2023/02/03

『キングアーサー』 浦井くんの真骨頂だった 1

@新国立劇場 中劇場

1/24夜
(後方、壁際。浦井&伊礼 トークショーあり)
メレアガン:伊礼彼方、ランスロット:平間壮一、グィネヴィア:宮澤佐江

1/25昼(センター寄り中段 見やすい)
メレアガン:加藤和樹 、ランスロット:平間壮一、グィネヴィア:小南満佑子

2/1夜(キングシート。演者の生声が聞こえる。キングしか見てなかった)
メレアガン:伊礼彼方、ランスロット:平間壮一、グィネヴィア:宮澤佐江

2/2昼
(どセン、̘前寄り。全体を良く見渡せ作品鑑賞的には最良)
メレアガン:伊礼彼方、ランスロット:太田基裕、グィネヴィア:宮澤佐江

東京公演の初日が遅れたものの、その後は2/3時点で体調不良者が出ても何とかカバーしながら継続上演中。

★開幕前のインタビューで、演者さんたちが口々にショウアップされた曲でストーリーを繋ぐエピソードが薄いためどう伝えていくか苦心している的な話をしていたので、1曲歌い上げて拍手拍手~次~拍手拍手~なのかなと想像してた。

韓国上演の際に演出のオ・ルピナさんがストーリーの助けになる部分を足していったということもあるのか、杞憂したような曲の羅列モノではなくって、何者でもないただのアーサー青年がアーサー王となる物語に見事に仕上がってました

★新国立劇場でシェイクスピアシリーズに関わってきた浦井くんが、ついにブリテンの王に!しかもミュージカルで凱旋~!
このシリーズで若き王から疲れた顔で王座に座るとこまで演じてきたことが、全部生きてて素晴らしかったです。

冒頭の普通の男の子、兄のケイのため剣を探しに行く素直で憂いのない笑顔。浦井健治41歳? いや20歳だな。

でも、メレアガンがエクスカリバーが抜けない場面から、上手で笑顔が消え剣に導かれていくように歩み寄る横顔が選ばれし者らしく。
作品では「運命」と呼ばれてましたが、自分の意志の外の大いなる力が剣を抜かせます。
抜いた後にハッと気づくとひれ伏す人々。まだ重圧も責任も知らず、分からないけど、嬉しいのかも、いいことかも、そんな誇らしげな青年です。

ここまでで50回くらいは「可愛い(ギャー――)」と心が叫んでいる。我ながら今や帝劇主演俳優の浦井くんに失礼ではないかと思うのだけど、止められない。だって!可愛い!
あと顔が誰よりも小さいのではないか、と群衆に紛れている浦井くんのお姿を見てる。

★ガウェインと剣の稽古するアーサー。未熟ながら筋が良さそうに見える。
エクスカリバーの意志に従う、持つものがふさわしい人物ならば・・・と言外に含ませるガウェイン。まだ、アーサー自身を認めておらず、あくまでもエクスカリバーに従うがガウェイン。浦井アーサーはそのことを分かっていて、その状況を素直に認めている。器が大きいわ。

でも、この後の覚醒場面と合わせると、半分は本当に剣の腕を褒めてるのかなって思います。でも自覚できてない(王としての自信がないしガウェインが手加減してると思っているし)から、エクスカリバーを使いこなせてないんじゃないかと思っている。

浦井くんは可愛いから、カッコイイに若干シフト。鎖帷子に茶系の衣装、この衣装かなり好きでした。シンプルだけど浦井くんの透明感が「素敵!(キャーー)」

★ここから、メレアガンが大暴れしてると民から知らされ、救いに赴く。
王らしく指示を出すことがまだ出来ないアーサーなのでした。マーリン先生に王らしく指示だすんだよって言われてる。

さきほどの衣装に、真っ赤なマントが付く。若い王らしく良い衣装。

狼と鹿、いつも王のこと見てる。スンって顔してる狼と首をフルフルしてる鹿さん、アーサーの守り神みたい。狼はエクスカリバーを背負って運びます。マーリンが去るときに託されたのも、もしかして狼と鹿にどうする?って聞いて、王が望む限り残ると言ったのかなー等と妄想が広がる。武闘派の2頭、かっこいいです。

★メレアガンと勝負。上手、下手と二回ぶん投げられて負傷してるアーサー。下手に来た時に、覚醒する場面。音楽が盛り上げて、剣を見事にぶんぶん回し立ち回り。マント!マントがキレイに翻ってます。衣装の捌き方が最高。

メレアガンの喉元へ剣を当てる。キタ!かっこいい!

