2004/03/16

円山応挙展

円山応挙展 江戸東京博物館(¥1200)

21日迄ということで会場は混雑。昨年、香川の金刀比羅宮表書院にある応挙の障壁画が素晴らしかったので、間近で見たいと出かけました。

「写生」「写実」にこだわった作品はとてもリアル。人間も良く表現されていたけど、動物が特に生き生きとしていて、ある鶏の衝立などは、あまりにリアルなので画から飛び出してこないように金網が張ってあったという(金網用のくぎ跡が残っている)。応挙は狗を好んで描いたそうですが、行方不明になっているもののなかには猫とか鏡餅に噛り付くネズミとかまでいました。

傑作なのは、敷物などになってしまった皮しか見ていない虎や豹も、想像しつつやはりリアルに見える画になっていること。毛並みなんて、さぞ手触り良さそうに見えました。触ってみたいほど。
「大瀑布図」は4メートル近い長さがあり、水が落ち岩にぶつかっている画のある下の部分1メートルほどは、床に寝かせて鑑賞したそうです。すると水墨画なのに画からは轟音が聞こえて水しぶきが跳ねているのが、目の前で見られます。滝壷の真下にいるような感じに!

日本画は近代化されてから「写実」へ、とばかり思っていたのは改めました。空気とか気、までも描こうとする写実が応挙でした。今回の調査で発見された画も多かったようです。海外に流れたものもたくさんありそう。出来れば金刀比羅のように相応しい環境のなかで、鑑賞したいものですが。

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