2014/07/23

タカラヅカ体験 観劇編2 『The Lost Glory -美しき幻影-』 全部親切に教えてくれる・・・

オットー・ゴールドスタイン/ 轟 悠
イヴァーノ・リッチ  /柚希 礼音
ディアナ・キャンベル / 夢咲 ねね
ウォルター・ライマン / 十輝 いりす
ロナルド・マーティン / 紅 ゆずる
カーティス・ダンフォード / 真風 涼帆 ほか

お弁当を購入し、劇場ロビーで早々にプログラムを購入(ぽっきり\1.000、幕間では売りに来てくれてた)し、さっそく席に座り、じっくりと眺める。

す、素晴らしい! なんなの、この親切すぎるプログラムは。観る前から観たかのような錯覚さえ覚えます。どの場面に誰が登場し、何が起こるかがくっきりはっきり記載されてるのねー。これでお家に帰っても、どんな話だったかすぐに思い出せるわ。

あらすじ読んでて、どこかで聞いた話だねと思う。『オテロ』(オペラのほうだ)あ、『オセロ』かー!と隣の友に言うと、いまごろ?という顔だった。さっき公式HP観たら、オセローを下敷きにと書いてありました・・・。そうか、知ってたのか。

オセロは、悪役(柚希さん)の悪役に徹したいやらしさ、冒頭はヒーローだった男(轟悠さん)が嫉妬でわが身を蝕んでいく脆さ、その狭間で、オットへの愛を貫く悲劇のヒロイン(夢咲ねねさん)の3人の、三者三様の人間ドラマです。そこへディアナの元彼がからんで、ラストに爆発。

というわけで、筋立ては簡単です。それを1時間少々の物語にぐいぐいと押し込んでしまう手際のよさ。飽きない程度で終るのか。2時間ドラマのような説明的なセリフも親切だなぁと思えばいいのだな。

観終わって考えてみたが、サブタイトルの「美しき幻影」はちょっと意味が分かりませんね。たぶん、イメージ映像と同じだな。イメージサブタイトルです。

そうそう、舞台は20年代のNYとなっていて、グレート・ギャツビーな衣装やセット。音楽、冒頭の曲は素敵なジャズテイストで、おお!と期待に胸が躍ったのですが、それ以外の曲は歌謡曲風で、これまた日本語が無理なく心に染みわたるメロディ・・・とことん親切である。

鑑賞すべきは、それよりもステージ上のカッコいい概念の皆さんのカッコいいお姿。または、カッコいい概念を演じる男役さんを、うっとりの眼差しで見上げる超かわいい娘役さん。

轟悠さま・・・ついにおめもじいたしました! 華奢なお方なのね・・・ 

フラッパーという割には上品なディアナ(夢咲ねねさん)と結婚しましたー、と新ビル建築発表会で言っちゃう、妻ラブなのだった。くうう。
お、大人の男! ぎゃーーーっ(カッコよすぎて死にそうになった) 移民の子だった過去を振り返る胸キュンシーンもあるわ。妻への疑念に毒されて苦しむ姿も! 苦しませてごめんなさい、とか謝る私。

苦悩する男を見てるのも苦しくて嬉しいという。
女子のヨワイところてんこ盛りですのねぇ 今回は大人の男という役柄か、オラオラと攻めてはこなかったけれど、それでも、落ち着いた佇まいの後に見せる、愛した弱みってあたりが、私の胸をキュンキュンさせてくれました。

夢のお人が歩いてる! 実在してるけど、実在してないみたいだよう。ふふふ。

柚希さん。華やかな顔立ちの方で、明るいイメージでした。
この役は、逆恨みして上司を周到な策略で破滅させようとする人なので、笑っても「フッ」って具合です。

ことあるごとにズボンのポケットに手を入れ、タバコをやたらカッコよく吸って、椅子に座るときは完璧な角度で足を組みます。

ここまでカッコつけて歩いたりタバコすう人、久々に観たわ! 素敵! スタア!

最後、策略のために騙したディアナの元恋人に3-4発撃たれてしまいます。死にそうになりながら、上司は実は自分に全てを譲るつもりだったと聞かされ、ガーンってなるのですけど、誰も救急車呼ばないし(当時ないのかな?)医者も呼ばないし、手当てしないのが気になります。撃たれてからが長いのも、なかなか死なないのも、劇的ですねー。エポニーヌ並です。

基本は、愛。全てが愛ゆえの苦しみでした。あ、歌詞にも愛が何度も登場して、愛もてんこ盛りです。

逆恨みからいろいろ画策してるわけですが、最後が案外あっけなかったなぁ ただ、勝ち誇って私が勝った!と言いよる姿が切なかった。あのあたり、もうちょっと必死感があると、その後の実は・・・の展開がもっと効いてきそうです。ま、まだ二日目だったから仕方ない。

夢咲ねねさん。
フォロワさんに、ねねさんのファンの方がいて、いかに可愛らしいかをツイッターで目にしていたので、初見なのに妙に親近感がありました。この方がねねちゃんかぁーと。

でも、すごいね、娘役さんの身体能力ってすごいよね。
ダンスシーンで、柚希さんや轟悠さんと踊ってるんですけど、男役のひとの前を移動するとき、顔を隠さないように腰を落としてるのね? 側にいるときも、基本<見上げる>角度をキープするから、やっぱりかなり腰を落としてる。
女性同士だから、ホールドされてるような動きしてても、これ自分で自分を保持してるのね・・・

フォロワさんの言うとおり、とっても可愛かったです。お歌もダンスも素敵でしたー。

目を引いたのが、十輝いりすさん。長身で、とても舞台映えしてました。
次のショウ仕立てのときは、歌とダンスも見れるわと期待してたものの、柚希さんと真風さん以外は、判別がいまいち難しく。たぶん、この大きな人がいりすさんよね?という感じで見てみる。

ピンクの派手な衣装で踊ってたのが、そうじゃないかと思ったが、いまいち自信なし。

みなスーツ姿で、シックな男役さんたち。かわりに娘役さんたち、特に夢咲さんの衣装がどれもこれも素敵でした。ウェディングの真珠たっぷりのとか、サロンで撮影してる衣装も、ダンスシーンでのセクシードレスも。目の保養。

人数が多いので、群舞シーンはとても贅沢というかたっぷり感がありました。

男/女とわけるため、男役の方たちの声のピッチを低くさせるため、娘役のピッチが高いのだなぁ お互い歌うの大変そうです。お一方、音程が不安定になってた方以外は、案外女声のみでも大丈夫なものですねー。すごいなぁ

確かに、私がミュージカルが好きなのはたっぷり歌唱を聞きたいというのがあって、その点ではタカラヅカはちょっと物足りないのだけど、その他がたっぷりというか受け止めきれないくらいのたっぷりなので、歌メインと思わなければ、十分満足です。
歌によっては、おお、きっと聞き惚れるということもあるのでしょうしね。私がヅカ的な耳の使い方をマスターすれば、もっと楽しめるポイントがあるだろうし。

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