2019/02/06

『レベッカ』2 コート受け取ってるの、貴女だったの!

♪プロローグ 夢に見るマンダレイ

最後列から見た日のみ気づいた。開演前に流れてる音、ぴちゃん、ぴちゃん、水音がしてる。前はザザーンと波の音だけだったような気が。レベッカの情念なのか・・・コワイわ。ぴちゃん。

ゆうべ、夢を見たの・・・♪
落ち着いた歌いだし、マンダレイで出会う人々「影たち」がイッヒとゆっくりと静かに行き交う。フランク、ファヴェル、ビー、そしてミセス・ダンヴァース(以後、ダニー)。正面を向くファヴェルがすでにエロいんですけど。

それぞれ、交差するときに少し立ち止まり、イッヒに視線が行くような行かないような。だって彼らは今の彼女には過去の人々だから。

イッヒの衣装は直線的な襟のデザインのクリーム色のコート、揃いの大きめの帽子を深く被っている。特別、年を取った雰囲気は醸さず。

このコートと帽子をダニーが受け取ってたのに驚いた。これまでもそうだった?  
黒いドレスだから一番黒子に相応しいけれど、それもまた意味がありそう。全て過去、もはや恐れる相手ではない、と。使用人扱いできてるー!
知寿さんなんか、イッヒの髪を直してあげたりしてて、おおおーと。

イッヒの語りから始まる物語、これから語られるのは既に起こった過去の話であって、コートを預かるダニーも過去の影として扱われているのか・・・

あの日私は21歳、1926年・・・♪
初演時、大塚千弘さん(ちーちゃん)は21歳でこの大役をしっかりシングルで演じたと思うと、ちーちゃんの素晴らしさが分かる。21歳! 子供だよね。
落ち着いていたし、丁寧だった。演技を自分の可愛さでごまかしたりして逃げなかった。
ちーちゃんのためにあるような適役。そして10年を経て、各キャストが深化させたもので更に盛り上げるレベッカになった。感慨深い。

♪レディなんて柄じゃない
ヴァン・ホッパー夫人=モリクミさんの押し出し力よ。衣装のキラキラが霞むボディ。お胸にくぎ付け。
彼女のパパが成金って感じの・・・・アメリカ人に見えた。歴史ある英国貴族との対比で見ちゃう。

ウェイターには命令するの、とか堂々としてろとか、エレガンスがどうとか。言ってることは間違いじゃないけど、言い方!! 言い方が・・・ずけずけと品はない。噂好きな所とかも。お金は持ってるがそういう人。前任の寿ひずるさんが、カラっとした雰囲気だったけど、モリクミ夫人は意外と湿度を感じた

なぜここにいなかったのと聞いて、頼まれた雑誌を取りに、と答えるイッヒを見て「あ、そうだった」って顔するの可笑しいんだけど。ここの時点ではイライラしてるし可愛げのないモリクミ夫人。
タバコに火をつける動作がガサツなモリクミ夫人。吸い殻をミルクピッチャーに放り込むモリクミ夫人。見事に下品な。

マキシムを呼び止める時のアローハー!って。どうしてアロハになったのか気になってしまう。最後はドス効かせて呼び止めました。
止まり方が、可愛いんですけど良いのかしら。当時の40歳くらい(勝手にマキシムがそれくらいの年じゃないかと想定してます)は、もっと落ち着きがあるのでは?
・・・いいか、だって祐一郎だもん。ってことでいいのか。

コぉーンウォールの発音がもってまわった感があっていいわぁ、あなたのエレガンスも付け焼刃では?と勘ぐりたくなってみたり。
モンテカルロに来るためなら何だってする・・・に対してそっけないマキシムの答えに、「ですわよねー」とか、そういういちいちは可笑しかったぞ。

そしてマキシムとイッヒ。
あなたは? モンテカルロは作り物みたいで。

その前からもチラチラとイッヒを見てるマキシム。この押しの強い夫人と一緒にいるには楚々としすぎて可憐だなぁとか何とかですか?
こんなに前も見てたっけ? 初対面から気になったんですね、と分かりやすいマキシムになった

自分のことは自分でせよと言いながら、来たほうにまた戻って去っていくマキシム。あなたのせいよ、変なお返事したから! と夫人。ムキィ! けっこう迫力あってコワイ。

冒頭は上流のしきたりになじめず、夫人からは理不尽な扱いを受けてるイッヒが描かれます。
ちーちゃんは、オロオロ。あと、マキシムのことも見惚れてたよね。
綾ちゃんは、オドオド。マキシムはチラチラっと見てたかな。

社会的に上流の人間だとされてることと、人間の品格はまた別だよねって話。イッヒにマキシムが惹かれる訳、フランクが力説する訳がここに。

♪その名はレベッカ
ホテルの客やボーイたちが、噂する。マキシム・ド・ウィンターの妻「レベッカ」が去年、船の事故で亡くなったと教えてくれます。男性キャストたちがダンディ衣装(今さん渋い)

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