2014/11/19

『アルジャーノンに花束を』9/21昼、9/22昼 2 ミュージカルかぁ

きっと、音楽担当の斉藤恒芳さんと相性悪いんだね・・・
久々に、唐突に音楽(というか歌が!)という気持ちが拭えませんでした。全部がヘンだったわけじゃないんだけど、全体の統一感がなくて、音楽で何を表現したいのか掴みきってないのかしらと。
場面場面ではそれなりに雰囲気がある曲なのに、時代感や音楽の質感がバラけていた印象です。音楽についても私は素人ですけど、むしろミュージカルじゃないほうがスッキリしそうとさえ思った。
宝塚の音楽もけっこう作ってるから、別に初めてというわけないみたいなのに。

もし、この統一感のなさは狙い済ましたものだったら、ゴメン。んー、いやいや、狙ったものだったとしても、私は好きじゃない。
三木たかし先生を見習って!(劇団四季との製作、好きです。しみいります)

私の愛するミュージカルは、言葉で語られないキャラクターの本心を表したり、思いの激しさ、喜び具合、それらを言葉よりも、時に演技を超えて表現する大事なもの。
その点で、斉藤さんの音楽はどうにもしっくりこなくて、残念でした。

さて、各ステージでチャーリィが今まで気づかなかった周囲と自分との関係を発見していきます。
素敵なアリス先生への恋心、パン屋のみんなとの付き合い。すっごく賢いと思っていた病院のドクターたちがそうでもないと感じたとき。
病院の外、自由に生きる女性と抱き合ったり、でも上手く出来なくて。

母ローズ、妹ノーマとの関係に登場する。性の問題は、観ていて痛くて辛かった。母の心配も、妹のくやしさもわかる、だけどチャーリィはそれが分からない。
理解できない人にどうやって対処すれば良かったんだろうね。ううっ
女の子に触れちゃだめなんだという戒めは、最後までチャーリィを傷つけてました。

チャーリィ自身も、自分がどう思われてたかと気づいた上で、傷つきながらも乗り越えていこうとしていたのは成長の証だった。賢くなったそのままでいられたら、乗り越えた後のチャーリィに会えたのに。

周囲の人たちも、チャーリィが変化したことで今までの態度がアンフェアだったと恥じたり、気づかれたくないと願ったり。自分より出来ない人がいると安心したりするよね・・・チャーリィの可愛い笑顔を見ながら、そんな黒い自分を思ってしまう。恥ずかしい。
各場面のチャーリィは、私にいろんな面を思い起こさせました。

役柄に対する深さでいくと、浦井くんがあまりにダントツで、あ、安寿さんもいい感じです。このお2人のほかとの、技量の差が激しすぎたのも、なんだかもったいない。
そう! そうだ! この作品、もったいない点が多すぎるんだ!

もしかしたら、初演の浦井くんはもっと違う感じ(賞も受けたけれど、一生懸命だったに違いない)で、他キャストとの差も見えなかったかもしれない。でも、再演においてはそりゃ深い溝がってくらいの開きになってしまったんだなー。

いろいろな点で、今しか見れなかった作品だろうと思います。年齢的にもチャーリィとほぼ同じで、浦井チャーリィ最高のできばえ、ではなかったかと。

単に浦井ファンとしても、天使かよ!の笑顔の最初のチャーリィから、世の中の隅々まで見えるようになっちゃったチャーリィも楽しめて、お得でした。

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