@東京芸術劇場プレイハウス
グロスター公リチャード、リチャード三世/佐々木蔵之介
アン夫人/手塚とおる マーガレット/今井朋彦
エリザベス/植本純米(植本潤改メ)
クラレンス公ジョージ/長谷川朝晴 バッキンガム公/山中崇
リヴァース伯、サー・ジェイムズ・ティレル/山口馬木也
サー・ウィリアム・ケイツビー/河内大和
グレイ卿/土屋佑壱 サー・リチャード・ラドクリフ/浜田学
サー・ロバート/ブラッケンベリ/櫻井章喜
ヘイスティングズ卿/八十田勇一 エドワード四世/阿南健治
ロンドン市長、ジョン・モートン(イーリーの司教)/有薗芳記
ヨーク公夫人/壤晴彦
代書人/渡辺美佐子
小姓/兒玉拓真
皇太子エドワード/塙智成ヨーク公リチャード/福島歩友
演出/シルヴィウ・プルカレーテ
■2012年の鵜山版(岡本健一さんがリチャード3世役)見たから大丈夫だろうと思ってたところに、先に見た方が口々に「あらすじをおさらいしておけ」と言うので、あわてて詳細あらすじを読み直して行った。これが良かった、皆さんアドバイスありがとう!
シェイクスピアと言えば膨大なセリフ、言葉言葉言葉!ですが、プル版は言葉は後ろへひっこんで、役者の肉体が全面に出ています。代書人以外はすべて男性が演じているし、「演技する」ことがより強調されている。
プログラムに、役者が「リチャード3世」で演技して遊んでいる、というのがあったのです。なるほど。
というわけで、基本的でオーソドックスな「リチャード3世」をよく知っている人ほど、より楽しめるのではと。
その点で、私は可哀想に一度見たきりのほぼ初心者なので、楽しそうだ、ということが分かるけれども、どの点が楽しいのか、掴み切れないのでした。楽しいけど、自分の中で深く広がっていかないのね。
もし「レ・ミゼラブル」超訳お遊び版があったら、すごいオリジナルとの差がわかってウフフってなれると思うんですよね。そういう感じなんじゃないかなと想像してみました。
■コンクリート(印刷された布)に囲まれた空間。陽が差すこともない。窓もないので、とても閉塞感がある。登場人物たちは布の間か、扉から出入りする。
演出がルーマニアの方ということで、この寒々しい感じがそうなのか。
ヴァンパイア・・・チャウシェスク・・・とダークなイメージが浮かぶ。これは病院だな。暗くてじめじめ。小さなころに入院してた旧市立病院に似てるわー。
■冒頭は現代風な白シャツに黒パンツ。ビニールとテープでぐるぐるにされる人物、音楽が鳴っていて、遊んでいるうちにいつの間にかリチャード三世が始まっていく感じ。
■セリフは聞いたことのあるシェイクスピアだが、いまいちキリっとしない。が、女装ロングドレス姿のアン、エリザベスが動き回ると、それらしく見えてくる。
植本エリザベスは気品ある王妃(スキンヘッドに白塗りがイケてる)
手塚とおるアンは美脚で美鎖骨の美人。手塚さんってクセの強い役をテレビなどでは良くみかけるので、あんな美人になるとは思わず。友人いわく筋肉のついた二の腕はたくましかったらしいのですが、後方席のため美シルエットでした。
グロスター公が言い寄る場面は楽しみなところです。きゃーくらのすけえろい!
あなたが美しすぎるから、殺したのだ。このセリフに案外説得力が生まれるとおるアンでした。役者ってこわい。
今井マーガレット、長いコート着てるので足がうまく見えなかったわ・・・たぶん筋肉。女装感すらない、しっくり。でも意外とあっさり通り過ぎていくので、もっと呪いまくってても良かった。最終的にはマーガレットの呪いが実現するわけですよね、ほとんど削除状態でした。お願い、もっと呪って!
