2014/04/29

『ラブ・ネバー・ダイ』4/18-3 松井グスタフくんが、天使

この公演中で一番美しく歌ったのが、松井くんでした。
穢れたオトナたちのドラマのなかで、ひとりまだ汚されていない美しい少年が! 守ってあげなくちゃ!

日本の子役の歌レベルすごいね。透明感があり伸びやかな声。演技も素直で、こまっしゃくれた感もなく、たくさんの拍手を送りました。
素敵なグスタフ、ありがとう。これ、また聴きたいなぁ CD化しないかしら? 物語が残念でも、歌声は天使だものー。

舞台上では描かれないけれど、グスタフを誰が養育するのかが非常に気になりました。こんな可愛い子をどうするんだろう。
育てるのはラウルのほうがマシだと思うんだけど、どう? お金とかは生物学上のパパに出してもらってさ。

と、ここで私の脳内にはサントロペの素敵カップルが浮かぶのでした。『ラ・カージュ・オー・フォール』の素敵カップル! それがいいわね~(話ちがう・・)

ついで、歌姫。
濱田めぐみさん。四季時代では、『アイーダ』『ウィキッド』を観たと思います、なので低めに迫力を込めてうたう姿が印象的な方でした。『二都物語』でも同様。

ところどころ、こぶしが回ってましたけれど、ソプラノで歌い通してました。しかも、予想以上に美しい声だ。こういう風にも歌えるのですね。またまた魅力が広がったわ。

ファントム製作の世にも美しい歌を、一夜だけと歌うシーン。ファントムから贈られた首飾りをつけ、孔雀のような衣装を着て、ご登場。歌の内容と衣装がミスマッチな気がしますが(ファントムの趣味か) それとも、当時の流行かしら。

ラストに向ってどんどんと盛り上がっていく構成の曲だったのだけど、がつーんと歌い上げるところでは、ドレスで見えない下半身も、いまめぐみさんったら仁王立ちよね、と分かるような雄雄しい歌い上げっぷり。かっこええ。
こんなに力強いクリスなら、ファントムとは芸術でつながり、アル中・博打中の夫を捨て、自立できるわ! 

何を迷っているのかさっぱりわからぬ。どちらのモノにもならなくてよい。自立よ!

カテコで鹿賀さんへ気遣うような表情をしていたのが気になりました。本調子とはほど遠い感じでしたものね。心配も大きかったのかも。
役での雄雄しさとは別で、カテコでは非常に楚々としたお顔なのも、なんだか素敵な方でした。


万里生ラウル
若いなぁとは思うものの、なかなかの好演。万里生はいつも<好演>って感じだ。40代に向けて、一皮むけるような万里生も見たいと思う。

飲んだくれの哀れな男、金で解決のアメリカン世界に嫌悪しつつ(自分の出自が大して力を持たなくなっていることに対応できないから)金がないと困るのだった。めぐみさんと並ぶと、うっかりママと息子になりけかてたが、ギリギリのところで夫婦っぽさを醸していたとは思う。

鹿賀さんとの賭けの歌、良かったですね。クリスがなぜ自分を見捨てないのかと心情を吐露するところも、ファントムの歌を歌い賭けに負ける瞬間も、良かった。クリスに愛されてる自信が持てない苦しさを抱えてきた10年だったのかなぁと。

ええ、そうですよねー。このダメ男ラウルから、FOTO冒頭の、懐かしオペラ座グッズをたくさんお買い求めになったシャニュイ子爵様までの道のりが、謎よねー。謎すぎる! どうやって財産と名誉を復活なさったの?

クリスが死んで、何か心を入れ替えたのかなぁ まずは借金返してね、そいでアメリカで事業始めてパリに戻ったのかしら。

メグ・ジリー
笹本玲奈ちゃんも見たかった。グレてる玲奈ちゃんかー。見たいでしょ。

彩吹ジリー、悪いところはなし。単に好みかどうかの問題でしょうか。役どころとしては、体まで捧げてファントムの面倒を見るなんて、どうかしてるとしか思えないものの、きっとオペラ座時代のクリスの成功を見て、ファントム先生に見いだされたい願望がつのってしまったのねと解釈しました。

前半はふつうに可愛いメグだったのが、後半いきなりぶち切れてしまうのには、同情もしてしまう。あの鬼母がいたら、追い詰められちゃうよー。ママもファントムも全然褒めてくれなくて、結局クリス最高って話にされちゃうのだから。

メグまでこんな暗黒面を付与されて、ほんとにヒドイ続編だよう。

マダム・ジリー
さきに見ていた皆さまが、マダムの呪詛ソングで1幕終わり!と仰っていて、なんじゃそりゃと思っていました。ほんとに、不思議な構成でした。なんで?
クリスの迷いつつの歌とか、ラウルとの良き日々の追憶の歌とか、いくらでもありそうなのに・・・ マダムの呪いパワーかしら・・・謎でした。

香寿マダム、確かにお若いけれどキリリとしてしっかりお役目果たしていました。
マダムこそ、ファントムに感謝されたくて悶々としてるのかしらねー? ファントムを助けた背景も、分かりにくいや。ものすごい見返りを期待してたのか、もっと何かあるのか。

二人のファントム
今回は鹿賀さんしか見れませんでしたけど、このお二人でなかったら、海外での前評判もあって観にいくことはなかったかもしれません。
体調不良のなかファントム役で舞台に立ってくれた鹿賀さんには、感謝。

四季時代の哀切極まりない市村ファントムが、どう演じたのか気になります。ほんと、ぜひCDだけでも出してくださいませー。

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