2014/03/13

『MIWA』11/10マチネ 宮沢りえはどの角度からも完璧、足の裏もきっと完璧

まだ去年の話。『MIWA』でした。

もうWOWOWで放送されたし、観終わった直後ですら、まとめるも何もっていう感想だったんですがー。

NODA・MAPは映像でしか観たことがなかったです。当然のように、浦井くんの姿を観に行ったけれど、女神のようで少年な宮沢りえと、優しさと包容力の古田新太に惚れて帰ってきたというところでしょうか。

何せ、宮沢りえは私の同世代のモデル出身の超アイドルで、貴花田と婚約!と母に朝っぱらから叩き起こされた以降、やせていくわ、あらお子様が生まれたの? というゴシップイメージのみが残った人でした。映画も舞台も、何ひとつ観てなかった。

もしかして、演技してる宮沢りえは「僕らの七日間戦争」しかないかもという程度で。ええ、ヒドイね、わたし。

そうして、この日の宮沢りえは、女神でした。ほんとに。繊細そうで図太くて神々しかった。ぷりっとしたお尻が可愛いな、きれいな体のコントロールだな、と。
スポットライトを浴びるために生きてる人なんだなぁ

素敵でした。

全身で、前向きとか明るくとかそんな言葉じゃなくって、命を燃やして生きるだけ、という執念のような信念(信念?当たり前すぎて、言葉にすることもないくらいの事かもしれない)を、力強く見せてくれました。

こんな風に、顔を上げて、人を愛して、ただ愛して、自分を抱いて生きる人って!

強くて美しくて、なんて素敵なんだぁ!

そうして、その隣にいつもいる安藤牛乳=古田新太の包容力といったらさー。何だ。あれは何ですか? モテてモテて大変なんじゃない?
現在の美輪様風の、プリーツプリーツ虹色衣装に、金髪ヘアで、仁王立ち。カッコイイ・・・ あんなの着て、カッコいいってオカシイ。すごいなぁ

成志さんは、言うまでもなく、華麗なる演技です。大忙しな役でした。すごい本気に違いないのに、気合入れてる感じが全くしない。華麗です。
1962年生まれ、とプロフィール見てちょっとびっくりした。若い。若いわよ。52歳には見えません。

野田さん、生の野田秀樹! こういう感じだったんだ。
自分の可愛らしさに逃げないのね。かなり動いているのに、私に飛び込んでくるのは、むしろ言葉でした。これも不思議だった。

あと、思いのほか良かったのが、井上真央ちゃん。
おかあさん役でした。若いのにと思ってたら、しっかりお母ちゃんな雰囲気があって、もしかして舞台のほうがいいところがたくさん出る人かも。
童顔なのが、テレビだと今の年齢が一番キツイかもですね。
40代くらいに近づくと、映像もいい雰囲気が出てきそう。

青木さやかさん、真面目さが見えて好感。こういう人いそうだなと思いながら観てました。

瑛太、カッコよくて情けないとこもある役を公演。想像よりも、間合いのいい人だった。立ち姿がきれい。

でもって、想像以上に間合いの悪い人が、小出恵介。あれれ? セリフがつるつる滑っていくのは、通訳という役柄のせいですか?(だったらいいけど)
MIWAの世界の外にいる人に見えました。演技だとしたら、スゴイです。今のところ、私には<間の悪い演技>に見えてます。

そしてそして、浦井くん。
さて。浦井健治の役どころは、華麗なる人々の側にいるボーイさん。MIWA世界のなかでは、一歩後ろにいる人でした。
「かわいかー!」と言う、その浦井くんがかわいかー!

でも、家族に受け入れてもらえず(特に母)死を選んでしまう役でもあったことに、ぬうう、野田秀樹・・・! そうよ、そうよ! と同意同意と頷きまくり。

心優しい青年として登場し、母の言葉に自分の存在が否定されて、哀しみのなか死ぬ。けっこういきなり登場して、いきなり死んだ。
だけど、ちゃんといきなり、しっかりと存在して、しっかりと客席に哀しみを伝えてました。

聞きたくない言葉を母親から聞いたときの、表情よかったですよー。泣きそうな、でもちょっと笑顔で。そんな母親だけど、安藤牛乳みたいに殺すんじゃなくて、自分を殺してしまうのだ。否定されたから、自分を否定するしかなかったの・・・

他のパートでは、後方支援に近いこともあって、少々物足りなくも思いましたが、これから前に出る役もやれるように!期待。

衣装的には、いろいろなタイツとか、ひらひら王子ブラウス(ソファで足組んで座ったお姿の麗しさよ、これを3D人形にして売ってほしいと思った。キレイー、きれいかー健治!)

何者であっても、誰から生まれようとも、自分の命の限り生き尽くす執念よ。雄雄しく美しく舞台に立つ、MIWA=宮沢りえの姿が、印象的な作品でした。

生きなくちゃね、理由はいらない。生きてるうちは、生きる。

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