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2023/02/08

『キングアーサー』 アーサーが地味に思えるけど、主人公だった。ガウェインと作る王らしさ

 初見時、悪役のモルガンとメレアガンの楽曲とダンス、いずれもすごい吸引力で惹きつけられました。モルガンなんか、ショーストップ。

これ、アーサーの話だよね、って思ったくらい。

しかし2回目、やっぱりアーサーは主役なんだと分かりました。複数回見てなかったら誤解したままだったな。

何物でもない青年から、数々の試練をくぐり抜け、妻も姉も自分の元を去りながら、王になったアーサーの物語です。

この作品におけるアーサーは、楽曲の配分と受け身でいることが多い構成のせいで、第一印象ではかなり地味にされてしまっています。ぐぬぬ。

地味に感じられたとしても、優しい声、低音で威厳のある声などは聴かせてもらったし、楽曲ではない部分(つまり浦井くんの演技力、殺陣のキレ、マント!など)でアーサーの物語を十分に表現していたのだった。

アーサーは、周囲からの働きかけを受ける側、受け止める側になっています。モルガンとメレアガンに恨まれて、グィネヴィアに愛されて裏切られる。ランスロットら騎士たちと民から期待される。

浦井くん、この受け身の役でありながら孤独すぎる王をカワイソウって思われないギリな感じで表現していたと思います。孤独すぎだったけど、運命を受け入れ、前に進む大きさがった。

あと、ガウェイン役の小林亮太さんが、王らしさを良く補完する役目をしていた。

ソロパートがなく、アーサーともセリフでやり取りするのだけど、冒頭のエクスカリバーに挑戦する戦いを仕切るところから、ガウェインは自分は臣下であって剣に挑戦する立場にない、公正な戦いをさせる役、高貴なお家柄。なのが伝わってきます。

緑のマントが冷静そうなイメージだし、マーリンと同じ色なのも、国を俯瞰できる立場にいる役なんだと思う。

アーサーに剣の稽古をつける場面では、身分に見合う人物になるには努力が必要だ(意訳)といったセリフがあり、アーサー自身ではなく「エクスカリバー」へ忠誠を誓っていると表明、素直よね。我々は王の軍隊です、という時も、きちんと指示をしなさいと促しているし。

次いで、メレアガンから叙任されるとき。メレアガンに押されて下手に飛ばされているアーサーが立ちあるまで見守って、ついに剣に覚醒したアーサーを見てる顔。この人物が、本当に選ばれた者であることを感覚で知ったという感じ。

助けに行きたいケイを押さえてるのも、選ばれし者ならばこんなことでは倒れないだろう、と半分期待、半分疑い、のような気持ちだっんじゃないかな。で、見事に勝った後に倒れたアーサーに飛んでいくのが忠臣でした。素敵。

ちょっと飛んで、結婚式くらいのガウェイン。
グィネヴィアのことあんまり気に入ってないの(笑)興味もなさそうで、ガウェインにとっては王が国をしっかり治めることだけが大事で、恋しちゃった★のグィネヴィアには距離を置いてる。もしかしたらマーリンの言葉をどこかで聞いて王に相応しくないと考えてたのかも。

ラストのガウェインはグィネヴィアを糾弾する言葉。
どのくらい許されないんだろうなぁと思いながら観てたのだけど、何でも首を刎ねそうな時代なのかと思うので、アーサーの決断は非常に慈悲深い。甘いのかもしれないが、ガウェインはきっとこの王ならそうするのだろうと納得したはず。

2幕だっけ、アーサーにガウェインとランスロットが甲冑を着せる場面がありました。
男が男に着付けしてるとこ、妙にセクシーで鼻息が荒くなります。3人の立場も明確になってるし、お気に入り場面。

2023/02/04

『キングアーサー』 浦井くんの真骨頂だった 2

 はぁカッコいいねー、どうしましょ。

2幕、モルガンから始まるの意外。アーサーが暴れるとこからかなと想像してたので。

★M25『消えてしまった夢』
白い婚礼の衣装、装飾は金、マントの裾が長くゴージャス。アーサーとグィネヴィアの結婚式の間、かなしいモルガンのソロが流れていく。

結婚式の二人には心からの笑顔がない。
お城でひとりきり、アーサーは国や自分のことで悩んでいるようだけど、自分と分かち合ってくれないグィネヴィアの孤独は分かる。そこへきらめくランスロットがやってきて、優しく声をかけてくれたらなびいちゃうのも分からんではない。

列席者への挨拶が終わったら、グィネヴィアは退場。

聖杯探索に、ランスロットを指名。誰よりもふさわしい、と送り出す。
グィネヴィアのこともよぎってるのかな、でもこの指名は彼女とは関係なく、適任だからという理由だったと感じた。ただ、アーサーの目はわずかに悲し気なのだけど。

★M26『アーサーの誓い』
M25のつづき、婚礼衣装のアーサーが列席の騎士たちに王として語る場面。運命がどうであれ、立ち止まらない、自分の道を進むのだ。神々しくてまぶしかった。騎士たちと剣を操りながら膝をついて誓いのポーズするとこなど惚れ惚れです。私も誓いたい(何を?)

★マーリンがあちらの世界へ旅立ちます、と去っていったとき、円形の階段に座ってしずかに歌う場面がありました。とてもいい声だった。

★グィネヴィアが連れ去られ、モルガンがご忠告に。
ランスロットとグィネヴィアは愛し合っている、と言われ信じたくないと言いつつ、ホントのところは気づいていたのでは?とも思える浦井アーサーの雰囲気で。初耳!って態度ではなかったし、あくまでも王妃の尊厳を守ってやりたいという感じ。

★メレアガンに(再び)連れ去られて蜘蛛の巣みたいなものに拘束されてるグィネヴィア。
先にランスロットがやりあってたとこへ、アーサー駆けつける。
王妃へもランスロットへも大きな心で包み込んでいて、もう自分の個人的な愛のことは手放したのねっていう超越した愛よ。

もう許さん!とシャキーン、ズバーン、ドス!と何度も襲い掛かるメレアガンを切りつけると、照明が良い感じにバン!バン!、効果音も時代劇の殺陣なみのカッコよさでした。
体が動くのに合わせてマントも見事にさばいてた。WOWOWのグリブラでマントの先生したらいいと思うわ。シャキーン。

とどめは刺さず、追放するって言うアーサーに切りかかるメレアガンを刺されたランスロットが阻止。うう(王妃がいなければ)良い主従になれたのに!

このことはこれで終わり、口外するなと告げて妻と愛人(という言い方いやだけど)を残し去るアーサー。グィネヴィアもアーサーが感じ取ったことは気づいているようだったが、去っていくってことはアーサーが自分との絆を手放したって感じたんじゃないかな。

兄ケイが、王はすべてわかっているが、言わないだけだ、と告げるのが泣ける。一緒に育ってきた家庭が温かいんだな。

★王座にひとり
この座る姿がとっても悲しそうなのに自分の行く道に迷ってなくて威厳がありました。胸を張ってるとかじゃないんだよ、何でそう見えるのかしら。すごいね。

モルガンの恨みがアーサーに向くのがちょっと分かりにくいというか、とりあえずマーリンは憎くないわけ??? アーサーのせいで母が死んでしまったから、とはいえ。

母が子守唄を歌ってくれた、というモルガンのお腹に手をあてて、子守唄を静かに歌うアーサー。王の愛が深すぎる。
自分は子供に直接歌ってあげられないが、モルガンが与えられた母の愛を生まれる子に与えて、愛されてほしい、と。王が優しすぎるんですけど!!

浦井くんの素晴らしいところ、こういうそこまで優しい人いるかよっていうシーンも、浦井アーサーだと納得できてしまうとこ。心からそう願っている、と分かるんです。演技してる、っていう嘘がないの。すごいのよ。ほんと。

私の想像だけど。浦井くんは理論で組み立てて、でも最終的には心で演じるタイプなのかなと思います。分かりやすいAだからBの表情になる、とかそういう単純な組み立てじゃなくて、その役を生きるように体のなかに作っていくようなイメージ。

あとお顔がきれいです・・・目がとてもきれい。

進行が前後しちゃってるかも。記憶が。

上手の隅で、ひとり慟哭する場面。紗幕に隔たれた舞台奥ではマーリンが、一番必要なときに隔たれてる的な歌をめちゃいい声で歌い上げてるとこ。
えずいちゃわないか心配になるくらいの、アーサー無音の慟哭。妻の裏切り、姉には恨まれ(そして遠くへ去らせる)、自分の身近な人が去っていく悲しみがありました。また、これから最愛の妻を裁かねばならない。

慟哭ののち、自分自身の幸せについて泣くことをやめたのねっていう瞬間があって、スッと表情が変わった。完全に「ワタクシ」の人生、幸福を求めるの諦めたんだなーと思った。

★家臣からは、グィネヴィアを「女」「グィネヴィア」と敬称なしに避難され、プライドロックみたいな円形階段の上へ。

グィネヴィアは、国から追放し自由とする。グィネヴィアが求めていた「自由」かどうかは分からないけれど。愛を求めた相手と離れ、自由に生きよと言われた。

私にも罪はある繋ぎとめられなかった(そうね・・・王として生きる道を選んで、グィネヴィアをその相棒にしなかった)歌詞、ぜんぜんちゃんと思い出せないけど、何が大事かとか、これから民の幸福のための王になるよっていう宣言だった。泣いたわ。覚えてないから音源ほしい・・・

騎士たちを従えて、エクスカリバーをセンターで掲げる浦井アーサー! 

良すぎる―――!! すてき!!

声も響いてて凛々しくて。少し涙目な表情が王の背負ってるものを表しているようでした。

というわけで、ラストの王の国造りの宣言は、ひれ伏しました。

Vive le roi Arthur !
(ところで、Wake upは英語だし、ざっくり意味訳でアーサー王万歳!で行けますよね、日本語じゃダメって本国に言われたのかなぁ びべろろいって聞こえてたんだけど、これ言うガウェインが言いにくそうで)

2023/02/03

『キングアーサー』 浦井くんの真骨頂だった 1

@新国立劇場 中劇場

1/24夜
(後方、壁際。浦井&伊礼 トークショーあり)
メレアガン:伊礼彼方、ランスロット:平間壮一、グィネヴィア:宮澤佐江

1/25昼(センター寄り中段 見やすい)
メレアガン:加藤和樹 、ランスロット:平間壮一、グィネヴィア:小南満佑子

2/1夜(キングシート。演者の生声が聞こえる。キングしか見てなかった)
メレアガン:伊礼彼方、ランスロット:平間壮一、グィネヴィア:宮澤佐江

2/2昼
(どセン、̘前寄り。全体を良く見渡せ作品鑑賞的には最良)
メレアガン:伊礼彼方、ランスロット:太田基裕、グィネヴィア:宮澤佐江

東京公演の初日が遅れたものの、その後は2/3時点で体調不良者が出ても何とかカバーしながら継続上演中。

★開幕前のインタビューで、演者さんたちが口々にショウアップされた曲でストーリーを繋ぐエピソードが薄いためどう伝えていくか苦心している的な話をしていたので、1曲歌い上げて拍手拍手~次~拍手拍手~なのかなと想像してた。

韓国上演の際に演出のオ・ルピナさんがストーリーの助けになる部分を足していったということもあるのか、杞憂したような曲の羅列モノではなくって、何者でもないただのアーサー青年がアーサー王となる物語に見事に仕上がってました