■グロスター公はせむしのフリ、足が悪いフり、を採用。戴冠したころには、もうフリもしなくなってたような。あくまでも油断させるためのフリ。
王冠を手にした時の、自分からビニール袋に包まれるのは、これまでの死体でビニールぐるぐるの人がいたので、あ、もうすぐ死体感がすごい。破滅へ自ら進んでいくのでした。
王冠を目指して殺しまくって嘘つきまくってきた元気な彼だが、途端に目的を失って悲しそうでした。そして誰もいなくなった。
佐々木蔵之介は、細い体が嘘つきっぽくてすごく良い。悪人の迫力というよりも、冒頭からなんだか空虚さがある。
王冠がほしいのも、そこにあるからといった程度で、権力そのものに興味がなさそうだし、鍋から直接食べ物をかっこんでいる姿も、味なんかどうでも良さそう。
意味なんかなくてただ悪をなして生きてるので、悪をなす目的をなくすと弱い人間に見えてくるのか。
周囲を恐怖や言葉や報酬で支配していくリチャードの魅力、ちょっと薄かったかな。佐々木蔵之介の魅力は十分なのですが。
追記:
その後、BBC制作「リチャード3世」(「ウィリアム・シェイクスピア12タイトル名作選」)を図書館で借りて鑑賞してみました。
カットしたセリフもないようですし、これが基本とすると、今回のプルカレーテ版はものすごく、アレンジ効いてるのが分かりました。これ見てからだったら、もっと楽しさあったな。残念、知識なかった私。
女性たちの呪いバトルと慰めあい、男性たちの権力になびいたり墓穴ほったりの応酬。これを知った上でカットされアレンジされたものを見ると、きっと欠けてる部分を自分で補いながらそうきたか!とか思えたに違いない。
DVDでも光り輝くリッチモンド伯が登場したときは、浦井くん思い出したよ。照明も衣装もきらめいてて、そういう演出になるのが多いのか。
そして、かえすがえすも体調不良で観劇できなかった(前日に諦めて飛行機もキャンセル)「ヘンリー6世」見ておけば!! この12名作選には入ってないんだよねー。ツタヤとかでこういうのあるのかな。文字より映像のほうが人物区別できて楽だし。
2017/11/10
2017/07/11
『レ・ミゼラブル』6/29夜 するするとラストまで流れた
@帝国劇場
ジャン・バルジャン/福井晶一 ジャベール/岸祐二
ファンテーヌ/二宮 愛 エポニーヌ/唯月ふうか
マリウス/内藤大希 コゼット/生田絵梨花
テナルディエ/橋本じゅん マダム・テナルディエ/鈴木ほのか
アンジョルラス/上山竜治
ガブローシュ/廣田礼王恩 リトル・コゼット/采本珠彩
リトル・エポニーヌ/山崎瑠奈
指揮:若林裕治
冒頭、波がザバーンと映し出されて波音がするのをみて、そうだった、新演出ってこうだった。もう草むしり(ほんとは道路工事? 祐一郎バルジャンそんな感じだったから)もうしないんだった。
・・・とここですでに回顧気分に陥る。
良し悪しの問題じゃなくて、好みなんだろうというのは分かっているが、映画みてから新演出を見たので、だったら映画見ればいいのにねーとつい言いたくなる旧版好き。
盆がくるくるしてる奥へしゃーっと捌けていくジャベール(死体)好きだし、アンジョルラスは砦にひっかかってて欲しいし(拍手しないけど)、銀の燭台を1幕ラストで握りしめてほしいし!
福井バルジャンに会いたかったので、そこは満足。岸ジャベが想像以上に素晴らしかったのも良かったです。
福井さん、体育会系アニキなんですが、案外怒りや絶望は抑えめかなーと。
音楽のテンポが一定というか、タメたりしないんですね。そのせいで、燭台盗むまでも一気に流れてきて、司教に救われて生きなおす、までの流れ、見慣れてるはずの私ですが、少々気持ちが置いてけぼりになりました。観劇日の体調も関係するとは思いますが、どうでしょうか。
コゼットに対しても、父親というよりでかいアニキだなぁ 婚礼日のよぼよぼも、若いなと思って見てました。召された後、一気に壮年くらいにシャキッと若返ったのが可愛かったです。
コゼットへの愛情、ファンテーヌへの後悔と責任感、ジャベールへの理解・共感はとてもしみましたので、福井さんらしさ、はこれからどんどん作っていってほしいところです。砦ではかなり役立ってそうに見えます。
岸ジャベも、さぞ似合うだろうと思っての初見。体格も良いし、声の出し方もこれまでの警官としての儀礼感が大いにあふれるジャベに比べ、非常に普通の人間でした(褒めている!)
