2018/12/28

『サムシング・ロッテン!』12/19夜 たまにはいいか。

@国際フォーラム ホールC(2階)

ニック/中川晃教 シェイクスピア/西川貴教
ビー/瀬奈じゅん ナイジェル/平方元基
ポーシャ/清水くるみ
ノストラダムス/橋本さとし

青山郁代 池田紳一 井上花菜 可知寛子 小暮キヨタカ 
小山侑紀 坂元宏旬 高橋卓士 高原紳輔 竹内真里 常住富大
丹羽麻由美 伯鞘麗名 福田えり 辺田友文 横山敬 横山達夫

まぁ・・・面白かったな。

元ネタが分からない人が見に行くとひどい目に遭うけど、ネタ探ししながら出演者を愛でる作品でした。

ネタにしてる作品は、日本の観客になじみのあるものにオリジナルからは変更されてるようでした。

そんなわけで、ネタありきな展開らしく、ストーリー的には単純。

同時代のスーパースターであるシェイクスピアに勝ちたいニックが、ノストラダムスの予言(流行る作品さがし)を聞いて、想像しながら新作をつくるが、予言が完璧じゃないせいで、ヘンテコな作品「オムレット」になってしまう。

弟のナイジェルが「ハムレット」的な作品を作っていたが、予言と違うとニックは袖にしてしまい、弟は尊敬するシェイクスピアにノートを見せてしまう・・・ で、シェイクスピアは不朽の名作「ハムレット」を世に送り出した。

失敗したニックたち、新しすぎる「歌って演じる作品」を、新世界で発表することに。こうしてアメリカではミュージカルが花咲いたのであった!
そうですか・・・
(アメリカ人はここ楽しいのかもね、私は、おお強引な幕引きと笑った)

アッキーと西川氏が並んでるのがカワイイとか、瀬奈さんキュートだなとか、平方くん若干無駄遣いかもしれない(もっと発揮できたような気が)とか、さとしさん流石だなとか、そういう感じで。

歌で聴かせるのは、アッキ―とさとしさん。
ありがとうございます。届きました。

平方くんは良かったけど、恋人役の方といまいち感触が掴み切れてない様子。スケジュール後半は良くなってたかもしれません。

西川くんは、もう「西川貴教」がいるってだけでOKなことになってる。居るだけで価値が生まれてた。意外と役柄にそって演じていたのですが、ザ・タカノリでOKだったんじゃないかと思った。
演じるなら、もっとドカーンと演じても良かったのですが、ステージの場面だけタカノリが来て、他は演じてて、どっちつかず。

しつこい繰り返しはなかったよ。
福田雄一演出で恐れること、しつこいお笑い場面とかは少な目かなと思った。
全体的にゆるいので、気にならなかっただけかも。

私の希望でいうと、きっちり締めた演出でもう少し小規模の劇場で見たかった。シェイクスピア役は歌手じゃなくて、俳優で。
あくまでもミュージカルのお約束で笑わせてもらえたら、さらに楽しい。

2018/12/05

『メタルマクベス disc3』11/19夜 まさみ夫人よろしくお願いします

初演のメタルマクベス とか、ライブ行ったりしたわ。
見てたよ。カッコよかった内野ランディ・・・

ウッチー、さとしさん(ライビュ)と来ての浦井くん。

ランダムスター、マクベス浦井/浦井健治
ランダムスター夫人、ローズ/右近B/長澤まさみ

レスポールJr.、元きよし/高杉真宙

グレコ、マクダフ柳下/柳下 大

グレコ夫人、シマコ/林/峯村リエ

パール王、ナンプラー/粟根まこと
右近、医者/右近健一

エクスプローラー、バンクォー橋本/橋本じゅん
レスポール王、元社長/ラサール石井

演出のいのうえさんが言ったように、一生懸命もがいてる浦井くんをそのままランダムスターの性格付け、演技で使ってた。12月にもう一度見に行くので、その時に、未熟さに落ち着きがでてくるのか気になる。あと、殺陣シーンは今後の課題ね。腰を落とすのよ・・・大変だと分かるけど健ちゃんなら出来る!君はできる子!

