2011/05/28

『レ・ミゼラブル』4/17-2 間合いのよさ

禅さんジャベ×祐一郎バルのこの日(4/17ソワレ)、連日の観劇だと、どうしても同じ役の人たちを比べてしまいます。前日はKENTAROさんジャベでした。禅さんのジャベ役への理解と表現の深さに感服しまくりです。



二人が看守と囚人の立場を思い出しながらの『対決』場面、掛け合いの呼吸の見事さに、何も言えねぇ・・・。震える。



セリフとしても、もちろん納得のタイミングで二人の声が重なり合ってきます。そして美声対決としては、キレイに歌わない二人なのに、ものすごくキレイに重唱してますーっ!



あー、これ瓶に詰めて手元に置きたいわぁぁ



それぞれが主になって自分の気持ちを訴え合うわけですが、声を小さくすりゃいいって話じゃありませんよね、当然です。
声を小さくしつつ、しかし聞き取れるように。主になる相手の言葉が浮かんでくるように、しかし自分のセリフも奥底で響いてくるように。



書いてるだけで、出来るのか?という気持ちになってきますねぇ でも出来ちゃうんですねー。ブラボーブラボー!!



禅さんって、相手役を引き立てるのがうまいなぁ・・・ 



だからって、ご自身が地味だとかはなく。や、だけど派手でもないのですが、押し付けがましくない存在感というのか。声質も相手を押し込めないし、負けないしで、いいバランスです。


初めて舞台で拝見したのは、『ジキル&ハイド』のアターソン役で、この時も濃すぎるジキル博士役の鹿賀さんの友人として、とてもいい相手役をなさってました。見るまで、禅さんの存在に気づいてなかったんですが、帰宅してから、石川禅さん!と胸に刻んだのだったわ。


■裁判所にて
あまりの出来事に、目の前の出来事をうまく理解できてない様子。びっくり、すらしてない無表情のような顔でした。
悠々と去っていった市長殿の背中を見送ってから、やっとこ何が告白されたのかを理解し、今まで信じてきた市長のポストに脱獄囚が就いていたこと、自分を欺いてきたことへの怒り、屈辱感、憎しみなどなど、噴出したことでしょう。


■祐一郎との対決

遠慮なく、どかーんとぶつかり合っているのが伝わります。安心して♪祐一郎は禅さんと対決しまくってました。楽しそうです。いつもは、椅子の壊し方は、えい、やー!って感じだけど、珍しく野獣っぽかったのが笑えました。



勢いあまって、禅ジャベの背中の上30センチくらいを空中チョップしたら、倒れました・・・バルジャン、もしかして気功使ったのか。禅ジャベ、かなりのダメージを受けて床に倒れたよ。


地位ある人と思っていた男が、実はうじ虫囚人と知り、かなり見下し目線で病院にご登場。こういう人間的な反応も、禅ジャベは何か哀しみと共にあるのです。
バルジャンに対して言う数々の言葉、結局のところ自分への許せなさへと繋がっていることを、セリフ外のところで私に訴えてきます。ジャベールの愛されない者としての空虚感なのかもしれない。


同じセリフを言うのに、それぞれの役者さんを通すと、出てくるものが違ってくるというのが、ホントに面白いわー。



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