初見時、悪役のモルガンとメレアガンの楽曲とダンス、いずれもすごい吸引力で惹きつけられました。モルガンなんか、ショーストップ。
これ、アーサーの話だよね、って思ったくらい。
しかし2回目、やっぱりアーサーは主役なんだと分かりました。複数回見てなかったら誤解したままだったな。
何物でもない青年から、数々の試練をくぐり抜け、妻も姉も自分の元を去りながら、王になったアーサーの物語です。
この作品におけるアーサーは、楽曲の配分と受け身でいることが多い構成のせいで、第一印象ではかなり地味にされてしまっています。ぐぬぬ。
地味に感じられたとしても、優しい声、低音で威厳のある声などは聴かせてもらったし、楽曲ではない部分(つまり浦井くんの演技力、殺陣のキレ、マント!など)でアーサーの物語を十分に表現していたのだった。
アーサーは、周囲からの働きかけを受ける側、受け止める側になっています。モルガンとメレアガンに恨まれて、グィネヴィアに愛されて裏切られる。ランスロットら騎士たちと民から期待される。
浦井くん、この受け身の役でありながら孤独すぎる王をカワイソウって思われないギリな感じで表現していたと思います。孤独すぎだったけど、運命を受け入れ、前に進む大きさがった。
あと、ガウェイン役の小林亮太さんが、王らしさを良く補完する役目をしていた。
ソロパートがなく、アーサーともセリフでやり取りするのだけど、冒頭のエクスカリバーに挑戦する戦いを仕切るところから、ガウェインは自分は臣下であって剣に挑戦する立場にない、公正な戦いをさせる役、高貴なお家柄。なのが伝わってきます。
緑のマントが冷静そうなイメージだし、マーリンと同じ色なのも、国を俯瞰できる立場にいる役なんだと思う。
アーサーに剣の稽古をつける場面では、身分に見合う人物になるには努力が必要だ(意訳)といったセリフがあり、アーサー自身ではなく「エクスカリバー」へ忠誠を誓っていると表明、素直よね。我々は王の軍隊です、という時も、きちんと指示をしなさいと促しているし。
次いで、メレアガンから叙任されるとき。メレアガンに押されて下手に飛ばされているアーサーが立ちあるまで見守って、ついに剣に覚醒したアーサーを見てる顔。この人物が、本当に選ばれた者であることを感覚で知ったという感じ。
助けに行きたいケイを押さえてるのも、選ばれし者ならばこんなことでは倒れないだろう、と半分期待、半分疑い、のような気持ちだっんじゃないかな。で、見事に勝った後に倒れたアーサーに飛んでいくのが忠臣でした。素敵。
ちょっと飛んで、結婚式くらいのガウェイン。
グィネヴィアのことあんまり気に入ってないの(笑)興味もなさそうで、ガウェインにとっては王が国をしっかり治めることだけが大事で、恋しちゃった★のグィネヴィアには距離を置いてる。もしかしたらマーリンの言葉をどこかで聞いて王に相応しくないと考えてたのかも。
ラストのガウェインはグィネヴィアを糾弾する言葉。
どのくらい許されないんだろうなぁと思いながら観てたのだけど、何でも首を刎ねそうな時代なのかと思うので、アーサーの決断は非常に慈悲深い。甘いのかもしれないが、ガウェインはきっとこの王ならそうするのだろうと納得したはず。
2幕だっけ、アーサーにガウェインとランスロットが甲冑を着せる場面がありました。
男が男に着付けしてるとこ、妙にセクシーで鼻息が荒くなります。3人の立場も明確になってるし、お気に入り場面。
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