2019/12/29

『新作歌舞伎 風の谷のナウシカ』12/16夜の部

9列目上手寄り(花道が遠い)@新橋演舞場

昼の部はチケット取れず。
原作は観劇前に読み直し済み。
傾斜ほとんどないけど前後の席間隔が広いので、まったく問題なく見れました。

和楽器であの映画で使われた久石譲の音楽が流れるのが良い。とてもよかった。売ってほしい。

開幕数日後に主演の尾上菊之助さんが腕をケガされて心配しましたが、見てる限りまったく問題なく演じてらして、すごいけど、代役ないのかと。

ナウシカ/尾上菊之助 クシャナ/中村七之助
ユパ/尾上松也
セルム、墓の主の精/中村歌昇
ミラルパ、ナムリス/坂東巳之助
アスベル、オーマの精/尾上右近
道化/中村種之助
クロトワ/中村亀蔵
チャルカ/中村錦之助
ヴ王/中村歌六

4時間! 休憩挟みつつですが、4時間!
座ってるだけなのにぐったりしました。
「原作コミック」の大人な世界を描き切った、演じたぁぁーって感じでした。でも、「映画」でも良かったんじゃ・・・大変だもの。
疲れすぎて、うっかりプログラム買えず。

ナウシカ映画で登場する伝説のイラストのようなタペストリ幕がかかっていて、道化役が解説にも使っていました。昼の部でどこまでが描かれたかも説明してくれ、たいへん親切です。

チラシビジュアルではナウシカのヘアスタイルが微妙って思いましたが、舞台のナウシカの髪型はかわいいボブ風でした。菊之助さんのナウシカはとても上品で優しく強く、悩みながらも生きることを捨てない。
思った以上に素敵なナウシカで心奪われました。

ナウシカ役への愛情を感じました。昼の部では猛々しかったのかもしれませんが、それは後日映画館で観たいと思います。

そして貴女になら踏まれたい。七之助さんのクシャナ殿下。
肥えた豚どもに情けは無用、でしたっけ。きゃぁ痺れるー! 殿下ー!!
2.5次元ミュージカルに興味もったことなかったけど、もしかしてこれなの? あのキャラクタが生きてしゃべってるって感激ね?
生のクシャナ殿下に会えて感激した。非常にかっこよかった。
昼の部では立ち回りとかあったに違いない。楽しみ。

ミラルパとナムリス。
帰宅して歌舞伎ファンのお友達から二役だよって言われて初めて、兄弟役を巳之助さんが演じ分けてたと知ったのでした。
みっくんすごい。

えええ、衣装違うとかそういう問題以上に、別人だと思ってみてました。
しっかり演じ分けられてたのね。

コミックでも気持ち悪かったミラルパの闇のもぞもぞした情念みたいなやつ、舞台にも出てきて、素晴らしく気持ち悪かった・・・素晴らしい。
ナムリスはチャラチャラした口調で、これまた原作のイメージのまま。

チャルカは自分自身を忘れずにいる気高いけれど気さくなところも感じられ、これまた原作のイメージのまま。驕るところのない真面目なチャルカ様は中村錦之助さんでした。

ヴ王、クシャナの父。
悪役として光ってました。お声もいいー。

オーマ、怖かった。迫力の大型装置でどーんと登場。
動かないけど、心の中では動いてました(それが大事)

ケガの影響でメーヴェに乗らない演出になったそうですが、それは再演があったら是非拝見したい。
ぬいぐるみのテトは黒子さんが棒につけて動かしてたけど、死んだら泣いた・・・
(そしてぬいぐるみは売り切れてた)

ほんと良く作ったなぁ
道化が時々説明してくれるものの、まったくナウシカ世界を知らない人は最後までちんぷんかんぷんで置いていかれるでしょう。映画のみ知ってる人も、夜の部は厳しい気がします。わかってるよね、っていう前提で作ったんでしょうね。

あのナウシカが歌舞伎に、しかもなかなか素敵に。の点だけでも今回は大成功だったと思うものの、将来も再演を重ねられるかどうかは、もう少し原作から離れた脚本があってもいいんじゃないかと思いました。

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