★新国立劇場でシェイクスピアシリーズに関わってきた浦井くんが、ついにブリテンの王に!しかもミュージカルで凱旋~!
このシリーズで若き王から疲れた顔で王座に座るとこまで演じてきたことが、全部生きてて素晴らしかったです。

冒頭の普通の男の子、兄のケイのため剣を探しに行く素直で憂いのない笑顔。浦井健治41歳? いや20歳だな。

でも、メレアガンがエクスカリバーが抜けない場面から、上手で笑顔が消え剣に導かれていくように歩み寄る横顔が選ばれし者らしく。
作品では「運命」と呼ばれてましたが、自分の意志の外の大いなる力が剣を抜かせます。
抜いた後にハッと気づくとひれ伏す人々。まだ重圧も責任も知らず、分からないけど、嬉しいのかも、いいことかも、そんな誇らしげな青年です。

ここまでで50回くらいは「可愛い(ギャー――)」と心が叫んでいる。我ながら今や帝劇主演俳優の浦井くんに失礼ではないかと思うのだけど、止められない。だって!可愛い!
あと顔が誰よりも小さいのではないか、と群衆に紛れている浦井くんのお姿を見てる。

★ガウェインと剣の稽古するアーサー。未熟ながら筋が良さそうに見える。
エクスカリバーの意志に従う、持つものがふさわしい人物ならば・・・と言外に含ませるガウェイン。まだ、アーサー自身を認めておらず、あくまでもエクスカリバーに従うがガウェイン。浦井アーサーはそのことを分かっていて、その状況を素直に認めている。器が大きいわ。

でも、この後の覚醒場面と合わせると、半分は本当に剣の腕を褒めてるのかなって思います。でも自覚できてない(王としての自信がないしガウェインが手加減してると思っているし)から、エクスカリバーを使いこなせてないんじゃないかと思っている。

浦井くんは可愛いから、カッコイイに若干シフト。鎖帷子に茶系の衣装、この衣装かなり好きでした。シンプルだけど浦井くんの透明感が「素敵!(キャーー)」

★ここから、メレアガンが大暴れしてると民から知らされ、救いに赴く。
王らしく指示を出すことがまだ出来ないアーサーなのでした。マーリン先生に王らしく指示だすんだよって言われてる。

さきほどの衣装に、真っ赤なマントが付く。若い王らしく良い衣装。

狼と鹿、いつも王のこと見てる。スンって顔してる狼と首をフルフルしてる鹿さん、アーサーの守り神みたい。狼はエクスカリバーを背負って運びます。マーリンが去るときに託されたのも、もしかして狼と鹿にどうする?って聞いて、王が望む限り残ると言ったのかなー等と妄想が広がる。武闘派の2頭、かっこいいです。

★メレアガンと勝負。上手、下手と二回ぶん投げられて負傷してるアーサー。下手に来た時に、覚醒する場面。音楽が盛り上げて、剣を見事にぶんぶん回し立ち回り。マント!マントがキレイに翻ってます。衣装の捌き方が最高。

メレアガンの喉元へ剣を当てる。キタ!かっこいい!

下手に倒れた時、兄ケイがもう助けたいって動くのをガウェインが待て、と抑えてて、自分の主が覚醒するのを見て、顔つきが変わっていくのが良かったなー やっぱりガウェインには感じるものがあったんだな。

死なせたくない、っていうのは騎士ではなかったことと関係あるのかも。騎士なんかまず剣の勝負してばっかりだもんね。慈悲深い偉大な王。

ガウェインへ指示をきりっと出し、メレアガンへ敬意を示し、騎士にしてくれと乞う。命令ではなく、頼んでいる。

アーサーの首にエクスカリバーを寸止めするメレアガン、逃げないアーサー。
メレアガン、本人も意識しないようにしてるが、この時すでに自分との違いを感じ取ってアーサーを恐れたのではないかしら。恐れが、怒り、恨みになり、モルガンにそれを利用されちゃうの。

騎士に任命された瞬間に気絶して倒れるアーサー。毎回キレイに倒れてた。何でかうっとりしちゃった。

★グィネヴィアに介抱される。みんな美人に弱いようだ。
M11「魔法に導かれて」
初回、座った場所が壁際のせいなのかここのデュエットがぜんぜん合ってなくて、わざと合わないようにしてるのか?と思ったくらい。あとの回ではそれほど感じなかったけど、あまりいいハモリがない。グィネヴィアはあなたのための人でない、があるからか。
グィネヴィアとランスロットのほうがきれいに合うよね?

歌のなかでグィネヴィアが求める「自由」とアーサーが「結婚」って言うまでの間には実は距離がある。好きな人と一緒にいることが自由の象徴と思ったグィネヴィアだけど、保護者が父から夫になるだけだよね、お姫様は財だから・・・ 

愛したい=自由に生きたいっていう願いとここで提示することで、ランスロットを愛するグィネヴィアへ嫌悪感が出にくくてうまいなと思います。自分が騎士の勲章みたいに扱われることを客観視してるので。このへん、グィネヴィア役の難しいところだったろうと思う。

★モルガンの話。
婚約者とともに王座に座って自分の出自を聞くアーサー。ひどい話だのう

グィネヴィアに化けてベッドをともにしてしまう場面、白いシャツがダークなモルガン軍のなかで引き立ってました。楽しそうにヘイ!するモルガン軍団がかっこいい。
浦井くんのふわりふわり動く姿もいい。いいわ・・・

★ランスロット登場から円卓の騎士(1幕ラスト)
叙任のとこから、浦井アーサー登場&歌唱が続く。

王座の下で祈るアーサー。剣にドラゴンが絡む紋章が背景にあって、ああ素敵!(浦井くんが出てくるたびに、なんてかっこいいんだろう!とドカドカ花火が打ち上がっている私の脳内)

演出全般、絵になるなーという場面が多い。配置もシンメトリにしたり。人間関係の差が立ち位置で分かるし、理解しやすい演出です。

ランスロットに嫉妬しつつ(表には出さない感じだけど、グィネヴィアに問いただしたものね?)王らしく振舞うのよね、グィネヴィアとの距離も見せてセツナイなぁ

セツナイ気持ちのまま、アーサー、グィネヴィア、ランスロット三重唱。
M19「約束」https://youtu.be/7conjvlk24c(稽古場レポート)

騎士の隊列に分断されてるアーサーら3人、義務と心の迷いに揺れる3人。音楽もぶいぶいしててカッコいい。いやカッコよくてツライ…くらいしか言葉がもう出てこないや。

ランスロットはあくまでも王の騎士と自覚しているから、王妃への気持ちにはフタをするつもり、でも王妃の方を見て歌っている。アーサーも王妃に、約束があるから信じていたい、と思って歌う。けれども、もうその約束が守られないかもって予感してそう。信じたい。
誓え~誓え~この約束を。約束したから必ず守られるわけではないのよね・・・切ない!

M20「私たちを助けたまえ」
どうすればいいのか、と悩む浦井アーサーに民の声を聞け、とマーリン。舞台中央で客席に背中を見せて民からの訴えをじっと聞く姿、背中で語ってる浦井くん。背負ってるものが重い。

正面に向くと、こっちは飢えて大変なのに宴のごちそうとか民のこと考えてんのかお前、とかそんな感じで訴えが続く。ツライ。浦井くん、大げさな表情じゃないのに、静かに深く耳を傾けている様子。すばらしい。

M21「私は立ち上がる」
円卓はドーナツ型の紋章入りパネルが吊ってあるものが降りて来てテーブル風になるようキャストが支えてた。

円卓の騎士招集の声、自分がどう道を切り開くか悟りかけてる。と同時に、グィネヴィアを愛することよりも、民の幸福を求める「王」になると静かに決めた顔だった。ああ、切ないよー。切ないけれ「王」になることをどう受け止めるかの変化が、浦井健治の真骨頂。

貴種流離譚の役が似合いすぎて。庶民の心と王の心を持ってるとか、普通の人らしいのに王の威厳もまとえる。すごいなぁとただ感激するばかり。

わちゃわちゃーと動く冒頭からの変化で言えば、どんどん動きが洗練され静かに威厳のある声になり、命令の声でガウェイン筆頭に動くようになる。見事です。

円盤化しないのかなー、せめてライブ音源ほしい。

https://youtu.be/2DwoUE_ABoY

何の発表もないので、PV↑をひたすらリピート。

2019/11/10

『ビッグ・フィッシュ』11/6昼 愛にあふれた作品

@シアタークリエ

初演の日生Ver.も拝見してます。
どちらも良さがあるんだけど、今回の12人で演じる12chairs versionだと、いっそうエドの語る人生の物語、という意味が素直に伝わるんじゃないかな?

演出/白井晃
エド/川平慈英
ウィル/浦井健治 サンドラ/霧矢大夢
ジョセフィーン/夢咲ねね
ドン/藤井隆 魔女/JKim カール/深水元基 
ウィル(少年)/佐田照 ザッキー/東山光明
人魚/小林由佳 ジェニー/鈴木蘭々 サーカス団長/ROLLY

冒頭から父子を見てじんわりと涙が出てくるわ。
親子の作品だと少し前までなら子供の目線で見てたのですが、最近はすっかり親目線になりがち。子供を育てたことはないけど、人生後半に入ったので何を残すか?ということに敏感になってきたな。

先日の『怪人と探偵』につづいての白井さん演出でした。奇をてらわず押しつけがましくなく。人への愛があるなぁと思います。

反発してたウィルが最期のときに一緒に夢の冒険を紡いで和解・・・理解しあう事ができて泣けちゃう。そしてBig Fishほら話はウィルの息子へと引き継がれる。

エド/川平慈英
出ずっぱりで大変な役!
(他のキャストもメインの役以外の役をたくさん演じるため、忙しそうです)
高校生役は高校生に思えるのは、現在のおじいさんエド、ウィルが幼いころのエドと演じ分けているから。上手でした。

美声ってことではないんですが、語るように歌う人で、ミュージカルではただ「上手」に歌う人よりも、こちらのタイプのほうが心に響きます。

ラストは死ぬとは思えないほどキラキラして、家族に見守られて旅立っていきました。じーーーん。

サンドラ/霧矢大夢
エドに出会って、別の道を選んだ人。大学生時代はかわいらしく(サーカスで踊るシーンは可愛いよねー。そりゃ恋しちゃうと思うわ)
結婚してからは家にあまり帰らないエドを理解して家族を守ってきた人。
日本で描かれる包み込む母の愛ってほど重苦しくない、永遠にエドの恋人っていう雰囲気が素敵でした。

ウィル/浦井健治
釣りをした池にジョセフィーンを連れていく場面で客席通路から舞台へ行くのを知らなかったので(下手側の通路席)びっくりしました。
妊娠中のジョセフィーンを気遣って振り返るのよね・・・ ちょうどねねちゃんのすぐ後ろで座ってたので、ねねちゃん越しに浦井くんの天使の瞳が、私の胸を撃ち抜いた。叫ばなかった私はよく耐えた・・・

現実主義者のジャーナリストらしく、父のいう話が嘘ばかりで理解できないと思っているが、自分に息子が生まれることで理解したいと思うように。
ウィルの考え方は間違ってる訳じゃないけど、ただただ、なぜ大ぼら吹き的な話をしてるのか?ということを理解していなかっただけ。それは愛しているからなの。

浦井くんは父エドを理解したい気持ちと「わからない」の間で苛立っている息子を冷静と情熱の間という感じの演技で安心でした。っていうか妻がねねちゃんの時点て超安心だよね。ムキーっとなってもジョセフィーンが広い心で聞いて、励ましてくれるから。
お似合いだったなぁ はぁぁ

