ラベル 『レ・ミゼラブル』 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 『レ・ミゼラブル』 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017/07/11

『レ・ミゼラブル』6/29夜 するするとラストまで流れた

@帝国劇場

ジャン・バルジャン/福井晶一 ジャベール/岸祐二
ファンテーヌ/二宮 愛 エポニーヌ/唯月ふうか
マリウス/内藤大希 コゼット/生田絵梨花
テナルディエ/橋本じゅん マダム・テナルディエ/鈴木ほのか
アンジョルラス/上山竜治
ガブローシュ/廣田礼王恩 リトル・コゼット/采本珠彩
リトル・エポニーヌ/山崎瑠奈

指揮:若林裕治

冒頭、波がザバーンと映し出されて波音がするのをみて、そうだった、新演出ってこうだった。もう草むしり(ほんとは道路工事? 祐一郎バルジャンそんな感じだったから)もうしないんだった。
・・・とここですでに回顧気分に陥る。

良し悪しの問題じゃなくて、好みなんだろうというのは分かっているが、映画みてから新演出を見たので、だったら映画見ればいいのにねーとつい言いたくなる旧版好き。
盆がくるくるしてる奥へしゃーっと捌けていくジャベール(死体)好きだし、アンジョルラスは砦にひっかかってて欲しいし(拍手しないけど)、銀の燭台を1幕ラストで握りしめてほしいし!

福井バルジャンに会いたかったので、そこは満足。岸ジャベが想像以上に素晴らしかったのも良かったです。

福井さん、体育会系アニキなんですが、案外怒りや絶望は抑えめかなーと。
音楽のテンポが一定というか、タメたりしないんですね。そのせいで、燭台盗むまでも一気に流れてきて、司教に救われて生きなおす、までの流れ、見慣れてるはずの私ですが、少々気持ちが置いてけぼりになりました。観劇日の体調も関係するとは思いますが、どうでしょうか。

コゼットに対しても、父親というよりでかいアニキだなぁ 婚礼日のよぼよぼも、若いなと思って見てました。召された後、一気に壮年くらいにシャキッと若返ったのが可愛かったです。
コゼットへの愛情、ファンテーヌへの後悔と責任感、ジャベールへの理解・共感はとてもしみましたので、福井さんらしさ、はこれからどんどん作っていってほしいところです。砦ではかなり役立ってそうに見えます。

岸ジャベも、さぞ似合うだろうと思っての初見。体格も良いし、声の出し方もこれまでの警官としての儀礼感が大いにあふれるジャベに比べ、非常に普通の人間でした(褒めている!) 
演出がリアル寄りに来てるので、ジャベールもこういう風に変化するのかしら。特別な人じゃなくて、その運命のなかにあってもがく人、という感じ。よりどころを見失ってからの自殺への流れも理解できてしまう、素晴らしい演技でした。いいわー。

女性たち、たち。全体的に細めなメンバでしたか。ふうかちゃん元気で良かった。いじらしいエポニーヌでした。
ファンテーヌは声も細めながら、コゼットを育てる母の逞しさを奥に秘めてました。

コゼットはアイドルの生田さんかーと思ってみてましたが、この役は、正直にかわいく音程を外さなければ大きく失敗しないはずなので、そのなかでしっかりやっていた感じ。可愛いマリウスをリードしてお家を切り盛りできるやり手マダムになれると思われます。

マリウス、バルジャン屋敷に忍び込むときの、ぴょーんターンは全員やってるのですか? びっくりした。この人でいいの?コゼット? と心配になるわ。
生き残るのも分かる純真なボンボンでした。子供っぽいかな。

アンジョルラス、上山さんは大きいのね・・・ 舞台映えするのに、あの死がカットされるのがもったいないなぁ マリウスラブ度はそんなに激しく出てませんでした。

それより、グランテールのガブローシュ愛は分かりやすくなった気も。菊地まさはるさん、ちょいちょいガブちゃん可愛いのを好演。死んで悲しい。弾薬放り投げるのも好きだったのに・・・残してほしかったわぁぁぁー

テナルディエは橋本じゅんさん、宿屋をやめてからのほうがじゅんさんらしさが出ていて良かったです。わりといい子にしてたな。宿屋のとこは手拍子なかったのですが、何となく手拍子したい気分にならなかった。なんでだろう。うん、ここまでもスルスル水のように物語が流れてくるからだなー。

テナ妻、けっこう夫のこと好きなのか? って思うような雰囲気があって不思議。なんだかんだ、お似合いなのだった。二人ともキレイというか、見た目じゃなくて、神様なんか知らないという倫理観がない感じが薄いの。

演出が変化してるのは時代の流れなのかのう? 
でも、音楽は変わらず美しかった。ここが見どころですよーという間もなく、ずんずん話が展開していきました。

バルジャンが神の国へ、のシーン。ライトの使い方の違いかもしれないんですが、余韻にひたる時間がすくなく。祐一郎バルジャンの死に方が美しかったことを思い出します。ほんとに召された感すごかったし、天国に行くのだなって。

新演出では、司教が迎えに来て、バルジャンがお辞儀するの・・・・なので、肉体感が払しょくできない。会社の偉い人にお辞儀してるみたいに見えるので(何せ福井さん死んだらおじいちゃんから壮年に戻って元気そうだし)、あのシーンもうちょっと麗々しさというか、荘厳さを付け足してください。

私の好きな旧版は、いつまでもこの心のなかで輝くでしょう。しくしく。
これはこれで悪くない。でも悪くないっていうだけ。




2011/07/28

『レ・ミゼラブル』6/5-3 女性たち

帝劇では三銃士たちが暴れまくっているのですってね・・・ まだまだ先だわ。



さて、スペシャルキャストの女性たち。鳳蘭、島田歌穂、岩崎宏美の3名様、まあ色々と同性だと手厳しい目になっちゃうのね、ごめん。



鳳蘭/テナ妻
ダミ声がオソロシイおかみさんでした。しかし、今までで一番色気があるテナ妻だったような。色気まるだしとかじゃないんですが、中年の女のまだ燃えたいのよ~というような醸造されてる感じの色気というか。
たとえば、モリクミさんはとても豊満でいつも胸に目が釘付けになるんですけど、でも色気はあまりないかな、と。



善悪ではなく、損得ですべて世の中をはかる人たちの強欲さなんだけど、そのなかに、でも憎めなさがふっと現れるような部分もあって、このあたりのさじ加減もベテランの風格あり。



島田歌穂/エポニーヌ
日本においては、エポニーヌとしての存在感はいうまでもない。聞かせどころも多い役だけど、マリウス&コゼットの二人の世界の後ろに回るので、悪目立ちしてもいけない。難しそうです。



恐ろしいばかりの安定感(でも役に慣れちゃってるのではないのが、素晴らしいといつも思う)でありながら、初恋の切なさと、早くからオトナ世界に飛ばされてしまった少女の妙に冷めた感じが同時にあふれていて、素晴らしすぎて言葉になりませんっ


実年齢を思うと、ミラクル!でした。きっと体もきちんとケアしてるし、そして心がいつも輝いているのね・・・。


岩崎宏美/ファンテーヌ
舞台に常に立たれているわけではない、ということが、こんな風に見えるなんて・・・。スペシャルなだけに、百戦錬磨、ツワモノたちがこの日の舞台を埋めていたなかで、岩崎さんは基本、歌手ですよね。なので、演技や歌唱の点で、残念な面が浮き彫りになってしまいました。
うーむ。悪くはないが、いいってほどもでもないな・・・といったあたりです。


しかも、前日が新妻ファンテだったので(彼女は役が降りてくる系の演技をするタイプだと思ってます。でもって、こういう母親役はキム役で培ったものがあり、非常に胸をうつ)比べてしまうと、見劣りしちゃったのでした。


当時、すごく評判だったのでしょうか。他に出来る方がいなかったのか。


・・・これは書くと意地悪だなぁと自分でも思うけれど、死にそうな人には見えない健康そうな体のラインが、残念感をかさ上げしてしまう。で、けっこうドスコイ風味なので。
役者さんは肉体も商売道具ですよねとつくづく思いました。



2011/07/19

『レ・ミゼラブル』6/5-2 禅マリウス★岡アンジョルラス

(そろそろ記憶の輪郭がぼやけてまいりましたが、自分のために思い出してみます)



上原アンジョがマリウスとバーンと橋の上(あれは橋じゃない?)に登場したときは、キャー!!っときいろい声を上げそうになっていたのでしたが、
岡さま&禅さんのコンビとなると、ひいいっと息を呑んだのだか、息が継げなくなったのだか、すでに定かではないけれど、前日の上原さんのときとは違う衝撃波に襲われたのでした。



とにかく、まずはお二人ともスタイルがいいのよね~ そして、禅さんは爽やかでかわいいのは想像範囲内ではあったものの、岡さまがーーー!!



