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2017/05/03

『ハムレット』4/20夜 お・も・し・ろ・い!

@東京芸術劇場プレイハウス

舞台が斜めに飛び出た下手の角の正面という良いお席をいただいてました。ありがとうございますーーーっ
お陰で、かっこいいウッチーをデレデレしながら拝見しました。
衣装は少し日本風のイメージ、麻か綿、そして絹の質感。男性は墨色のようなダークな色合い、女性は白で。

ハムレット、フォーティンブラス/内野聖陽
オフィーリア、オズリック/貫地谷しほり
ホレイショー/北村有起哉
レアティーズ、役者/加藤和樹
ローゼンクランツ、バーナドー、役者、イギリス使節1/山口馬木也
ギルゼンスターン、マーセラス、役者、イギリス使節/今 拓哉
フランシスコー、レナルドー、役者、牧師/大重わたる

ヴォルティマンド、役者、水夫/村岡哲至
貴婦人、役者/内堀律子
役者、水夫2/深見由真
ボローニアス、墓堀の相棒/壤 晴彦
墓堀、役者、コーネリアス、隊長/村井國夫
ガートルート/浅野ゆう子
クローディアス、亡霊/國村 隼

演出:ジョン・ケアード

一言でいうなら、とても楽しかった。演劇の楽しさがつまったハムレットでした。
舞台の床と照明、小さな箱と大きめの台、舞台上下手に観客、上手に待機の役者と演奏者、

悲劇とくくられることを笑ってるような、今ここで生きているハムレットたちの生の人間らしさ、舞台と箱と照明、ほんの少しの壁に映る抽象的な映像で、400年分を飛び越えてきます。当時の時代性よりも、今の私たちに引き寄せる視点でした。

うだうだしがちな1幕は腰が少し痛くなりましたが、2幕は怒涛の展開であっと言う間です。

セリフを聞いてて、「見る」が何度も登場するんだなと発見(今頃) 
亡霊も、見る。目の前の人物を、見る。見られる。ハムレットは見かけと中は違うんだと繰り返してます。演じる人生、どれが自分か誰にもわからないじゃないか、と。
でも再婚した母の心のなかはおもんばからないんだよね。弱きもの、女、とか言っちゃって(ヒドイ)

対して、叔父クローディアスなどは見かけや態度が整えば問題ない、と思ている節がある・・・そう思ってるだろうから、再婚した母はつまり悪だと思ったってことかなー 
ここきっと評論されてるんだろうな、今度探してみよ。ありすぎて大変そうだ。

それに劇中劇も見られる自分、演じるわたし、を強化してますね。十分にもてなすことなんかないと言われる身分の役者たちが、「王」「王妃」になれる。
演じるということを重ねて強調しているのね。身分制がしっかりある時代に書かれたと思うと、身分を身にまとっているだけの「わたし」への興味があるのですね。

苦悩する(だけの)ハムレットではなくて、親近感のわく隣のお兄さんハムレットといった内野ハムレット。次期王、の風格もありつつ、学生らしきまっすぐさもあって見目麗しかった。
いかにも、な演技におちいらず、今ここで考えて出た言葉、のようにセリフを言うので、すごいのう・・・と惚れ惚れする。
活字を読んでる感じにセリフを言うパターンもあるけれど、いまここで、というリアルな感情を感じるような演技・演出でした。

ハムレットは父への敬愛の気持ちを母が踏みにじってしまった、という怒りと失望があって、亡霊に導かれ復讐の機会を待っているのですが、ねじれた父殺しの話になるんですね・・・ふーむ(ってどういうことなんだろう?面白いわー)
その心が、オフィーリアへの態度にも出てしまったのだろうか。贈り物や言葉をささげていたのに、彼女の心に触れようとしないんですよね。

その母を演じた浅野ゆう子、おお女優という綺麗な姿でした。背も高いので見栄えがいい。色気はなかったな。何か致し方ない理由があって叔父と結婚したのかなと思いたくなるほどで、それが「弱さ」なのでしょうか。

叔父の国村さんは、テレビや映画ではセリフ何を言ってるのかわからないランキング上位の方なので、心配してたのですが、きちんと聞こえました。マイクと相性悪いんですかね? 能のような風情の亡霊。父も父で自分を殺した弟に復讐しろといいながら、再婚した妻は憎まないあたり、え、優しい・・・?のか、ばかにしてんのか。

おじじコンビな國夫と壤さん。墓堀の場面は最高に笑えました。ああ、最高。二人とも70才前後ときいて、おじいちゃんの味わい・・・すてき。
國夫は役者の役のときの長セリフもびしーっとカッコいいし、墓堀のすっとぼけたじいちゃんぶりも良い。お二人ともありがとう!

今さん、ストプレで拝見するの初めてで勝手にドキドキしていたら、颯爽としてました。わりと若いひと、というのを自然に演じていたな。ウッチーもそうだけど、30歳程度っていう役どころで、ちゃんと30歳くらいの男子なのでした。山口馬木也さんとコンビになっていろいろ出てくれてました。

そしていい役もらったねの加藤和樹。最後、ハムレットに父と妹を死に追いやったと復讐に燃えるレアティーズです。
役者の役のとき、すごい跳ねてました。すごい。
終盤のハムレットとの試合、殺陣のするどさではウッチーに軍配。これはそういう演出というよりも、慣れの差かな? ウッチーのほうが腰が据わっててよかった。
自分で仕込んだ毒で死ぬんですが、あ、また死んでしまった・・・とか思いつつ。
帝劇でみると濃いめに入る和樹も、ここではさわやかな好青年なのだった。周囲が濃すぎなので。

精神を壊してしまったオフィーリア(貫地谷しほり)が歌ってるそばに寄り添って、一緒にやさしく歌ってあげてるレアディーズ和樹、夢のように美しかったです。この二人が並ぶと、リアル感が若干うすれました。
(ウッチーと貫地谷しほりちゃんが並ぶと、夢っていうより、ミツと勘助を思い出すでごいすー)

そしてそして、有起哉ですよ。顔ちっさいんだ!とウッチーと並んで気づきました。ウッチーの顔もでかいんじゃないはずですが、しゅっとしてますねー。
最後までハムレットを支える友人ホレイショー、死に瀕したハムレットを抱きかかえてくれるので、眼福です。出番は多くないが、ハムレットを見続けている人物として最初と、最後を締めています。

ストプレは素人観客なんですが、戯曲読んでる段階では気づかないことを見せられる驚きがいつもありますね。
え、こういうこと?(と演出家は捉えてたんだ!)とかね。

意図せずある結果をもたらしてしまうこととか、身体と心の関係とか、またも文学部魂が刺激される観劇となりました。シェイクスピア面白いから、こんなに上演されるんですねー。

2015/06/07

ぞくぞくするよー、悪い男代表だもの

東海道四谷怪談」もうすぐ6/10初日です。

ビジュアルつきのページになってたー。相関図を見て、初めて気づいたよ。秋山菜津子さん以外は、全員男性なんですね。いまごろか!
あと台本読んでおこうと思ってたのも思い出した。岩波文庫でいいかな。

あらすじを読み、そもそも素行が悪くて一度離縁してたのを、お岩の実父を殺して気落ちしてるところにつけこんで復縁とか、悪い男なんだな・・・ぞぞー。そしてわくわくする!

