エレン、エヴァ/濱田めぐみ
ジュリア、カトリーヌ/音月桂 ルンゲ、イゴール/鈴木壮麻
ステファン、フェルナンド/相島一之
リトル・ビクター/難波拓臣
リトル・ジュリア/寺田光
日帰りで見てきました。ほんとはWキャストのもう一方の組も見るつもりでチケット取ってたのですが、仕事の都合(二転三転して結局行けたという・・・間に合わなかったけど)で諦め、この日の日帰りに。
■おもしろい、とか楽しい、とか言いにくい。うーん、こってり濃い。
日本上演版としてオリジナルの韓国版とは違うところもあるそうです(どこが違うのかはまだ確認してない)ね、それでも「韓国」!と思わせる復讐への執念の度合に疲れました・・・
あとジュリアへの愛情がいまいち良くわかりません。カッキー自体は結婚後はジュリアへ愛情を見せていたものの、流れとしては何だか。
犬が暴力的になって復活したあたりで、結婚相手としてはヤバいのでは。大人は分かってくれないって本気なの。
女性は姉だけのほうが伝わりそうです。
孤独な自分を愛してくれる姉、殺されて怪物を憎む。シンプル。
■音楽は、荘厳、美麗、というより普通? いい普通。
時代性や国の雰囲気はあまり反映されてませんでした。あ、そもそもどこの国の人なのか自信なくて。フランスの話でいいんですか。イギリスなんですか・・・ナポレオンが敵なの? 世界史わからぬ。
演者も絶叫歌唱が多いです。どうもどうも。その中では、和樹アンリの静かな歌いだし、断頭台前での歌などしみました。
■1幕、ビクターとアンリの出会い。友情、断頭台へ上がって「怪物」となるまで。
エレンが弟ビクターの幼少期を回想するのはいいとして。
他にも繰り返し場面、思い出し場面が多用される構成です。
冒頭の怪物誕生シーン、1幕に同じシークエンスが繰り返されるのもったいない。怪物役の見せ場のような苦しみ場面なので、印象的です。冒頭だけでもわかったよ。全く同じ場面じゃないほうがいい。
おおき言うと、1幕全部が思い出し場面。そのなかに、エレンの回想シーンも組み込まれてる。
それから怪物が逃亡して、闘技場に捕まり、悲惨な目にあうなか、自分を生み出した原因を手帳で知り・・・も回想。
最後まで時間軸変えずに復讐するまでが一連の流れでも悪くないような。
なんとなくのイメージですけど、舞台ってリアルタイムな体験なので、順を追うほうが疲れない(わたし疲れすぎてゴメンよ)んじゃないかな。
回想させる必要があまり感じられませんでした。劇的にしようと思ったのかなー。
■柿澤ビクターは「坊ちゃん」に相応しい甘ったれ末っ子風。切ない遂げられぬ役がほんとにお似合いのカッキー。堪能しました。
思いは純粋ながら、倫理観がズレてしまった。母の死について誰も納得させられなかったことが、本当に悲しいです。死んだ人より、いま目の前にいる人(和樹)を愛して!
ビクターを中心に、執事の壮麻さんとジュリアは共依存のよう。自分のふるまいでビクターをダメにしているのに、彼に仕える自分が好きなのね・・・
ジュリアはいらない。壮麻さんだけがぼっちゃんを支えてたのに、アンリが急に親友になってジェラシー、うん、ブロマンス風味つけるならこのほうがいい。
■和樹アンリ。
見目麗しいアンリ。医者なのに助けられないなら死ぬ気でいたらビクターに助けられた。生命を生み出すことへの畏れから研究をやめたのに、ビクターに会って考えを改める・・・そ、そうなのか。カッキーにそんなカリスマあったかしら。やっぱり畏れててほしかったよ。
ビクターの殺しの罪を被り、断頭台へ進むアンリ。二都物語が脳裏に浮かびます。
和樹のシドニーもいいなぁ・・・
酒場で悪酔いしてるビクターを助けに来るのカッコよかったよねー。おしりが素敵だったのーっ オペラでロックオンしちゃった。
私も酔っぱらって介抱されたい。ちょっと怒られたい。
少し微笑んで死んでいったのって、やっぱり最高の実験台になろうってことだよね? それはそうなんだよね。
だからさ、怪物が創造主を恨む底に、そもそもお前も望んだんだってあるんだよね。誰も言わなかったけど、そういうことよね? 悲しいよう
プログラムに、「アンリの記憶をもった怪物」って書いてありますが、私がこの日見た感じでは、怪物にはその自覚はなかったように思います。
手帳から自分の誕生の秘密を知ったけれど、むしろアンリだった自分の記憶はなさそうです。小西怪物はどうなんだろう。
自覚はないけれど、無自覚に闘技場でトドメをさせない、ってところに現れてるのだなと。その心がアンリの残り香。
■めぐさまエレン
麗しいお姉さま。ビクターを心配する賢い女性だけど、弟の心の中までは知らなかった。姉フィルターかかってる感じで好演。や、めぐさまに好演とか失礼よね。最高っす。
エレンが無実の罪で裁判にかけられた形跡もなくつるし首になるのを見て、魔女狩りな感じ・・・だったんですけど、この手の込んだ復讐が「怪物」には似合わないなぁと思いました。
無実の罪で死ぬ、という復讐をしたかったのだな、と理解しつつも、「怪物」の愛されない悲しみ、人に戻れない悲しみを爆発させるには、手間がかかりすぎかなーと。
いろいろと小さく気になることや、もどかしい感じがあるのは、日本初演版だからでしょう。この先、もっとシンプルにビクターとアンリの物語にしていけば、もっと熱演も光るのでは・・・と。期待。
もうちょっと続く。
ぼっちゃん♡
返信削除と呼ぶ、ルンゲさんにくぎつけな私でした^^;
前日に残業した上にマチソワしたので、
私もちょっと長い印象を受けました。
回りの方々は泣いていたので、
私が体力的に追いつけなかっただけですが…
感想を見てましたら、
エレンが直接殺されないのは、怪物の中の無意識のアンリの表れではないかと、
一幕でアンリ&エレンが良い感じなので、
そうだったのかと思いました。
アンリと同じ無実の罪で死ぬところも重ねてるのですね。
色々掘り下げれば、深いのでしょうけど、
そこまで、体力&思考力が><
1度きりの観劇のため、泣く余裕もなく必死でした・・・
削除(でも泣きたい気分になったのは分かります)
エレンへの情がそうさせた説、なるほど。
しかし無実の罪で吊るされるほうが残酷度が高いですよね・・・
キャスト違いで見てみたいなぁ