背後からのライトが、美しいお姿をどうだといわんばかりに輪郭を浮かび上がらせ、大きくて輝く瞳は、民衆のために頑張るぞという若者の覇気であふれていたわ。
つまるところ、完璧にまぶしい青年としてご登場なさったのでした。



個人的な好みからいうと、井上芳雄くんなどは完璧にまぶしい青年、となることも多いと思いますが、岡さまのように演技プラン的にキメキメな感じが出るタイプのほうが、こってり度が高くて、より好みであると自覚できました。顔立ちが好みとか、そんなんじゃないのです、もう全体としての濃度がたまらなくステキ・・・・幸二郎さーん。



岡さまの名誉のために書くと、演技が派手だとか、オーバーアクションだからこってりなのではありません。相手役との間合いや動きを見ながら、前に出たり引いたり。そのあたりは、さすがベテランの技でした。


そんなステキすぎるアンジョルラスに愛される男=マリウスときたら、これまた別の意味でまぶしすぎる純情青年。


たまりませんわー。どうにでもしてってですよね。ね。


禅さん・・・子どもみたいに見えた。あまりのピュアさに。コゼットとぶつかったときは、二人の頭の上にハートマークが飛び交うし(私の脳内での出来事)、バルジャンとコゼットが姿を消したあとの慌てっぷりも、全てが初めての恋♪ 私までドキドキしてくるー。


ただ、恋のお相手が神田コゼットだったのが、物足りなかったんでした。ソツなく、そこそこなコゼット・・・ 意外と中山コゼット好きです。


お二人とも、何だか戦後の日本映画に出てくる好青年っぽさがあったのですが、それって年齢のせいでしょうか。それとも、演技の方向性? いちいち熱い目ヂカラのおかげかしら。


恋する堅物マリウスの頭の上で鳥が飛んでいるのは分かりました。浮かれてシアワセで、切なそうなの。コゼットがどんな女性なのかっていうよりも前に、恋に落ちた!という衝撃がマリウスを包んでいるらしい。


カフェでコゼットに会いたいとポワワンとしてるのに、岡アンジョの理想を語る姿がね~ 若い。しかし、青年たちにとってはアンジョは皆をまとめるカリスマなんでしょうね。彼にならついていきたいと思わせるものがありました。これこそ、アンジョ役に必要なポイント。


銃を奪う動きも、振り付けのように奪うのではなく、鹿賀ジャベの動きとのタイミングが絶妙で、もう、岡アンジョに死角なし! この二人が並んでるところも、存在感だけで劇場が満たされていったっけ。その横で、コゼットはもう旅に~♪などと涙のマリウス・・・ もうっ そんなにあの子が好きなのかぁ~


2011/07/10

『レ・ミゼラブル』6/5-1 スペシャルなキャスト

6/5 夜公演。



バルジャン/今井清隆 ジャベール/鹿賀丈史 
エポニーヌ/島田歌穂 ファンテーヌ/岩崎宏美 コゼット/神田沙也加
マリウス/石川禅 テナルディエ/齊藤晴彦 テナ妻/鳳蘭
アンジョルラス/岡幸二郎 司教/林アキラ
リトルコゼット/飛鳥井里桜 リトルエポニーヌ/蒲生彩華 ガブローシュ/小宮明日翔



110605



前日の別所バルジャンが濃いなぁと思っていたのが、ぶっとんだ鹿賀ジャベの濃さ。濃いのですが、こってりともまた違う・・・密度が濃いというのでしょうか。存在感の濃さでしょうか。
帽子を目深に被った冒頭の仮釈放場面から、惹きつけます。



そして、怖かったー。暴力的でコワイとかじゃないんですが、追いかけてくる姿の迫力が! たたき上げな感じもありつつ、規則をきっちり守る潔癖な感じもあって、全身から警部殿の気合が出てました。中はマグマのように燃えているだろうに、外はひんやり。


鹿賀さんといえば、歌い方にもクセが強いという印象ですが、この日はそれも気にならない展開。それよりも、ジャベールとしての存在感が強かったのでした。すごいね。相手役との駆け引きもさすがのやり取りで、この日に居合わせて良かったぁとしみじみ感謝したのでした。


でもって、全然、年齢を感じさせません。驚異的・・・今年、還暦なんですよね。
スペシャルキャストというと、現役世代よりも年が上、という色眼鏡を掛けてしまっていた自分を恥じました。ごめんなさいです。素直に、カッコ良かったのー。
きびきびとした姿、張りのある声、劇場内の視線を独り占めなパワー、素晴らしいわ。


キーヨバルジャンも、強い。
別所バルジャンよりも、世慣れているキーヨバル。ファンテーヌを優しくぎゅっと抱きしめてあげてて、大きさを感じます。
ジャベールとの対決では、体格でも、気合でも引けを取らない存在感でした。温かみのある声もますます響いてます。
キーヨ、どんどん深まってるわ! 


バルジャンらしい雰囲気となると、私が見た(吉原バル以外の)3人のバルジャンのなかでは、一番バランスが良いのかも。祐一郎さんは、おじいちゃんになってからが秀逸でっす。
野獣さもほどほどだし、市長になれば品格も出て、歌は安定しています。いいじゃないかー。



2011/06/30

『レ・ミゼラブル』6/4-5 上原アンジョルラス

■見栄えがすること!
レミゼには思い入れもあり(何度も見てるからかと思います)、各種アンジョルラスをそれぞれに楽しんで見てきました・・・それぞれの個性を魅せてくれてますから。。だけど、このようにザ・リーダー!なアンジョを見ると、こういうのがアンジョだよなぁと思う。



カッコ良くて立ち姿も見栄えが良くて、仲間を説得する力があって、情にも厚くて、という。でもって、女子目線で見れば、男子に囲まれてる姿もカッコいいわ、硬派だけど、優しい、とか妄想まで膨らむので、遠くからきらきら眺めてたいようなタイプで。



前にロンドンでレミゼを見たとき、アンジョルラスの最初の登場場面で、拍手が起きてたのを思い出しますー。私のこの日の気分も、同じ。
キャー!!アンジョルラスよ!(ハートハートハート!)といった感じっす。



1幕の民衆の歌♪からの大八車(あれは何ていうの?)にアンジョが乗って、行こうぜ!のとこなどでも、見栄えする役者っていうのは良いもんだなぁとびっくりでした。オレもついて行きたいーっです。
オトナっぽさと、若さと、仲間へ向けるまなざしのなかにある優しさ、セリフには色気のあるものはないのに、頭に血が昇るくらいカッコ良くて、どうしたらいいのかってほど。



同じく1幕の最後、One day more♪ 
嵐の日まで あともう一日 自由のために さぁ隊列を・・・



初っ端の「嵐の日まで~」がスコーンと気持ちよく響くと、ただでさえ盛り上がって仕方ない場面が、さらに盛り上がってきます。
決意を込めて力強くざっ!と腕を上げて、仲間を鼓舞するお姿。フィギュアか何かにしたらどうか。机の上に、アンジョドール。ああ、いいなぁそれ。


あと、アンジョルラスに対しては、私が好きっていうより、仲間に慕われてるのを、満足して見たいのだわ。


細すぎず、な体型もステキだった。当然ながら、お声は文句なし。張りがあって、男っぽさ度がいいスパイスになってるの。アンジョルラスのパートはソフト路線じゃないので、別の作品では優しげな歌も聴いてみたいものです。


あ、マリウス、わかるけれど・・・僕らには大きな使命があるのだ♪ はソフトな声だ! ちょっともじもじするくらい、ウキウキなマリウスに語りかけてたような。


翌日に、岡アンジョが控えてたせいか、岡さんのアンジョルラスってこんな感じだったのかなぁなどと見てました。声質も近い気がした。・・・髪形のせい?