新曲はエドとウィルが対立しつつも分かってくれない/分かりあいたいって気持ちが出るいい曲でした。浦井くんと慈英さんのデュエットです。

ジョセフィーン/夢咲ねね
可愛い・・・可愛いとしか言葉が出てきません。
ジョセフィーンはエドの不思議な話も面白いねって聞いてるし、結婚式でエドとウィルが揉めたときは機転を利かせて出席者を連れ出してくれるし、いいひとだ。

ねねちゃんは声も聴きやすくて良いし、浦井くんの妻役でありがとう・・・

他の役では、サンドラが少女時代にサーカスに子羊ダンスを売り込みに行くときのメンバーで(もう一人は鈴木蘭々) これまた可愛いのだった。愛らしい。

ドン/藤井隆
可愛い子がここにも。たかしこ!(ではない)
メインは幼なじみで恋のライバルで。きゃぴっと高校生を演じ、婚約者を取られてくやしがり。80年代アメリカ青春ドラマ(つまりビハヒルな感じ)で。
それにしてもどうして藤井隆がこの役なんだろうなぁと不思議。オーディションなのか、一本釣りなのか。ミュージカル俳優が並ぶなかに居ると、面白いスパイスというか、ほわんとして良いんですよね。
ドクターの役など、年相応の役は落ち着いてました。

人魚/小林由佳
天井から吊るされた輪に座ったりぶら下がったり、くるりと回ったり(飛び上がらないバク転?)チアガールだったり。
セリフはないが舞台を広く大きく見せてくれてました。

カール/深水元基
巨人役なので高足下駄みたいなのを履いて。ぐらついたりしないしスゴイ。
計算に強いカール氏、ウォール街で成功。

ジェニー/鈴木蘭々
老境のジェニー、声の感じとか表情がすごくしっくりしてて、あらまぁ
プロムクィーンの頃も可愛いんだけど、老境の雰囲気が良かったな。

2019/09/16

『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』9/4昼 とにかく素晴らしかった

EX THSEATER ROPPONGI

映画は遠い昔に見たことがあって、オリジナルキャスト盤CDは聞いていました。

復習などはせずふらふらーっと見に行ったところ、ステージ上にバンドとイツァーク役のアヴちゃんがいてくれるものの、
ほぼほぼ一人芝居、休憩なしの1時間50分!

すごいわ。
歌も、芝居も、語りも。ほんとすごい。

ここまで演じてきたこと全てが活きてる、いいタイミングでこの作品を演じることになったなぁ、大感激です・・・はぁぁ

映画での印象だと、ヘドはもっと痛々しかった。表情が画面に大写しになるせいかな。
映画だと思い出シーンは過去へ登場人物もさかのぼってからの始まり、東ドイツ~アメリカへ~ライブ、って流れで、思い出をたどるシーンが連続して出てくる構成で。

舞台だと、ステージ上でヘドが自分史を語り歌う構成なのですねー。

会場がライブ用だし、ロックだしってことで、ライブ用耳栓をもっていきました(正解)耳の弱い人は持っていくと良いと思います。

これまでのヘドを何人か見てきた方たち、今までにないタイプのヘドだと評価してるのをいくつか目にしました。私は映画のほかは知らないけれど、それでも浦井ヘドの明るさって新しいのかなと思う。

怒りや諦観があるにはあるけど、それより生きたい、自分らしく生きたいっていう健全な希望が満ちてたのでした。

哀しい話してるし、ダンナ=イツァークにも辛く当たるところとか嫌なやつなんだけど。
憎めなくて可愛げがあって母性と包容力も醸し出し、最後のMidnight radio歌ってる姿は、希望だと感じました。全然行き止まり感ないの。広がっていくイメージ。

またつらい目にも遭うんだろうけどそれでもきっと浦井ヘドなら乗り越えて、またいい歌を歌ってそう。
神経質そうじゃない、おおらかですね。
(やっぱりあのホッペかな? かわいい頬袋に癒されるわ)

作品が誕生した当時とは観客側の見る視点も変化していることも、影響ありそうです。

すごく特別な人の話ではなく、いつでもどこでもありうる愛の物語、自分とは何者か?という「普遍的な自分探しの物語」として受け止める下地が生まれています。
女装している男子か、女装している女子か、どちらでも「ヘドウィグ」であるし、「ハンセル」であるし。

球体人間とか完全人間のことなんだけど、私も高校生のころ倫理の時間にこの話を聞いて、ロマンティック!と感激した記憶があります。

自分は本当は完全な人間だったはずなのに、今、不完全なのは半分になってしまったからだ、っていう。
成長するとこの不完全で理想とは違う「自分」と折り合いつけて生きていく道を見つけていくわけですが。

軍人は顔も覚えていない父親を重ね、年下未成年のトミーはアメリカに生まれていたら自分だったかもしれない姿(カタワレであり)を見て、そして女性として脚光を浴びたい姿は、イツァークに重ね(自分と被るからアイデンティティの女装を奪う)てました。
自分を語るときは、自分だけでは生きていけず、誰かと自分との関係で語るしかないっていう懐かしの文学科魂が刺激される構成よ。

なのでシンプルだからこそ、見る日の自分がすごく反映されそうな物語です。
この日の私は、浦井くんすごいすごいがメイン、次いでアヴちゃんのキャスティング絶妙だな、2019のヘド愛してるー!って感じでした。

語り。
MCとかで話すふんわりの浦井くんとは別人なのよ。ほんとそこが大好きなとこですけど。
だって休憩なしでずーっと物語を自分で語って自分で進めて、歌うの。

セリフ感があまりなくて、それも素晴らしかった。
「ヘドウィグ」は女らしさを纏っている役で、元々が芝居がかった人物なのもあって、とてもそれらしく聞こえます。巧い・・・良いーっ

それから、語りのなかで登場する恋愛の相手との回想語りでは、米軍人やトミーの役もスッと語りのなかで声色変えて演じ分けています。ああ良い・・・

下ネタもあるけど(オリジナルよりはやんわりしてるそうだ)品があるんだよ。浦井くんの品だろうなぁ 汚らしくないしね。体を売った話も、人生いろいろあるし、アナタはそれで相手を知ることができるんだねと聞いてました。
あっけらかんとしてるせいもあるのかも。


新訳、流れも意味も聞きやすかったです。
いわゆるミュージカルで書かれる歌とは違う、曲が独立しているけれど、その時々のヘドの心情を表している。
うまく説明できないけどカタログミュージカル的というのかな。

それを曲ごとに独立した歌として歌ってました。
冠さんが歌唱指導についてらした成果も感じられたし、10年前の浦井くんなら喉をつぶしかねないところを、喉を酷使しないで表情豊かに歌っています。低くドス利かせたり、やさしく歌ったり。良いーっ

前に進むには何かを捨てなくちゃ、ってイツァークに言うヘド、酷いのだ。
ここまで被害者として語ってきたけれど、ここは加害する側にも立ってしまうんだよね。
セリフでは無いけど、ヘドは歌も自尊心もトミーに奪われて、ヘドはイツァークのイツァークらしさを奪っています。

ずっと黒衣装のイツァークが、ヘドからウィッグ渡されて(最初はヘドにかぶせてあげようとするの、イジラシイよぅ)自分を取り戻すの、ずーっとあまりセリフはないけれど、ステージ上でヘドのサポートしてトミーはこう言ってるよって示唆して、行動で語ってました。

アヴちゃんのドラァッグクィーン姿が美しくてまぶしくて。
イツァークに嫉妬するの分かる。でもそのままのイツァークを受け入れられたヘド、良かったね。

ウィッグもメイクも取れて、汗だくで、パンツ一丁で立つその姿が君そのままの姿なんだね・・・美しい。メイクしてもいいし、衣装着てもいいし、パンイチでもいいし! 自分自身でいることが最も大切なのだ。

ふう、感想もひとくくりにできないくらいの作品でした。
浦井くんが演じた役、どれも大好きだけど。
ヘドウィグ、かなり大好きな役になりました。

今週、大阪でも拝見します。
また深めてるんだろうなぁ 楽しみ!!

2018/12/30

『メタルマクベス disc3』12/20昼 格段に良かった

前回、いろいろ気になったランディの「王位への欲望」がどこから来たのか?問題は、この回を見て、ものすごく腑に落ちました。良かった。

外からやってきたんですね! 

disc1のさとしさんには、種みたいなものがそもそもあったところへ、好機と妻の言葉が降ってきて盛り上がったのだなと思ったのでした。が、浦井くんはちょっとそれそは違う・・・でもハッキリしなかったのがもやもやしてました。

ランディに王位への欲望は全然なかった・・・ 王を殺めるときも。

自分たちの計画が王に知られていて、釘を刺されているのだと感じたので、否応なしに「殺すしかない」へ突っ走っていったのでした。

納得。

「今」しか生きてないランディと夫人、年齢的にもぴったりだったし、「小さいの」と自分を見ているのに、暴風に巻き込まれたみたいに一気に簒奪してしまう中身のなさ、良かったわー。最高。

空っぽの二人・・・
他の方の感想読んでたら、メタルマクベスの最後がインストゥルメンタルであるのは最後は歌う人がいないから、というのがあり、鋭いなぁと。

メタルマクベスのCDに自ら進んで操られてるランディ、すぐに自分をマクベス浦井と思ってしまう素直さも「空っぽ」だからこそ。歌わされているけれど、最終的には残るのはメロディだけ。歌うマクベスはいない。

私の疑問もすっきりしたし、浦井くんもとても落ち着いて役にしっくり馴染んでいました。
かっこいいーきゃーーー。

夫人の手を取って歌うキャラメルの歌。優しいやさしい歌声。
今回、下手ぎりから見てたので、きれいな横顔と大きくて美しい手も眺められました。追い詰められてるなかでも、夫人への愛情を失わないところ、素敵。

まさみ夫人も、より一層ステキ(彼女は開幕時から完全に役を掴んでたのね、素晴らしい)
またも、まさみのおしりがすてき・・・!! とうっとりしました。みんな言うでしょ? 見終わったら、お尻が・・・って。すばらしい。

ラストでキメ顔でスモークから2人で登場するとこ、最高よ。はぁ

冒頭は、浦井くんがせりあがりでスモークからバーンと登場しますけど、そこも少し余裕ある表情に見え、やっぱり深化してて。

夫人との呼吸もよくなってたし。

だから観劇は何度も行きたくなるよね・・・

ラストの殺陣シーンの連続も、余裕があってよかった。粟根パール王とのやりとりもゾクゾクっとした。まさに空っぽの剣に強い将軍の姿で、本当はこうやって闘ってることで満足してたのになーって思ったよ。

レスポール王から何のために闘っているのだ、と問われた答えはコレなのかな。ただ闘うのが好き。

殺陣って切られ役が上手いと主役も上手く見える・・・けど、今回は浦井くんも腕が上がってたので、いい斬り合いになってました。ランディは全てを見切っているように動いていて、必死なパール王との差が際立ってましたね。

あと気になったのは、レスポールJr、すごい音が取れてなかったけど、どうしましたか。前も? デス・フォー・ランダムスターのとこね。

前回は、音は取れてたと思ってたけどなぁ お疲れなんでしょうか。
粟根さんと柳下さんが入ると、そうよこの音程って頷ける。

じゅんさん、網タイツになると膝にがっちりテーピングしてるのが見えました。酷使してるー! お膝をお大事に。
(じゅんさん美脚)

右近さん可愛かった。踊ってる右近さん、キュート。眼科医の右近さん、キュートって感じだ。癒しだった。

カテコでの手の振り方とか、いちいち可愛かったですね。ベイビーメタル魔女だからか?

