2013/06/11

『レ・ミゼラブル』5/10昼-3 コ、コゼット?

レミゼを見始めた頃なんか、コゼットのことは刺身のツマ(それ以下か・・・ひどいわたし)くらいに思っていたのでした。あ、いたのか程度で。失礼でしたね、裏声高音でビブラート効かす方も多くて、人形みたいねと思ってました。



新演出のコゼット、もしこれが初見だったら、こういう<外に出て行きたい女の子>と受け取ったと思うのですが、あまりに急に積極的な肉食系女子に変わったように見え、ついていけません。



・バルジャン、お迎えで着せたドレスは喪服じゃないのねっていうか。ドレスでもなくて、外套ってことかな。色はきれい。
・成長したコゼットの衣装、これもマリウスと色が揃っていて、きれい。きれいだけど、あ、パパに保護されてる聖少女っぽさが少し薄れた。



・何じゃそれ(ぷぷぷ)と笑っていたはずの、マリウスと手と手を合わせる演出が消えました
チューしたよ! 日本人のつもりで見てたら・・・フランス人だった!と気づかされました。フランス人、フランス人だもの。



・そのうえ、コゼットったら屋敷の裏にマリウス連れ込んだーーーっ わぁぁl!!
(積極的すぎて、顎あんぐり)



・悲鳴を聞いた!と駆けつけたパパに対して。
愛してるけど、私は真実が知りたいの!という切実な旧版のイメージとは違い、反抗期の嬢ちゃん、親につかっかるの図、に見えます。
庭のベンチに座って、足をブーラブラさせてたんですけど・・・・お行儀悪い。



旧も、反抗期といえば反抗期だったはずですが、そこには父親への愛情が確実に感じられました。お互いに思い合っているけれど、子離れする時期が近づいているんだなって、(バルはまだ気づけてないけど)観客には判るような。



人形みたいなコゼットはつまらないかもしれないけど、バルジャンが命をかけて守る、と誓った娘がこんなアバズレ風なのはかなしかったのー。まぁアバズレは言いすぎだろうけど、修道院育ちで世間ズレしてる嬢ちゃん、を維持してほしい。
コゼットは、おとなしそうに見えてけっこうしたたかね、というくらいの、これまでので十分と思うな。もうちょっと、天然に可愛い感じ、を残してくれたらと思います。



■マリウス~♪ 原田マリ、初めてでした。


硬めでしょうかね。落ち着いてます。エポニーヌの気持ちもなんとなく気づいてるかも・・・なんて思える落ち着き。


ふざけて~♪のとこ、兄ちゃんの雰囲気でした。天然系マリウスのほうが割りと好きなもので、原田くんはアンジョのほうが好きかも。
天然系の金字塔は禅さんマリウスで、ついで泉見マリ。藤岡マリも、私には天然系。みんなかわいい
声が、こんな声でしたっけ?という低めに抑えてたのですが、他の方はどうなんでしょう。天然系マリだと、もっと<カワイイ>声だったかと思うのですが。


・窓に石。割れなくて良かったね・・・(私だったら、石投げてくる学生なんて、行儀悪くて会いたくない
・塀を上りかけて、下りて。のドタバタ演出は無くなりました。なるほど。


・エポニーヌとの重唱は、やっぱりいいよね~ 切ない。切ない。


硬めマリウスは、恋に落ちたあたりはイマイチでしたが、戦い終わり、一人残ってからが良かったです。あ、もう大人になったねと思えます。家の財産を使って、貧しい人のために活動して行けそうな、現実対応できそうな雰囲気です。これもまた良し。


■昆エポニーヌ。
大幅な変更点は気づきませんでした。歌のなかにエポニーヌの感情が込められている分、変更しにくいのかも。


想像したように、ちゃんとエポニーヌしてました。自分色を出しにくい役なのかもしれないですしね。昆ちゃん、高音がきれいな方と認識しているのだけど、マリウス同様、歌声が低め設定です。どうだろうか、これ。


なぜミュージカルを観にいくのか、の一つに<素敵な歌声に浸かりたい>というのがあるので、あまりに声の美しさよりリアルさを求めるのは、好みではない。時と場合によるのはもちろんですが、オペラで言えば名アリアですよ・・・美声で聞きたいなぁ


■上原アンジョルラス。
カフェ(地下になりました)に遅れてくるマリウスからの、一連の流れ。


アンジョが一学生っぽかったよと聞いていたものの、上原アンジョだったせいか、十分に目立っていました。上原アンジョ,いかにもなキラキララ系じゃないのに、存在感と艶があるというのかしら。学生でありながら、カリスマリーダーっぽいのですよね。カッコいい。華があるわー。あたしもついて行きたい!と思わせる存在感です。すてき。


賛否あります、あの大八車。私はガーンと衝撃を受けつつ、<無駄死に感>がより強烈で、悪くないと思います。逆さ吊りも衝撃的ですが、回さなくてもいいじゃん・・・(可哀想!拍手とか辛い→演技に対して拍手したけど、でもちょっと変よね)と思っていたので、流れとしては新演出のほうが納得できます。


無駄死に感が強まった上に、女性たちの悲しみの歌が入ります、ますます虚しさが増幅されていいんじゃないかしら。


理想のために死んだと賞賛する気はないのだけど(生きて社会を変えるほうがいい、マリウスにはしぶとく長生きしてほしいもの)、戦いが無意味だったようにばかり見えるのが、何とかならないのかとも、同時に思います。その辺は、観客の気持ちに任せるということでしょうか。


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