いい奥さん」などのプレッシャーがかかってくるコンスの孤独感、他の女がいるのでは、という焦り。ああ、分かりすぎるくらい、コンスタンツェの苦しみがつのる2幕の流れになりました。
コンスタンツェが、インスピレーション与えなくては、と歌うシーンは、彼女の生い立ちと現在の気持ちの寄る辺なさが溢れていて、じーんとしましたね。
外野の私には分かるわけですよ、ヴォルフが求めてるのはインスピレーションじゃないんだよー! ただ愛する人に愛してもらいたい男なだけだよー! あーあ。つらい。
舞台上で語られない部分も想像させられて、出会いから冒頭の墓を案内するまでの間の時間の幅も、これまでで1番しっくりしたな。老けるのがうまかった、ということじゃなくて、たぶん今回の2人がきちんとヴォルフ亡き後のコンスの人生について、自分のなかでストーリーがあったんじゃないかと。あんなに踊らなきゃ生きてる感じがしないの!と叫んだときのコンスはいなくて、中年に達し、当時とは違う生き方をしているんだろう、と想像できるのね。それは望みどおりじゃないかもしれないけど、そうやって生きているんだなと。
全体的に、ソニンコンスは、ヴォルフガングへの愛情が深く、哀しみのコンスタンツェ。
平野コンスは、もう少し若々しい恋心と、望みどおりに出来ない全てのこと・・・ほとんどは自分自身への怒り、がメインに感じてました。
どちらも持ち味というか個性が上手に役に反映されていて、ワタシ史上最高のコンスタンツェを見れて満足です。
どうして、これまでのコンスタンツェにはこの哀しい感じが出せなかったんだろうなぁ 不思議だ。
全てのキャストが自分の役割を100%表現すると、ここまで出来るものか・・・! M!のレベルがここに至ったことを喜びつつ、今後また関わるひとたちには、大きな作品になったものだ。世界一のM!をまた見せてもらいたいです。
全く同感。今までコンスタンツェって理解不能と思ってましたが、やっと解き明かしてくれた!という印象です。
返信削除平野綾さんとソニンさん、お二人の熱演に感謝です。
dantessさん、ありがとうございましたー。
削除どうして今までのコンスには出来なかったのか、というくらい
今回のお2人はとても良かったですよね。