ウッチーと秋山さん、カッコいい並びになりますよね。楽しみだわぁ 悪い男フェロモンが大変なことになってしまうに違いない。ふっふっふ。

2015/04/30

禁断の裸体 WOWOW放送決定

ウッチーのおしりが放送されるのかな・・・ しのぶのトップレスは、どうするの? ジェニーの自慢のおっぱいだから、あのシーンはそのままでお願いしたいけど。

ウッチー関係、放送になって嬉しい。この調子で(どの調子)浦井くんもお願いします。ぜひ。
6/27(土)よる10:00[WOWOWライブ]

2015/04/24

『禁断の裸体』4/16昼 3 パーンと脱いだしのぶ

■寺島しのぶはいい女
プログラム読んでたら、ウッチーが、しのぶに対して文学座で一緒だった戦友のような感じ、と言っていて、そうか文学座だったかと(だからなに)
どこの演劇集団がどうこうという区別はつかないけど、長谷川博己がいたことだけでも、私のなかでは「いいね、文学座

娼婦役のしのぶ、期待を裏切らない退廃感と諦めきらない感、体を売っているなかで求める王子さまみたいな人、という揺れ動きがしっかり見えて納得です。
役柄上、下着姿が多いが贅肉ついてなくて立派だのう・・・ でもって、おばさんみたいにいつか自分が乳がんになってしまう悪夢があり、乳がんでおっぱいを失う前に!みたいな焦燥がある人物でした。50年前なら検診の精度も低そうだしね。

中盤あたりで、見てよ!とバーンと(情事のあとの場面のため、ブラつけてない)ガウンを脱ぎました。脱ぎましたね。ジェニーは自分のおっぱいがきれいだ、自慢できる部分はおっぱいだ、と言っていて、それを確認させたい。はい、私も客席から確認しました。きれいです、きれいです!

ウッチーに足にキスしてよと言ってくれたり。ああ、これセクシーだったなぁぁ 白シャツよれよれさせて、跪くウッチー、ヒールの美脚。

寺島しのぶは、年々よくなっていくよ。女優を観ている楽しさをくれる人だ。年を取ることを恐れない顔をしてる(ご本人がどう思ってるかは別で)と思う。それにしても、情緒不安定でセックスで快復したり傷ついたり、そんな役が多いですね。それだけ、生身の女性を出せる役者なんだということ。

しのぶは、エルクラーノ(ウッチー)に囲われていくと衣装も大人しくスカート丈も長く。ジェニーはジェニーのままで彼と楽しく過ごしたいんだけど、家のなかに閉じ込められてしまって、男女あるあるエピソードでした。対等な関係ってなかなかスッと生まれない。

3人のおば、3人の老女というと魔女しか連想できない。この一家にのろいをかけ続ける魔女たちだった。

おば1・木野花さん筆頭に、清い処女であることを誇りにカトリックの教えを一字一句(表面的、社会的に)守ろうと必死だ。
2幕ラスト、陵辱された甥を嘆きながら、「あの子はインポテンツなのーーーーーー!」 と天に向かって絶叫する姿、思い出深いシーンでした。セリフのおかしさと、おば1の悲しさや悔しさが、全く合致してない! すごい可笑しい! 最高でした。

オカルト気味のおば2・池谷のぶえさん。うっかりハチべぇ的な役割で、その迂闊さはとても敬虔なカトリック信者、と言いたくない。ただの無責任なうわさ好きのおばである。かわいすぎた。

おば3・宍戸美和公さん。1と2の中間点、というかキャラ的にはおば1に追従する末っ子か。これまた無責任にエルクラーノ一家に、影響を与えようと動き回っている。
セルジーニョの体を丁寧に洗うおば2と3(1は監督官みたいに眺めてる)の場面も、オカシイでしょ、それ!な。青年を真っ裸で立たせてゴシゴシ念入りに、特に大事なところは、ものすごく念入りに洗ってました・・・ そりゃオカシな子になっちゃうって。

2015/04/21

『禁断の裸体』4/16昼 2 パンツの変遷 黒Tバックへの道のり

■エルクラーノと家族
弟との関係も、立場上の兄としてしか応対しないから、いい関係にならない。しかし弟を家から追い出し見放すほど、思い切れない(いい兄でいたいのだろう)
いや、弟も性的にどうなのっていう、初体験はヤギだったっけ・・・(家畜だった)なんで動物。下半身で生きてるらしい。

池内さんは、だらしない肉体を目指してオヤツを食べてるらしいが、それほどだらしない肉体ではなかった。元が締まりすぎてるに違いない。

息子セルジーニョは、禁欲的な母やおばたちが影響したらしく、性的に未発達というか、いまだ性的なものを毛嫌いしている青年。母が処女のままならよかった(自分が生まれなければよかった)と言うあたり、心の問題、それ大問題だと思ったものの、そこへ至るセルジーニョの心が掴みきれなかった。聖女伝説かなにかだろうか? 受胎告知みたいに生まれたかったのかしら。

エルクラーノが息子を愛しているのは掛け値なし、素直に分かるけれど、向き合わなかったツケがラストに一気に爆発していくところは、終ってみればいっそ爽快感さえあるかも。観てるときは、はああ??? と呆気に取られたとしかいえないが、あとから思えば、セルジーニョの復讐が一番インパクト大だった。

というか、あれは自分を囲い込んでいた家族への復讐であり、それから自由になった瞬間でした。ただそれが、留置所で一緒になり陵辱された「ボリビア人の泥棒」との旅立ちなのが、驚いた。ほんとビックリしたよ。50年前のカトリックの国でゲイである自分を受け入れるのは、大変なことだろう。それで、いろいろ混乱してたんだろうか。

ブラジル人のボリビア人へは差別的なものがあったことにも驚いた。何も知らないから、私いちいち驚いてた気がする。ブラジルは白人系が多くて、ボリビアは先住民が多いらしいですね。ブラジル人が想像するボリビア人って風貌で登場し、全身もじゃもじゃ感に溢れてました。あと、ボリビア人に向って<泥棒>という野次があるらしい。

ところでボリビア人に報復しようと拳銃を持ち出したものの、すでに釈放されてて実はほっとしてるんじゃないかと思わせるあたり、小市民エルクラーノ・・・いいわ。
しかも、神父に、「妻が死んだとき、後を追おうと銃を口に入れたら、違うものを想像してしまった(オーラルセックスというやつ・・・?)」と告白して、やだもう! エルクラーノ馬鹿な子だよう

■エルクラーノとパンツ
最初は、色気ゼロのコットン100%でか白トランクスでした。性的な自分を表現しようとしてない時代は。
後半、ジェニーをお家に囲ったときのおパンツは、黒Tバック!!! 分かりやすいわね! 色気づいちゃって・・・(オペラグラスを構える間に、ズボン履いてしまいました。くうう)
そしてパンツを洗濯してチェックするのは、おば1(木野花) ぎゃーー。何のチェック・・・