初演から大筋は同じながら、時代に合わない部分は変更、カット、順序や楽曲も変更あり。
もはやダイエースプレーで笑ってくれる世代は私が最後だものね?(40代)あの曲大好きですけど。若い観客には、ハテナだろう。

カットしたことでスピーディになった気はするものの、初演の何だかよくわからないがごった煮みたいなヘンテコさが減って、となると何で「メタル」「マクベス」だっけ?とふと疑問が沸いてしまう。時代を使って表現するって、こういうズレが生まれてしまうものねー。

■野心はどこか
ウッチーやさとしランディには、もともと野心があって、そこへ夫人がダメ押しで火をつけたように見えたのですが、浦井くんは火さえつかないままに主君殺しをしたような、覚悟のないままのような。

祝宴のあとの王との会話で「知られてしまった!」ことが動機であって、ほんのわずかでさえ王位を求めてるように見えなかった。さとしさんだと、知られたと思い込むのは後押しで。

なので、勘違いで殺してしまったと気付いた後の王冠を乗せた浦井ランディの諦観した顔が面白かった。心がもう死んでる。

心が死んだのに、それでも手にした王冠に執着するのが哀れだし、このひと割と流されちゃうのね・・・という。弱い心が勇猛な兵士の体に入ってるランディ。

野心があっての行動だと、あやうい王位に固執しながら精神が死んでいく段階が分かりやすかったが、浦井ランディは王冠つけたときに死んでて、それと「メタルマクベス」の音楽に取りつかれるところが、現実逃避なのか、自分を鼓舞してるのか、どちらか測り兼ねました。どっち?

むしろ、まさみ夫人のダメ押しじゃなくて、メタルマクベスの音楽と魔女たちによってそそのかされたのか? それもあるな。
だけどやっぱり、野心がないようにみえたのが、浦井ランディの特徴。

■夫人
長澤まさみのことが好きなんですよ。背も高くてスタイル良くて、浦井くんと並んだら引き立て合うわーと楽しみだった。

ほんとに眼福。

すっきりした衣装も良かったし、美尻さま・・・素晴らしい。

もちろん演技も落ち着いててとても良い。自分が何を演じてどう見えてるのか完全に分かってる。いきおいに流されてない。素晴らしい。

まさみ夫人がランディを焚きつけるのは、二人で最高の地位を手に入れたいからという素直な野心から。夫は戦闘力はあるが野心が足りぬと思っていて、それを自分が補えば最高の二人、と無邪気に思ってる。手にした後を想像しない熟慮が足りないところが怖いもの知らずでいい。

慎重に演じてるなぁという印象、200%くらいで突っ込んでくる浦井くんを受け止めてくれてそう。ありがとうございます。

12月の終わりころに、どんな二人になっていくのか期待。

■レスポールJr高杉くん
細い・・・若い(笑) 歌も真面目に歌ってくれてて、カワイイ。細いので踊っても折れるのではと心配になりながら、カワイイなぁと思って見てた。おぼっちゃんな感じが素直に出てました。

■レスポール王ラサール石井
ちょっと! ラサール石井に感動してビックリしました。とても良かった。もう63歳になってらした・・・ いつの間に。
軽いと見せかけて、締めるところをわきまえてて、巧かった。舞台でのふるまいが上手です。演技巧者っていう雰囲気ださないのに。

『タイタニック』10/12昼 3 乗客の思い出

■安寿ミラ/アイダ・ストラウス、佐山陽規/イシドール・ストラウス(一等客)

素敵なご夫婦で場がとても落ち着きます。長い年月かけて繋いだ絆を深く感じます。
ことさら悲劇らしく振る舞わないあたり、演出家のセンスだと思いますが、あんな短期間でこんなに覚悟をすぐに決められるものだろうか?

ご立派すぎるかもしれない。
でも、このお二人には描かれていない部分で、これまでもきっと危機的な状況を経験しているのでは?と予想させる説得力もあって、何があったときも二人は一緒と思うに至った積み重ねや、人生を十分に生きた実感があったのかな・・・と思えました。

■菊地美香/キャロライン・ネビル、相場裕樹/クラーク(二等客)

実は菊地さんが出演すること全く気にしてなかったのですが、声を聞いて、あ、と。声ですぐに分かるって良い。そしてとても可愛い。しっかりしたお嬢様風でした。

新生活へ旅立つお嬢様と身分違いの恋人に、相場さん。
(先日、舞台降板とのことでびっくり。元気になるといいですね)
優しそうなハンサム君でした。歌も安定してていい声出るようになって、心配いらなくなった・・・

■霧矢大夢/アリス・ビーン、栗原英雄/エドガー・ビーン(二等客)

演じて楽しそうなのはこの二人かな。初演は森口博子が演じてて、こちらも元気で良かった。霧矢アリスのほうがすごく上昇志向がはっきりした大人の女性感が強い感じ。ダンスしたり、ふらふら一等のデッキにお邪魔したりするけど、素直さがあって憎めない。

そして栗原さん~! 振り回されつつ愛妻家で、ちょっと妻の行動に困ってる(困ってるけど、エッチスとの会話を聞いてると、本気で困ってないのが分かるのが可愛い・・・俺の妻だぜっていう顔)すごくいい。頼りになりそうだし。久々に歌声が聴けて満足。

