1幕はスムーズに進行していくし、セットもエジプトらしさ、王宮らしさがアップ、奥行きと広がりのある世界になったので、良い。
ただし、2幕がどうも一本調子なところがあるので、そこをどうにかしませんか。
そういえば、初演の時にどうやってキャロルが再び古代にもどったのか謎よねーと思っていたのですが、再演ではわかりやすくセリフに入ってたので理解しました。キャロルは戻りたいと願ったら、自分で戻れたってことなんですね。
アイシス様が暗殺のためにキャロルを呼び戻しても良かったんですけど、愛の力ってことでした。
2幕でどうもね、って思ってるのは、イズミル王子の唐突感です。
キャロルに心奪われるのも、初演時よりは納得できるものの、2曲続いたり(同じシーン内で2曲あるとこ。キャロルを布でぐるぐるに拉致してのあたり)して、急にしつこいんです。
ここまでメンフィスとキャロルの二人の物語だったのに、突然いい曲をどーんと歌う! メンフィース!メイン取られてる!はやく歌いに来てー!と、思ってみつめてしまうのでして。一瞬でもいいから、奥のほうでキャロルはテーベで楽しんでるかなーと心配顔のメンフィス様を見せておくれ・・・
イズミル王子役のお二人はどちらも持ち味だして色気もあって良いので、脚本と構成の問題です。
それから、殺陣シーンね・・・ ダンスで表現しているので、一見したところではいまどちらが攻勢か、とかちょっとわかりにくいなぁと。
ダンスでのバトル表現自体は嫌いじゃないので、まぁそこは良いとしても、最後の最後、イズミルが退く流れがいまいちではないですか?
2幕のストーリー上の大問題は、キャロル奪還ですよね? そこはもっとタメてタメで、ああ、メンフィス頑張れ的な山が欲しい。
あんなにキャロルがメンフィスの弱点だとわかっているのに、どうして簡単に逃げられちゃうんでしょうか?
(そこがダンスで表現されてるんだって言われたら、そうなのねーというしかない私ですけれど、1公演しか見れなかったので、そこが分かりにくいのはもったいないと思うのです)
それと、それと、アイシス様とイムホテップのお諫めシーンがカットなのは解せぬ!なぜじゃーーー!!
イムホテップがぽつり、と「聡明にして高貴なアイシス様も、恋をすればかくも愚かに」って突然言い捨てて去っていくなんて、ひどい。これじゃ、アイシスを軽んじて言い捨ててるようにしか聞こえません。アイシス様も宰相も品位が落ちるセリフになってしまって悲しいです。
初演にあった「お心をまげて」、と膝を折るイムホテップ祐一郎の姿がなにより美しかったし(映像に残してほしかったよ)、殺人もいとわない気位の高いアイシス様でさえ、イムホテップの助言を聞く、という関係がとても良かったのようー。
イムホテップの兄弟への深い愛情が伝わる名シーン、復活しろ。復活。
祐一郎ファンとしては、登場シーンが減ったのも当然切なかったんですが、せっかくのいいシーンをカットして代わりになにか良くなったかなと考えても、ここはカットしても上演時間が短くなった他の利点が思いつかない。
あとは最後に追加されたメンフィスとキャロルのデュエット。思ったより、ドヤ感すくなくてキャピキャピソングだったような(印象に残っていません)
ここで、帰還した船上のメンフィスに向けて、あとは本当にあなたの治世ですよ、と安心して去っていくイムホテップおじいちゃん祐一郎。
遠くから見守りますの合図だったよね。これはそんなに悪くない。だからこそですよ! ここまでエジプトを守ってきたイムホテップの偉大さを示すシーンを削ってはもったいないわ。ね、復活させましょう。あと今度のDVDには特典映像で入れといてくださいね。ね。
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