2013/06/10

『レ・ミゼラブル』5/10昼-2 鎌田ジャベ、また会いたい

■緊急登板2、鎌田ジャベ。



福井バルに会えなかったことは残念ですが、鎌田ジャベが見られて良かったともいえます。とっても良かった。(札幌出身、私と同郷の方ということで、今後も応援しましょ
プロフィール見ると身長175センチとありますが、華奢ながら弱々しい感じはなかったです。



確かに、翌日見た川口ジャベのほうが、役への理解を表現に出来ています。ただ、この短い期間でここまで出来るのであれば、次は正式にシジャベとして凱旋してほしいものです。



カラダの線がほっそりしてるのとか、感情をあまりださない感じでしたので、今ジャベ(ちょっとマイルド)風味。



自殺、のところで突如崩壊するタイプ。混乱のあまり、冷静な顔して狂気に飲み込まれていく感じというか。哀しみを強く感じるジャベでした。



自分への怒りに苦しむ禅ジャベのように激しいジャベも良いし、理想の自分の幻想に生きる岡ジャベも良い、そして、崩壊するまで普通の顔している鎌田ジャベも、良い。
とりあえず、歌声に関して言えば、映画のラッセルジャベより鎌田さんのほうが、説得力ありました(よっぽど、私、ラッセルジャベに納得できてないのだな・・・)



■ヌ、ヌンチャク?→足枷でした。



対決のところで、チャランジャランと金属の触れる音がしていて、ジャベが両手で鎖を広げていたので、まさかの、ヌンチャク!と初見の日にびっくり。翌日ちゃんと見たら、足枷でした・・・



力持ちって知ってたのに、なぜ1人でくるか!といつも以上に不思議なジャベである。いきなり足枷をジャラジャラ言わせるのは無理があるよ。警棒だよ、警棒。
鎌田ジャベが細身なので、余計に勝ち目なしの雰囲気が強い。吉原バルも、まったく眼中になしのツレナイ態度。必死に、俺とお前は同じなのだーと叫んでますが、やはりジャベの耳には届いてなさそうです。
バルジャン、とにかくコゼットを助けに行かねば、という思いでいっぱいのよう。



この回については、対決の声の掛け合いは、迫力少なめ。こういうとこは、もうちょっとギア変更して、気合入れた声のほうが良かったですね。



そして、椅子も壊さずに素手でジャベールをぶん殴って行きました。気絶させた後の、申し訳ない表情をするバルジャン、後半のジャベールを逃す場面へとつながりそうです。


そういえば、仮釈放のとき、荷物や服は地面に投げられてませんでした。囚人の待遇改善されたのか。


■ワンデイモア。
実は、アンジョルラスが台車に乗ってるよりも悲しい変更点でした。


隊列の動きが複雑になったのなんか、どうでもいいの。
バルジャンが、コゼットにあげた人形と、司教さまにいただいた燭台を大事にトランクに詰める場面が!なくなってしまいました。うわぁん。
ここまで、どういう気持ちで過ごしてきたのかが端的に判るシーンだったと思うのですが、なぜ無くなったのでしょう。マリウスとの新しい世界を思いながら、側にいる父への愛情もあるコゼットのはすが、わりとマリウス>>父ちゃん。って感じの動きにみえました。イヤイヤ風。


ここで燭台ださないでいたら、最期の場面でともした蝋燭が盗んだ燭台なのが、伝わりきらないのでは? 
心のよりどころなんだと思ってましたが、見える形での信仰心がなくなったのが残念です。信仰であって、目標であって、あれはただの物じゃないはずだが。うーん。


ジャベールの腰に巻いてた赤い布も無くなりました。シュっと巻いて学生たちの列に混じるの好きだったなぁ 地味~に混じっていったな。


やるのはナイフか!
バルジャンに復讐しろとやけっぱちなジャベ殿。意外と死にたくないって思ってそうに見えました。
何も判ってないな。
これね! 吉原バルのいいところ、この言い方がとっても良かった。


またご登場の祐一郎バルなど、つい高貴な雰囲気がかもし出される関係上、このセリフが<判っているひとから、判ってないひとへ>という風に見えるのです。そういうつもりで言ってないのかも、と思いつつ、祐一郎バルがつい立派に見えるから。


だけど、前述のとおり吉原バルは叩き上げの方ですので、ものすごく謙虚に聞こえるんですねー。面白いな。
自分も判ってる訳じゃないけど、君は俺のことを判ってないし、君を憎んでもいない、ただ静かに生きたいだけなんだ・・・というように見えます。すごく困っているように見えるの。殺したいなどと思ってないんだ、と。


この<俺も君も普通の人>なんだっていう吉原バルに、ジャベが衝撃受けてます。
職業的人格と、自分自身を一致させようと努力してきたジャベールにしたら、それは単に職務だし、職務は理解してるから、君そのものを憎んでないんだというバルの理解が、思いもしなかったことだったのですねー。


ジャベールの髪型が美しいポニーテールじゃないせいかのかもですが、セーヌ川の上で取り乱す警部殿の乱心のさまが、旧版よりもぐっと迫ってきたように思えました。この点でいえば、<芝居がかった>旧版のジャベよりも、鎌田ジャベに関しては好印象です。


でもって、ワイヤで吊るされてたのかな? 虚空に飲み込まれていったジャベールが可哀想でなりませんね・・・ 愛を知っていたら! さようなら、ジャベール。


うーん。新演出版が始まったばかりなので、この先の変更も多々あると思いますが、バルジャンとジャベールが表と裏、のような雰囲気が薄かったです。
どのあたりに原因があるのかが、うまく判らないのですけれど、ひとつはジャベールの屈折感が足りなかったからかな(→だとしたら、公演重ねると変わるかも)


良くも悪くも、ジャベール殿も<普通の人>らしさが強かったかもしれません。
希望としては、<普通の人>であるけれど、ちょっと異質な感じ、が出ると更に良し、と。



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