■渡辺大輔/ファレル(三等客)
浦井くんが演じた役でした。浦井くんどうだったけな。若者っていう印象しか今では残ってないなぁ 渡辺ファレルは背も高く大きいので、見栄えが良かった。ケイトとの若干ツンデレ的なやりとりも良かったです。

■小南満佑子/ケイト・マクゴーワン(三等客)
屋比丘知奈/ケイト・マーフィー(三等客)
豊原江理佳/ケイト・ムリンズ(三等客)

三人のケイト。新天地アメリカで仕事について新しい時代を見たいっていうキラキラさと、不安が少し。妊娠してるケイトは強くて見どころあって、助かってほしいなぁと願いながら見ました。

『タイタニック』10/12昼 2 船員さんの思い出

今年が終わってしまう。

■藤岡正明/バレット(機関士)
バレット役は好きな役です。最底辺でひたすら石炭をくべて蒸気を出す働き者で、恋人を思って愛の歌を歌ってくれます。衣装は制服じゃないけど、似合う人が演じると非常にセクシーですね・・・
恰好は労働者だけど、歌はバラードというのも良いわー。

The Proposal / The Night Was Alive

上口くんとのデュエット、案外声がいい組み合わせ。二人とも落ち着いた声の奥に、熱いハートが隠れているみたいな雰囲気がありました。また聞きたい。
CD化してくれないと泣く。

■上口耕平/ブライド(通信士)
バレットと一緒に静かな夜を過ごす相棒、せっかく受信した氷山情報もきちんと役立ててもらえてない通信士さん。
仕事に誇りをもっていたけど、ちょっとやさぐれてるところへバレットが来て、自分の仕事が素敵なものだなって思い出してます。

ヘルベルト以来の声だったのですが(シスターアクトは歌った?) 普通の男子だとこんな風に歌うんだなぁと新鮮でした。いい声! また別の作品などでも聞いてみたい人になりましたー。
お顔が可愛いけれど、こうしてみるとちゃんと大人の男性らしくて、とても素敵。

■戸井勝海/エッチス(一等室客室係)
どのキャストも素敵すてきと思ったけれど、戸井さんがたくさん登場して歌ったり、ステップ踏んだり、セリフたくさんだったりで、嬉しいー。

一等のお客様をオモテナシする仕事に誇りをもっているところとか、ふと仕事から離れた顔をする瞬間とか、見どころ満載です。

■小野田龍之介/ライトーラー(二等航海士)
もしかして、小野田さんを見るの初めてだったかも。歌ってやるーというものはなくて、一部分か、コーラス的に歌ってたっけな・・・(曖昧な記憶)
すごいいい声だとうわさで聞いてるぞ
というわけで、堪能しきれませんでした。またお会いしたいと思います。

2018/11/07

『タイタニック』10/12昼 トム・サザーランド新演出版

@日本青年館ホール

1階席中央、とても見やすぐ音も良い。
トイレが少なく空いてるかどうかが分からないのが難点。

鈴木壮麻/スミス(船長)
加藤和樹/アンドリューズ(設計士)
石川禅/イスメイ(オーナー)

藤岡正明/バレット(機関士)
戸井勝海/エッチス(一等室客室係)
津田英佑/マードック(一等航海士)
上口耕平/ブライド(通信士)
小野田龍之介/ライトーラー(二等航海士)
木内健人/ハートリー(バンドマスター)
百田ヒロキ/ベルボーイ
吉田広大/フリート(見張り係)
須藤香菜/ミセス・ビーチャム(給仕係)

安寿ミラ/アイダ・ストラウス(一等客)
佐山陽規/イシドール・ストラウス(一等客)

菊地美香/キャロライン・ネビル(二等客)
相場裕樹/クラーク(二等客)

霧矢大夢/アリス・ビーン(二等客)
栗原英雄/エドガー・ビーン(二等客)

渡辺大輔/ファレル(三等客)
小南満佑子/ケイト・マクゴーワン(三等客)
屋比丘知奈/ケイト・マーフィー(三等客)
豊原江理佳/ケイト・ムリンズ(三等客)

こんな短期間で終わってしまうなんて、もったいない。再演!再演希望!
一公演しか見れませんでした。

2007年のウォルフォード演出版(国際フォーラム)も見てるのですが、断然こちらの版が好き。ミニマムな構成にして、ひとりひとりの登場人物すべてが生きています。中規模の劇場でのサザーランド版、良いです。

どのキャストもその人生を見せてくれて、氷の海へ投げ出されたり救命ボートに乗れたり・・・実際に亡くなったお名前の書かれた幕がかかって犠牲者の多さに泣いたそのあと、もう一度、冒頭のタイタニックを讃える歌をみなで歌うのが、悲しい夢みたいで、劇場を後にしても余韻が続きました。