■観劇中に「マクベス」を上演するにあたって、何故ランダムスターが主役で、メタルマクベスCDによって翻弄されるんだっけ・・・と意識が彷徨ってしまった。

パンフレットに書いてる?(読んでみた)
→はっきりとは書いてないけど、自分なりのマクベス書いてみようということなのね、宮藤官九郎。

音楽の呪いって言葉だけよりも深そうで面白い発想だったな。80年代音楽が今回の再演にあたっては、初演時よりもすごく遠く感じるのが時代の流れで、手直しされてて良かった。

シェイクスピアの「マクベス」は見たことないという逆転状態なので、一度くらいオリジナルも拝見したいと思います。
※オペラの「マクベス」は見たけど、脚本的にはオリジナルと違うかもしれない。

2018/12/05

『メタルマクベス disc3』11/19夜 まさみ夫人よろしくお願いします

初演のメタルマクベス とか、ライブ行ったりしたわ。
見てたよ。カッコよかった内野ランディ・・・

ウッチー、さとしさん(ライビュ)と来ての浦井くん。

ランダムスター、マクベス浦井/浦井健治
ランダムスター夫人、ローズ/右近B/長澤まさみ

レスポールJr.、元きよし/高杉真宙

グレコ、マクダフ柳下/柳下 大

グレコ夫人、シマコ/林/峯村リエ

パール王、ナンプラー/粟根まこと
右近、医者/右近健一

エクスプローラー、バンクォー橋本/橋本じゅん
レスポール王、元社長/ラサール石井

演出のいのうえさんが言ったように、一生懸命もがいてる浦井くんをそのままランダムスターの性格付け、演技で使ってた。12月にもう一度見に行くので、その時に、未熟さに落ち着きがでてくるのか気になる。あと、殺陣シーンは今後の課題ね。腰を落とすのよ・・・大変だと分かるけど健ちゃんなら出来る!君はできる子!

初演から大筋は同じながら、時代に合わない部分は変更、カット、順序や楽曲も変更あり。
もはやダイエースプレーで笑ってくれる世代は私が最後だものね?(40代)あの曲大好きですけど。若い観客には、ハテナだろう。

カットしたことでスピーディになった気はするものの、初演の何だかよくわからないがごった煮みたいなヘンテコさが減って、となると何で「メタル」「マクベス」だっけ?とふと疑問が沸いてしまう。時代を使って表現するって、こういうズレが生まれてしまうものねー。

■野心はどこか
ウッチーやさとしランディには、もともと野心があって、そこへ夫人がダメ押しで火をつけたように見えたのですが、浦井くんは火さえつかないままに主君殺しをしたような、覚悟のないままのような。

祝宴のあとの王との会話で「知られてしまった!」ことが動機であって、ほんのわずかでさえ王位を求めてるように見えなかった。さとしさんだと、知られたと思い込むのは後押しで。

なので、勘違いで殺してしまったと気付いた後の王冠を乗せた浦井ランディの諦観した顔が面白かった。心がもう死んでる。

心が死んだのに、それでも手にした王冠に執着するのが哀れだし、このひと割と流されちゃうのね・・・という。弱い心が勇猛な兵士の体に入ってるランディ。

野心があっての行動だと、あやうい王位に固執しながら精神が死んでいく段階が分かりやすかったが、浦井ランディは王冠つけたときに死んでて、それと「メタルマクベス」の音楽に取りつかれるところが、現実逃避なのか、自分を鼓舞してるのか、どちらか測り兼ねました。どっち?

むしろ、まさみ夫人のダメ押しじゃなくて、メタルマクベスの音楽と魔女たちによってそそのかされたのか? それもあるな。
だけどやっぱり、野心がないようにみえたのが、浦井ランディの特徴。

■夫人
長澤まさみのことが好きなんですよ。背も高くてスタイル良くて、浦井くんと並んだら引き立て合うわーと楽しみだった。

ほんとに眼福。

すっきりした衣装も良かったし、美尻さま・・・素晴らしい。

もちろん演技も落ち着いててとても良い。自分が何を演じてどう見えてるのか完全に分かってる。いきおいに流されてない。素晴らしい。

まさみ夫人がランディを焚きつけるのは、二人で最高の地位を手に入れたいからという素直な野心から。夫は戦闘力はあるが野心が足りぬと思っていて、それを自分が補えば最高の二人、と無邪気に思ってる。手にした後を想像しない熟慮が足りないところが怖いもの知らずでいい。

慎重に演じてるなぁという印象、200%くらいで突っ込んでくる浦井くんを受け止めてくれてそう。ありがとうございます。

12月の終わりころに、どんな二人になっていくのか期待。

■レスポールJr高杉くん
細い・・・若い(笑) 歌も真面目に歌ってくれてて、カワイイ。細いので踊っても折れるのではと心配になりながら、カワイイなぁと思って見てた。おぼっちゃんな感じが素直に出てました。

■レスポール王ラサール石井
ちょっと! ラサール石井に感動してビックリしました。とても良かった。もう63歳になってらした・・・ いつの間に。
軽いと見せかけて、締めるところをわきまえてて、巧かった。舞台でのふるまいが上手です。演技巧者っていう雰囲気ださないのに。

2018/09/25

『ゴースト』9/10 咲妃みゆモリ―はサッパリ系

翌日10日マチネは、大阪公演の千秋楽。

咲妃モリ―、パッと見ると可愛くてふんわりしてるのに、そこに居るのはサッパリ男前なモリ―でした。おお、新鮮。自立してる(精神的にも)女性でした。
可愛らしさより、愛する人との別れにも顔を上げて立ち上がれるパワーを感じました。

いちゃいちゃ場面では、Love度熱めながら爽やかに演じていて、宝塚仕込み素晴らしい。客席からは体重かけてるように見えるけど、本当はかけてないに違いない、スゴイ。髪に手をかける仕草とか、100点です! やや様式美でもあったけど、咲妃さんの得意分野よね。堪能した。

秋元モリ―は控えめだったこともあって、演技面では浦井くんがリードしてるように見えました。

咲妃モリ―は、反対に浦井くんは受けな演技。
ギター持ち出した時に、そんなの無駄、ダメよ、などと合いの手が入るのが、ビシーッとするどいツッコミで、笑いが起こるほど。場数踏んでるだけあるわ。全体に安心感たっぷり。
ちょっとした何気ない仕草とかも上手なのねー。さすがです。

歌声ははっきりした可愛らしいお声でした。

千秋楽ということで、浦井くんと森公美子さんからお話しが。

浦井くんは、作品を通じて何か受け取ってもらえたら(感じて?かな、そんなニュアンス) 愛をテーマにした作品だからね。

モリクミさんは、完売のはずが空席があります。災害で来られなかったのかなと思い、空席に思いをこめて舞台を務めた(もちろん居る我々にも、思いは込めている)
自分も東日本の震災のときは大切な人を亡くした、大変なときだけど、舞台をいいものにすることで…(ニュアンスとしては、貢献したい、とか役に立ちたいという感じだったような)

正確な言葉が思い出せなくてスミマセン(いつもはすぐメモするんですが、私も胸がいっぱいで忘れておりました)

モリクミさんが涙ぐまれていて、あんなに笑顔ハツラツでオダ・メイを演じてた方とは思えないくらい。優しいお気持ち、私にも、それからきっと来られなかった方たちにも届いています。浦井くんも、モリクミさんも、作品に関わっている皆様、どうもありがとうございました。

『ゴースト』はお別れの物語なのに、癒されました。人を信じるときの強さとか、目に見えないもののこととか。

私は幽霊とか信じない(居たら嫌だなぁと思って…コワイよ)んですが、生きてる側の喪失感をどうするかという点はとても大事なことと思っていて、その一つに幽霊というか、魂を想定するのはあるかな?と。そしてゆっくり手放さねばならないんですよね。

私は死んだら宇宙の塵に戻りたいので、未練なくこの世にサヨウナラしたいです。
だから毎日好きなことしていたいなっと。

『ゴースト』9/9 音楽も素直に泣けてくるし、イリュージョン素敵

曲も素直。
奇をてらった感がなく、キャラクターの感情が素直に流れてくるメロディ。

UNCHAINED MELODY は二人の心の表現の肝で使われます。


もう、何も考えずに! 泣いたらいい! 泣いてすっきり!

ひのあらたさんの曲はジャズエイジなのかな?と時代を彷彿とさせて、地下鉄のゴーストの西川大貴さんはラップ、とタップ。オダ・メイはいかにも怪しげなゴスペル風。
キャラ分けも音楽ではっきりあるもの、分かりやすい。

上記の三人、すごくおもしろいキャラでした。しっかりサムのために助言くれるだけじゃなく、各人の背負ってる業みたいなものを感じさせるのでした。妻を待っている男、死ぬはずじゃなかった青年、そして母と祖母にはあった霊能者の血筋が自分にはない・・・と詐欺師になった女。濃い。

地下鉄の青年、あんな風に音楽と光でカッコよく霊力(何ていうの? ゴーストのパワー??)を見せるアイデアがイイ~! パシュ!シュ!パン! 面白かった。怒りがダイレクトに爆発してる感じ。

オダ・メイ、モリクミさんのためにあるような役。スニーカーでダンスも頑張ってらっしゃいました。膝の調子は大丈夫でしょうか。とりあえず、踊るとかわいい。汗もかいて大変! ゴスペル風なありがたそうな適当そうな曲が楽しい場面です。

ズルそうなところと良い人そうなところのミックスさがいい塩梅。銀行をだましに行く時のいかにもな豹柄ツーピースとか、分かりやすくて最高です。

小切手の額に夢が広がるシーン、楽しいシーンありがとう。シロクマさん(ふわふわ白いファーコート着るから)出没してました。こういうの、ミュージカルぽい♪

浦井くんが歌う、I Had a LifeRain/Hold On 切なさ全開、オケもぐいぐい盛り上げて良かったな。また聞きたいなぁ・・・・再演待ってるーーー!!!
モリ―に言い寄ろうとしかけるカールに対して 二回殺された!って歌ってるのも、ひりひりして良かったんですLife Turns On A Dime かな? 写真バーン!ってしたシーンね。

セット
建物の外壁になる4つのパネルが最初は舞台の最前まで来ていて、始まるとタイミング良く音に合わせて開いてセットになります。モリ―とサムの部屋はロフトある作りで、玄関ドアが2階、で下に降りるようになっている。

コンパクトな劇場ですが、動きが出て良かった。お掃除大変なお家だなーと思ったけど、若者がアトリエを手に入れた、かっこいい!な感じが伝わります。

インテリアはグレイメインのモノトーン。趣味がいいっていう主張。

イリュージョン
ゴーストさんたちは、基本グレイの衣装。モリ―とサムの住まいと同じ。グレーのグラデ衣装、なかなか見ものでした。各年代取り揃えたようになってます。
浦井くんだけ、白シャツに黒パンツです。

初見の日は床面が全然見えない位置で観劇して、浦井くんがゴーストになったところをどうやったのか、わかりませんでした。

翌日は良く見えたので、ナルホド!! 見えなかったはずですね・・・
(演技で撃たれたサムがそこに倒れているのを見ている、というフリをしてただけだった。でも自然で良い)

