2015/01/14

『モーツァルト!』 1、祐一郎について

12/12昼、12/13昼

どちらも芳雄Wで、男爵夫人とコンスは日替わり。
12/12昼 井上芳雄、ソニン、香寿たつき、(アマデ)日浦美菜子
12/13昼 井上芳雄、平野綾、春野寿美礼、(アマデ)内田未来

こんなに楽しそうな祐一郎コロレド大司教さまを初めてみた。始終にこにこ(怒るときは怒ってるんだけど)で、自慢の息子を晴れがましく頼もしく後ろから眺めてる風で、ここまでの軌跡が積み重なって、目頭があつくなるを通り越し、私のM!はこれで完成したな・・・と冥土の土産のような最高傑作だった。

誰からも影響を受けてなくて、思うままに何でもできる大司教。ヴォルフガングだけは思い通りにならない・・・のだけど、それも鷹揚に若者が、と余裕で眺めているのだった。
立場的にはヴォルフの行きたい道に立ちふさがる旧勢力のトップだが、才能を1番理解しているのも大司教さまでした。

マント・バッサーもこれ以上うまくならんだろという見事な捌き方で、いやー、あんなに裾が長かったかな?と思ったわ。マント・バッサーに意味があるとすれば、たっぷりの布地の赤いマント、権力の象徴よのう。とか、自分の力を知らしめてるんだろう、とかかしら。儀礼的な動きでもない、あのバッサー!こっけいに見えそうなのに、むしろカッコよくて痺れてしまうー。ぶるぶる。

御姉さんたちとお戯れ、私が見てた2公演とも激しくはなかった。いつものことって感じで、クッション触ってるみたいに抱いてたなー。ウラヤマシイっす。クッション姉さんになりたい。

皆さまお待ちかねの、御不浄シーン(馬車の旅) やってくれてましたね! この場面はともかく大司教を笑いものにしちゃえばいいんだって、ぶっ飛ばしてた。武岡さんとも阿吽の呼吸で。
今回は街道にいる下々の皆にお手手を振るサービスあり。可愛い子は見逃さす、チェックチェックの大司教さま。ここで見初められたら、お城に行けるのね!(作品ちがう→それ、ダンスオブヴァンパイア) でも、行けるかもねー。
街道はいつにもまして状態が悪いようで、激しくガッタンガッタン揺れております。飛び出しそうになって、アルコ伯爵の手を取ってドキドキよっ きゃっ

あっ、あ、あぁぁ~っ(ももいろの声だぁぁ!) アルコぉ~
前を押さえたり、後ろも押さえたり、馬車から降り、超内股でチョコチョコ喘ぎながら衝立まで。
アルコーって読んだときも、武岡アルコ伯爵は嬉しそうだよね。第一のしもべはアルコ伯爵だなぁ

そうそう、この場面の猊下は衣装とおそろいの布(刺繍入り)でつくったおリボンで髪をひとつにゆったり結わえてらっしゃいます。可愛い! 伯爵さまのリボンを売ってくれ!
衝立に到着しても、じわじわ顔を衝立から覗かせるサービス。たっぷり、たっぷりでございますよ。ありがたやー。

陛下の前では演奏させない、もこれまでで1番余裕ありの言い方じゃないかな。バイエルン王なんか目じゃないんだよ、と。すごいな、ザルツブルグの大司教。

モーツァルト!モーツァルト!のトコの祐一郎、これまでの印象は感情が読み取れない(むしろツマンナイのかな?ってくらい無表情にちかい)感じだったのですが、今回は何かが漲ってました。生命感があるというのか。冷たい大司教、という枠から出て、大司教には大司教の人生があって、それを見せたような気がしたな。

神よなぜ、これもちょっとこれまでの印象と変わりました。単純に品行悪く思い通りにならないヴォルフが、なぜ神の奇跡の音楽をつくるのか、わからない、なぜだ!というストレートな怒りかと思ってた。
のですが、今回は、確かに怒ってるんだけれど、それでも神の行うことは計り知れない、というような。つまり大司教である自分にも(彼は自分が最高の人間だと信じてると思う)計り知れない神の行いがあるのかもしれない、と感じているんじゃないかと。
それほどに、モーツァルトの生む音楽が、稀有な美しさ、完璧さをもっているのだということですね。

ヴォルフの才能を最も理解できているが、ヴォルフの自由になりたい気持ちなどを斟酌する気は1ミリもない、というのが最高な大司教さまでした。
ヴォルフを取り巻く人のひとり、実行力のある強大な壁として立ちはだかってくれました。心の壁は、パパですね。

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