下手に倒れた時、兄ケイがもう助けたいって動くのをガウェインが待て、と抑えてて、自分の主が覚醒するのを見て、顔つきが変わっていくのが良かったなー やっぱりガウェインには感じるものがあったんだな。

死なせたくない、っていうのは騎士ではなかったことと関係あるのかも。騎士なんかまず剣の勝負してばっかりだもんね。慈悲深い偉大な王。

ガウェインへ指示をきりっと出し、メレアガンへ敬意を示し、騎士にしてくれと乞う。命令ではなく、頼んでいる。

アーサーの首にエクスカリバーを寸止めするメレアガン、逃げないアーサー。
メレアガン、本人も意識しないようにしてるが、この時すでに自分との違いを感じ取ってアーサーを恐れたのではないかしら。恐れが、怒り、恨みになり、モルガンにそれを利用されちゃうの。

騎士に任命された瞬間に気絶して倒れるアーサー。毎回キレイに倒れてた。何でかうっとりしちゃった。

★グィネヴィアに介抱される。みんな美人に弱いようだ。
M11「魔法に導かれて」
初回、座った場所が壁際のせいなのかここのデュエットがぜんぜん合ってなくて、わざと合わないようにしてるのか?と思ったくらい。あとの回ではそれほど感じなかったけど、あまりいいハモリがない。グィネヴィアはあなたのための人でない、があるからか。
グィネヴィアとランスロットのほうがきれいに合うよね?

歌のなかでグィネヴィアが求める「自由」とアーサーが「結婚」って言うまでの間には実は距離がある。好きな人と一緒にいることが自由の象徴と思ったグィネヴィアだけど、保護者が父から夫になるだけだよね、お姫様は財だから・・・ 

愛したい=自由に生きたいっていう願いとここで提示することで、ランスロットを愛するグィネヴィアへ嫌悪感が出にくくてうまいなと思います。自分が騎士の勲章みたいに扱われることを客観視してるので。このへん、グィネヴィア役の難しいところだったろうと思う。

★モルガンの話。
婚約者とともに王座に座って自分の出自を聞くアーサー。ひどい話だのう

グィネヴィアに化けてベッドをともにしてしまう場面、白いシャツがダークなモルガン軍のなかで引き立ってました。楽しそうにヘイ!するモルガン軍団がかっこいい。
浦井くんのふわりふわり動く姿もいい。いいわ・・・

★ランスロット登場から円卓の騎士(1幕ラスト)
叙任のとこから、浦井アーサー登場&歌唱が続く。

王座の下で祈るアーサー。剣にドラゴンが絡む紋章が背景にあって、ああ素敵!(浦井くんが出てくるたびに、なんてかっこいいんだろう!とドカドカ花火が打ち上がっている私の脳内)

演出全般、絵になるなーという場面が多い。配置もシンメトリにしたり。人間関係の差が立ち位置で分かるし、理解しやすい演出です。

ランスロットに嫉妬しつつ(表には出さない感じだけど、グィネヴィアに問いただしたものね?)王らしく振舞うのよね、グィネヴィアとの距離も見せてセツナイなぁ

セツナイ気持ちのまま、アーサー、グィネヴィア、ランスロット三重唱。
M19「約束」https://youtu.be/7conjvlk24c(稽古場レポート)

騎士の隊列に分断されてるアーサーら3人、義務と心の迷いに揺れる3人。音楽もぶいぶいしててカッコいい。いやカッコよくてツライ…くらいしか言葉がもう出てこないや。

ランスロットはあくまでも王の騎士と自覚しているから、王妃への気持ちにはフタをするつもり、でも王妃の方を見て歌っている。アーサーも王妃に、約束があるから信じていたい、と思って歌う。けれども、もうその約束が守られないかもって予感してそう。信じたい。
誓え~誓え~この約束を。約束したから必ず守られるわけではないのよね・・・切ない!

M20「私たちを助けたまえ」
どうすればいいのか、と悩む浦井アーサーに民の声を聞け、とマーリン。舞台中央で客席に背中を見せて民からの訴えをじっと聞く姿、背中で語ってる浦井くん。背負ってるものが重い。

正面に向くと、こっちは飢えて大変なのに宴のごちそうとか民のこと考えてんのかお前、とかそんな感じで訴えが続く。ツライ。浦井くん、大げさな表情じゃないのに、静かに深く耳を傾けている様子。すばらしい。

M21「私は立ち上がる」
円卓はドーナツ型の紋章入りパネルが吊ってあるものが降りて来てテーブル風になるようキャストが支えてた。

円卓の騎士招集の声、自分がどう道を切り開くか悟りかけてる。と同時に、グィネヴィアを愛することよりも、民の幸福を求める「王」になると静かに決めた顔だった。ああ、切ないよー。切ないけれ「王」になることをどう受け止めるかの変化が、浦井健治の真骨頂。

貴種流離譚の役が似合いすぎて。庶民の心と王の心を持ってるとか、普通の人らしいのに王の威厳もまとえる。すごいなぁとただ感激するばかり。

わちゃわちゃーと動く冒頭からの変化で言えば、どんどん動きが洗練され静かに威厳のある声になり、命令の声でガウェイン筆頭に動くようになる。見事です。

円盤化しないのかなー、せめてライブ音源ほしい。

https://youtu.be/2DwoUE_ABoY

何の発表もないので、PV↑をひたすらリピート。

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