■なんかこう、ちっとも作品の核心を突くようなメインテーマとかが浮かばず、思い出すのはアレコレ可笑しなことばかり。

あと、エルクラーノは主人公的立場なのに、自分語りをあまりしない。むしろジェニーのほうが、自分語りするし、テープ音声で場面を進めていく役割なので、ジェニー物語としてみるほうが分かりやすいことも多い。

2015/04/20

『禁断の裸体』4/16昼 1 肉体のなかみの話

作/ネルソン・ロドリゲス
上演台本・演出/三浦大輔 ドラマターグ/広田敦郎
美術/田中敏恵 照明/大島祐夫 音響/中村嘉宏 
衣裳/原まさみ ヘアメイク/佐藤裕子
映像/&fiction 演出助手/西祐子 舞台監督/足立充章

@シアターコクーン

エルクラーノ/内野聖陽 ジェニー/寺島しのぶ
パトリーシオ/池内博之 セルジーニョ/野村周平
おば1/木野花 おば2/池谷のぶえ おば3/宍戸美和公
オデージオ、警察署長/米村亮太朗
召使い、童貞の客、医者/古澤裕介
ニコラウ神父、ボリビア人/榊原 毅

いつも不思議なんだけど。ミュージカルのほうがココがポイント=歌う、になるせいか、それについて(なぜ歌うほどの激情が起こったかについて)語りたくなる。
対して演劇(歌わない)は、各人の視点が如実にその時の自分をぐっと見せる鏡のようになり、語りたいというよりも、自分の中に沸き起こる感情になかなか言葉が追いつかない
帰宅したエルクラーノは、ジェニーが残したカセットテープを聞き始める。

その告白から物語は遡っていく…。
エルクラーノは妻の死後、息子であるセルジーニョと彼を溺愛する3人のおばたちと共に暮らしていた。おばたちはエルクラーノが妻の死を乗り越えられていないことを心配し、彼の弟であるパトリーシオに神父に相談するように勧めるが、彼は神父さまのところへは行かず、馴染みの娼婦、ジェニーのところへ行き、エルクラーノと関係を持つよう持ちかけ、彼女の裸の写真を持って帰る。
弟の言うことに憤怒するエルクラーノだったが、写真を見て心を乱し、泥酔状態でジェニーを訪ね、そこで3日間ともに過ごしてしまうが、彼に心を奪われたジェニーを振り払って、自分の日常へと帰ろうとする。
その後、エルクラーノはジェニーにだんだんと想いを寄せるが、彼女が売春婦であることや、妻の死後に息子のセルジーニョに「二度と女性と関係を持たない」と約束したことで、もう一歩を踏み出すことができない。
パトリーシオはエルクラーノへの憎悪から、ジェニーに「私ともう一度関係を持ちたいのなら結婚して」と言うようにと助言するが―。母親の死によって歪んだ父子関係、売春婦と結婚するための嘘と計画 、そして家族を襲う悲劇とは―。(公式HPより)

感想。とても、面白かった、です。驚いたのは、初演は1965年、50年前!
 
遠い国ブラジルの何かを垣間見たような、日本人が日本語で演じても、遠さを感じさせる文化がめらめらと見えた。にもかかわらず、国にかかわらず、どこにいても同じと良く分かるのは、人間の欲望の行き先と家族の崩壊のさま。遠さと親近感とを同時に見るかのような不思議さがありました。

エルクラーノの家が(過剰に、信仰心を越えて過剰に)厳格なカトリックであることを除けば、今の日本でも平均的家族として同じ風景が描けるだろうというくらいに、時代を感じさせない台本です。読みたいなーと思ったら、全然、全く日本では出版されて無い模様です。南米作品へも光を。

禁断の裸体、というタイトルにあのフライヤーのセクシービジュアルと来て、舞台ではどうなるのかと思ったら、初っ端から脱ぐ脱ぐ脱ぎまくり。暑いし、ブラジル人は隠すよりアピールしてそうだし、そうよね、脱ぐよね。客側にモジモジさせない、見事な脱ぎっぷりでした。しのぶ、偉いぞ。

演技が上手いとか下手とか言う必要もないキャストです。息子役の野村さんも、上手い下手というより、すんごい共演者に頑張って食らいついてました。生の感情を封印したような前半の棒読み風のセリフなども、後半の激流での大ジャンプを見せるための演出でしょうと納得。若者らしい傲慢不遜な態度も良かった。

内野聖陽ウッチー、冒頭はしゃっきりしてて、どんどん崩壊していく男の弱さが素敵(まぁ何でも素敵だ) 

冒頭の白スーツが爽やかで、そして態度が高圧的でちょっと嫌な感じを出すのが絶妙だった。うわぁ、なにこの男、嫌だぁって思うように登場する。召使に高圧的で、オレが帰ってくるのになぜジェニーがいないんだって文句言ってます。
しかし次の回想されていく妻を亡くしたシーンでは、よれよれで猫背で全然カッコよくない(悪い男成分が出ていないからだ)のとの、対比が際立っていた。つまり、こんな嫌~で、かっこいい男になったのは、ジェニーとの出会いがあったからなんだと分かる。見事。

敬虔なカトリック信者で、女性に対しても高圧的にしない、という自己像なのだが、それがジェニーを囲ってからは支配的な態度へ手のひら返しで、まったく笑っちゃうほどひどい。極悪人ではないが、筋が通ってないまるで子供だ。自分のこと好きなんだと思う

禁欲的だったらしい亡き妻とは正反対の、恋にすがるような娼婦ジェニーは、昼は聖女、夜は娼婦でしたか、男のロマンだとか聞いたことがあるが、エルクラーノにはやっと夜の女がやってきたのだった。
自分が抱いたばかりの娼婦に、こんな仕事をしてはいけないとかいい始めるのも、ああダメな男の典型で、笑っちゃう。もちろん本人はいい事を言ってると思ってる。悪いのは酒だから。

そんな自分のちぐはぐさを、取り繕うことには一生懸命だけれど、案外倫理観がすぐに揺らぐ人物でした。息子が快復したとみるや、神の存在を信じますと叫んだり、本人は至極まじめに生きていると思っていそうだが、都合良すぎである。

あと初対面でも3日3晩、おうちに囲ってからも3日3晩・・・体力あるわ。覚えたての青年みたいに励んでいたセックス場面は、色気よりも、滑稽さが。欲と快楽のままにつき進むエルクラーノ、彼にはこの<いま>しかない。でも、性って<いま>のものだな。
でもって、囲ってからの(息子に目撃された)セックスは、楽しいのはエルクラーノでジェニーはイマイチに見えたのが、せつない。ジェニーが受け取ったのは愛情じゃなくて、ストレス発散の運動みたいだった。

つづく。

2014/06/28

『ビッグ・フェラー』5/31-6/1 5 ショッキングな話をします。

冒頭と同じく、聖パトリックスデイでのパーティー会場で演説するコステロのシーン。
タキシードのウッチー。民族衣装ではないところが、30年ほどの年月を思わせます。

自分の歴史、アイルランドの歴史をざっと振り返るような話が前半。そして、30年務めてきたパレードの先導役を引退し、後輩に譲ると言う。

ビッグ・フェラーと呼ばれたかった。賞賛されたかった。引退宣言の人間としては、悪くないスピーチですよ。

そして、<ショッキングな話をします>と続ける。前半はビッグ・フェラーとしてスピーチしていたが、明らかに、これまでのスピーチとは空気が違う。

密告者は自分だ、と。

お前はもうお終いだ! お前はもう、終いだ!