■やけっぱちでもなかったかも
マリウスが政府軍との銃撃で倒れたのを見て、それまでリーダーとして振舞っていたのが、ただの友である私の顔になり、革命の旗を振って的となり、自分も弾を受けて倒れてしまいます。


マリウスが撃たれたショックで、もうこれまで!という路線には違いないのですが、上原アンジョの振る舞いは、私が思っていた子どもっぽい感情だけではなさそうでした。


きっと、市民が参加してこないと分かったときに、どういう風に自分が死んでいくかって考えていて、それがマリウスと一緒にって(他の仲間のことも考えているでしょうけれど、マリウスは特別ですよね)どこかで思っていたのかなと感じました。


怒りとかショックで暴走した面ももちろんあるんですが、何か冷静な部分がありそうだったのです。


いつもは、あまり砦の裏側でキメキメな死体になっているアンジョルラスに拍手などしないほうですが、この時はしてもいいかも?って思ったくらい。この上原アンジョにとってはこういう死に方は望んでいたものだったかと思わせるものがありました。


上原アンジョに、ほれた・・・


2011/06/24

『レ・ミゼラブル』6/4-4 新妻さんに泣かされまくり

客とトラブって、ジャベールに裁判にしてやると言われてる新妻ファンテ。



ラブリィ・レイディ♪ うーむ、うーむ。
夢中でアンタは分からない、抱いてる女は死んでるわ!
同じファンテーヌとは思えない声で、またも驚いてました。ぼんやりしてたら、さっきまで可憐な野の花みたいに歌ってた女性と同じに見えないと思うわ。



殺してやるわ、アンタを! 
この場面での聖子ちゃんのセリフであって歌であって、絶妙で、こういうの舌を巻くっていうのかも・・・。セリフに聴こえてるけど、メロディに沿って歌ってるんですっ どうなってるんでしょう。



言うは易し、だと思います。どちらかに傾くことが多いですよね・・・ ばかにしながら悔しさも隠したような声で、客と遣り合って、ジャベールには半泣き。バルジャンには、怒りと涙。
感情がばーっと広がっているのに、(きっと)声の状態はとても冷静にコントロールしてるんだと思うのです。乱れないし、聞き取りやすいから。素晴らしい、プロだわ。



泣いてるのも、同情を引こうとしたり女子の弱さの発露じゃなくて、何だか<くやしい!>っていう気持ちが先にあるみたいで、それもまた、細い彼女から発散されていると、ものすごい迫力になってました。


強がれるけど、コゼットに対してだけはとてもとても弱いのも、客席の私には涙を誘われる点。うおー、今思い出しても、胸がきゅーっとなるよう。
コゼットの生存、コゼットの幸せを思うと、愛情と同じだけの手をかけてやれない、会えない寂しさが、どーんと溢れてきてしまうのよねー。
↑と、ファンテは感じてるのだわ、と客席で勝手に想像しまくって、滂沱の涙ってやつですよ! もう大変!


■ファンテの死
幻のコゼットを見て、しあわせそうな表情のファンテ。ううっ ベッドからの転げ方がうまい・・・女優魂ですか、聖子ちゃん。濃い演技のはずなのに(熱演型ですよねぇ)暑苦しくないって、どういうことなのか、もうサッパリわからないわ。演技と分かっているのに、命の火が消えかかってる人にしか見えないもの・・・ 死にそうだけど、もう、ブラボーブラボー!


抱いて、眠るまで・・・ ああん、不器用ですからの別所バルジャンには、女性を優しく抱きとめる経験はないのよー。ど、どうしようと迷ってるうちに、新妻ファンテは死んでしまいました。抱きとめられなかったバルジャンの無骨ぶりが可笑しいと思いつつも、哀しみが襲ってきてしまう。ウワーン。


なんだかんだで、すっかり号泣スイッチが入ってたのだった。


別所さんは、うまい派じゃないのだけど、持って行っちゃうのがうまいお人・・・ちょっぴりダメ男っぽい感じがまた、いいのだ。不器用な感じが。



2011/06/23

『レ・ミゼラブル』6/4-3 新妻ファンテーヌ 

咳こみすぎて、記憶が飛んでいきそうだ・・・6/4の公演は、新妻ファンテ&笹本エポ、が見たくて取ったとも言えます。



■かわいい~
東宝ミュージカルでよく見るお姫様だったり上流だったり(しかも西洋の服装)する新妻さんは、一度も見たことがなかったので、女工さん姿ですら女子の格好だ!と大喜び。
(あ、キムの衣装はこれはちょっと違う)



顔ちいさいな、かわいいな、などと思っていたら、あっという間に子どものことをバラされて、市長殿にも軽くあしらわれ、「夢やぶれて♪



女工さんファンテは、ちょこっと気が強そうなオトナな面と、少女のあどけなさが同居しているみたい。ファンテーヌって、素直にあまりに素直に現実をそのまま受け止めているところがあります。誰かのせいにせずに働かなくちゃと思っているところが、強い。強くて、哀しいような。



■「夢やぶれて♪」
絶唱型、ささやき型、その中間・・・といろんなファンテーヌを聞いてきたけれど、歌い方について思いを巡らすことをしないで、歌声が広がるそのままに聴く事ができたのは、素晴らしかった!



聖子ちゃんの歌声って、張ってるぞーって思わせないところも好きなとこ。どこまでも伸びやかな声で、うっとりー。





歌いだしは、少し優しい感じでした。過去を振り返っているけれど、スレたり恨んだりの感情はなくて、その日の輝きを懐かしく、切なく思い出しているよう。
オオカミの牙が・・・夢くいちぎり・・・・♪ ここも、まだ押さえながら、苦しい時期を思い出す。
とってもオトナの女性、としてファンテの心情を表現してましたねー。


待ち続けてるわ、あの人の帰りを 愚かな幻 木枯らしが吹き消し・・・♪
そうかー、と思ったのはこのあたり。これまで聞いてきたなかでは、半分本気で待ってそうなファンテ役の方もいたのですが(と、私には見えてたの)、
聖子ちゃんファンテは、待ってるといいながら、決してそれは無いと知っている女性の孤独さでした。おおーっ
知ってるから、夢への思いがこんなに切ないのね。うーむ、素晴らしい。 


夢見た人生 いま地獄におちて 二度と私には夢はかえらない・・・
歌詞の方向としては、きっと二度とかえらない、彼は帰らない、と知っているという立場が正解なのだろうと思います。それを、表現の面で、さらにニブい私にも伝える表現力ですよ。


泣く寸前、みたいな瀬戸際のような歌声で歌う・・・一体どうやってるのかしら? なのに、きちんとピッチやリズムは崩れないのよねぇ


■娼婦のファンテ
これまた、たいていのファンテ役の方は娼婦役になってからのほうが、やさぐれ感をふりまいて、見所って感じだったのですが。


おや、聖子ちゃんは惨めな境遇になっても、気力が勝ってるかも。やさぐれというより、怒りかな。怒る気力がまだどこかにあるようです。
怒るのも、やっぱり心に少女を持っているからだろうなぁと思わせるのが、カワイイの。だから、客に「ドブネズミと寝ないわ!」と言ったのよね。そのあたりの意地張りな感じが、少女らしさにも繋がる気がしました。
あ、あと聖子ちゃん、色気ない・・・です。そのせいもあるか?



