2016/12/20

『貴婦人の訪問』11/26.27 5 もう戻れない欲望の炎

ACT2
SCENE1 イルの雑貨店
雑貨屋さん、ちょっと綺麗になってます。うん、みんなお買い物してくれるからいい気分で戸口のカーテン替えるし、商品も増えるよね。
全て敵、怖い顔でお店に入り旅行鞄にトイレットペーパー放り込んでたら、マチルデがやってくる。

マチルデが「私が守る!」って訴えても全然ダメ。自分の命が何より大事で、そんな時に妻子はどうでもいい存在みたいに扱われてしまった。
ガガガーン! 客席の奥様たち、みんなガガーン!だったと思うな。私もだ。夫婦って・・・夫婦の絆・・・!
それだけ、アルフにとって夫婦として過ごした年月はいつわりの日々であったということなのでしょう。さいあくだよ。クズ男っぷりが最高潮だな。

SCENE2 ギュレン駅
♪元気で
クズと言えば、町のみんなも集団リンチというか、笑顔で列車に乗るのを阻止だ。とてもこわい。

行けばいいさー♪ まだ人間らしさを保とうと頑張る校長が、アルフに声をかけるけれど、すっかり疑心暗鬼な彼は、校長のやさしい言葉も耳に入らない。かなしいです。かなしい。なすすべがない。大きな流れができてしまっているのだった。

SCENE3 ホテルのスイート・ルーム/クレアの部屋
♪世界は私のもの

市長と校長がクレアのところへやってきて、「提案」する。寄付じゃなく、町の工場に投資、買い取ってくれ、と。
校長はいい解決方法じゃないかなって思ってるし、市長は町が発展すれば原資はどっちでもいいやって感じだ。

(お金は)余っているのよ・・・ でも、受け入れることはできないの~
あの工場はわたしのものだから。

ひいい、カッコいいが。カッコいいが、復讐のために町中を買い占めていたとは。念入りだ。
全てを手に入れた女の復讐ソング! この世界はわたしのもの~♪ 手を突き上げる! かっこいいっす! 

心なんてあるだけ邪魔~♪みたいな歌詞もありますよね。哀しいわ。傷つきすぎたのですね。
町中娼婦にしてやる、狙いどうりよ~♪ 
一人死ねば儲かる仕組みよ! ギャーーー
思い通りにすっかり金の魔力に取りつかれたギュレン、悲しい結末に向かってまっしぐら。

過去を思い出すシーン、とてもつらいです。足を引きずりながら、嘲笑され、暴力的な扱いを受け。
そしてダンディ港さんに助けられる。あ、ちがった謎の大富豪に助けられる(港さんは中の人)
照明が落ちても足を引きずって袖にはけていくクレア涼風さん、毎度すてきだなぁと尊敬でした。華奢なボディから発散する気力がすごい。

そうそう、26日のクレアはMっぽくて(けっこう湿っぽくて)、27日はドSでしたっけ。その日の体調? 何かおりてくるのかしらね?

SCENE4 イルの雑貨店~店の前
♪悪が勝つだろう

マスコミが来てるよ、死んだら寄付されるなんて“思い込み”喋るなよ?って脅しに来る人々。みんな衣装がゴージャスキラキラ成金スタイル。

ギュレンの人たちの、自分には直接関係ないからこそ好き勝手アルフを批判して、結果=寄付をもらおうという欲望がはっきり。

そこへ酔っ払いのへろへろ校長がやってきて、強い酒・・・へろへろー

ちょっとね、プロフェッサーぽくて可愛いんですが、役としては追い詰められてしまってて気の毒です。いずれ、自分もその輪に加わるだろう、金の力には抗えない、と認めつつも、それは「今」はまだ違う、と言い聞かせてるよう。

イル雑貨店もますます繁盛してるしね・・・うん・・・

欲望の火が付いたら、理性を焼き尽くし、良心などもろい(そんな感じの歌詞)
見るがいい~地獄の門があくぞ!
可愛いレーナちゃんに笑顔を向けるも、ママににらまれつつ。

♪モラルの殿堂
リポーター港さん。ワーイ! ボディガードの時は無表情ベースだから、きびきび笑顔が嬉しい。

ここのキーは中央にいるキレキレの牧師、中山さんでしょう。衣装もきらめいて、目がいっちゃってます。信じる者は救われる!とか叫ぶのは、どう見ても自分に後ろめたさがあるから言い聞かせてるの。意外と変わり身早かったよね。

♪悪が勝つだろう(リプライズ)
大騒ぎしてる最後に、何だか悟ったみたいな顔した生気の抜けたような静寂のアルフレッドがやってくる。子供みたいに顔がぐしゃぐしゃ、この町の将来を思って苦悩の涙のクラウス校長に、穏やかに声をかけるの。

クズ野郎!の声がかかる、つばも飛ぶ。あああああ。

俺が悪かったんだ。と話すと、クラウスは抵抗してくれ!と懇願。あきらめちゃだけだ、と。アルフレッドは町へはどうでもいい(見下してるんだと思うな)けど、クレアへの贖罪は、もはや死しかないって受け入れているようでした。自分も町も救うことはできない。

それを感じたクラウス、きっとアルフが抵抗してくれてれば自分も抵抗続けられたかもしれないけど、本人が受け入れようとしているのでは、とても堪えきれぬ、と打ちのめされてしまう。ほんとにヨレヨレになって悲しい歌だった。

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