ドア抜けのは、スリット入りの布地が貼ってあるだけだけど、ビリビリーという効果音と光で雰囲気が出ます。

基本、ゴーストっぽい感じは出さず、ドアノブが握れない、憎い相手を殴れない、見えない、で解決。むしろ生きてるように動くことで、ゴーストたちのここに留まりたい思いの強さを感じられる気がしました。

大がかりな装置も使わず、省エネ・イリュージョンがいい。

黒いゴースト、あれが一番気に入りました。地獄行きの死神の使者みたいな人たちが、ウィリーやカールを連れ去る演出。けっこう怖かった。

カールが黒いゴーストに連れ去られるとき、追い詰めて復讐したはずのサムが手を伸ばしてしまうところに、友情の欠片が残っているのが垣間見え。憎いけど、だからって完全に見捨てられないところが。

全身黒の衣装と黒い布地だけなのに、音楽と照明と躍動感で、有無を言わさない力がありました。引きずられていくのが恐怖。
いい子にしてようと思うわ。あんなのに連れ去られたくない・・・

家の階段も、最後にサムが天に召されるときの階段に。照明って偉大だ。現世に別れをつげて想い残したことから自由になって行く瞬間が見えました。

レミで祐一郎さんが天に召されるのも、最高になんと神々しいと思いますが、今回の浦井サムの召され方は明日へ続くサヨウナラで、清々しくもありました。綺麗でしたね。

2018/09/17

『ゴースト』9/9 秋元モリ―は、繊細で奥に秘めた強さ

@サンケイホールブリーゼ(大阪)

サム/浦井健治 モリ―/秋元才加
カール/平間壮一 オダ・メイ/森公美子
松原凛子 松田岳 栗山絵美 ひのあらた
大津裕哉 岡本悠紀 小川善太郎 木南清香
コリ伽路 島田彩 丹宗立峰 千葉直生
土倉有貴 西川大貴 湊陽奈

夏の東京は遠征費も気温も高いので大阪で見てきました。のですが、

9/6の北海道胆振の大地震で停電、断水など混乱。もともと9日の伊丹便を取っていたのですが、前日まで本当に行けるかどうか迷ったし、実際に行けるのかも不明でしたが、沈んだ心は、浦井くんに晴らしてもらいたいー! と大阪へ。

大阪も地震、台風被害が残っていて、どちらもインフラ復旧にあたっていた皆さまに感謝でした。

行って良かったし、行けて良かった!!
ありがとうございました☆

映画「ゴースト ニューヨークの幻」の脚本家と音楽家が、ミュージカル版も制作。

9日のマチネは、秋元才加モリ―で。

秋元さんを拝見するのは初めてだったのかな?と思うのですが、舞台映えする顔だちに、誠実な歌声。

派手目な顔立ちから考えてたものとは違って、繊細でやさしいモリ―なことが、なかなかギャップでした。ふんわりした印象を醸し出すけれど、サムを愛してるっていう芯が全然ブレないところが、ヒロインらしい。

ちなみに、翌日の咲妃みゆモリ―は全く反対で、見かけはふんわりだけど、動きがつくととても凛々しいハンサムガールでした。面白い。

細かなストーリーはすっかり忘れていたものの、とにかくサムがオダ・メイの力を借りてモリ―を助け、愛してるって伝える、というのは周知のこと。しかし分かっている展開でも飽きることなく展開していきました。

モリ―が悲しみに暮れる姿は素直に悲しくなるし、実体がないサムが必死にモリ―を助けたいと苦悩するのも応援したくなるしかない。
オダ・メイはまぁ詐欺師だけどチャーミングで、何だかんだ言ってサムを助けるあたり良い人になっていくので同士。

この三人を応援してると最後までするする見てしまいます。

ぐだぐだに笑わせるような(そういうの好きじゃない)場面もなく、音楽とダンス、セリフ・・・とモリクミさんの存在が笑いの女神だったかな。

もともと泣いちゃう話だけど、地震で非常に心が弱っていたので、より一層「愛!愛してるって言わなきゃ!」な気持ちになり、べろべろに泣けました。泣くのってすごいストレス発散されますよね。今回実感したわ。ものすごくスッキリして札幌に帰ってきましたー。

冒頭のいちゃいちゃシーン、この後死んじゃうし・・・と思うと余計に愛おしき場面。
浦井くんは普通の男子の役が非常に良いなぁ 褒めても褒めても足りないくらいだ。いつまでも見ていたい。

StarSで比較してみると、芳雄くんはオーラを突然消せるけど、冒頭シーンのような場面だと、やっぱりきらめきが復活してしまうんじゃないかと想像。育三郎は、華やかさが隠しきれないので、普通度が低そう。

祐一郎さんなんか、普通の男のはずなのにちょっと笑っただけで、婦女子卒倒って感じだしね(え、そうだよ)

浦井くんは、こういう「普通の人」を「きらめきつつ」演じられる・・・!
スターっぽくなく、でも、きらきらしてて、普通の男性として違和感があまりないと思うの。ここ、すごい強みだと思うんだ。強みだよ!

冷静になれば浦井くんもスター☆のきらめきなんだけど、舞台で見てるときは、この「普通さ」が際立って感じられるんですよね。不思議。
だから、狂気の役でも、普通の人が堕ちる感じが出るのだよね。

いちゃいちゃですが、ハッピー!でニコニコ。

モリ―が「愛してる」というと「Ditto(同じく)」としか答えないサムに怒ったモリ―。まずい、とギターを出してポロローン♪ 
ギターでUNCHAINED MELODY を(わりとシンプルなコードで)弾きながら歌う浦井くん。可愛い・・・ ギター弾きを見たときに100%思うけど、そのギターになりたい。

そんなことじゃダメだよって口ではいうけど、結局とりあえず許してあげちゃう心の広いモリ―だった。

ラストシーンまで、ここを逃したら二人が目を合わせる場面がないので、ラブラブしててOKよー。
浦井くんの大きな手とかするっと背が高い感じとか、私も幸せに浸りながら拝見。もちろん私も I love youだし!

秋元モリ―、歌唱技術で感情を揺さぶるというより(歌声は素直で聴きやすい)演技力で表現。もっとお歌が思うままに表現できる技術がついたら、さらに役も広がりそう。見てみたいです。

中盤、暗い穴に閉じこもったように出口が見えない悲しみに覆われているところは、今ぎりぎりで耐えてる様子が、抱きしめてあげたい感じ。
見かけのきりっとした感じとは逆な繊細な印象の秋元モリ―、サムが居る!と行動を起こす姿に、秘めた強さを見ました。

打ちひしがれ、カールの誘いを拒否して。でも前に進まなくては、と一歩ずつ快復して…と変化していく様子、芯が強い女性だなと思います。

大事な人を失うこと、自分の経験が痛みとしてよみがえりますね。だからモリ―の生きていたくない、という言葉も響くし、それを聞いてるサムの辛さも同時に分かって、観客はダブルで喪失感に襲われます・・・う、ずきずきと痛い。

スキニージーンズと赤いチェックシャツという、私には似合わな過ぎなアイテムを颯爽と着こなしてた秋元さん、やだカワイイわ、と思いつつ、涙を流して最後はサムと向き合ってセツナイけれど笑顔。
そのほかの衣装も赤いニット帽にトレンチコートとか、それ好きなアイテム(でも私トレンチが似合わない~)なので、目も癒された。

そしてカテコの後に、二人のデュエットがあることを知らなかったので、そりゃもう、宝塚みたいだ!ビックリしました。
後日談的にも見えるし、二人の心の中の出来事にも見えました。もう一度、二人で愛をかわす歌でもありましたねー。

幸せなラストを目に残してくれてありがとう。

ところで、観劇中にすごく違うことを思い出してしまうことないですか?

天国への階段に足をかけていくサムと見送ったモリ―たちを見ていて、私としては、これは1周忌くらいにあたる感覚だろうか・・・などと考えてしまいました。

生きてるから当然いつか死ぬのですけれど、突然のお別れだし、犯罪に巻き込まれた被害者でもあり、区切りをつけていくのは難しいことですね。
それでも亡くなったことをどう受け入れるかがテーマのひとつだと思うので、時間が最も悲しみを癒してくれる…と信じて、生きてる人は生きねばならない、などなど。

私が現実で体験した災害のことと、舞台で展開した人の死と別れのお話、いつも以上に近くに感じました。
舞台を見て元気になる私、生きてる、ありがとう。

2018/03/01

『ブロードウェイと銃弾』2/19.20 3 それは好きじゃない

たぶん、私は笑いのセンス筋があるとしたら、全然鍛えられていないと思います。

相手をなじったり叩いたりするのは嫌いだから見ません。大声で騒ぐテレビも疲れるのでほとんど見ない。落語のほうが笑えるし泣けるし安心して楽しめます。

感想1、でも書いたけど、WOWOWのグリブラで浦井くんがあほの子扱いなのも、たまには違う面も出してよって思う。昆ちゃんが腹黒女子をするのも(そんな役ふられて大変ね?って思っちゃって)心地良くない。演じてるご本人がどうっていうんじゃなくて、見てる私の気持ちがもやもやします。

主演の二人、チーチとデビットの二人が絡むときに、中の人=素っぽいところを出すとか、城田トートを出すとか、好きじゃない。

浦井くんが城田くんに頭をぺしっとされて、「素の浦井としてウケてる」風のやりとりするのは見たくない。自分の脚本で上演目指してる男は、チンピラに叩かれたら怒りませんか? 怒らなくても嫌でしょう、笑わないと思う。

そういうの、好きな人はきっと好きなんでしょう。私は好きじゃない。

こういうのは、素人芸というのではないのか。
福田さんが笑いのプロなら、作品世界をきちんと成り立たせた中で筋書上も意味の通る笑いを求めて欲しいものです。や、別に「笑い」のプロでなくて、仕事としてどうだろうと疑問。
「素(風)」なのが良いねっていうのは、使い古されてるし、日生劇場では見たくない。

その点で、浦井城田トム、以外はストーリー上の世界からはみ出ず出来ていたので、なぜ主役二人でも同じように、きっちりと練り上げなかったのか、残念です。

祐一郎さんと「エドウィン・ドルードの謎」やったときは、あくまでも演じられてるキャラクタで笑わせてもらって、これは楽しかったのに。

そもそもですけど、この作品って大笑いする馬鹿作品というより、バックステージものでブラックで作者の自己像を客が見て、あああ(フッって笑う)というよなものじゃなかったのかしら。

そしてショウ部分がきらびやかで楽しい作品じゃないのかな。

楽しかったし、個々の俳優良かったし、音楽良かったよ。
でも、と上記のような面も残ったな、という感想。

『ブロードウェイと銃弾』2/19.20 2 プロに徹した綾ちゃん良かった

配役はみなさんぴったり。

オリーブ役の平野綾ちゃん。
アニメ声を駆使した気に障る系あほの子を演じます。最後までブレずにまっすぐあほの子に徹していて、素晴らしい。チーチの脚本書き直し夢コーナーで、くるくる回りながら一本調子でセリフをしゃべるオリーブ。最高に腹が立ちます!(もちろん褒めている)

自分史上、最も布が少ない衣装だと言ってましたが、部屋着という名のキャミソールのことかな。それで床に転がって足を開脚もじもじしてくれてました。ソーセージ頂戴。何てあほすぎる歌・・・(これも褒めてる)