演出がリアル寄りに来てるので、ジャベールもこういう風に変化するのかしら。特別な人じゃなくて、その運命のなかにあってもがく人、という感じ。よりどころを見失ってからの自殺への流れも理解できてしまう、素晴らしい演技でした。いいわー。
女性たち、たち。全体的に細めなメンバでしたか。ふうかちゃん元気で良かった。いじらしいエポニーヌでした。
ファンテーヌは声も細めながら、コゼットを育てる母の逞しさを奥に秘めてました。
コゼットはアイドルの生田さんかーと思ってみてましたが、この役は、正直にかわいく音程を外さなければ大きく失敗しないはずなので、そのなかでしっかりやっていた感じ。可愛いマリウスをリードしてお家を切り盛りできるやり手マダムになれると思われます。
マリウス、バルジャン屋敷に忍び込むときの、ぴょーんターンは全員やってるのですか? びっくりした。この人でいいの?コゼット? と心配になるわ。
生き残るのも分かる純真なボンボンでした。子供っぽいかな。
アンジョルラス、上山さんは大きいのね・・・ 舞台映えするのに、あの死がカットされるのがもったいないなぁ マリウスラブ度はそんなに激しく出てませんでした。
それより、グランテールのガブローシュ愛は分かりやすくなった気も。菊地まさはるさん、ちょいちょいガブちゃん可愛いのを好演。死んで悲しい。弾薬放り投げるのも好きだったのに・・・残してほしかったわぁぁぁー
テナルディエは橋本じゅんさん、宿屋をやめてからのほうがじゅんさんらしさが出ていて良かったです。わりといい子にしてたな。宿屋のとこは手拍子なかったのですが、何となく手拍子したい気分にならなかった。なんでだろう。うん、ここまでもスルスル水のように物語が流れてくるからだなー。
テナ妻、けっこう夫のこと好きなのか? って思うような雰囲気があって不思議。なんだかんだ、お似合いなのだった。二人ともキレイというか、見た目じゃなくて、神様なんか知らないという倫理観がない感じが薄いの。
演出が変化してるのは時代の流れなのかのう?
でも、音楽は変わらず美しかった。ここが見どころですよーという間もなく、ずんずん話が展開していきました。
バルジャンが神の国へ、のシーン。ライトの使い方の違いかもしれないんですが、余韻にひたる時間がすくなく。祐一郎バルジャンの死に方が美しかったことを思い出します。ほんとに召された感すごかったし、天国に行くのだなって。
新演出では、司教が迎えに来て、バルジャンがお辞儀するの・・・・なので、肉体感が払しょくできない。会社の偉い人にお辞儀してるみたいに見えるので(何せ福井さん死んだらおじいちゃんから壮年に戻って元気そうだし)、あのシーンもうちょっと麗々しさというか、荘厳さを付け足してください。
私の好きな旧版は、いつまでもこの心のなかで輝くでしょう。しくしく。
これはこれで悪くない。でも悪くないっていうだけ。

ジャン・バルジャン/福井晶一 ジャベール/岸祐二
ファンテーヌ/二宮 愛 エポニーヌ/唯月ふうか
マリウス/内藤大希 コゼット/生田絵梨花
テナルディエ/橋本じゅん マダム・テナルディエ/鈴木ほのか
アンジョルラス/上山竜治
ガブローシュ/廣田礼王恩 リトル・コゼット/采本珠彩
リトル・エポニーヌ/山崎瑠奈
指揮:若林裕治
冒頭、波がザバーンと映し出されて波音がするのをみて、そうだった、新演出ってこうだった。もう草むしり(ほんとは道路工事? 祐一郎バルジャンそんな感じだったから)もうしないんだった。
・・・とここですでに回顧気分に陥る。
良し悪しの問題じゃなくて、好みなんだろうというのは分かっているが、映画みてから新演出を見たので、だったら映画見ればいいのにねーとつい言いたくなる旧版好き。
盆がくるくるしてる奥へしゃーっと捌けていくジャベール(死体)好きだし、アンジョルラスは砦にひっかかってて欲しいし(拍手しないけど)、銀の燭台を1幕ラストで握りしめてほしいし!