この声って誰でもない男、として聞いていいのかなぁ それとも、トム・ビリー(黒田さんの声だったと思うのだけど)として聞くべきなの?
このスピーチは、もちろんトム・ビリーもマイケルも聞いているのは分かるんですが。

はー、一瞬前までの大物感はどこかへ消え去り、隠してきた自分をさらす男がいるだけ。かといって小物になったかというと、そうではない大物だった(オーラが消えた)人というのかな。

固唾を呑んで、という比喩がぴったりな気持ちで、コステロのラストシーンまで見てました。冒頭と同じパーティー、スピーチ。舞台上でも暗闇のなかスポットライトで浮かぶのはコステロの姿のみ。
同じ演出ながら、冒頭では自信に溢れた男の輝きを映すようなスポットライトだったのに、ラストスピーチでは、法廷に立つ被告人か・・・もしくは刑の執行を待つ囚人か? 哀しい光が当たってました。

それから、自分は<アメリカ人だ>というセリフがありましたね。FBIの仕事を褒めろ、と(密告先)アイルランド人ではないんだ、というのがコステロのたどりついた自分の核だったんだってことでしょうか。
友人、仲間に嘘をついている自分に耐えられない、というのもあったのかもしれません。
IRAの目的と手段に疑問を覚えなかったときは、嘘だってつけたはずです。IRAが自分の理想から離れていくなかで、密告者となって舵を取り戻そうとしていたけれど、出来ませんでした。

ほんと、冒頭スピーチとの対比が、うまい!という配置で。
黙ってることもできたのに、さすがビッグ・フェラーだ>と言われたいのだ、とか。自分に突っ込むようなスピーチをこの時点でも入れてくるあたり、スピーチうまい人だ。
いつもスピーチは練習してた、アドリブに見えるところも全部考えていた、とも。確かに、それは虚栄心なのですが、キュンとなるエピソードでした。練習してるコステロ! イジラシイ。

お前はもうお終いだ! お前はもう、終いだ!

演じるウッチーも、そりゃ声音とか振る舞い方とか、技術がたくさんあるのだろうけれど、分析なんかどうでもいいわーっ 役者のレベルがわかるシーンだった。見事でした。

なぜかは分からないけれど、野次に怒りもせずゆったりと構えるコステロが、今こそ<ビッグ・フェラー>らしい。

最後に、イェイツの詩を朗読してフェイドアウト。

2014/06/22

『ビッグ・フェラー』5/31-6/1 4 暗い空気がただよってくる後半

美術館。
ルエリがカレルマ(FBI)に情報提供していたことが明らかにされる。これだけ提供しているのに、なぜNY支部が野放しのままなのか、もうやめたいと詰め寄っているルエリ。
情報提供の見返りに、ビザ取得。資格も取り、NY市民として生活しているようだ。

IRAからは抜けられない規則だが、せめてもの手段でFBIに解体してもらいたいと情報をFBIに渡すが、泳がせて監視しているだけだった。

カレルマと会話中は訛りを出していたルエリだったが、マイケルの部屋へ場面が変わると(ルエリはメガネを掛ける)訛りがするっと消えていた。あれあれあれってくらい、スマートな都会の男風になるルエリ。舞台上で衣装チェンジ。

■1998年
分隊長になったマイケルとトム・ビリーが警報機の9割は間違い(いたずらとか)なのに、そのたびに俺たちは駆けつけなくてはいけない、と不満話をしているところへ、ルエリが耳が聞こえない人(通報できないから)でも使えていいシステムだ、と反論してる。

相変わらず聴覚障害者への差別語発言のトム・ビリー、横で<ヒゲ生やしてる!>マイケルはたしなめずアハハと笑っているのだった。

それから、イスラム教徒らが起こすテロについて<何を求めているのか分からない><自分たちとは一緒にするな>とわめきあっている。
IRAは予告するし、無関係な人は巻き込まないというが、オマーでの事件はどちらも行わず市民を巻き添えにした、とIRAも変わらぬテロ行為を行ったことがわかる。

巻き添えの市民にとってはどちらも殺人をしたテロリストなだけで、IRAもイスラム過激派も同じだ。たしか3回くらいマイケルが<(イスラムのテロリストが)何を求めているのか分からない>と繰り返していて、随分繰り返すなぁと気になりました。
分かったら納得できるのかしら。理屈が自分たちの世界観とは違う人たちがいることが、不安なのだろう。目的がわかったところで、テロ行為が正当化されはしないと思いますけど。

ルエリがトム・ビリーに、イスラムの人たちのゲイに対する考えとお前の考えは一致してる、と揶揄し、さすがに悪態もちょっと引っ込んでましたっけ。難しい話はわかんねぇよう~と笑っていた姿はもうなく、ヒューゴ・ボスのスーツを着てメガネかけたインテリ建築士な態度で、すっかり成功者に変身。IRAの使いっ走りから、大変身してます。
ゲイネタの時の、マイケルのフハハハ!の笑い顔といったら、安いビールをぐびぐび飲みながら下品な話に笑ってつきあう。大成功のルエリと対照的でしたね。品は金でも買えない・・・高潔な精神などどこかへおいてきたようです。
予告なしのテロを行ったIRAのように、マイケルもまた良くないほうへと変化していったのだった。

■犯罪歴があるのに、ビザが取れたルエリはあやしいと、マイケルに吹き込むトム・ビリー。
確かにね。
マイケルの心に疑念が湧く瞬間だった。素直なんだよね、マイケル。言われたら、そうなのか。って素直に聞いちゃう。そうだとしても、自分で考えないと!

