2004/12/24

ハウル再び

また観て来ました。「ハウルの動く城」。うっかり日本語字幕付き(聴覚障害のある人向けだと思います)だったのですが、まぁそんなに気にならず。今回は、より原作を離れてこの作品を独立したものとして観るのが目標です。
友人kちゃんが、「ハウルはいい」と仰っておりましたので、そこらへんも確認したくて。

��::::::ネタバレあり::::::::

〇原作読みだと、ソフィーの物語とハウルの物語がそれぞれあり、という感触だったけど、改めて映画を観ると《ハウルの純情物語》だった。ハウル少年の満たされないココロを、いつか未来で救ってくれる少女を待ちつづけてる話。

〇だからハウルがソフィーを好きだというのは、運命だと思ってるからなんだねと合点承知。しかしソフィーはいつ「愛してる」なんて思うように? 空飛んだから? 緑のドロドロを出してるのをみてか? 私の不満はこのあたりにあるな。筋として《ソフィーがハウルを救う》ことが予定されているので、ソフィーがハウルを好きなるのも当然という流れがすでにあるとしか・・・

自分に自信がなくて地味な服を着た女の子が、恋をして素敵な女性になったんですか? でもあれは恋じゃなくて、母心でしょう。マルクルには母心でいいと思うけど、あーぁ、「愛してる」と言うならオトナの女になって欲しかったよ!

ハウルの髪色を(たぶん)もともとの色に無意識に戻し、弱さに向き合わせ、ココロを取り戻させました。で?ソフィーはどうなったの? ドレスが黄色になっても騙されないぞ。キスしても、全然「色」を感じない・・・ ハウルのコンパスみたいな黒パンツも全然セクシーじゃないしさぁ。オトナになれない少年と、少女ですらなさそうなお地味な子でもいいの。二人がそれぞれオトナになってくれさえすれば。それがソフィー側には足りないのが不満。

〇擬似家族の問題。ソフィーはオトナの女になる前に《産まない性=老人》《母親役&老人介護者》に。で、奥底には傷ついた少年を癒す記憶の中の少女であることが求められている。でもでも! 《オトナの女》はいないんですよ、家族に組み込まれた女の人は「女」じゃなくていいってことではないですか? 

「女」といえば欲深い女・荒地の魔女か、妹のレティーだけど、レティーも油断すると誰かと結婚してママにされちゃいそう。危ない危ない。「耳をすませば」のラストでもビックリ仰天(「雫!結婚してくれ」)しましたが、本当に宮崎監督は男女モノがダメダメすね。

〇Kちゃん、ハウルは確かにカッコいいかもしれない。荒地の魔女に手をだそうとか思ったりしたらしいけど、ソフィーを待ってたんならピュア(・・・)でよかろう。いきなり「魔王」って言葉はいかがなものかと思いますが。何で王なんだ。ダークサイドに魅入られそうなんですか? 魔法使いなのにあんまり魔法を使わないのね・・・ 変身しすぎて戻れなくなるのと、魔力が強いってのはちょっと別じゃないでしょうか。謎めいてるのぅ

〇ハウルが花咲く湿地をプレゼントする場面は良いなぁ。ソフィーは放っといて。ハウルの表情ったら、と胸がきゅうっとなるわ。あとはハウル初登場場面と、半ケツのハウルね。これら輝いているハウルと魔王になりかけのハウルとの差がどうやって生まれるのか分かりませんでしたが。

〇久石譲の音楽は哀しみも含んだような曲で、良かった。だからこそ本当に惜しい ソフィーが母親すぎるのが(こればかりで申し訳ないけど。

えー、何でしょうか。愛憎入り混じった感想。ジブリ作品のなかではホームランにはならなかったです。「愛する喜び」っていうコピーはズレてるだろう。監督の脳内では喜びあふれる場面もあったのかもしれませんが、映画にはあまり描ききれてなかったよ・・・

4 件のコメント:

  1. ネタバレ--------
    相変わらずの素敵なコメントですね!大多数頷けました。..そもそも私こちらでのハウルに関する書き込みを読んでから見に行ったので、頷きながら映画観ましたよ。どうも、見る前から煽り文句についてゆけない(手書き故にか)気持ちがしたのです。もっと観ている我々に見方を委ねてくれたっていいのに..と。 /ソフィーの恋は、ハウルと共に空中散歩をして始まり、大人の女への昇華はおばあちゃんになったことで一気に母性へ変化してしまったのでしょう。むしろ、90歳からの逆行によって大人の女を意識してゆくのでは...という暗示を受けました。ハウルもソフィーも幼くて、これから。なのかな。ところでkちゃんて私、、ではないよね? /や、でもやっぱりハウル登場シーン辺りはどきどきしました、年のせい?

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  2. セルゲイ号2004/12/25 12:58

    おっと「Kちゃん」=原さまでしたよ。うふ。引用御免。
    ハウル登場場面は《すっとうしろに立つ》に私ったらヨワイ、と自己分析してみました。やはり背後を取られると不利でしょう(笑)ついでに耳の近くでいい声でささやくのもヨワイっす。それが同時にあったので、大変喜ばしいシーンになったのかと。
    そうね・・・ハウルとソフィーはこれからなのか。私の見方は心が狭いのかもしれないわねぇ いつも《これから、これから》なのでつい辛口になったに違いない。

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  3. あ、私だったのかー、いや、手放しにハウルいいよ。って言ってしまうのはたぶん、外見の話だけにちがいありません(しかも金髪の時限定。)黒髪になってからは凡そ別人。いや、映画的にはセルゲイ殿(?)と同じ感想を持ちがちです。

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  4. セルゲイ号2004/12/25 21:57

    しかも金髪限定なんだね! あとね(たぶん)風呂上りだったかなぁ 前髪揃っちゃったのは嫌じゃない? 私はイヤンと思ったよ。

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