2023/02/04

『キングアーサー』 浦井くんの真骨頂だった 2

 はぁカッコいいねー、どうしましょ。

2幕、モルガンから始まるの意外。アーサーが暴れるとこからかなと想像してたので。

★M25『消えてしまった夢』
白い婚礼の衣装、装飾は金、マントの裾が長くゴージャス。アーサーとグィネヴィアの結婚式の間、かなしいモルガンのソロが流れていく。

結婚式の二人には心からの笑顔がない。
お城でひとりきり、アーサーは国や自分のことで悩んでいるようだけど、自分と分かち合ってくれないグィネヴィアの孤独は分かる。そこへきらめくランスロットがやってきて、優しく声をかけてくれたらなびいちゃうのも分からんではない。

列席者への挨拶が終わったら、グィネヴィアは退場。

聖杯探索に、ランスロットを指名。誰よりもふさわしい、と送り出す。
グィネヴィアのこともよぎってるのかな、でもこの指名は彼女とは関係なく、適任だからという理由だったと感じた。ただ、アーサーの目はわずかに悲し気なのだけど。

★M26『アーサーの誓い』
M25のつづき、婚礼衣装のアーサーが列席の騎士たちに王として語る場面。運命がどうであれ、立ち止まらない、自分の道を進むのだ。神々しくてまぶしかった。騎士たちと剣を操りながら膝をついて誓いのポーズするとこなど惚れ惚れです。私も誓いたい(何を?)

★マーリンがあちらの世界へ旅立ちます、と去っていったとき、円形の階段に座ってしずかに歌う場面がありました。とてもいい声だった。

★グィネヴィアが連れ去られ、モルガンがご忠告に。
ランスロットとグィネヴィアは愛し合っている、と言われ信じたくないと言いつつ、ホントのところは気づいていたのでは?とも思える浦井アーサーの雰囲気で。初耳!って態度ではなかったし、あくまでも王妃の尊厳を守ってやりたいという感じ。

★メレアガンに(再び)連れ去られて蜘蛛の巣みたいなものに拘束されてるグィネヴィア。
先にランスロットがやりあってたとこへ、アーサー駆けつける。
王妃へもランスロットへも大きな心で包み込んでいて、もう自分の個人的な愛のことは手放したのねっていう超越した愛よ。

もう許さん!とシャキーン、ズバーン、ドス!と何度も襲い掛かるメレアガンを切りつけると、照明が良い感じにバン!バン!、効果音も時代劇の殺陣なみのカッコよさでした。
体が動くのに合わせてマントも見事にさばいてた。WOWOWのグリブラでマントの先生したらいいと思うわ。シャキーン。

とどめは刺さず、追放するって言うアーサーに切りかかるメレアガンを刺されたランスロットが阻止。うう(王妃がいなければ)良い主従になれたのに!

このことはこれで終わり、口外するなと告げて妻と愛人(という言い方いやだけど)を残し去るアーサー。グィネヴィアもアーサーが感じ取ったことは気づいているようだったが、去っていくってことはアーサーが自分との絆を手放したって感じたんじゃないかな。

兄ケイが、王はすべてわかっているが、言わないだけだ、と告げるのが泣ける。一緒に育ってきた家庭が温かいんだな。

★王座にひとり
この座る姿がとっても悲しそうなのに自分の行く道に迷ってなくて威厳がありました。胸を張ってるとかじゃないんだよ、何でそう見えるのかしら。すごいね。

モルガンの恨みがアーサーに向くのがちょっと分かりにくいというか、とりあえずマーリンは憎くないわけ??? アーサーのせいで母が死んでしまったから、とはいえ。

母が子守唄を歌ってくれた、というモルガンのお腹に手をあてて、子守唄を静かに歌うアーサー。王の愛が深すぎる。
自分は子供に直接歌ってあげられないが、モルガンが与えられた母の愛を生まれる子に与えて、愛されてほしい、と。王が優しすぎるんですけど!!

浦井くんの素晴らしいところ、こういうそこまで優しい人いるかよっていうシーンも、浦井アーサーだと納得できてしまうとこ。心からそう願っている、と分かるんです。演技してる、っていう嘘がないの。すごいのよ。ほんと。

私の想像だけど。浦井くんは理論で組み立てて、でも最終的には心で演じるタイプなのかなと思います。分かりやすいAだからBの表情になる、とかそういう単純な組み立てじゃなくて、その役を生きるように体のなかに作っていくようなイメージ。

あとお顔がきれいです・・・目がとてもきれい。

進行が前後しちゃってるかも。記憶が。

上手の隅で、ひとり慟哭する場面。紗幕に隔たれた舞台奥ではマーリンが、一番必要なときに隔たれてる的な歌をめちゃいい声で歌い上げてるとこ。
えずいちゃわないか心配になるくらいの、アーサー無音の慟哭。妻の裏切り、姉には恨まれ(そして遠くへ去らせる)、自分の身近な人が去っていく悲しみがありました。また、これから最愛の妻を裁かねばならない。

慟哭ののち、自分自身の幸せについて泣くことをやめたのねっていう瞬間があって、スッと表情が変わった。完全に「ワタクシ」の人生、幸福を求めるの諦めたんだなーと思った。

★家臣からは、グィネヴィアを「女」「グィネヴィア」と敬称なしに避難され、プライドロックみたいな円形階段の上へ。

グィネヴィアは、国から追放し自由とする。グィネヴィアが求めていた「自由」かどうかは分からないけれど。愛を求めた相手と離れ、自由に生きよと言われた。

私にも罪はある繋ぎとめられなかった(そうね・・・王として生きる道を選んで、グィネヴィアをその相棒にしなかった)歌詞、ぜんぜんちゃんと思い出せないけど、何が大事かとか、これから民の幸福のための王になるよっていう宣言だった。泣いたわ。覚えてないから音源ほしい・・・

騎士たちを従えて、エクスカリバーをセンターで掲げる浦井アーサー! 

良すぎる―――!! すてき!!

声も響いてて凛々しくて。少し涙目な表情が王の背負ってるものを表しているようでした。

というわけで、ラストの王の国造りの宣言は、ひれ伏しました。

Vive le roi Arthur !
(ところで、Wake upは英語だし、ざっくり意味訳でアーサー王万歳!で行けますよね、日本語じゃダメって本国に言われたのかなぁ びべろろいって聞こえてたんだけど、これ言うガウェインが言いにくそうで)

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