2015/08/01

『エリザベート』7/23昼 2 トートダンサーさんたちは、閣下のハートを表現する雰囲気をつくる隊

■トートダンサーの扱われ方、見え方が変わった
こう・・・祐一郎閣下とトートダンサーの関係は、親分と子分っていうか、部下っていうか。ダンサーさんたちも、肉体感があったと思うの。

芳雄閣下とダンサーたちは違いました。
閣下自体も、ありありとした実存感が薄い(存在感はあるのですが、<ここに・ある>感じが曖昧な瞬間がけっこうある)のだが、ダンサーさんたちは、部下というより閣下の心情を表したり不穏な状況を表す<雰囲気つくる隊に変更されたらしい。

重そうなゴンドラでゴトゴト登場しないで、黒羽根つけて天井からスルリと降りてくるところから、うっすら感があるわね。重量感の差がある。

最初のうちはセットが変わっても基本路線はあまり変わらないものねーと思って見ていたけど、シシィとトートが出会う場面でのフォーメーションみて、あれ?

旧版だと、人さらいのおじさんが少女にドキンしちゃったので、良く聞けこの子は連れていかないから!と手下に目配せしてそうな(実際にそんな動きはないが、わたしの印象ではこんなふう)、ダンサーさんたちはシシィを連れて行ってしまいそうだった。

新版では、シシィにはあまり触れずに周辺をふらふらと。そして閣下は、超・胸キュンしてる! 駆け出しトート閣下だから、生きる希望にあふれた可愛い子に会って、キュンキュンしたのだな・・・
祐一郎は余裕ありげに、命を返そう(重々しげ)だったが、芳雄は い、いのちは、かえすよ!と平仮名な反応だった。かわいい。
いちおう書いておくと、別に芳雄トートが挙動不審だったわけではないのです、落ち着いていたのに、どうしてもキュンキュンしてるようにしか見えない演技をしています。

あとは、ゾフィー様の死の表現が決定的でしょうか。
カラン・・・って杖が落下する音の演出、好きでした。あれは復活してほしい。トートダンサーたちがすっと支えて迎えるのも良かったのになぁ
ゾフィー様はひとりで死んでいきました。
雰囲気つくる隊だから、実行部隊的なことはしないということなのかしらね。寂しいが、理屈は通ります。

■女性っぽくルドルフを誘う動き、してましたか?
一度きりの観劇ゆえ、覚えきれず。
ルドルフが自殺へと進むシーンで、旧トートダンサーは半身ドレスの衣装でルドルフを追い詰めに来ますが、今回はその記憶がないのよね。

シシィと一緒で、死を望んだのはルドルフ自身で、トートが具体的に死へ追い込んだ感が少なくなっています。希望を見つけた、という表情で閣下にキスした京本ルドでした。

■「死にたいのか!
芳雄トートがルドルフに、少し驚いたような・叫ぶような言い方だったことに、驚いた。毎回違うのかもしれないが。
私の中では、死にたくなるように閣下が仕向けたものだというアタマがあるので、おお、そういうことになったのですか!という驚きです。

そうかそうかー、死にたい・生きたい、は閣下の仕事ではなく本人の生き方であるということなのですね。人間たちには主体性がより与えられ、閣下からは生殺与奪の権はなくなったのか。

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