2011/06/16

『レ・ミゼラブル』6/4-2 今ジャベとの闘い

市長殿のころのやや紳士的なものごしはどこへ・・・ 昔はオレもワルだった、とでも。筋肉で会話しようぜって感じの雰囲気です。とても「あなたの年で」などといわれるような年寄りには見えません。がおー。



■今ジャベ。
KENTAROさん、禅さんジャベにつづいて、今回の私には3人目のジャベ役となりました。こういうジャベールも、また魅力的ねと思わせるものでした。



感情的じゃない、というジャベール。KENTAROさんは、一生懸命にお勤め(お若いし、初役だしね)、禅ジャベは哀しさと怒りをばねに生きてる。
では、今ジャベが冷静なのか、と問われたら「一見、冷静そうに見えるけれど、むしろ感情が出せないひと」なのかもと思います。この一見冷静な男が、セーヌに身投げしてしまうほどの衝撃を受けているあたり、壊れた後との対比が際立つタイプのジャベでしょう。



さて、見るからに腕っ節で何でも問題解決してきた感の別所バルに対峙してた今ジャベは、脱獄犯の別所・(元)市長へは、一気に上から目線になった様子です。ダメ人間はお縄に掛かるがいい、と素直に思ってそうでした。
警棒が割り箸くらいの役にしか立ってなさそうなのに、果敢に別所バルに立ち向かって行ったのは偉かった。



そして、ジャベールをダウンさせるのも別所さんはワイルドでしたねー。今ジャベの横をずんずん歩いて先に急ぐところを、ジャベが追いすがる。祐一郎バルジャンなどは、いちおうエイ!っと手刀を振りおろして倒していたのですが、別所バルは捉まれそうになってた手を「おれに触んな!」と振り払っただけ、それだけなのにジャベ殿は床にダウンでした。ひーー。どんんだけのパワー??



今ジャベが仕事をしっかり果たそうとしている雰囲気なので、別所バルがいい人だけにおわらないのです。つまり、バルジャンはファンテとコゼットにする行為は正しいことだけど、基本的に脱獄囚の立場です。で、無慈悲なジャベールであっても、彼は官吏ですから、順法精神は正しいはずです。



どちらも正しくて、そして少し道からはずれ気味。どちらも、生き抜く困難さを抱えている、そういういろんな角度から舞台に登場する人たちをみる目線が後押しされる二人じゃないかと思いました。小市民的というのか・・・ とても身近な雰囲気なの。



今ジャベを置きざりにした別所バル、急いでコゼットを探しに飛び出していきました。やはり筋肉バルジャンですね。一途な感じがいいわー。





2011/06/08

『レ・ミゼラブル』6/4-1 ワイルドで口下手な父ちゃん

こんばんは、レミのパワーにいまだ圧倒されたままの火曜日の夜。梅雨入りらしかったけど、雨に当らずにすんだ遠征でした。熱かったわぁ



Sn3t0002



6/4のマチネは・・・
別所バルジャン、今ジャベール、笹本エポニーヌ、新妻ファンテーヌ、中山コゼット、
山崎マリウス、三波テナ、森テナ妻、上原アンジョルラス
ガブローシュは(たぶん)一番元気な小宮明日翔くん。



■野獣、ワイルド、粗野・・・こんなんだったっけ、別所バルジャン。



↑囚人姿ももじゃもじゃで、ジャベールとのにらみ合いも、司教さまからの愛も、ファンテーヌの抱きしめ方(抱けなかったけど!)、ほかにも何だか全部ぜんぶ、ワイルドでした。



そんなワイルドバルジャン、ステキでした。



心はまっすぐだけど、特に教育を受けた人ではないはずのバルジャンが、一番いい時期を牢獄で過ごし、仮出所。どんな手を使ったのか、時を経て工場主&市長の身に。
身なりはきれいになったけれど、バルジャンの核は決して、いいご身分の出身じゃないんだよなぁ


祐一郎バルは市長姿が颯爽と失神するほどにキマってしまう(もちろん褒めています)わけですけれど、そうじゃないぜってことを如実に激しく表現してくれた別所バルでした。4人のバルジャンの個性が際立ってますね、目移りするわー。


司教さまを通じて、神の愛、司教さまの愛を感じた別所バル。
手にしてた燭台をカバンに入れてあげようという司教さまの手を、取るなぁ!と言わんばかりに避けてます。何が正しいのか、全く見失っておりました。
それを、ぎゅっと押さえてカバンに入れてあげてたな、清原司教さま。


慟哭場面では、あまりの衝撃で音程まで見失ってる別所バル・・・たまにズレてますよね・・・ それもまた味わいな気がしました。
じつは、わが道をいく歌いっぷりに、ちょっと鹿賀さんを思い出して見ていたのですが。翌日、鹿賀ジャベを見てみると、まだまだ別所さんは足元にも及ばす!と認識を改めました。鹿賀さんすごかった


■24653!
おお! まさに叫ぶがごとくの裁判所でのふるまい。バルジャンと間違われてた男を、力づくでぐいっと下手にぶん投げて(投げた感じだったの!)猛獣に変身した市長さまに、裁判官たちが慌てふためいて、大変な騒ぎでした。今ジャベも圧倒されていたわ。私もびっくりでした。


■不器用ですから・・・
号泣必須の新妻ファンテの最期。抱いていて眠るまで、とお願いされたけれど、野獣系バルジャンは女子とのお付き合いは、きっと最も不器用な分野。
ど、どうしよう?と迷ってるうちに、お亡くなりになってしまいました。魂が失せて、ファンテーヌの体が倒れてきたので、抱きとめた、といった具合です。


何て不器用な男なのかー。たまらんのう。


だけど、ファンテを寝かせて、魂が鎮まるようお祈りしてる姿が、別所バルのハートはまっすぐであることを伝えてくれますね。バルの気持ちは、コゼットを守るぞ!だけです。


ジャベとの対決では、まさに野獣力炸裂。つづく。


2011/05/28

『レ・ミゼラブル』4/17-2 間合いのよさ

禅さんジャベ×祐一郎バルのこの日(4/17ソワレ)、連日の観劇だと、どうしても同じ役の人たちを比べてしまいます。前日はKENTAROさんジャベでした。禅さんのジャベ役への理解と表現の深さに感服しまくりです。



二人が看守と囚人の立場を思い出しながらの『対決』場面、掛け合いの呼吸の見事さに、何も言えねぇ・・・。震える。



セリフとしても、もちろん納得のタイミングで二人の声が重なり合ってきます。そして美声対決としては、キレイに歌わない二人なのに、ものすごくキレイに重唱してますーっ!



あー、これ瓶に詰めて手元に置きたいわぁぁ



それぞれが主になって自分の気持ちを訴え合うわけですが、声を小さくすりゃいいって話じゃありませんよね、当然です。
声を小さくしつつ、しかし聞き取れるように。主になる相手の言葉が浮かんでくるように、しかし自分のセリフも奥底で響いてくるように。



書いてるだけで、出来るのか?という気持ちになってきますねぇ でも出来ちゃうんですねー。ブラボーブラボー!!



禅さんって、相手役を引き立てるのがうまいなぁ・・・ 



だからって、ご自身が地味だとかはなく。や、だけど派手でもないのですが、押し付けがましくない存在感というのか。声質も相手を押し込めないし、負けないしで、いいバランスです。


初めて舞台で拝見したのは、『ジキル&ハイド』のアターソン役で、この時も濃すぎるジキル博士役の鹿賀さんの友人として、とてもいい相手役をなさってました。見るまで、禅さんの存在に気づいてなかったんですが、帰宅してから、石川禅さん!と胸に刻んだのだったわ。


■裁判所にて
あまりの出来事に、目の前の出来事をうまく理解できてない様子。びっくり、すらしてない無表情のような顔でした。
悠々と去っていった市長殿の背中を見送ってから、やっとこ何が告白されたのかを理解し、今まで信じてきた市長のポストに脱獄囚が就いていたこと、自分を欺いてきたことへの怒り、屈辱感、憎しみなどなど、噴出したことでしょう。


■祐一郎との対決

遠慮なく、どかーんとぶつかり合っているのが伝わります。安心して♪祐一郎は禅さんと対決しまくってました。楽しそうです。いつもは、椅子の壊し方は、えい、やー!って感じだけど、珍しく野獣っぽかったのが笑えました。



勢いあまって、禅ジャベの背中の上30センチくらいを空中チョップしたら、倒れました・・・バルジャン、もしかして気功使ったのか。禅ジャベ、かなりのダメージを受けて床に倒れたよ。


地位ある人と思っていた男が、実はうじ虫囚人と知り、かなり見下し目線で病院にご登場。こういう人間的な反応も、禅ジャベは何か哀しみと共にあるのです。
バルジャンに対して言う数々の言葉、結局のところ自分への許せなさへと繋がっていることを、セリフ外のところで私に訴えてきます。ジャベールの愛されない者としての空虚感なのかもしれない。


