2016/02/08

『TDV』名古屋編 2 ラメラメ衣装も見納め。お似合いです!

■クロロック伯爵祐一郎さま
喉はさすがにお疲れ気味かと思ったけれど、気持ちが上回っておられます。
どの場面でも楽しもう、楽しませよう、という気持ちが伝わってくるの。あと共演者のみなさんとのアイコンタクトとか見てるだけで、じーんとしたり。

良知フレートとの1幕ラストシーン。「この手で~♪」のとこで、ウン!と祐一郎は大きく頷き、同時に良知くんもウン!と頷き。印象的でした。

お芝居本筋とは関係ない動きだと思われるのですが、
ここまで来たな!よくやったな!すごいぞ!が詰まった祐一郎のウン!で、良知くんもそれに応じてのウン!だったと思ったのでした。

真相はわかりませんが、やったな!という頷きに見えたー。
また芝居として見たとしても、良知フレートはすでに誘惑されて堕ちたね・・・ということで。違和感ないんですけどねー。完堕ちですー。

元基フレートはどうかなと見たところ、彼は自らスポンジバンザーイ!と気持ちよく仁王立ちしていたので、まさに誘惑するまでもないくらい呆気なく素直に手のなかに堕ちてそうです。天然め。良知くんのようなウンウンはなかったです。後方から元基くんを応援する祐一郎という感じかな。

それにしても思い出すそのお姿は麗々しく、あっと、メイクは薄め。(アデランス社)自慢のウィッグはつやつや、足は長いし、こんなに素晴らしく美しいお姿の方がこの世にいるのであろうか、眼福である。神に感謝だ。

ライトのせいだとは思うんだけど、祐一郎の眼が不思議な色に光って見えたこともあったな。ヴァンパイアだからだろう・・・か。

1階席は通路近くだったので、伯爵さまの香りも(なるべく)こっそりフガーっと吸い込んだわ。ドーランの香り。うふふー。え、嗅がない方なんていませんよね・・・?

オケピの横から客席通路へ行く部分が帝劇より長いので、みなさん急ぎ足気味だったりしてた気がする。クコールが階段手前にプレゼントの赤いブーツを置くけど、取りに行くの遠くなってた。
あと暗闇のなか階段を降りる祐一郎、サラをいざなう影伯爵さまたちも転びませんようにと必死にお祈りしてました。もちろん無事でした。

抑えがたい欲望
見るごとに違う感情が呼び起こされている気がします。

名古屋の3日間で最も強く感じていたのは、この物語で誰よりも「生きて」いるのは伯爵さま・・・! です。
生者でも死者でもないといいますが、「生きる」とは何かを求めながらのたうち回っている・・・その姿が人間の生、のようで。

恋に一生懸命なアルフレートはまだ無自覚なの。しかもアルフは二人でヴァンパイアだから、ずっと一緒だしね(飽きそうだ・・・)

長い時間をかけても、自分が分からないという叫びがぐっときたな。
生きているっていうのは、一瞬先はわからない部分があるからこそ、この一瞬ごとに賭けていくところがあると思うのだけど、その「先」がない存在でありながら、生きていくのはさぞ重荷だろう、と。何度も同じことを繰り返すけれど、やむにやまれぬ欲望は残るのだ。
それを背負いつつも、書物を読み客と会話し、その答えを見つけたい伯爵さま。頑張り屋であるなぁ 

・・・なのに、結局血を吸うんだねっていう、根源的な欲求も否定しないのが素晴らしいよ。お腹がすいたら食べるでしょ、っていうね。
コントロールできない欲求、それが欲望だぞと。舞台上くらいいいじゃないか、欲望100%肯定しても!

君はマネーの使い方がおかしいんじゃない?、とか全てつぎ込みすぎとか、ちょっと世間様を気にしなくもない(嘘、ほとんど気にしないや)・・・ので、欲望ヒャッハー!って言ってもらえると、いまこの座席に座ってる私もヒャッハー!と肯定してもらったかのような錯覚が。
ですよね、ですよね、欲望は意味を求めても深い闇が広がるだけ・・・いまここにある欲望を認めて楽しもうじゃないかー。

ノーベル賞だ!とか同僚に自慢!とか言ってる教授、まだまだじゃよ。伯爵さまは自分で自分を認めてる! ありのーままのー♪

だけどどうしても、ここでは熱いものがこみ上げて涙ぐんでしまう。なんでしょうね。
墓場に薄いピンスポで立つ祐一郎の横顔とか、きれいな手とかに見とれてますが、そのあまりの孤独な様子(演出の力よね、照明キレイ)が胸に迫るのだろうか。

舞踏会だぁ! の「だぁ!」 
まんぞくかぁ!の「かぁ!」
は、思いっきりぶっ飛ばしてました。ついさきほど、美しすぎる影伯爵との共演で私を泣かせた方はどこへ・・・ 本当に同じ方だろうか。

帝劇初日にはヒーーー!と叫びそうになったパープルキラキララメ衣装も、すっかり目になじみ、こんな衣装を品位をもって着こなせる方は、そうそういない、フフフ、くらいに馴染んだよー。

サラとのダンスも軽やか。もっと踊ってほしい・・・

父性を強く感じる年もあれば、おじさまの欲望に見えるときもあり。今年は、先生っぽさもあるような。導き手というのでしょうか。

教授が担う役のはずが、実際の教授と伯爵を見比べると、伯爵のほうが若い二人に変化をもたらして新しい世界へ羽ばたかせたことに。
祐一郎の雰囲気が、若手さんたちの成長を大きく見守っている感じなんだもの。

劇場の仕様のため一部変更あり。ラスト、電飾コウモリパネルを背負って出てくる伯爵さまですが、名古屋では伯爵さまの前に黒い幕を置き、登場シーンで左右に幕を引く形へ。

カテコで笑顔で踊ってる祐一郎がキレイだったよー。楽しそうでした。

再演希望。再演するでしょ、と。
山口祐一郎の伯爵さま像を作り上げてきて、ここまで到達かと感慨深いものがありました。お笑いの部分をどんどん担うようになって、しかもシリアスなシーンはさらに深みを増して。

シングルだと負担も大きくなって来るかなと心配もありますので、Wキャストで違うタイプの伯爵さまをお呼びになっても良いかもしれない。
橋本さとしさんとか・・・ロックな伯爵!

息子カムバックで吉野圭吾さん伯爵も見たいところ。

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