うっかりすると上手く歌えちゃうところ、隙なく「オリーブはダメすぎる」のスコアを出し続けた綾ちゃん、お疲れ様です。

芝居できなさ過ぎてチーチに殺されちゃって残念。すごく長生きできそうだったのにね・・・

ブラザートム氏。
自宅でくつろぐときはヘアネット姿なの? それともお洒落なの? あれ何?
誰もつっこまないし、分からなかったよー。

オリーブのことが好きなのは分かるし、お金あるのも分かるし、でも死んだあとは仕方ねぇ、って言うのも分かる。そこは良かった。歌もいいよね。

ただ、ちょこちょこした笑いどころの作り方がどうも私と合わず(面白ろいとこ?と微妙な気持ちに)強面なのに端から見ると可笑しなことになってしまっている、というがっちり王道で笑いたかったです。福田さんのセンスだろう・・・・むー。

前田美波里さん。
まさにデビットと同じ気分になれる、伝説の大女優さま。
貫禄があるし濃いにも関わらずカンパニーと良いバランスが取れていて、昔は凄かったけどね、とバカにされそうでいて、しかしやはり現役の女優のオーラの出し具合が素晴らしかった。キメるときはキメる。それ大事。

あと美脚も披露されてて、ありがたや。
浦井くんともブチューしてましたが、これまた嫌らしくなく明るい。
衣装見てるのも楽しいしね。

壮麻さん、徐々にお腹が出てくるのが可愛いし、股間に手を当てる仕草(ってかくと変だよね、MJのアウー!ってポーズと同じの)とか、でも良い声だしとか、女好きのイケメンおじさまでした。
チャーミングだけど、ダレてないのが良いです。

知寿さーん。可愛いわぁ
カウンセラ通いしてるセレブ?犬を連れた女優役。わりと普通なのに、犬周りだけちょっと変なのね。もっとがばっと歌って欲しかったです。美波里さんと美脚対決でもいいしー。

プロデューサー役の加治さんは、間合いが良くて安心。他が役としても濃いので、わりとほっとする人でした。

男子ダンス部、カッコよかったんですが、田村充宏さんと思いますが、赤いチーフの方がきびきびしてて、なかでも目を引きました。チーチの下で動いてる方です。
ターンのキメ方が私の好みー。軸が綺麗に回ってます。

城田さん含め、スーツ男子が踊るのはたいへん良かった。中心でデカい城田さんがジャケットひらひらさせてターン! 良い良い。

女子ダンス部、ショーの花。派手目なメンバーが揃っていた印象。トニー賞授賞式だぁと思いながら見てました。声が揃っててすごいなあと思ってたんですけど、歌いながら踊ってるんです・・・よね? 良い。

舞台セットはシンプルで雰囲気出してます。お金があればもっとネオンぴかぴかなクラブになったんでしょう。ぴかぴか好きなので、期待してましたが。

ただ当時の雰囲気が衣装ですごく表現されてるので、全体としてはまとまってました。

2018/02/24

『ブロードウェイと銃弾』2/19.20 1 撃ち抜かれたマイハート

@日生劇場

デビット/浦井健治 チーチ/城田優
オリーブ/平野綾 イーデン/保坂知寿 エレン/愛加あゆ
ニック/ブラザートム ワーナー/鈴木壮麻 ヘレン/前田美波里
ジュリアン/加治将樹 シェルドン/青山航士

脚本/ウディ・アレン
オリジナル振付/スーザン・ストローマン
演出/福田雄一

映画は大昔に見たものの、特に印象にのこってない程度。
禁酒法時代の音楽をベースに作られていて、明るく弾む曲調。生オケで上演される楽しさを感じながら見てました。いいねー。

売れない脚本家の小難しい作品に、マフィアのニックがスポンサーとなって、愛人のオリーブをスターにしてやってくれ、と押し付けられる。悪い虫がつかないように見張りに来たギャングのチーチだったが、稽古を見ていて発した脚本への言葉が的確すぎて、ついにこっそりデビットと共に脚本の手直しをするように。
いつしか、それはチーチにとって「俺の作品」となり、今度はひどい大根役者のオリーブが邪魔になってバーン! チーチもニックに返り討ちにあい、バーン! 
ラストはニックがほっこりバナナ話を持ち出して、バナナないよバナーナ♪ 

話は簡単だけど、展開のテンポもいいし、役者さんたちもぴったりで、楽しく見ていられた。

【ハートを撃ち抜かれたの】
結論から言うと、浦井くんを応援しに行ったはずが、
チーチ役の城田優に心臓撃ち抜かれて、帰り道、ふらふら山野楽器に入って『エリザベート城田盤』DVD買ってたよねという。
この感動を課金で示そう的な・・・?

や、たぶん以前トート城田を観劇した時点でも撃たれてたんですけど、認めないぞと頑張っていたのだった。なんで頑張ってたのやら・・・素直になればよかった。

カッコいい以外の言葉が出てこなかったわー。やだー、超カッコいい。立ち姿が惚れ惚れします。
タップも良かったし。それに、どんどんいい声出てきてますねー。良い声-。
でもってデカい。浦井くんよりデカい。舞台人は、大きいのは良いことです。

ニックにオリーブ殺しを探られて胡麻化してるシーン、わざとらしくなくて上手かった。殺されるって分かってるのに、どうしても初日に駆け付けたいところとか、芸術コワイね。

【福田さん、浦井くんそれだけじゃないからね】
よくある感じだと、浦井くん演じるデビットに同調してみるんだろうけど(映画版もそうなのか、全く思い出せませんが)、どうにも共感できそうで出来にくいタイプでした。
自分で思ってるより才能がいまいちで美女にも弱く、恋人も浮気してたと言えばあっさり引き下がるし、もやもやするわー。ウディ・アレンだからだろうか。そうかも。

キュートな浦井くんベースで演じられてたけど、アーティスト気取りの雰囲気をもう少し前に出してくれても良かったんじゃないかしら。こじらせインテリ風の。
浦井くんはそれ出せたハズと思うんですが、捻くれた感じ、全くなかったです。

可愛い巻き込まれ君でした。くるくるヘアも可愛いし、歌も可愛いし、友達が死んでもボスと歌いあって結婚申し込んでるあたりも、やっぱり君あほの子でしたか?って感じで可愛いのだった。

瀕死のチーチを助けようとしたとこだけ、かっこいい浦井くんの風が吹いてきました。
かっこいいは城田チーチの役なんだろうけど、だったらもっとデビットを面倒な感じの人物にしておいても、いい対比になりそうと思ったり。でもエンタメに徹するなら拗らせすぎないほうが物語が進むのかしら。

もともとそういう役なのか、福田演出なのか? ここ知りたいです。

福田さんと言えばグリブラ(WOWOWで放送中、グリーン&ブラックス ミュージカル俳優たちのコントと歌の番組)での、浦井くんの扱い! あんなに、あほの子一直線ってちょっと! ひどいわ・・・ いい子なのに・・・

さて、アーティストでいたいけど、現実問題、お金は必要だし、スポンサーの意向もある程度受け入れねばならないし、という板挟みになって、押し切られていくのがデビット
だけど、意外と逡巡しすぎず、自分で演出できて主演はヘレン、ワーナーも!と上演できればオリーブも受けいれてやるぞと方向転換。そこらへん、妥協できるのが100%アーティストではないところなのか。

最高の最高を目指すチーチは我慢できず、銃の力で押し切っていくのでした。殺しちゃだめ。

一人の命より作品だという話、最初にデビットも支持してたけど、イザとなれば人命は大事になる、というのが良い人の証でありアーティストになりきれなかった優しさなんでしょうか。

2017/05/23

『王家の紋章』4/21昼-2 1幕は良いので、2幕をどうにかしたらいい

1幕はスムーズに進行していくし、セットもエジプトらしさ、王宮らしさがアップ、奥行きと広がりのある世界になったので、良い。
ただし、2幕がどうも一本調子なところがあるので、そこをどうにかしませんか。

そういえば、初演の時にどうやってキャロルが再び古代にもどったのか謎よねーと思っていたのですが、再演ではわかりやすくセリフに入ってたので理解しました。キャロルは戻りたいと願ったら、自分で戻れたってことなんですね。
アイシス様が暗殺のためにキャロルを呼び戻しても良かったんですけど、愛の力ってことでした。

2幕でどうもね、って思ってるのは、イズミル王子の唐突感です。
キャロルに心奪われるのも、初演時よりは納得できるものの、2曲続いたり(同じシーン内で2曲あるとこ。キャロルを布でぐるぐるに拉致してのあたり)して、急にしつこいんです。

ここまでメンフィスとキャロルの二人の物語だったのに、突然いい曲をどーんと歌う! メンフィース!メイン取られてる!はやく歌いに来てー!と、思ってみつめてしまうのでして。一瞬でもいいから、奥のほうでキャロルはテーベで楽しんでるかなーと心配顔のメンフィス様を見せておくれ・・・

イズミル王子役のお二人はどちらも持ち味だして色気もあって良いので、脚本と構成の問題です。

それから、殺陣シーンね・・・ ダンスで表現しているので、一見したところではいまどちらが攻勢か、とかちょっとわかりにくいなぁと。

ダンスでのバトル表現自体は嫌いじゃないので、まぁそこは良いとしても、最後の最後、イズミルが退く流れがいまいちではないですか? 
2幕のストーリー上の大問題は、キャロル奪還ですよね? そこはもっとタメてタメで、ああ、メンフィス頑張れ的な山が欲しい。

あんなにキャロルがメンフィスの弱点だとわかっているのに、どうして簡単に逃げられちゃうんでしょうか?
(そこがダンスで表現されてるんだって言われたら、そうなのねーというしかない私ですけれど、1公演しか見れなかったので、そこが分かりにくいのはもったいないと思うのです)

それと、それと、アイシス様とイムホテップのお諫めシーンがカットなのは解せぬ!なぜじゃーーー!!

イムホテップがぽつり、と「聡明にして高貴なアイシス様も、恋をすればかくも愚かに」って突然言い捨てて去っていくなんて、ひどい。これじゃ、アイシスを軽んじて言い捨ててるようにしか聞こえません。アイシス様も宰相も品位が落ちるセリフになってしまって悲しいです。

初演にあった「お心をまげて」、と膝を折るイムホテップ祐一郎の姿がなにより美しかったし(映像に残してほしかったよ)、殺人もいとわない気位の高いアイシス様でさえ、イムホテップの助言を聞く、という関係がとても良かったのようー。
イムホテップの兄弟への深い愛情が伝わる名シーン、復活しろ。復活。

祐一郎ファンとしては、登場シーンが減ったのも当然切なかったんですが、せっかくのいいシーンをカットして代わりになにか良くなったかなと考えても、ここはカットしても上演時間が短くなった他の利点が思いつかない。

あとは最後に追加されたメンフィスとキャロルのデュエット。思ったより、ドヤ感すくなくてキャピキャピソングだったような(印象に残っていません)
ここで、帰還した船上のメンフィスに向けて、あとは本当にあなたの治世ですよ、と安心して去っていくイムホテップおじいちゃん祐一郎。

遠くから見守りますの合図だったよね。これはそんなに悪くない。だからこそですよ! ここまでエジプトを守ってきたイムホテップの偉大さを示すシーンを削ってはもったいないわ。ね、復活させましょう。あと今度のDVDには特典映像で入れといてくださいね。ね。

2017/05/03

『王家の紋章』4/21昼-1 いろいろ変更あり・・・

@帝国劇場
1階のA席センター、見やすかったな。初演は2階から照明が綺麗に見えてました。

新作かというくらい演出変更があったという噂の再演「王家の紋章」
宰相さまの出番が減ったぁぁぁという叫び声がTwitterで上がっており、どれどれという気持ちで拝見。

1、セットは格段に良くなりました。
奥行きがでるような背景画、エジプトらしさ満載のの柱たち。上下の移動もおおくなり、大変良いです。
初演のときは、帝劇のスケールを生かしきれてなかったものね。

2、演じ方に余裕が生まれてきたこともあり、メンフィスとキャロルの細やかな心情は情緒深くなりました。
ただし、そのほかの人物たちの場面がカットされたため、全体の情報量の厚みは減り、ストーリーはシンプルで分かりやすくなったものの、同時にますます薄っぺらい感が否めません。

3、イムホテップさまの! キュート場面がカット。
祐一郎ファンの嘆きの山。すふぃ・・くす?? ありません。

4、イムホテップさまの!
アイシスさまをお諫めする場面がカット。恋をするとかくもおろかに、とだけ言い置く残酷シーンに変更されました。ひどい。

5、ルカは踊らない。
テーベには同行しないくなって、ウナスはちょっと踊る。無表情のルカダンス好きでした。でもこれはカットでもまぁ・・・ね。

6、将軍もアイシスに告白しなくなった。まぁそうかもしれない。これは本筋に関係ないし、膨らませようもないエピソードだしなぁ
でも、松原さんがフラれるのも見たかったです。

7、ラストに二人のデュエットが追加。
意外と印象に残らない歌でした。ここにアイシスはいないよね?(記憶がない)

8、ライアン兄さんに話し相手ができてた。誰?
どんどん打ちひしがれていく慟哭のライアン兄さんに涙を禁じえませんね。おかわいそう!