同じセリフを言うのに、それぞれの役者さんを通すと、出てくるものが違ってくるというのが、ホントに面白いわー。



2011/05/22

『レ・ミゼラブル』4/17-1 禅さーーーん(複雑)

4月17日 17:00@帝国劇場 1階S席



バルジャン/山口祐一郎 ジャベール/石川禅 エポニーヌ/Jennifer
ファンテーヌ/知念里奈 コゼット/中山エミリ マリウス/山崎育三郎
テナルディエ/三波豊和 マダム・テナルディエ/阿知波悟美
アンジョルラス/阿部よしつぐ
リトルコゼット/清水詩音 リトルエポニーヌ/齊藤真尋 ガブローシュ/鈴木知憲



グランテール/石飛幸治 クールフェラック/西川大貴 ジョリ/大津裕哉
コンフェブール/後藤晋良 フイイ/鎌田誠樹 司教、レーグル/清原邦仁
バベ/HILUMA ブリジョン/田村雄一 プルベール/二宮優樹
モンパルナス/藤田玲 クラクスー/石川剛



買入れ屋/吉川恭子 マテロット/穴田有里 ファクトリーガール/池谷祐子
ジベロット/万里紗 マダム/SACHI
少年1/野田久美子 少年2/高田亜矢子 かつら屋/三戸亜耶



前日の観劇から一夜、いよいよ禅ジャベ。アンサンブルさんたちはガラッと入れ替わってますが、プリンシパルのメンバーは、マイナーチェンジでした。
変わったのが、ジャベール、エポニーヌ、コゼット。



しかし、舞台はナマモノ。昨日とは違うスピード感、違う印象となったのでした。





いやー。禅さん・・・禅さん??


今日のジャベが禅さんなのは、分かっているのに、やっぱりあの温厚な笑顔の禅さんと、目の前のジャベールがすっと一致しない、毎度のことですが。


禅さんジャベの素晴らしいところ、いくつもあります。
・声がいい。
・演技もいい(深すぎる)
・相手との呼吸、間合いが抜群にいい。
・なんかもう、うまく言えないけど、いい。


歌メインでも、芝居メインでもなく、両A面的な。あ、たとえが古い・・・ どちらも一級品ってことですわー。美声を響かせようとしたら、いくらでも出きる方であり、しかも演技派な面を打ち出してもいいわけですが、禅ジャベにおいては、どちらも満足させられてしまうー。


拍手、拍手!


初っ端の、バルジャンと目も合わせずに「俺はジャベール!」っていうとこから、底知れぬ暗黒面を感じさせてくれました。


怖がらせよう、という感じでもないんですよねー。正しい毎日を送っているはずなのに、どうしてジャベールは自分を愛せないのでしょう。
信じる・神の道を行くのだって表現では言いながら、心の奥底では、自分は許されてない、許されたいのに、許されてないんだと思っている人です。


とても気の毒、つまり、ミゼラブルな・・・人でして、そして最後まで彼は救済されなかったですね。バルジャンこそが彼を助けられたはずなのに、そこから逃げて身投げしてしまいました。


↑と、こういう切なすぎて、痛々しいジャベール像が、ありありと、無理なく胸にズドーンと迫ってくるのが禅ジャベですよ、スゴイわ、ああ。


だからと言って、お涙頂戴な演技など、一滴もないのです。ねー、やっぱり素晴らしいジャベ役です。


1ヶ月前だったけど、目を閉じると声も姿も溢れてくるなぁ・・・ 思い出し劇場、禅ジャベ絶賛メモ、少し続きます。



2011/05/05

『レ・ミゼラブル』4/16-8 お父さんバルジャン

以前は、颯爽とした市長殿に激しくときめいていて、1幕が終わると、ああもう老けてしまうのよね・・・などと思ったものでした。見かけだけに反応するなんて、私も若かったわ。



このごろは、どのバルジャンもステキ。そして、どのバルジャンにも、父親のような愛を強く感じる次第です。



貧民街でパンなどを分けて歩くバルジャンとコゼットの姿を見れば、あのハエ殺しが趣味の(原作にあるエピソードではありますが、コゼットの遊び=ハエ殺し・・・ がーん)コゼットを、育ちの良いしっかりした娘に育てたことが、一目瞭然。



そして、迎えに行った日に着せた喪服をなぞったような現在の服に、彼女の切ない生い立ちが見えるというものです。うーむ、見ればみるほど隙のない演出に、恐れ入ります。



マリウスと心通じ合わせ、自分の生い立ちについてバルジャンに問いただすコゼット。「告げるだろう、神が・・・♪」の言葉に、ラストシーンがフラッシュバックするので、私の胸はきゅーっと締め付けられます。
彼女の身に起きたことを、いつかは教えなければいけないのは分かっているけれども、それはコゼットを自分の手から離すときだと、分かっているんですよね、バルジャン。
それで、コゼットと向き合うのを避けてしまうところがある。ううっ



■「君の恋人、マリウス」
マリウスからの手紙を読んだ後の祐一郎バルジャン、ものすごく複雑な心境なんだろうなぁと思われます。





ここ、読み上げるのもメロディがありますが、「君の恋人、マリウス」という時の、ついにこの日が来たか!的な胸を衝かれちゃった感じの言い方。CDで前のを聞くと、変化してるのも良く
父親の宿命・・・ 手塩に掛けた娘も、いつか別の男に・・・ という素直に悔しい気持ち。


と、同時に。コゼットもこの男を愛しているのだろうか、どんな男だろうか、砦でこの男の身に何かがあれば、悲しむだろう、などなどの心配が膨らんでいくんですね。この時点では、コゼットが悲しむことが耐えられない、という動機で砦に突進していったバルジャンでした。


ここも、以前は恋人だなんて!という感じの驚きをよく表現してた祐一郎でしたが、ここ何度かは本当にコゼットのために、何もかも心配でたまらないといううろたえた感じが強いです。


しかも、もう結構なお年寄りになっちゃってるのが! それでもなお、砦に突入ですよ、コゼット命なのだわ。
私まで父親の気持ちに同調して、愛しいコゼットのため!と鼻息が荒くなる・・・んでした。だからコゼットの笑顔の花嫁姿は嬉しくてたまらないですねぇ


■「まるでわが子です」
マリウスを見るまでは、コゼットのためだけが心配だったバルジャンですが、エポニーヌを亡くし、コゼットともう会えないと沈むマリウスを見て、この言葉。


ますますもって、完璧なセリフ、進行に脱帽。バルジャン役もめまぐるしく心境が変わっていくのを、どう表現するか。大変そうですね。


人生の終わりの時期に、若者たちの将来を眺め、そのためになるなら命を差し出そう、と。『彼を帰して♪』にいたっては、もうコゼットのためなどという小さな範囲の動機は消えており、未来ある子を助けてほしい、とピュアな願いだけがバルジャンに満ちてます。


ここを、静かに静かに歌う祐一郎の祈りの声に、却って思いの大きさと深さを感じるというのも、長くバルジャン役に取り組んでいる祐一郎の経験というか、広さというか。
神に言おう、とか願おう、というはっきりした意思があるっていうより、思わず全身から溢れてきた思い、がこの静かな歌になって表現されているんじゃないかしら。


歌としては見せ場、聞かせどころなので、気合が入ってしまうのも当然なところでしょう。だけど、祐一郎にはそれはない。うん、もうない。どの場面も同じように集中して、そのときのバルジャンを生きていると思いました。


照明も、オケもひたすら美しくて、普通の人であって、かつ神々しいバルジャンでしたー。




2011/04/28

『レ・ミゼラブル』4/16-7 ファンテをつつむ愛

知念ファンテーヌに優しく、優しく語り掛ける祐一郎バルジャン。以前はジャベールを気にして、ささっと立ち去ろうとしてましたが、今回はそういう素振りがありませんでした。



静かに、ファンテーヌに語りかけ、しっかり見つめ、抱きしめてました・・・・ 何て優しいの!