疑念植えつけられた後に、またもトム・ビリーとルエリが言い合い(きっかけは忘れたわ)、2人は殴り合いに。止めようと間に入ったマイケルも、会話の流れでマイケルが恋人だったライアンを見殺しにしたことをルエリに言われ、仲裁どころかルエリをぶん殴った。

マイケルが暴力に直接うったえたのは、初めてのシーンです。もうショックなんですけど。図星なこと指摘されたからって殴るなんて、トム・ビリーと同じレベル。気に食わないやつは殴るのか・・・あーあ。

■口にキスしてないなら、OKなのか! おいー。
コステロが荷物を抱えて部屋に入ってくる。トム・ビリー、ルエリが男にフェ●したことあるんだってよ、とコステロに言うが、コステロは口にキスしてなきゃOKだって答える。アハハ。
してもしてなくても、別にいい・・・

ほんと、自分と違う考えの相手にどう接するかは永遠のテーマだわ。私も自分と似たような人と集まってたほうが楽だって思うし、まぁ楽しいことも多いもの。
でも、世界は自分と違う考えの人のほうが多いくらいかもしれないし、分かり合えないから敵と言うのは器が小さすぎる。納得できなくても、どうにか付き合える方法ってあるのかな。

最終段のコステロ、けっこう年とってました。白髪増えたし、動きも老人に入りかけてる。衣装は変わらずきっちりしたものだけど、動作や声で年齢感を醸してました。ウッチーうまい。

■かわいい! くまちゃん!
浦井くん・・・ これ英語台本も<くまちゃん>に匹敵する幼児語なのか気になるー。ひげ生やした分隊長さんが、くまちゃん・・・ かわいいけど、さっきまでの会話とのズレがすごい。このセリフ言ってる浦井くんは可愛いけどさ、マイケルはオカシイわよ。

中の器械を、起爆装置(だったけ)だかと入れ替えて、アイルランド(だか、英国だか)に送る手はずとコステロ。
かわいいくまちゃんに起爆装置を入れるなんて、ヒドイ。

ついに、ルエリは自分は降りる、作業はしない、と宣言してアパートを出て行った。ほうっておけ、というコステロはやっぱりオトナだ。もしかしたら逃げるチャンスが残っているかもしれないと期待したんだと思ったから。
きっとFBIに密告してたに違いない、と鋭い発言のトム・ビリー。警官は警官なりの眼力があるものね。

イスラム教徒は何を求めているのか? →罰すること(コステロの答え)
まだこだわっていたマイケルが、コステロに聞いての回答。宗教が問題の土台で、他宗教を信仰する人間を罰したいのだ、という。
これは一神教だから起こる感情なのかな。どの国にも神様がいて、いいじゃないかと思うけれど。自分たちの信仰のためには、他の宗教が邪魔になってしまうもの?

舞台では、短いルエリのシーンが挟み込まれ、ラストへと展開していきます。不穏な音楽が流れてたよ。FBI(きっとカレルマ)に今すぐ保護してくれ、と電話してます。






2014/06/18

『ビッグ・フェラー』5/31-6/1 3 怒りによって残酷さを出すマイケルについて

うわぁー、という1幕の重苦しさから解放されないまま、2幕

1987年、フランク・マカードルがマイケルのアパートへやってくる。
ライアン姐さんも言っていたが、マカードルには嫌悪感だわ!

IRAの目標とは別で、個人的に暴力的なことが好きな人物なんだと思った。アタシの健治に何するのよー(違うから・・・)

尋問に行く前に、ルエリと家族の話をしてたのだけど、アルコール中毒のリハビリ中だというのが分かります。今は禁酒期間も長くなってて、妻も喜んでいるらしい。娘が5人だっけ。
アイルランドは離婚や中絶が長い間禁止されてたんですよね。家族観は保守的なんだなと理解。

まずルエリに頭突き。鼻血ブーさせてバスルームへ追い立てる。
ついで、音楽隊の練習から戻ったマイケル(民族衣装が似合ってます)に尋問、バッグを頭に被せ、上から殴る。殴る。殴る。さらに、電気ドリルでルエリをドリル・・・し、マイケルの膝にギュンギュン音を立てて押し付ける(まだ穴はあけてない)

ここでの腹を殴られて悶絶してるシーン、殺陣師さんが来る前に真剣に何度も何度も練習してたら、ウウッってやりすぎて、吐いたという。浦井くん、やりすぎ・・・
と、吐くほど悶絶練習した甲斐あって、なかなか痛々しいシーンに仕上がっていました。

暴力で真実が分かるかというと、そうではなくて、マカードルがわざわざNYに来たのは、締め付けのためでしょう。誰が密告したかがわかれば一番だけど、分からなくても見せしめに痛めつけておこうという考えです。ああ、嫌だぁぁ

コステロ(マフィアのボスみたいな衣装で!)カッコ良く登場。当然三つ揃いのスーツに、帽子に、コートは肩にかけて。きゃー、カッコいい!
来た!俺らのボスが!

ここの対応見てると、やっぱりボスに相応しい人物なのが身に染みます。オレの部下になにしてくれる!ですよ。

バッグ被せられたままのマイケルに触れたとたんに、ビクってする彼を見つめるコステロの表情ったら、大きな父性だったな。マイケル、恐がってて可哀相なり。
その後、ぎゅーっと握り締めたままのマイケルの拳を、包みこむコステロの手が温かかった。1幕ではライアンをメキシコ送りにしたっていうのに、またまたコステロカッコいい・・・ついていくー!という気になりかける。ほんと、この人危ない。カリスマだもの。

拳銃を向け、場を制圧するNYのIRAメンバー。コステロ、鼻血止めで詰め物してるルエリ、顔がはれてる風のマイケル。
<殺しちゃってくださいよ!> コステロに救われ自分たちが主導権を握ったのを見て、とっさに叫ぶマイケル。恐い。うん、マイケルはここまで手を下すところは登場しないけれど、暴力には暴力で、という反応が身についているんですね。

弱みを突く作戦のコステロ、マイケルにプレゼントしたとっておきのスコッチ(だったかなぁ アイリッシュウィスキーではないけど、って言ったのは覚えてるんだけど)の封を開けさせます。
(中身は「午後の紅茶」ですって)

いい音でグラスに入ったなー。マカードルの目の前をチラつかせ、香りを振りまいて。うんめぇー!叫ぶマイケル。子供みたいにはしゃいでます。恐怖からの解放感、マカードルへの憎しみが爆発。
理性あるときならマイケルは表にださないのかもしれない。
棚の上に立って雄たけびのマイケル。テンション上がって好戦的になっているのが、でも人間ってこうなりがちだよね、とも思う。真っ直ぐな好青年が少しずつ変化していってるんだな、と哀しくなる姿だった。

結局、マカードルにウィスキーを呑ませるコステロ。そう、これがマカードルの弱みだから。呑まされたあと、自らグラスを持って飲んでしまうマカードル、最後には嗚咽。完全にコステロとの勝負に負けました。
コステロが反撃するって思わなかったのか、ものすごく不思議です。アメリカ人は銃を持ってるものでしょ? そのぬかってるあたりが、リアルなのかもしれないですね。

冒頭場面からマイケルが祖父のギターを壁に釘打ちしてる話が出ていて、マカードルが激怒するといわれてまして。
マイケルがギターにこんな事をするのは、脚本的に意図があるんだろうと考えてみます。

マカードルが怒る、という伏線だけでしょうか。マイケル、警察の楽団に参加してるということは何か演奏してるってこと?ルエリがひどい音だって揶揄してたけど(バグパイプとか・・・?) 自分が使わない楽器だからって壁に打ちつけるって、けっこう驚きます。しかも祖父のものなのに。
私が感じるのは、マイケル意外と無頓着な人?です。