9、映像化にあたって、新妻&平方のものが欲しかった。です。
新妻&宮野、宮澤&平方 で販売とのこと。オタクのパイが大きい二人を分けたのですね。はぁ

10、浦井メンフィスのDV的な演出が減りました。すごくいい。安心しました。
その分、細やかな気持ちの変化が素直にわかるので、気持ちよくキュンキュンできた。

2016/10/07

KENJI URAI 15th Anniversary Cocert Wonderland 9/29 We are こめつぶ!

@東京国際フォーラム ホールA

ゲスト出演
AKANE LIV 照井裕隆 加賀谷真聡
音楽監督/かみむら周平
演出/荻田浩一

1 彼方へ
2 ファラオとして 「王家の紋章」
3 デスノート 「デスノート The Musical」
4 君住む街 「マイ・フェア・レディ」
5 9人のお気に入り 「タイトル・オブ・ショウ」
6 完璧な恋人 「シラノ」
7 If I Loved You 「回転木馬」
8 Closer Than Ever 「ボンベイドリームス」
9 Shakalaka Baby 「ボンベイドリームス」
10 One Night In Bangkok 「CHESS THE MUSICAL」
11 The Arbiter 「CHESS THE MUSICAL」
12 どうやって伝えよう 「ロミオ&ジュリエット」
13 宝塚BOYSメドレー 「宝塚BOYS」
14 Tuxedo Versus 「美少女戦士セーラームーン」
15 シャルル・メドレー
16 仮面ライダークウガ・メドレー 「仮面ライダークウガ」
17 ミッドナイト・レディオ 「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」
18 The Day After That 「蜘蛛女のキス」
19 Anything For Him 「蜘蛛女のキス」
20 闇が広がる 「エリザベート」
21 サラへ 「ダンス オブ ヴァンパイア」
22 いまは子どものままで 「二都物語」
23 ぼくわかしこくなりたい 「アルジャーノンに花束を」
24 The Journey Home 「ボンベイドリームス」

アンコール
25 Color of Dream
26 Stranger 「Big Fish」
27 今日のわたしに 「王家の紋章」

前方の。オペラ不要な席をもらって夢のような気持ちで見てきました。スピーカー近いので耳が心配でしたが、音も良かったです。
色付けたのは、舞台でも見た作品。半分ちょいは見れてるのかな。

・いつもは三人なのに、と言いながら一人でMCする健治。がんばれがんばれ。
5000人のほとんどが、母か姉の(もしくは兄か父)気持ちだったんじゃないでしょうか。健ちゃん、しっかりね!
あ、すこし頬袋がもどってる!(=体重増)

・テンションがおかしい、と自分でいうくらいヒャッハーでありながら、歌いだすとカッコいいわ鳥肌だわ。

・物販にあったサイリウム(白) 発光させるのはココ、みたいな指示はなかったので購入したみなさんスタート時から張り切って光らせた。私は持参したペンライトで参加。振り返ると白い光の海で幻想的。
浦井くんも「きれい!すごい!」とはしゃいでおったのだが、
米つぶか・・・チンアナゴみたい!」って。
(・・・でも、皆さん何かに例えるかって期待してたよね??ね?)

こ・め・つ・ぶ・・・
わたし、今日からこめつぶ! いえー!!

(アンコール時に、またサイリウムキレイ!って言いつつ、「・・・もう例えるのはやめますネ」とやや反省な。でも、炊き立てのしゃきっとした米だそうです。ふふ)

・「可愛い!死ぬ!泣いてる!」しか言ってなかったけど、ふと見える顔に色気がチラ見えたり。えへ。喉乾いたって言って、水を飲んでるだけで可愛いからさぁ・・

・拝見できたどの役も浦井くんらしい透明感と真摯なまなざしが光る役で、曲ごとにその時の景色がばーっと浮かんできました。
また未見の作品の歌が聞けたのもうれしかったな。「チェス」の浦井アービターがいたずらっ子みたいで新鮮。どれも曲として切り取って歌うというより、作品を想起させるような歌や振り付けで表現してくれて。

・ダンス良かったー。
浦井くんはストリート系な動きは特に、手足の長さと大きさもあって、すごく映えます。いいわー。うっとりした。

声は30代からと思う! と本人談。上演当時はうまく出せなかった低音が出るようになったし、など。
私は男声は40代-50くらいまでがすごくつややかで安定するなぁと思っているので、浦井くんはこれからもっと客席を魅了する歌声を出してくれるでしょう。楽しみ。

その意味で「蜘蛛女のキス」ヴァレンティンの歌、今こそ歌う時期じゃないか! 大好きな The Day After That は聴いてて泣いたわ。悲惨な境遇のなかで見つけた光を力強く歌ってくれた。前回公演では頑張ってた感があったけれど、今はもっと自然に男の声が出せる。再演して。

・あ、泣いた泣いたって書いたけど、比喩じゃなくて手ぬぐい(当然、ホタルイカが描かれてるよ)でぬぐっちゃうくらい泣いてた。幸せすぎたのかも。

・厳選された感の3名のゲストのみなさん、それぞれ浦井くんといいショウにしようという気持ちが伝わるお話と歌。照井さんの声、久々にゆっくり聴いたな。浦井くんに、こう見えてもずっと先輩と言われてた・・・41歳だそうで。若いですけど、浦井くんも人のことは言えない。

闇が広がる、を照井さんがトートパートから始まったので、そっか(でも浦井くんのトートも聞きたいなぁ)と思ってたら、途中で入れ替わりました。だよね!
照井さんは青年声なのでルドのほうが安心。仮面ライダークウガー!はすっごくテンション上がりました。見てたのけっこう前なのに、まだ歌えたよ。

AKANEさん、CHESSで拝見して以来素敵な方で再会したかった。安定の歌声と美しい立ち姿、特に蜘蛛女のキスの「蜘蛛女」のパート素敵でした。再演はAKANEさんで。

・まーくんと呼ばれてた加賀谷さん、兄弟で活躍なのですね。
ダンサー一人!シンプルな舞台で爽やかに踊ってくれました。バランスいい感じです。

・これからも、こういう機会は定期的にやっていきたい、と。
それは嬉しいです! 毎年じゃなくてもいいから、歌やダンスをぎゅっと凝縮したコンサートがまたありますように。

とても素敵な一夜でした。

2016/08/08

『王家の紋章』8/5初日 2 キャロル、まさにキャロル(聖子)

浦井くんの続き。
・後ろから抱きしめるとか、私のツボなので大変ありがとうございましたーーっ
聖子ちゃん小さいので、浦井くんの大きな手のなかにすっぽり入っちゃう。宮澤さんはどうなのかな。

・1幕でわりと悪い顔してたのよね。冷血な感じというか。ファラオだからなんだけど、イムホテップと並ぶと威厳というより息子感がでて、たいへん微笑ましかったです。

・処刑もファラオ自らが?? 働き者だなぁ
・キャロルをモノからニンゲンとして見るようになる変化は、さすが良い。こういうの浦井くんすごく良い。
・ミタムンを見る目が冷たい(興味なさそう) その顔好きだぁ

【キャロル/新妻聖子】
完璧にキャロ子でした。
冒頭のキャピー!な声を聞いた瞬間、聖子の本気を感じたわ。

ふわふわのヘアとか、フレアスカートのウエストぎゅっと絞るデザインとか、おお今ここは70年代! 声の調子が70年代アニメっぽいわ。はぁぁ

自分が愛されてることを100%疑わない。でもそれは、ライアン兄さんが日々愛してくれてたからだね。女の子は男子から保護されることに慣れてる感じ、昔の少女マンガぽい気がする。

・私のために、エジプトとヒッタイトが闘っている・・・私のために!
・ひどいことしないでー!
・歴史に介入してしまうか、メンフィスへの愛を貫くか(メンフィス!!愛しているわ!! …あんまり苦悩は深くなさそうじゃ)

こんなセリフを恥ずかし気もなく
原作読んでてもそんなキャロルには同情しにくくて、もちろん舞台の聖子キャロルも全然できません。
だが、同情・共感などしなくても面白いものは面白い。聖子、17歳って感じ!

聖子ちゃんの全身キャロルっぷりは見る価値大です。歴史のロマン大好きとダンスするとき、怪我したとき、メンフィスから逃げようとするとき、コレは恋?と震えるとき、すべてにおいてキャロル入ってます。

友人いわく、誰もが会った途端にキャロルLOVEになるのは、ヒロイン力(りょく)のなせる業と。腕ボキも、すぐ治った。イズミルにムチで打たれたのにケロっとメンフィスに抱きついてるし。すごい。

歌については何も言うことないよねー。メンフィスとのデュエットもきれいだったし、ありがとう聖子ちゃん。

2016/08/07

『王家の紋章』8/5初日 1 マンガが3Dになってるー! ってことでいいんじゃないかな

@帝国劇場 1階S席

メンフィス/浦井健治 キャロル/新妻聖子
アイシス/濱田めぐみ イズミル/宮野真守
イムホテップ/山口祐一郎
ライアン/伊礼彼方

帝劇入口で、小柄なマダム二人をお見掛けする。ほ、細川先生よ!(色違いお揃いのチャイナな上着。かわいすぎる)
と思っていたら、大きくて丸いおじいちゃんがー! あの方が作曲したS・リーヴァイさんよ!
フハー!!(鼻息)

・・・ところで、この日は友人と一緒の観劇。
たまにヅカも見る道産子R子ちゃん(一緒にヅカメイクしにサロンドタカラヅカへ行った)とでした。

そんな大事な日なのに!
なのに!
チケットを取り違えてもってきてしまい、二人分揃って札幌に置いてきたのだった・・・・・(青ざめた)
夫にチケットスキャンして送ってもらいなどして(席番号確認のためね)、無事に観劇。ああよかった。帝劇スタッフさまお世話かけました。申し訳ございませぬ。土下座ー!