福井バルジャンに会いたかったので、そこは満足。岸ジャベが想像以上に素晴らしかったのも良かったです。
福井さん、体育会系アニキなんですが、案外怒りや絶望は抑えめかなーと。
音楽のテンポが一定というか、タメたりしないんですね。そのせいで、燭台盗むまでも一気に流れてきて、司教に救われて生きなおす、までの流れ、見慣れてるはずの私ですが、少々気持ちが置いてけぼりになりました。観劇日の体調も関係するとは思いますが、どうでしょうか。
コゼットに対しても、父親というよりでかいアニキだなぁ 婚礼日のよぼよぼも、若いなと思って見てました。召された後、一気に壮年くらいにシャキッと若返ったのが可愛かったです。
コゼットへの愛情、ファンテーヌへの後悔と責任感、ジャベールへの理解・共感はとてもしみましたので、福井さんらしさ、はこれからどんどん作っていってほしいところです。砦ではかなり役立ってそうに見えます。
岸ジャベも、さぞ似合うだろうと思っての初見。体格も良いし、声の出し方もこれまでの警官としての儀礼感が大いにあふれるジャベに比べ、非常に普通の人間でした(褒めている!)
演出がリアル寄りに来てるので、ジャベールもこういう風に変化するのかしら。特別な人じゃなくて、その運命のなかにあってもがく人、という感じ。よりどころを見失ってからの自殺への流れも理解できてしまう、素晴らしい演技でした。いいわー。
女性たち、たち。全体的に細めなメンバでしたか。ふうかちゃん元気で良かった。いじらしいエポニーヌでした。
ファンテーヌは声も細めながら、コゼットを育てる母の逞しさを奥に秘めてました。
コゼットはアイドルの生田さんかーと思ってみてましたが、この役は、正直にかわいく音程を外さなければ大きく失敗しないはずなので、そのなかでしっかりやっていた感じ。可愛いマリウスをリードしてお家を切り盛りできるやり手マダムになれると思われます。
マリウス、バルジャン屋敷に忍び込むときの、ぴょーんターンは全員やってるのですか? びっくりした。この人でいいの?コゼット? と心配になるわ。
生き残るのも分かる純真なボンボンでした。子供っぽいかな。
アンジョルラス、上山さんは大きいのね・・・ 舞台映えするのに、あの死がカットされるのがもったいないなぁ マリウスラブ度はそんなに激しく出てませんでした。
それより、グランテールのガブローシュ愛は分かりやすくなった気も。菊地まさはるさん、ちょいちょいガブちゃん可愛いのを好演。死んで悲しい。弾薬放り投げるのも好きだったのに・・・残してほしかったわぁぁぁー
テナルディエは橋本じゅんさん、宿屋をやめてからのほうがじゅんさんらしさが出ていて良かったです。わりといい子にしてたな。宿屋のとこは手拍子なかったのですが、何となく手拍子したい気分にならなかった。なんでだろう。うん、ここまでもスルスル水のように物語が流れてくるからだなー。
テナ妻、けっこう夫のこと好きなのか? って思うような雰囲気があって不思議。なんだかんだ、お似合いなのだった。二人ともキレイというか、見た目じゃなくて、神様なんか知らないという倫理観がない感じが薄いの。
演出が変化してるのは時代の流れなのかのう?