多くの人は楽器を使えなくしちゃうことに抵抗を覚えるものではないかと。それが出来る人物としてマイケルが描かれるなら、マイケルは自分のルーツにも無頓着な面があるのか。
アイルランド人は音楽が好き、っていうのが一般的な見方であれば、時代ごとの流行を押さえたマイケルの音楽の趣味も、やはりルーツに対する距離感とか態度を示してるんでしょうか。
来るもの、基本、拒まず。マイケル。

たまたまアイルランド系アメリカ人で、たまたま近くにIRA隊員がいて(トム・ビリーのこと)、たまたま血の日曜日事件が起きた頃、青年らしく公平さを願って入隊した、というのがマイケルへの理解でした。自ら掴み取ったというより、目の前にあるものに反応してきた感じ。

ラストに告白されますが、密告者のひとりはコステロでした。この場面においてコステロは、自分の密告によって、マイケルやルエリが暴力を受けているのを見るわけです。心が痛んでるはず。
そして、マカードルが暴力で人の上にたつようにしか生きていけないの見て、またまたIRAのあり方について思い巡らし、マカードルに酒を飲ますことでやり込めた自分のことも、きっと好きになれないでいるのだ。

コステロがマカードルに勝ったのを見て、マイケルは嬉しそうなのだけど、コステロはあまり嬉しそうじゃなかった。正義の目的のために邁進してた自分はもうどこにも居なくて、いろいろと手を汚し心を疲弊させている自分を見つめていたのだと思う。

と、まぁ帰宅して思い出すと、こう理由付けとか言葉になりますが、見ているときはどこにも行けない閉塞感といいますか、虚しさがぐいぐいと舞台から迫ってくるのでした。
カッコいいコステロ(ますます事業も成功か)とは対照的に、心が沈んでいく様がね。なんとも言いようがないどんより感でした。

2014/06/17

『ビッグ・フェラー』5/31-6/1 2 健治、一丁

*1981年 カリビアン・ビジネス・ウーマン・オブ・ザ・イヤー/カレルマとルエリ
美術館にて。

ルエリのアメリカでの裁判についての話。まらルエリちゃんは訛ってる・・・
ルエリ・コーナーで待ち合わせ♪ 通りの名前にはなれなかったけど、ルエリはけっこうな有名人になったようだ。

ルエリから情報を得るため、再接近のカレルマ。颯爽としたビジネスウーマンですが、やはり町田さんの不思議イントネーション&裏声セリフにくらくら。

マイケルのアパート、いちゃいちゃ楽しそうな二人。マイケルとミス・ライアン

と、とりあえず白ブリーフ一丁(白ソックス付)の浦井くん。明るく楽しそうないちゃいちゃぶりで、あれか、水戸黄門における入浴シーンのような・・・ってそんなことはありません。おねえさんといちゃつくマイケルの悲劇への序章ー。
いちゃつくわりに、ちっとも浦井くんからお色気が感じられなかったけど、それは2-3階席だったから? 1階席には伝わってたのでしょうか。
明星さんはほっそりタイプじゃないけど、足がセクシーでした。うらやましい。あと、声も落ち着いていてとてもいい。

あれ・・・浦井くんが麗しいトート閣下以外とキスしてるのを初めてみた(ような?)。ライアン役の明星さんが、おねえさんなものだから、いいなぁと思ってしまう。(浦井くん可愛いから楽しいシーンだったよ、ジェラシーでめらめらするかと思ったが、ちっともでした)

結婚しよう! と単純に叫ぶマイケル。あと、男性たちといるときにはない素直な可愛い声でしゃべってた。男子ズの時は、低い消防士声で話してたよね。旅行先のレストランの話をするけど、全部ライアンに見透かされてかわいい。
それから男子ズのときは、会話がぽんぽん運ばないけれど、ミス・ライアンとはとてもスムーズに会話してる。これも脚本と演出の計算だよね。基本、素直なんだなぁ

ライアンの次の任務地についての知らせを持ってくるコステロだが、それはメキシコ行きだった。
1972年の場面で、マイケルは<メキシコ行き=死>の意味を知っているので、打ちのめされる。でも、規律には反抗できない。

トイレー!! と駆けこんでくるコステロ。酔っ払い。
ライアンにメキシコ行きの決定が出たので、嫌になって飲んでからきたのかな、と。

コミュニストどもめ! コステロはIRAのジェリー・アダムスの武装闘争から政治闘争への舵きりを快く思っていない。
アイルランドの心臓は、農民だ。ヒッピーじゃねえ! べろんべろんの酔っ払いで叫ぶコステロ。自論を饒舌に語っています。

土地を国有化する話も出てたっけ。それが嫌ならイングランドに下れ、と。アメリカで成功しているコステロにとっては、稼ぐことも闘争のうちだったんじゃないかな。資金を自分の手でつくって、活動して賞賛されることで満足していたんじゃないかしら<あのアメリカ人>と呼ばれる事を求めて。
それをカダフィに取られて、自分の存在価値が薄れていくことに怒っている。と、ライアンに指摘されてました。

酔っ払い風体のコステロに対して、冷静に応対しているライアン。この場にいる誰よりも本部の動きが見えているし、男たちが女性差別で自分を排除している、と語ってます。
利口すぎて抹殺・・・!? 優秀すぎる人への恐れがあるのかも、直感的にはそう感じました。
IRAロクデナシ!キイイ! ライアンが語る、マカードルのレイプ話も、ロクデナシ度アップ・・・ ミソジニー・・・

酔っ払いべろんべろんのウッチーですが、べろんべろんでゲロゲロ吐いてもカッコよかった。恐るべしだ。べろべろの内部がすごく冷えた心のようです。そしてたぶん、心の中は冷静。
コステロのゲロゲロは、この行為を実行する自分や命令を出した本部への嫌悪感そのものだ。

ゲローンの音を聞きながら、中華料理に手を出そうとするルエリ。無理よね、ええ、食べられない~

この時のIRAトピックスが、刑務所内でハンストして死んだ人が10人いるという話です。政治犯としての待遇を求め、ハンストだんて。食べずに自ら死んでしなうなんて、何と言う意思の強さでしょうか。何も悩みがなくて、ゴメン。

コステロ、お手洗いから出るとしゃっきり冷静に。覚悟決めたらしい。外で待っていたトム・ビリーが部屋に入ってくる。

メキシコだ、というのを聞いてダメダメー!と叫ぶマイケル。子供が叫ぶみたいだった。すごいイヤイヤっぷりでした。

この場面、お腹に黒いものがじわーっと広がったよ。一応、いやだ、と反抗するし一度入った部屋から出ようとするマイケルだけれど、本気の本気だったらルエリが押さえてるドアなんか消防士なら打ちやぶれるはず。マイケルのライアンへの愛もそこまでか。