遠回りだけど、夕方の緑を眺めながら信濃町駅までてくてく歩いちゃった。

演技の面について良かったところは多々あれど、拙い人はなく、安心の高品質。ストレスフリー。
お姿も見目麗しいうえに、歌声も素晴らしい。ベテランも若手も中堅も、皆さま魅力をよく活かしていて、何でCD化しない?映像化もなし? なら、再演してねっていう。

開演前のステージには、和樹ともうひとり(誰だったっけな。船員さんの役だと思うけど)。机に向かったアンドリューズが設計してる様子です。眼福です! お友達に早めに劇場入りしろと教えてもらってて良かったー。

■イスメイ 石川禅
冒頭、タイタニックを語り始めるイスメイ。遺族から責められている様子だ。と、つまりタイタニックの沈没後の様子なんだな・・・悲しみ、苦しみ、けれど、タイタニックに見ていた希望と称賛を思い出し、彼女のすばらしさを讃えて歌いだす。

タイターニーック!

タイタニックは有名な話だし、展開も周知のこと。それを「思い出す」演出にしたのは導入として巧かった。初っ端から、見てる私の心のなかに哀しみの欠片が刺さった。

2代目のボンボンぽさ、尊大さ。オーナーとしての危機管理の甘さと名声を求めて無理強いしてることにも無頓着な様子。
沈む船から真っ先に逃げられる自分大事な面も含め、悪意のある発言じゃなくて、甘いんだこの人は・・・という禅イスメイだった。似合う。
自分の発言の重さを大して気にしてない。部下は言われたとおりにすべき、世界一の船なんだぞっ です。

しかし、冒頭での表情には、「もし〇〇〇であったら?」という後悔が感じられました。そこがまだ、憎み切れないイスメイです。

■スミス船長 鈴木壮麻
壮麻さんは、スミス船長のように「タイタニック」のなかで出世なさって、ついにキャプテン!
ブライド→イスメイ→スミス船長
(イスメイ役は未見)

制服が殊のほかお似合いだ。眼福ですねー。帽子の下のお顔をもっと拝見したかった。帽子ともじゃひげに隠れる美貌なのでした。
貴族的なお顔立ちなので、自分はたたき上げなのだと言うのが意外でしたよ。

イスメイの傲慢さとは違うけれど、船長としての気概というかまだ野心の炎が残っている目の強さが印象的。イスメイに速くNYに着かねば!とせっつかれて、ムムッとしつつも従う立場の違いとか、処女航海時の安全策ではないと知りつつ、自分もやはり速度競争で名を響かせたいという名誉欲が見えます。

禅さんと壮麻さんが言い合いしてるだけで、ぎゃーーーー!!(嬉しい!)レミ見たい! とテンション上がりました。

■アンドリューズ 加藤和樹
1幕-2幕も、あまり全面に出てきませんよね。それで、最後に「アンドリューズ氏の予見」を歌わねばならないのは、かなり大変な役。

セリフは多くないが、時々ステージに登場し、タイタニックについて回答。そこにいて、存在感を消さないように登場しなければいけない。なので、あまりキャラを出す暇がないのね。エリザのルドルフみたいだなーと思いました。

 言い合いする場面で、ようやく出番が来たって感じです。そして、壮麻さん禅さんのお二人のところへ乗り込んでいく和樹・・・迫力負けしそうでしてない和樹だった。アンドリューズは最初から全然自信家って感じがなくて、すごく良い人そうでしたが、骨太なところが見れましたね。CDで聴き直したいものだ。

そうして最後、沈みゆく自分が設計したタイタニック号のビジョンを誰よりも正確に思い描けてしまう悲劇。(提出した後に誤字に気づきがちな私、分かるわ!と思ったよ。ごめんね、レベル違う)

 舞台上には一人で傾くデッキで最後を迎えるアンドリューズがいて、怖かった。ここで流れるオケの音も低音がググググーっと響き渡って、さらに恐怖感が増してます。オケといっても、指揮者と6名のみ!分かっててもすごい。6名で出来てしまうんだなぁ イェストンの音楽は美しくて切なさがあって、でもことさらに分かりやすく悲劇的でもないというのが素晴らしかった。

さらに上手いなと思うのはこの「予見」で沈没シーンを描く判断。これなら出演者が実際にアレコレする必要はない。あと、あまりに有名なタイタニックの物語だからこそ、出来ること。観客はアンドリューズの言葉に沿って、そうそう、と容易に悲劇的な結末を各自の頭の中で描けます。

ちなみに私は、あのデカプさまの映画『タイタニック』の映像で、船首が上がり、船体が折れて恐ろしい速さで沈んでいく様子が浮かんでました。