@帝国劇場
■悪だくみコンビ
コメディ要素もあったガーディナーとルナールのやり取りから、可愛い要素は取り去られ、大司教としての立場、スペインの立場を守る代表者になっています。素晴らしきお二人なので、もっと歌ってほしいと思いつつ、この立場でソロは入れられないしね、残念。
「ベスを消せ」ではお口が臭い演出が消えました。好きでしたが、まぁベスには関係ないものね。
その代わり、本気の本気で暗殺しようとしてるのがダイレクトでした。あと、ルナールのほうが国力的にも立場が上なんだなっていうのも、ひしひしと。
一生懸命カトリックを守ろうとするのに、フェリペに邪魔される禅ガーディナーの立場の違いが面白くなりました。
圭吾さん、すごく衣装が重そう・・・(近くでみれて実感)あれでターンしてるのか。お戯れ中のフェリペと球を投げ合いしてて、落とすんじゃないかとハラハラでした。私なら歌いながらとか無理だと思われ。
ガーディナーがワイン飲むかの場面での圭吾さんの、いちおうフォロー、でも失敗したあとの変わり身が早くて最高です。
死にそうになっていく禅さん、ほんとに死にそうで息が詰まりました。「人を呪わば穴二つ・・・」と唱えてしまう。
ワイングラス、Wフェリペ王子は前回よりたくらみに気づいたなっていう雰囲気を感じました。
古川くんは、全体的にひょうひょうとした感じなのではっきりはしないけど、ひょうひょうとしてるのは表面上だけなのね、というのは分かっているので、おそらくこの王子なら気づいただろうと思われます。
平方王子は、顔つきがピンと来たぞになったので間違いないな。分かっててお勧めしてますのお顔でした。楽しい。そのあと、ベスにクールに対応されて若干悲し気になるのも可愛い王子でした。ここも、初演のときは女性として、という視線があったように思うけれど、今回はそこまでのものは感じませんでした。この人がエリザベス、という関心で見ている感じでしょうか。
■アン・ブーリン
いいわーという感想しかないくらい良かったです。はー、素敵だった。衣装が(当時の肖像画のまま)素敵なのはもちろん、声、仕草、ぜんぶ素敵・・・
セットの大きな丸い環をバックに静かに立つアン・ブーリン。絵になりすぎて、絵だった。
ねぇ。アン・ブーリンのコスプレしたいんですけど。
ベスの心の声であり、母の亡霊のようでもあり、そのどちらでもあるような立ち位置であったと思います。
「陛下だけに愛を捧げた」ベスが母に向ける態度や言葉を、より向き合おうとしていく様子が描かれたため、同じ立場に置かれた母子二人が重なっていくようで、それが憎んだ母を理解していく過程となっているのですね。
初演のときも、「愛」を語っていたはずなのに受けるベスの表現が少し変わるだけでこんなに違うものかー(セリフでは同じなのに不思議)
これまで、人づてに聞いてきたであろう母の評判を排して、自分と母の関係を見つめ直す過程が、大人になる道のひとつになった
「愛」と一言でいっても、ヘンリー8世への愛もあったし、そして何より幼いベスへの愛ですよね。何もしてやれないけど、見守っているのあたりで、胸が熱くなります。ぐすん。
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