ボリュームマックスの音楽が流れるなか、抵抗するライアンの叫び声、トム・ビリーが殴ってダウン。ルエリとトム・ビリーの2人が彼女を部屋から運びだしていった。

ひとりアパート内で嗚咽するマイケル。泣いてるうちはまだ人間らしかったのにね。1幕ラストはライアンを死なせるIRAと自分自身に引き裂かれているかのような、浦井マイケル。と、押さえて抱きとめるルエリの姿でした。ルエリは、IRAにいたいと思うけど殺しちゃうのは嫌だ、と言いますが、嫌でも抜けられない二人です。

殺しちゃうIRAが嫌なら、どうするか? が2幕での二人の分かれ道になりました。1人は何もかも飲み込んで何も感じないように自分を守る殻を厚くし、1人は密告者となる。そうして、もう1人も、密告者に。

命令なんだ、と何度も繰り返される言葉と、さっきまで結婚しよう!と無邪気に言っていた相手が殺されることのギャップが激しすぎて、この殺人が本当にアイルランドのためなのかを考えたほうがいいよ、マイケル。

泣いてるけど、君は何も出来なかった1人になってしまったんだね。ほぼ無抵抗に行為を追認したマイケルは、同罪なのだった。もちろん、マイケル自身もそれは分かっているだろうけど、後半も同じ部屋で生活しているのを見ると、ゾゾーっとしてくるのだった。

納得した、とか乗り越えた、とかじゃない克服方法をもって、あの部屋で30年暮らしているように思える。何だろう、すべて受け入れちゃう怖さがあった。


ところどころ笑えるところがある分、仲間内で秘密裏に殺してしまうなど。余計に怖い。
普段は普通の、むしろ善良な市民である人が、ある組織に入って<命令>というだけで、個人的恨みもない相手を殺してしまう。はぁぁ

コステロもそういう男なんだな・・・(ウッチー!)とショボンとしかけていたが、コステロ大将はラストに大ホームランを打ったんですねー。さすがビッグ・フェラーだ。あまりにセツナイけれど。

2014/06/14

『ビッグ・フェラー』5/31-6/1 1 立ってるだけでBig Fellah

内野聖陽/デイヴィッド・コステロ 浦井健治/マイケル・ドイル 
明星真由美/エリザベス・ライアン 町田マリー/カレルマ
黒田大輔/トム・ビリー・コイル 小林勝也/フランク・マカードル
成河/ルエリ・オドリスコル

演出:森新太郎
脚本:リチャード・ビーン 翻訳:小田島恒志

@世田谷パブリックシアター

IRA NY支部のリーダー、コステロとその部下たちの1972年3月17日~2001年9月11日までの約30年を、ほぼマイケルの住居を舞台に描く物語。

マチソワ、マチネ。という濃すぎる二日間で見てきました。
1回目、ただただ見入る。
2回目、あれもこれも、伏線すぎてスゲー!と驚きながら見入る。
3回目、伏線を理解したうえで、あまりに特色のないマイケルという役について、一番強い兵士とは・・・ポーン、という冒頭のコステロの言葉の深さに恐れ入る。

コステロは自分たちの行為が<正しい>ことかどうかが最も大事なポイントだと考えていて、イギリスの理不尽な支配からアイルランドを独立へと導きたいと思っている。

彼を軸にしたNY支部のメンバー、アイルランドから偽造パスポートで逃げてきたルエリ。1972年では、相当なアイルランド訛りで話す。
それから、アパートの持ち主の消防士、マイケル。
ついで、差別主義者らしき警官のトム・ビリー。

舞台は以下の時系列で進みます。
1972
1981
1987
1990
2001

世界情勢とあわせて、IRA活動内容も変化し、’72当時は同情的だった世間も、一般市民を巻き添えにした’98オマー爆破事件で、完全にそっぽを向かれている。

年齢の変化やIRA組織のあり方を一番受けて表現していくのが、リーダーのコステロの言説。
各シーンごとに、ターニングポイントとなる事件が共演者から語られ、演じられていきます。

*1972年3月17日 セント・パトリック・デイのパーティでの演説。
血の日曜日事件を受けての演説から始まるが、このウッチーは自信に満ち満ちていて、Big Fellahと呼ばれるにふさわしい大物感が。葉巻をくゆらすウッチー♪

セリフを発さず、立っているだけなのに、ぐいぐい引き付けられる。さすがです。

2013/11/07

ウッチー、札幌にようこそ(まだ秋だよ)

トゥルー・ウエスト true west 札幌が全国ツアー最後でした。オツカレサマー!

しょっぱなから、汗がぎらりと光るウッチーの濃い目演技、堪能いたしました。Tシャツ脱ぐ男らしさ全開で、もう眼福このうえなしです。

演技してなくても、たぶん音尾さんは弟っぽい甘えんぼうさんな感じがあって、飲んでキレてるもの、甘えてるんだろう兄ちゃんに!という甘えんぼうさんが非常に似合っています。
兄ちゃんが受け止めるから、かかってこいと。

カテコで音尾さんから客席に(全員分ではなかったけれど)

トースト(ミニサイズの菓子)がプレゼントされました。

ウッチーから紹介で、「音尾くん(名前を言ったのか覚えてない)からみなさんへ」「コレ(踏まれてたトースト・・・)よりは小さいけど」「某劇団みたいですが」などと言いつつ。「危ないから立たないでね」と。

やさしく投げ入れる音尾さんの隣で、ぶわっさー!と放り投げるウッチー。4枚か8枚?パックになってるままのものも、男らしくウワーイ!と投げ入れ。

菅原さん(あんな風貌の役だったとは、笑いました)は後方席まで行って、配布。お優しいです。
吉村さんは、かわいらしく端っこの席の方にも配ってらして。

私は、音尾さんが投げたのがもらえましたよう。

カテコの表情みてると(にこにこ)演技中の笑顔って、そうか演技だったんだなぁ、すごいなウッチーと感服しました。拗ねた兄貴、しょうもない兄貴にしか見えなかったのに、カテコでは途端にお茶目さんの笑顔。

舞台での音尾さんは初めてでした。ウッチーにならどーんとぶつかっても大丈夫、という安心感とか信頼があるように見えましたね。

プログラム1500円かぁ(小さめね)と思って購入したけれど、あの写真やらインタビュー、対談を読んで、お買い得、と納得でしたー。やだー、ウッチーかっこいい! きゃぁー! いいわぁ


2012/07/05

『劇場版 臨場』 スペシャルドラマでもいいのだけれど

2時間スペシャルでもいいじゃないか、そもそもテレビドラマなんだし、とか言いつつも、ウッチーに久しぶりに会いたい~ということで、観てきました。



感想・・・うーん、テーマは重いし、映画ってことで事件場面、死体や検死、でも血だらけなところが多い。



見終わって、言うほど悪くなかったんですが、



ウッチーが普通に見えるくらいに、共演者の皆様も暑苦しい演技で、ぐいぐいと盛り上げており、筋をなぞるだけっぽいセリフと演出の薄さが、暑苦しさでカバーされている、という感じでしょうか。
長塚京三までもが、こってり演技を! わー!