でも、音楽は変わらず美しかった。ここが見どころですよーという間もなく、ずんずん話が展開していきました。
バルジャンが神の国へ、のシーン。ライトの使い方の違いかもしれないんですが、余韻にひたる時間がすくなく。祐一郎バルジャンの死に方が美しかったことを思い出します。ほんとに召された感すごかったし、天国に行くのだなって。
新演出では、司教が迎えに来て、バルジャンがお辞儀するの・・・・なので、肉体感が払しょくできない。会社の偉い人にお辞儀してるみたいに見えるので(何せ福井さん死んだらおじいちゃんから壮年に戻って元気そうだし)、あのシーンもうちょっと麗々しさというか、荘厳さを付け足してください。
私の好きな旧版は、いつまでもこの心のなかで輝くでしょう。しくしく。
これはこれで悪くない。でも悪くないっていうだけ。
2017/05/23
『王家の紋章』4/21昼-2 1幕は良いので、2幕をどうにかしたらいい
1幕はスムーズに進行していくし、セットもエジプトらしさ、王宮らしさがアップ、奥行きと広がりのある世界になったので、良い。
ただし、2幕がどうも一本調子なところがあるので、そこをどうにかしませんか。
そういえば、初演の時にどうやってキャロルが再び古代にもどったのか謎よねーと思っていたのですが、再演ではわかりやすくセリフに入ってたので理解しました。キャロルは戻りたいと願ったら、自分で戻れたってことなんですね。
アイシス様が暗殺のためにキャロルを呼び戻しても良かったんですけど、愛の力ってことでした。
2幕でどうもね、って思ってるのは、イズミル王子の唐突感です。
キャロルに心奪われるのも、初演時よりは納得できるものの、2曲続いたり(同じシーン内で2曲あるとこ。キャロルを布でぐるぐるに拉致してのあたり)して、急にしつこいんです。
ここまでメンフィスとキャロルの二人の物語だったのに、突然いい曲をどーんと歌う! メンフィース!メイン取られてる!はやく歌いに来てー!と、思ってみつめてしまうのでして。一瞬でもいいから、奥のほうでキャロルはテーベで楽しんでるかなーと心配顔のメンフィス様を見せておくれ・・・
イズミル王子役のお二人はどちらも持ち味だして色気もあって良いので、脚本と構成の問題です。
それから、殺陣シーンね・・・ ダンスで表現しているので、一見したところではいまどちらが攻勢か、とかちょっとわかりにくいなぁと。
ダンスでのバトル表現自体は嫌いじゃないので、まぁそこは良いとしても、最後の最後、イズミルが退く流れがいまいちではないですか?
2幕のストーリー上の大問題は、キャロル奪還ですよね? そこはもっとタメてタメで、ああ、メンフィス頑張れ的な山が欲しい。
あんなにキャロルがメンフィスの弱点だとわかっているのに、どうして簡単に逃げられちゃうんでしょうか?
(そこがダンスで表現されてるんだって言われたら、そうなのねーというしかない私ですけれど、1公演しか見れなかったので、そこが分かりにくいのはもったいないと思うのです)
それと、それと、アイシス様とイムホテップのお諫めシーンがカットなのは解せぬ!なぜじゃーーー!!
イムホテップがぽつり、と「聡明にして高貴なアイシス様も、恋をすればかくも愚かに」って突然言い捨てて去っていくなんて、ひどい。これじゃ、アイシスを軽んじて言い捨ててるようにしか聞こえません。アイシス様も宰相も品位が落ちるセリフになってしまって悲しいです。
初演にあった「お心をまげて」、と膝を折るイムホテップ祐一郎の姿がなにより美しかったし(映像に残してほしかったよ)、殺人もいとわない気位の高いアイシス様でさえ、イムホテップの助言を聞く、という関係がとても良かったのようー。
イムホテップの兄弟への深い愛情が伝わる名シーン、復活しろ。復活。
祐一郎ファンとしては、登場シーンが減ったのも当然切なかったんですが、せっかくのいいシーンをカットして代わりになにか良くなったかなと考えても、ここはカットしても上演時間が短くなった他の利点が思いつかない。
あとは最後に追加されたメンフィスとキャロルのデュエット。思ったより、ドヤ感すくなくてキャピキャピソングだったような(印象に残っていません)
ここで、帰還した船上のメンフィスに向けて、あとは本当にあなたの治世ですよ、と安心して去っていくイムホテップおじいちゃん祐一郎。
遠くから見守りますの合図だったよね。これはそんなに悪くない。だからこそですよ! ここまでエジプトを守ってきたイムホテップの偉大さを示すシーンを削ってはもったいないわ。ね、復活させましょう。あと今度のDVDには特典映像で入れといてくださいね。ね。
ただし、2幕がどうも一本調子なところがあるので、そこをどうにかしませんか。
そういえば、初演の時にどうやってキャロルが再び古代にもどったのか謎よねーと思っていたのですが、再演ではわかりやすくセリフに入ってたので理解しました。キャロルは戻りたいと願ったら、自分で戻れたってことなんですね。
アイシス様が暗殺のためにキャロルを呼び戻しても良かったんですけど、愛の力ってことでした。
2幕でどうもね、って思ってるのは、イズミル王子の唐突感です。
キャロルに心奪われるのも、初演時よりは納得できるものの、2曲続いたり(同じシーン内で2曲あるとこ。キャロルを布でぐるぐるに拉致してのあたり)して、急にしつこいんです。
ここまでメンフィスとキャロルの二人の物語だったのに、突然いい曲をどーんと歌う! メンフィース!メイン取られてる!はやく歌いに来てー!と、思ってみつめてしまうのでして。一瞬でもいいから、奥のほうでキャロルはテーベで楽しんでるかなーと心配顔のメンフィス様を見せておくれ・・・
イズミル王子役のお二人はどちらも持ち味だして色気もあって良いので、脚本と構成の問題です。
それから、殺陣シーンね・・・ ダンスで表現しているので、一見したところではいまどちらが攻勢か、とかちょっとわかりにくいなぁと。
ダンスでのバトル表現自体は嫌いじゃないので、まぁそこは良いとしても、最後の最後、イズミルが退く流れがいまいちではないですか?