あ、私は舞台化が決まってから原作を1-10巻まで買ってざっと読んだ程度でした。友人はもうちょっと読んでたようです。

・70年代って女の子ってこんな感じで良かったのか?? DVファラオに耐えるキャロルがどうしてメンフィスLOVEになったのか、いまいち解からぬ。
・アイシス様のほうが筋が通ってて、つい肩入れしてしまう。
歴史介入への罪悪感が軽いのではないか。

プレビューの感触もチラホラ耳に入っていたものの、さて初日、どうでしょうか?

出来不出来をここで断じてしまうのは、あまりに乱暴なので、雑感という感じで思い出せることを今後の自分のためにメモしておこうと思います。次は終盤に見に行きます。

【舞台セットなど】
・上演前、2幕の前に波の音が場内に流れてて、それがなかなか心地良い。
・同じく上演前のライトがきれい。帝劇の天井まで緑色のライトが届いていて、雰囲気いい。
・同じくエメラルドなのかなー、巨大首飾りが開演前の舞台に掛かっていて、それも雰囲気が出ている。
・しかし舞台がけっこう、さっぱりめ・・・ もっとぴかぴか豪華な背景を期待してました。せめて玉座だけでも・・・お願い、ぴかぴかに!!
よくある扉絵みたいに、きらびやかな背景をお願いしますー。
・1幕はそこそこ立体的(高低)に人が動くけれど、2幕は急に平面に。なぜ?
・帝劇の大きさを生かしきれてないと感じた。キャストが少なめなのかなぁ 高さもだけど、奥行きも使ってません。

・拍手のタイミング作ってください。この作品はストーリー重視っていうよりビジュアル楽しさ重視だと思うの。だから、各キャラのキメ歌のときは盛大に拍手したい
・音楽、それほど異国風音楽を多用せず。ロック寄り、ポップス寄り、というあたり。たまに「レディ・ベス」みたいな転換の音。

【メンフィス/浦井健治】
ほぼ息子を見守るママの心境な気がするので、まともな目で見れてないと思うんだけど、硬いというよりも、真面目全開(いや、毎回いつも真面目なんですけれど、特に特に真剣さが伝わった)

新たに開拓中の、重々しい声、前半のファラオに多用しているのかな? 
若くしてファラオの地位についた少年王、ということなので、“威厳を出そうとしているけれど、やや空回り・・・” しかし、エジプトの人たちはファラオの地位に対する畏れがあるので、空回りしてるのは本人だけで、わりと上手に威張れてる(ひどい)ようだった。

で、この太めの声はまだ使い慣れてない(よね)ので、声が一本調子になりがち。
月末には、このファラオとしての声、のなかに表情が生まれてくるといいなと期待してます。
浦井くんの武器、裏などないと100%信じてしまう真心の声、がファラオの時の内面をちょっと覗かせてくれたらいいなぁ・・・ 初日はキチキチっとファラオを演じていたので、その揺らぎはほとんど見られず。

ファラオとして話す俺様1幕から、身分を忘れてただの青年のままにキャロルを見つめる2幕との落差は素敵でした。2幕は浦井くんのピュアナチュラルラブリー声なので、デヘヘーデヘヘーと顔がニヤケた。キャフーン

キャロルに看病してもらった、と分かったあとの歌よかったなー。
ザ・少女漫画キターー!
キューン(死)したわ。ありがとうございますーっ

肌露出は(スカート長くなった)少なくなった・・・いいんだけど、ちょっと残念だわぁ 前方席だときゃ、チラリー!になってたらしいけど。
闘い場面での衣装、キラキラ度が上がって「せいんとせいや」みたい・・・うふふ。

ミントグリーンのマントをひらひらさせながら闘うファラオ、かっこよさのみ追及するシーンに眼福(下に公式さんの画像つけとく)
なのに強いのねーと思った次の瞬間、ズサーっと切られてビックリだよ。油断しわたね? だめじゃん!

キャロルも鞭打ち拷問に合うんだけど、痛いシーン案外多めかもしれない。そしてみんなあっという間に治癒する。すごい。あいのちから?

まずは原作寄りのファラオ像を作ってきたな、と思います。めでたく再演も決まったことですし、徐々に浦井メンフィスの味付けが生まれると、奥行きが深まるのかなーと。

あとビジュアルにはほぼ文句ないんですが、ずっとブーツ履いてるのが暑そうで気になりました。エジプトだし、にょきっと太ももと素足も見たかった。

もひとつ、制作発表時より黒髪が短くおなりになってませんか。長いほうが好きなんですが! 動きにくいか、もしくは体が動いたときに長いとうまく髪がなびかない、ので短くなったのかなと、推測。
TdVの黒髪とか、エリザのトート閣下とかを彩ってくれてるアデランスに頼めば、さらさら黒髪でイケるんじゃないでしょうか。アデランスさまぁぁーっ

2016/07/01

『あわれ彼女は娼婦』6/16昼 2 そこにいるけど、いない

浦井くんはしょっぱなから、修道士に自説を語ってます。

同じ腹から生まれた美しい妹(それって自分も美しいって思ってる)、最も近しいのは自分で、ひとつになるべきなんだ・・・というような感じだったか。
いちおう教会で救いを求めているのだけど、神のいうことが間違っていると思っているようなので、全く世間様とか宗教の教えを意に介してません。

こういう人には、何を言ってもダメよね。

自分のしたいことを認めてもらう、ことすらどうでもいいようだった。完全に社会と自分を切り離してたな。そこにいるんだけど、いない、というか。
薄い膜が彼の周りにはあって、決して他人と重ならないように見えた。

演出の意図なのか、浦井くんの演技の特色なのか・・・考えてみたものの、一回の観劇だと判断しにくいかな。
見た日の感想は、演出意図だとと感じました。わざと夢見てるひとのように演じているのだろう、と。

意外なのは、アナベラがいずれ誰かに嫁ぐだろうというのは理解してる点。妊娠がなければ誰かに嫁がせて、たまに会おうよっていうこと・・・???
(自分勝手だなーーー!!! 下半身の奴隷か・・・もちろん当のジョバンニは身勝手だなんて思ってないし心の声に従ってるだけと信じている)

ジョバンニはゲスいとかじゃなく、この世界に住んでないって感じです。最初から最後まで、だれともかみ合ってない。
思い出してみたけど、だれかとキチンと対話してるシーンは少ない。対話してても、やはり自分の思いをとうとうと述べているばかり。

アナベラ、兄ちゃんのどこがいいのだ。顔か・・・(違う)

アナベラは、はじめは愛してくれる兄に身も心も捧げるが、妊娠したことで違う視点を持つことになった。セリフには特に出ていなかったけれど、しばしばお腹に手を当てている。子供が生まれることを願う気持ちが出ていたのではないかと。

だからこそ、2幕でソランゾとのやり合いは鬼気迫るものがあって、素晴らしかった。
蒼井優は、好きだと思ったり嫌だなぁと思ったりする不思議な女優さんなのですが、嫌なときって彼女を可愛い女の子としか使ってないときかも。このシーンは、好きです。
華奢な姿が2倍に思える凛々しいセリフ、髪をつかまれても、全力で兄と(たぶん)子供を守ろうとしてる姿、カッコ良かった。弱きもの、女は。そう呼ばれても弱いと思われてる部分を使って逆転しようとしてた。

アナベラのほうが大人。
幽閉されてるなか、修道士にのたうち回って懺悔する姿。兄への思いと、しかし道を踏み外したのだ、という思いがぶつかり合ってました。・・・兄ちゃんは全然、せめぎ合いなどしてない。

自分は死ぬが、その死をもって兄を救ってくれという願い、あんな形になるなんて「むごい」

アナベラの心臓を取り出して、ソランゾ誕生会をめちゃくちゃにする兄。
1幕ではどこかに嫁ぐことはOKだったのに、アナベラがソランゾに糾弾されて死ぬことは許せないと。

→愛だ何だというけれど、そこはジョバンニとソランゾは基本この時代のお坊ちゃまの考え方に沿って思考しているのが、やはり現代人目線からは腹が立つポイントでもあり。仕方ないけれど。
社会と宗教の規律から外れようとするのに、女性への態度は時代を背負っているのよね。

2016/06/20

『あわれ彼女は娼婦』6/16昼 1 むごい、何に対してかを考えてる

新国立劇場 中劇場

ジョン・フォード/作 小田島雄志/翻訳
栗山民也/演出

ジョバンニ/浦井健治 アナベラ/蒼井優

プターナ(アナベラ乳母)/西尾まり
フッローリオ(パルマ市民・兄妹の父)/石田圭祐

ボナヴェンチュラ修道士/大鷹明良

ソランゾ/伊礼彼方
ヴァスケス(ソランゾ召使)/横田栄司

ドナード/春海四方
ポジオ(バーゲット召使)/佐藤誓
バーゲット/野坂弘

グリマルディ(ローマ市民)/前田一世

リチャーデット(偽医者)/浅野雅博
ヒポリタ(リチャーデット妻)/宮菜穂子
フィロティス(リチャーデット姪)/デジルバ安奈

川口高志 頼田昴治 寺内淳志 峰崎亮介
坂川慶成 鈴木崇乃 斉藤綾香 高田実那
大胡愛恵

枢機卿(ローマ教皇使節)/中嶋しゅう

マリンバ 中村友子

前方座席を取って舞台を広くしていたため、前のほうだなーと思って行ったら最前席でした。ムフーッ

一言で○○なお話、とくくり難いなぁ
ひとつには、時代背景に造形がないと理解がすごく浅くなる。
それから、私は自分が女だから「女の側」に立って見てしまう(それもひとつの見方ではあるけれど)

ショッキングな内容なのに、静けさがただよう不思議な感じ。
バーケットなど賑やかし役だと思っていたら、すごく哀しい最期となる。台本読んで(「エリザベス朝演劇集Ⅴ」収録のもの)登場人物多いなーと思ったのも、いざ始まると無駄人物がいないのだった。

そういえば、私が見てる栗山さん演出「イリアス」「ブラックバード」(あ、二つとも内野聖陽主演だ)「スリル・ミー」
どれも、極限でありながら妙な静けさがあったかも。人物から距離を置いてみてる感じがしますね。舞台装置も構築的だから、余計にそう感じるのだろうな。

という点から思えば「MA(マリー・アントワネット)」があんな感じになるのも成程ねと思うわ。MAはまた見たいような気がするんだけど、リピートするのに体力要る。「デスノート」はどうだっけ。浦井くんしか見てなかったので記憶が。

・劇場を出ていまに至るまで、アナベラが死の間際で発した「むごい!」がものすごく響いていて、それがアナベラのその瞬間の気持ちだったのかと思うと、カナシミが襲ってくる。
アナベラは兄のために死んだのだと思ったけど、兄の気持ちと言えば、アナベラを他のやつらのものにしたくないっていう独占欲だよね? むごい!

・浦井ジョバンニは冒頭からラストまで自分の世界のなかで生きていた。現代風にいうと、あいつやばい

・妹アナベラは、半分は現実につながれている(特に身ごもってからは現実を見る目を持った) イタリア一の美女というのがいまいちだが、名家のお嬢さま風。

・横田ヴァスケスの忠臣ぶりがカッコ良すぎて、この作品の目玉。キャー!

・不義を働いたヒポリタとソランゾの冷たい関係、美貌の伊礼ソランゾが美しいので憎みきれないような錯覚が起こる。でも酷いんだけどね。

つづく