その暑苦しいおじさんたちにも負けない、仕事に真摯に取り組む松下由樹が<お嬢さん>枠ではく、部下として存在しているのは好きです。
そういや色気のある女性って、いなかったなー。警察って男社会なのね。



ドラマを見てない人も分かるようになっていたら、良かったのにねと思います。



段田保則の低音ボイスが映画館で聞けたのは収穫。



しかし、ウッチーと高嶋弟が並ぶと、ついワイドショー的なことが頭に浮かんでしまい、残念であります。それぞれ1人ずつなら大丈夫なのかもしれないが、並ぶと ああ!って思っちゃったよー。



ところで、もう臨場は作られないってことで良いんですかね? あのラスト。リクエストが多かったら、まだ望みはあるの? ちょっと思わせぶりだったのが、気になります。(トート閣下がキスしにくるかもしれないわと想像。いや、自分で黄泉の国に?



ウッチーの私生活問題で吹っ飛んだらしいドラマの臨場で、ここに至る複線があれば、映画ももっと違うものに見えるのだろうなと思いました。



演技してるウッチーは好きだけど、脇が甘いわ!



笑顔が少なかったのが、私は残念だったなぁ 



あと、そろそろびしっと整った衣装での役もお願いしたいものです。だいたい、ぼさぼさ系ですよね。三つ揃えとか着てみないのかなー。





2010/12/10

久しぶりに、ウッチー

この後、NHK教育、芸術劇場にて舞台『イリアス』放送。



NHKアナウンサーに筋肉むきむきで!とコメントされた筋肉、よく見なくちゃ~(白かったけどね・・・)
うーん、色々芸能ネタにされたけれど、舞台俳優としてなら大好きさ。声がいい、いいわー。目もいい・・・うふふ。



美しい聖子ちゃんも、また拝見できる。



でも、眠いから録画で見ますー。



2010/09/01

きゃーっ 今夜の夢は『君』で

『10年先も君に恋して』♯1



ムフフフー、10年前のウッチーの可愛さったら無いわー。ミラクル! ありがとうNHK!



久しぶりにピュア青年な内野さんで(涙)嬉しすぎて顔がにやけたまま戻りません。うへー。うへへー。



出会って、好き好きっていう第一回の展開がシアワセな展開。相手役が上戸彩っていうのも、すっかり私はおじちゃん目線で見てしまうよ。こんな可愛い子が楽しそうにしてたら、恋するよねー。きゃー。



いきなり初デートが遊園地ってのも、凄すぎて何もいえないわたし。もはや今となっては思いつかない場所だ・・・ ピュアピュアー。



40歳のサングラス円山さん、タモリ・・・と何度思ったことか。あれはタモリメガネだよね?



脚本の大森美香さん、『不機嫌なジーン』でウッチーの魅力を倍増させてくれてた、というかウッチーならではの表現がすごく合っていたというか。



6回で終了、のコンパクトさが見やすいし。そのわりにCMがないので気持ちが途切れなくて良いですよね。





2010/08/31

キミコイ、コイコイ

ウッチー内野聖陽カテゴリをマークしたの久しぶりだなぁ・・・



今夜10時、ようやくNHKドラマ『10年先も君に恋して』スタートですねー。プレマップで流れている10年後、そして今、のウッチー。どちらもステキじゃないかー。
一部でメガネの内野さん、というコーフンを連絡してくれる友人もいるんですが、私はメガネには萌えないタイプ。むしろ白衣萌え、作業着萌えですね・・・へへ。



トレンチ姿が怪しすぎて可愛いですが、祐一郎の微妙さとは違うわねとしみじみ思いながら眺めております。ウッチーは普通のサイズなんだよね、テレビサイズ。







2009/10/12

坂本龍馬じゃ。ウッチー

またまた死角ありまくり。ウッチーのことについては動向をチェックしてないせいもあって、いつも突然気づくのでした。



『JIN』http://www.tbs.co.jp/jin2009/



に内野聖陽、坂本龍馬役で出演! 
何気なくウチで友人と新しく始まったドラマを観てたら、よれっとした浪人風のウッチー??が予告編で流れ・・・・あら? 
多少貫禄ありの龍馬さんだけど、まぁ似合ってます。



働き者だなぁ・・・ 大丈夫?



それにしても、腫瘍の「目」が開いたシーンはぎょえぇですよ。怖いからやめてー!



2009/10/11

エレベーターにウッチー☆

悪夢のエレベーター』が映画化されたなんて知らず。昨日のボーリング大会会場のエレベーターに、どーんと映画のポスターが貼ってあって驚いた。カッコいい人がいるわ!



って、それはリーゼント風の髪になったウッチー! きゃっ!



ウッチーファンって言えないわねー、ごめん。こんな映画にカッコ良く出てたなんて知らなかったー。





2009/05/08

ウッチーの信用度。

昨日の新聞で見かけて同僚にもご覧あれ!と周知報告した、ウッチー内野聖陽@みずほ証券の広告、TVでも放送始まりました。
新・証券会社のイメージってことは、信用イメージがウッチーにあるということですね。結婚効果!



全国の皆様には久しぶりの(いや、私にとってもでした)爽やかなスーツ姿~☆ 胸から青いスカーフひらひらっと。キマってます。
CM,ココで見れますー。

http://www.mizuho-sc.com/company/cm_gallery/index.html



今日、初めてコンシーラというモノを使ってみたのでした。



うぉー、なんというカバー力だー! 
びっくり感激してしまい、日焼け止めとパウダーファンデだけ買うつもりだったのに、ついでにコンシーラと下地の2色目をお買い上げしてしまったのだった。A席1枚分って感じでした。ヒャー。



化粧は適当34歳でしたが、ちょっと進化。IKKOになった気分で塗ったわ。



ちなみに、全てRMKのものです。日焼け止めなど長年リピートしてますねぇ いやー、久しぶりにどーんと買ったものだよ。



2009/03/16

BLACKBIRD 行きます(行きたい)

相変わらずぽややーんと暮らしており、劇場にも行かず・・・チラシも入手しないので、ウッチー情報もぼんやりとしておったです。



BLACKBIRD」 内野聖陽 伊藤歩
@世田谷パブリックシアター 7/17-8/9
ホリプロ



宣伝の写真、きゃほう! むふふふふふー。



ちょうどTDV(ダンスオブヴァンパイア)の日程と重なるので、見に行けるよう♪ 
劇場は、うーん、3階席でも上から見下ろす感じにはなるけど見難くはないのです。お財布と相談して席種を決めます。



BLACKBIRDの海外評も良いようで、非常に楽しみです。2007年ローレンス・オリヴィエ賞も受賞。



読めない英語にかじりついて劇評をいくつか読むと、
人生を破壊するような恐ろしい愛の物語であり、かつ、目が離せない展開であって、クライマックスが非常にスリリングだと
(ものすごくざっくり読むとこんな感じかと)。

と言うわけで、ネタバレ禁止で当日まで温存作戦。
いやー、となるとS席向きですか。場面転換なし、二人芝居。



それにしてもお忙しいことだ・・・私は嬉しいけど。お子様や奥様がさびしがってしまいそう。