2幕のストーリー上の大問題は、キャロル奪還ですよね? そこはもっとタメてタメで、ああ、メンフィス頑張れ的な山が欲しい。
あんなにキャロルがメンフィスの弱点だとわかっているのに、どうして簡単に逃げられちゃうんでしょうか?
(そこがダンスで表現されてるんだって言われたら、そうなのねーというしかない私ですけれど、1公演しか見れなかったので、そこが分かりにくいのはもったいないと思うのです)
それと、それと、アイシス様とイムホテップのお諫めシーンがカットなのは解せぬ!なぜじゃーーー!!
イムホテップがぽつり、と「聡明にして高貴なアイシス様も、恋をすればかくも愚かに」って突然言い捨てて去っていくなんて、ひどい。これじゃ、アイシスを軽んじて言い捨ててるようにしか聞こえません。アイシス様も宰相も品位が落ちるセリフになってしまって悲しいです。
初演にあった「お心をまげて」、と膝を折るイムホテップ祐一郎の姿がなにより美しかったし(映像に残してほしかったよ)、殺人もいとわない気位の高いアイシス様でさえ、イムホテップの助言を聞く、という関係がとても良かったのようー。
イムホテップの兄弟への深い愛情が伝わる名シーン、復活しろ。復活。
祐一郎ファンとしては、登場シーンが減ったのも当然切なかったんですが、せっかくのいいシーンをカットして代わりになにか良くなったかなと考えても、ここはカットしても上演時間が短くなった他の利点が思いつかない。
あとは最後に追加されたメンフィスとキャロルのデュエット。思ったより、ドヤ感すくなくてキャピキャピソングだったような(印象に残っていません)
ここで、帰還した船上のメンフィスに向けて、あとは本当にあなたの治世ですよ、と安心して去っていくイムホテップおじいちゃん祐一郎。
遠くから見守りますの合図だったよね。これはそんなに悪くない。だからこそですよ! ここまでエジプトを守ってきたイムホテップの偉大さを示すシーンを削ってはもったいないわ。ね、復活させましょう。あと今度のDVDには特典映像で入れといてくださいね。ね。
2017/05/03
『王家の紋章』4/21昼-1 いろいろ変更あり・・・
@帝国劇場
1階のA席センター、見やすかったな。初演は2階から照明が綺麗に見えてました。
新作かというくらい演出変更があったという噂の再演「王家の紋章」
宰相さまの出番が減ったぁぁぁという叫び声がTwitterで上がっており、どれどれという気持ちで拝見。
1、セットは格段に良くなりました。
奥行きがでるような背景画、エジプトらしさ満載のの柱たち。上下の移動もおおくなり、大変良いです。
初演のときは、帝劇のスケールを生かしきれてなかったものね。
2、演じ方に余裕が生まれてきたこともあり、メンフィスとキャロルの細やかな心情は情緒深くなりました。
ただし、そのほかの人物たちの場面がカットされたため、全体の情報量の厚みは減り、ストーリーはシンプルで分かりやすくなったものの、同時にますます薄っぺらい感が否めません。
3、イムホテップさまの! キュート場面がカット。
祐一郎ファンの嘆きの山。すふぃ・・くす?? ありません。
4、イムホテップさまの!