これはもう父性愛なのかなぁ 義務や責任感から出た行動だけれど、この時点で大きな愛情がバルジャンの心に溢れてきているようです。



守ろう、私が♪



本当に、全身全霊でコゼットを守り抜きましたものね。



うわーーーん。



ファンテを抱き上げるとき、そんなに大変そうじゃなかったのが安心。祐一郎の腰が心配で。軽いファンテで良かったなり。



ベッドの縁に腰掛けて、ファンテの手を包んであげてる、そのお姿。横顔。
素晴らしくステキで、またもポワーン。自分の手まで暖かくなったみたいな気が(妄想パワー)。



■KENTAROジャベールとの対決


うーむ、こりゃ向き合った段階で、祐一郎の勝ちでした。頑張れKENTAROジャベ。
丁々発止(翌日の禅ジャベを観て、すごく良くわかったのですが、こちらは本当に丁々発止、いい掛け合いで震えました)のやり取りとまでは、さすがに行かず。


向かい合って立ってるだけで、バルジャン優勢なのが明らか。体力的にはバルジャンが勝つだろうと本人も言っているものの、お前はクズの24653!と蔑むジャベールの怒りは、バルジャンのコゼットを保護したい気持ちとは、互角にぶつかり合っていいところです。


という点で、気合負けだったかなぁという印象でした。


ジャベールと素手で戦う場面、最後にジャベールの背中をドンと殴ってノックダウンさせますが、ジャベの背中の30センチくらい上でチョップ繰り出しただけで、倒しちゃってました!
気功もびっくりのバルジャンチョップねー。すごいわ。


■テナ夫妻との対決


阿知波さんの椅子に押し戻すの、足を引っ掛けてぐいぐい押さえつけてます。あのバルジャンを足で押さえ込むとは、実はすごいのかも、女将さん。


三波テナも歌がぶれず、とってもいい合唱で、夫婦相和。


お金の交渉もまどろっこしいなって顔で、早くコゼットをここから連れていくんだと決めている態度で、さっとコゼットと出て行きました。
私の子だ。の言葉に込めた決意、優しく話しかけているが、肩にかけた手は逃亡者となってもどうにかしてこの子を守る、と決めた力強い手なの。とても優しくて、大きな。


リトコゼちゃんもくるーっくる回してもらって、やったぁ!な感じ。その大きな人がお父さんだよ、幸せにおなり!



2011/04/27

『レ・ミゼラブル』4/16-6 ピッと止まる、さあどうぞ

市長殿になったバルジャン、背筋も伸び颯爽と舞台の奥からご登場でっす。



きゃーっっ 祐一郎・・・だから好きだよ、はぁ 囚人からの変身ギャップがステキすぎ。
舞台進行のお約束が良く分かってない我がオットが見たら、もう違う人の話だと思うに違いない(いつか見せてあげたいと思っているんだけど、本人興味なく・・・



ファンテーヌに指指され、「私が・・した!」と驚くのでした。雇用を守れなかったため、「こんな目に・・・
見るごとに、この時の祐バルの申し訳なさが深まっていく気がしてます。
前に見た橋本さとしバルジャンなんかは、全身で助けよう!と表現してるのですが、祐一郎の場合は動きが少ないにもかかわらず、ファンテーヌを思いやる気持ちが手に取るように分かるんですよね。



何でかな。声でしょうか。「どうしたなら助けられる」 ウソのない心からの言葉として伝わってくるんだわー



あとは、膝をついてファンテーヌに語りかける姿に、相当の女子はポワーンとなっているはずだ。当然私も。キレイな格好した人が膝ついたり馬車を背負ってたりすると、キュンですよね! ねーっ
馬車の荷台を押し上げるときは、さらにジャケット脱ぎ&放り投げパフォーマンス付きなので、ますますトキメキ指数アップ。あ、これってジャケットプレイ・・・? 



それなりにやってきた自負があるバルジャンの心を粉々にするファンテーヌの姿、自分へ向けられている敵意。ああ、無常! とか言いたくなる場面です。頑張れバルジャン、負けるなバルジャン。


さて、歌いだしのとき、ピッと動作をキメてます。いつもの祐一郎です。
それが面白いというか、愛おしいというか、ついウフフと笑ってしまうのだけど、それが祐一郎を大きな役者たらしめているのかな?と思うようになってきた。これって贔屓目なのかしら?
構えているんだけど、構えすぎには見えなくて、この場面に全力で!という姿勢に見えるの。やっぱり贔屓目か?


ただ立っているのが素晴らしく上手。ご自分が動くとものすごい影響を舞台に与えるのを、本当に良く理解されてると思うわ。


自分こそがジャン・バルジャンであると言うか迷う名曲、 Who am I ?「裁き」


ピッと止まって、ハイ、どうぞ! 奥へ去っていくジャベールを見送ってからの場面なので、最初は客席に背を向けたところから。歌いだしの直前にくるっと向き直りますよー。
キュッと!


私の脳内では、塩田さんのキューの他に、ヨシキタ!ズバーンとキタ!などと野球か・・・という掛け声が掛かって賑やかです。深刻な場面なのに、舞台に祐一郎しか立ってないせいなのか、ついおちょくりたくなる。悪い子だー。


裁判所でのやり取りも、目をつぶってたら見逃しかねん早さですね。裁判長も、バルジャンと間違われてる男も、まるで背景。バルジャン×ジャベールの無言対決。


にわかに事態が飲み込めないジャベールを尻目に、ファンテーヌを助けねばの一心で法廷を後にする市長殿であった。


うーむ、見事です。囚人から市長殿になって、また逃亡者になるまで、一体何分の間に起こったのやら。その分、演じる役者さんたちも、一瞬で数年を越えていかなくてはならないのですね。KENTAROジャベール殿は、そのあたりまだぼんやりしていたかなぁ


わが祐一郎バルジャンは、完璧よ! って、市長以降は実年齢に近いから、今とてもいい感じだわ。


2011/04/26

『レ・ミゼラブル』4/16-5 俺はジャン・バルジャン

いやー、何回見てても、オーバチュア、ジャッジャジャーン! で熱き血潮な気分に引き込まれるのがスゴイです、レミ。



■「囚人の歌」 囚人たちがスモーク&ライトに照らされて行進してくるだけで、めまぐるしく物語が進行。バルジャンが仮出獄するまでの間に、かなりの情報が詰め込まれてます。



友人に「祐一郎の足首きれいだから見てね!」と言ってたくせに、久々のレミなのでコーフン激しく、足首まで見る余裕ナッシングでした。スモークと光の効果やら、音楽の素晴らしさやら、祐一郎のデカさだのに目が奪われておったのだった。



パンひとつ盗んで5年の刑、あとは脱獄の罪で、計19年もいた。
え、この汚いひと幾つ?(40代半ばよね・・・んまぁ!ってな感じですわ、青春なかったね・・・



俺はジャン・バルジャン。俺はジャベール。 
この名乗りあうところ、東宝CD時代の祐バルには反抗心があって言っている感じですけれど、最近の感じは・・・哀しみがこもっているように感じてます。誰も、ずーっと彼をジャン・バルジャンと呼んでくれてないのですよね。
あ、この先も、偽名で暮らすので、本名で呼ぶのはジャベールだけなんですね。あうー。



■「仮釈放」 いまこそ、自由だ・・・ 
祐一郎バルジャンの声に、胸がぎゅっと捕まえられてしいまう。待って待って手に入れた自由に、期待している様子が伝わる声。大事そうに「自由だ・・・」と言う声でした。
気持ちがぱーっと開放されていくような歌声。



■「司教」 前科者に世間は冷たかった・・・善悪の判断もつけられなくなっていたバルジャン、銀の食器を盗むが司教の愛で目が覚めるのでした。


これも悪い人になっていたっていうよりも、社会からはじかれてしまった者に社会のルール(モノを盗んではいけない)を守る謂れはないですものね。
バルジャンをここまで追い詰めた法のあり方は正しいのか! などと憤る私・・・怒っていたら、あっという間に舞台が進行してしまうので忙しいっす。


悪いことをするのは知っているが、罪悪感がなくなってしまったのよ。哀れ、バルジャン。


この日(16日)、祐一郎バルジャンったら、倒すべき椅子の背を一度触って場所をしっかり確認してから、ダーンと倒して捕まってました。カワイイ・・・うぷぷ。


■「バルジャンの独白」 前回公演のとき、ワナワナっと手をふりながら立ちすくんていた祐バルですが、今回は手をふるのはあまりしなかったですね。


むしろ、衝撃のあまり動けなくなっているみたい。表情も、はっきり何かと分かるようなものではなく、考えこんでいる感じ。これまでの自分を振り返っているのかも。


憎まれた俺は、この世を憎んだ。石のように心を閉じて生きてきたのだ、俺の人生。
あの地獄へ送り返さずに自由をくれたのだ。
生まれ変わるのが、神の御心か。


歌ってスゴイわー。バルジャンが40年来の自分を内面化していく過程が、ここに凝縮されてます。


闇を這い出そう、光を求めて別れを告げよう。罪がうずまくジャンバルジャンの世界と。
ジャンバルジャンは死んで生まれ変わるのだ。


レミを見始めたころ、このバルジャンの行動を地獄へ戻りたくないばかりに起こした行動みたいに思ったんですよねー。何で仮釈放の紙を破いたのかなって疑問でした
バルジャンを捨てるのは、逃亡犯が偽名を使うこととは、バルジャンの覚悟から言うと、ちょっと違うんだと気づくのに時間がかかったよ、私。


厳しすぎて間違っている法律や警察よりも、神の求める生き方に近づきたくて、別人になろうという覚悟なのね。バルジャンを消してしまうというのは、それもまたツライことがたくさんだわ。


というのが分かるようになったのも、祐一郎のおかげかも。祐バルの蒼白って雰囲気の覚悟の強い姿を見ていると、司教さまから受けた愛がいかに彼を救って、そして生き方を示してくれしたのかがすごく良く分かるから。


あと、祐一郎の年齢が最高にバルジャンとマッチしていて、これまた、まさにバルジャンだなと思わせる。
たいていのひとは、人生見えてる年齢にあって、これからを覚悟している姿って、思いのほかズキンとやられちゃうのです。子どもがいてもいい年齢の人が、生まれ変わるぞって思ってるんですよ。すごすぎますって。


闇から、上を目指して生きていくバルジャン。やがて闇に吸い込まれてしまうジャベール、誰だよ、ほんと、素晴らしい舞台です。同じメロディで表現するなんてねぇ 


久しぶりだったせいか、司教さまのお声を聞いてる段階で滂沱・・・ で、バルジャンが覚悟して立ち上がったのを見て、嗚咽。
前も書いたけど、なぜか号泣さんばかり近くにたくさんいたので、心強い・・・席で、遠慮なく、うおおう、と泣いた。泣くと気持ちいいよねぇ





2011/04/24

『レ・ミゼラブル』4/16-4 三波テナ~

■ゲスで食えない感じ。駒田一テナのほうが、さらにさらに上を行く気がしますが、かなりの人物でした。
それにしても、三波豊和テナルディエ、DNAでしょうか ステキに良い声で動乱のフランスを生き延びていましたわ。



キャラ立ちしすぎているキャラ設定にもかかわらず、すごくリアルな人物として演じておられるのが好きですよー。



テナ最初の「へい、ただいま!」の返事をするときの顔、最高にイイっす。
声は陽気なオヤジで、表情はくそ食らえ、すごいですねぇ 私もこれくらい表情のコントロールが出来たらいいのにと羨ましいくらい。



テナルディエのオヤジの脳内には、雲の上のような妄想世界は一ミリもないでしょう。全て現実のなかで人生は展開、神の視点など気にならず今日を生きることに全生命力を惜しみなくそそぐ、したたかさ。



・・・私にないものばかり!



バルジャンは神の国に行ったし、ジャベは神にそむいたために天国へは行けなかった。あら? じゃ、テナルディエはどうなるのか、ふと考えてみました。



たぶん、天国の不良門番に袖の下を渡そうとしてますね~ いつもどこでも、最高のコスパを求めて行動していることでしょう。


■笑わせようとしない。
笑ってくれよ、とか、笑うシーンだよっていう方向を客席には強要しないテナでして、いいバランス感覚をお持ちだなぁと感心。この加減が私の好みと合わないときは、しらけてしまったりする。


何せ、どんなにおどけても、私はバルジャンが幸せになってほしい一心で舞台を見守っているので、テナルディエに共感するなんて余裕はないわけですよ。


でも、テナに求められる役目って、神の心だの法律だ、市民のためだ・・・とお題目を唱えるバルジャン、ジャベール、アンジョルラスらを尻目に、
生きるってこうだ、命を大事にってこうじゃん、というたくましい人間として彼らの対極に位置しなければいけません。
かといって、大人物のような貫禄はなくていい・・・ ね、難しい。


これまで、テナルディエはお笑い担当のように見えてたことが多かったけれど、ここ数年のテナ役者さんたちは、この役をより面白く、深く、重要な人間として表現されてきてますねー。


ブラーボー!



2011/04/23

『レ・ミゼラブル』4/16-3 阿部アンジョルラス

スコーンと抜けていくいい声の人、という印象だった阿部よしつぐさん。さて、アンジョルラス役をどのように演じるのか。



■ニャー?



これまでの、スカッと気持ちよく抜けていく響きとは違う声に聴こえます。あれれ。少し鼻にかかってるのか、喉がしまっているのか? 語尾というか音の最後がにゃんっとコブシが回ってるように聴こえました。少し気になる。



立ち姿は、すっきり細マッチョという感じ。赤いベストがきゅっと端正な雰囲気を華やかに見せてます。着こなしも、すっきり派ね。
細いせいか、がっと引き寄せる感じはなかったですね。それがまた、学生たちの未熟さも見るようで、私には眩しくもあり、痛々しさもありでして。
そんな若者たちが酒を酌み交わすのを、じっと見ているバルジャンの成熟した人間からの視点も加わって、ああもう、レミの舞台構成って抜かりないわ)



そうねー、阿部アンジョは、クールで知性派なリーダーでしょうか?
常に100%っていう張り切り感もあったので、この緊張感が今後よりクールに向かうのか、あるいは熱く燃えるのか、見てみたいわ。



私、祐一郎の出演日をメインに日程を組むので、アンジョルラスで見たことある方、偏ってるかもなぁ





Red and Black♪歌ってるときに思ったのは、一歩抜きん出たリーダーっていうよりは、仲間をまとめる力がある人物なんだなと思いました。声高に言わないけど、社会のことを考える真剣さで仲間をまとめているような。


このカフェに集まる学生たちがどうなるのか、筋を知っていれば考えてしまいますよね。
命を無駄にするなとか、学生たちがバカなことをしたのとか、一時はそう考えてたんですけれど、それでもこういう若者のエネルギーっていうのは、そういうものだな・・・
この先のシーンを思えばカナシイけれど、瞬間に生きている姿に胸が熱くなってしまうのは、抑えられませぬ。


んでもって、アンジョ。マリウスが撃たれてものすごく取り乱すとこがー、いきなり子どもみたいにウワーっとやけっぱちになり、砦のてっぺんで赤い旗をぶんぶん振り回してます。
やめろと止める仲間も見えないようで、そんなにマリウスが大事なのね、あぁ、邪念がわきあがってしまう~


幻のようなコゼットにポワーンとしてるマリウスを叱咤したのも、嫉妬からか、そうなのか。
知的クールリーダーっぽかった阿部アンジョですが、マリウスに対しては上下の立場じゃなく、イーブンな気持ちがあるらしい。



今さんと圭吾さんには、ミュージカルに興味を持つまでに間に合わず。見たかったぁぁ


2011/04/22

『レ・ミゼラブル』4/16-2 収穫ありすぎ

祐一郎については、まだちょっと先。プリンシパルも初めての役の方がKENTAROさんのほかにもいらして、それがまだ素晴らしいんだものーっ 



■エポニーヌ、平田愛咲
パリの貧民街に現れた姿、この暗転の間に何があったのーっと言いたくなるくらい、悲惨なことがあっただろうねと思ってしまう、なかなかにたくましい(あ、ボディは細いです。精神がね)子になってます。



マリウスに話しかける表情は子どものように可愛いのだけど、態度がオトナびてるのが、エポのこれまでの人生経験の深さを見るかのよう。本当はキレイな心でいたいのよね・・・



平田エポは、なんといっても、声が好み~ コゼットが聖女的な高音を歌うのに相対して、エポニーヌは低いパートを歌うことが多いですが、その低いところの広がりがとってもいいです!
低音がきれいに出るので、これからも役柄は広がりそう。





エポニーヌは「オン・マイ・オウン」や「恵みの雨」、「心は愛に溢れて」の三重唱、不幸な役ですが歌はものすごいメイン。エポニーヌ役が好みの感じだと、ぐいぐい引き込まれて行きますねー。
心は愛に・・・の 低めに独白で入ってくる「片思いだわ・・・あたしはひとり・・・」のとこ、好きなんですよ。
恋に落ちた二人のラブラブハーモニーの低奏になるのが、とても切ないけど響きあってる回に当たると、背中がぞくぞく震えてきます。


これからの活躍が楽しみな方だわぁ エポニーヌ役も、もっと自分のものにしてほしいでっす。


■ファンテーヌ、知念里奈




エポニーヌ役(2007、2009年)より、ずっといい!エポニーヌにしては、知念さんの可愛らしい雰囲気が邪魔してたと思うのです。
でも、ファンテーヌは、可愛くて大丈夫な役ですっ。可愛い人が、子どものため、コゼットへの愛情のために全てを投げ打って、どんどんドン底に落ちていく哀しい人。世間を知らなかったわ・・・の言葉を、可愛らしさが裏付ける感じになって、いいのだわー。


何でか分からないんですが、ファンテ役の方たちは娼婦になっちゃってからが輝きますね。役としても面白いからか。それとも「ファンテーヌの死」で歌うから、そちらに人物像がセットされてるからでしょうか。


知念ファンテも、「夢やぶれて」よりも、死の床で幻のコゼットに向かって話しかける姿がたまらなく良かった。
命は消えそうなのに、子どもへの愛情が少しも消えないあたり、涙腺決壊、泣きすぎて祐一郎の美しい横顔もよく見えませんでしたーっ うぉぉー。


それから、白いドレスの人となってバルジャンを迎えにくる姿も、この世の人じゃない雰囲気が出てて素敵でした。知念さん、意外と低めの声が聞きやすいのね~


16日じゃなくて、17日のときに気づいたのは、コゼットが駆け寄ってくるのに気づいたファンテが、コゼット!って表情してからすっと立ったこと。これまでのファンテで、私はこういう表情してバルジャンから離れた方は記憶になかったので、新鮮でした。


瀕死のバルジャンにばかり目が行ってるから分からなかったのかもですけれどねー。今までは、母としてっていうより、天上人な雰囲気が強かったように思います。


はー、「コゼット、愛された~♪」 にいつも泣かされてますね。ダメ押しが「俺の命!」 うわわん、って感じです。
すっかり涙スイッチが設置されてるような気がしますねぇ そこに美しい音楽が流れてるんだから、泣けといわんばかり。素直に泣いてます。


2011/04/21

『レ・ミゼラブル』4/16-1 新ジャベール殿

4/16 17:00@2階S席



バルジャン/山口祐一郎 ジャベール/KENTARO エポニーヌ/平田愛咲
ファンテーヌ/知念里奈 コゼット/折井理子 マリウス/山崎育三郎
テナルディエ/三波豊和 マダム・テナルディエ/阿知波悟美
アンジョルラス/阿部よしつぐ
リトルコゼット/蒲生彩華 リトルエポニーヌ/飛鳥井里桜 ガブローシュ/小宮明日翔



グランテール/土屋研二 クールフェラック/杉山有大 ジョリ/士倉有貴
コンフェブール/谷口浩久 フイイ/宇部洋之 司教、レーグル/武井基治
バベ/高山光乗 ブリジョン/清辰之介 プルベール/五葉隼人
モンパルナス/尾崎巧使 クラクスー/高舛裕一
買入れ屋/坂本幸香 マテロット/曲木佐和子 ファクトリーガール/さとう未知子
ジベロット/中村美貴 マダム/谷口ゆうな
少年1/北川理恵 少年2/山岸麻美子 かつら屋/恵理



■・・・誰?



すいません、すいません。祐一郎以外のことはアタマにまるでなくて、囚人祐一郎に優しくないジャベール殿が、どなたか分かりませんでした!



一瞬、声の出し方は今さんぽいかな?と思ったけど、体型とか歩き方が違うし・・・(さすがに今ジャベでないことは知ってたわけですし)
休憩でロビーで「本日の出演者」を見るまで、分かってませんでした。KENTAROさんゴメンね。


このKENTAROジャベール、とっても切ないジャベールとして胸に刻まれました。
例えば、岡ジャベだと一度突き抜けて危ないバランスながらも気を張って高みで頑張ってます。禅ジャベなら、己の出自を否定するあまり、怒りが原動力なっている感じ。


自分を愛せない哀しみ、人も心から信じたことがなさそうな哀しみ、そういう哀しいものを背負ってるジャベールでした。こういうのもあり、ですね。


■歩き方は、ずんずんわっしわっし。魅せるよりも、実を取って生きてる人物に見えます。田舎の人っぽさがあるような。その辺もまた新しいジャベ像だなと思います。


でも何度もジャベ役をするうちに、他のジャベのようにシャキーン!と歩くようになるのかな?


そうそう、KENTAROさんかぁ! と気づいてから、いそいそとオペラグラスで観察。髪はロングだな、メイクはキリリと目じりがぐいっと上がった怒り目。あら、顔色も暗いわ・・・


動きや表情が大げさすぎることもなく、とてもじっと耐えることが出来るお方のよう。回を重ねたら、もっとKENTAROさんらしさがにじみ出てくるんだろうなぁぁ


■いい声!


ダミ声にしても、叫んでも、不安定にならず聞きやすい。ジャベの歌は基本、低めですけれど、低い声がよく響いてました。


欲を言えば、バルジャンと出会って変化していくジャベールの心境をもう少し表してもいいかなと思ったくらいです。でも、これはそのうち出てくると思うわ。


というか、すごく伸びしろがありそうなんですよねぇ 化けそうな感じ、期待を持ってます。




2009/11/11

『レ・ミゼラブル』10/13昼-2 夢だわ・・・もう今は

■シルビア:ファンテ
彼と出会った頃は、きっと自分のことも愛せて輝いてたんだろうなぁ 素敵な子だったに違いないと思わせるファンテ。



過去を遠く思いつつも、今はコゼットを一心に気にかけ愛して、必死にがんばっている姿に胸は張り裂けそう。前に見たときよりも、深い母親の心を強く感じられました。



キーヨが抱き上げるとき、けっこう勢いよく運んでどきどきしたわ。さすが力自慢です。
暖めよう・・・♪」にいちいち嫉妬していたのは昔の私よ!(成長したのだ) 今は、もう、ぜひぜひファンテの手を包んであげて!と願っております。願いつつ、いいなぁと思えるようになりました。あはは。



■聖子エポニーヌ
やー、もう聖子ちゃんは完璧では? 



乙女心を男っぽくした姿や振る舞いに隠している健気さ。しかも健気だと思われないように振舞ってるあたりが、いじらしいし、哀しいし。



かつては、ちやほやされてた自分のこともよく覚えている、というのが意外とツライところですよね。自分はコゼットを覚えているが、相手はそうじゃない。しかも今の自分は昔とは違ってしまった。その差に絶望しかけてるのかもと思いました。



すさんでみせるだけなら出来そうなものだけど、深く諦めを背負ってしまっていると感じさせるのは凄いです。恐ろしい子!マヤ!あ、ちがった。



で、そういう絶望のなかでマリウスの世界、マリウスが持っているものへの憧れが切ないんですよー!
しかもエポニーヌはやさしい子ですよね。あれだけの人生を送ったというのに、穢れなき心を奥底にちゃんと持っているっていうのが、エポの魅力なんだな。



■サヤカコゼット



可愛いです。本気で人形みたい。演技も誠実な感じです。



バルジャンとの「もう大人よ♪」パリの屋敷でのやり取りの場面、一生懸命な素直な子だと思いました。何せ、キーヨバルジャンが、この子はそういう娘だからっていう態度でいるので、間違いない感じに思えるのです。



こんなに可愛い娘なら、そりゃバルジャンパパは手紙だって読んじゃうよ~。と納得するほどに可愛いコゼットでしたもの。



ただ、この日のメンバーはほんと体育会系。
がっつり歌ってくれる方ばかりだったこともあって、彼女のか細い歌声が浮いてしまってました。音ははずさないけど、それだけというか。