アイシスさまをお諫めする場面がカット。恋をするとかくもおろかに、とだけ言い置く残酷シーンに変更されました。ひどい。
5、ルカは踊らない。
テーベには同行しないくなって、ウナスはちょっと踊る。無表情のルカダンス好きでした。でもこれはカットでもまぁ・・・ね。
6、将軍もアイシスに告白しなくなった。まぁそうかもしれない。これは本筋に関係ないし、膨らませようもないエピソードだしなぁ
でも、松原さんがフラれるのも見たかったです。
7、ラストに二人のデュエットが追加。
意外と印象に残らない歌でした。ここにアイシスはいないよね?(記憶がない)
8、ライアン兄さんに話し相手ができてた。誰?
どんどん打ちひしがれていく慟哭のライアン兄さんに涙を禁じえませんね。おかわいそう!
9、映像化にあたって、新妻&平方のものが欲しかった。です。
新妻&宮野、宮澤&平方 で販売とのこと。オタクのパイが大きい二人を分けたのですね。はぁ
10、浦井メンフィスのDV的な演出が減りました。すごくいい。安心しました。
その分、細やかな気持ちの変化が素直にわかるので、気持ちよくキュンキュンできた。
1階のA席センター、見やすかったな。初演は2階から照明が綺麗に見えてました。
新作かというくらい演出変更があったという噂の再演「王家の紋章」
宰相さまの出番が減ったぁぁぁという叫び声がTwitterで上がっており、どれどれという気持ちで拝見。
1、セットは格段に良くなりました。
奥行きがでるような背景画、エジプトらしさ満載のの柱たち。上下の移動もおおくなり、大変良いです。
初演のときは、帝劇のスケールを生かしきれてなかったものね。
2、演じ方に余裕が生まれてきたこともあり、メンフィスとキャロルの細やかな心情は情緒深くなりました。
ただし、そのほかの人物たちの場面がカットされたため、全体の情報量の厚みは減り、ストーリーはシンプルで分かりやすくなったものの、同時にますます薄っぺらい感が否めません。
3、イムホテップさまの! キュート場面がカット。
祐一郎ファンの嘆きの山。すふぃ・・くす?? ありません。
4、イムホテップさまの!
アイシスさまをお諫めする場面がカット。恋をするとかくもおろかに、とだけ言い置く残酷シーンに変更されました。ひどい。
5、ルカは踊らない。
テーベには同行しないくなって、ウナスはちょっと踊る。無表情のルカダンス好きでした。でもこれはカットでもまぁ・・・ね。
6、将軍もアイシスに告白しなくなった。まぁそうかもしれない。これは本筋に関係ないし、膨らませようもないエピソードだしなぁ
でも、松原さんがフラれるのも見たかったです。
7、ラストに二人のデュエットが追加。
意外と印象に残らない歌でした。ここにアイシスはいないよね?(記憶がない)
8、ライアン兄さんに話し相手ができてた。誰?
どんどん打ちひしがれていく慟哭のライアン兄さんに涙を禁じえませんね。おかわいそう!
9、映像化にあたって、新妻&平方のものが欲しかった。です。
新妻&宮野、宮澤&平方 で販売とのこと。オタクのパイが大きい二人を分けたのですね。はぁ
10、浦井メンフィスのDV的な演出が減りました。すごくいい。安心しました。
その分、細やかな気持ちの変化が素直にわかるので、気持ちよくキュンキュンできた。
『ハムレット』4/20夜 お・も・し・ろ・い!
@東京芸術劇場プレイハウス
舞台が斜めに飛び出た下手の角の正面という良いお席をいただいてました。ありがとうございますーーーっ
お陰で、かっこいいウッチーをデレデレしながら拝見しました。
衣装は少し日本風のイメージ、麻か綿、そして絹の質感。男性は墨色のようなダークな色合い、女性は白で。
ハムレット、フォーティンブラス/内野聖陽
オフィーリア、オズリック/貫地谷しほり
ホレイショー/北村有起哉
レアティーズ、役者/加藤和樹
ローゼンクランツ、バーナドー、役者、イギリス使節1/山口馬木也
ギルゼンスターン、マーセラス、役者、イギリス使節/今 拓哉
フランシスコー、レナルドー、役者、牧師/大重わたる
ヴォルティマンド、役者、水夫/村岡哲至
貴婦人、役者/内堀律子
役者、水夫2/深見由真
ボローニアス、墓堀の相棒/壤 晴彦
墓堀、役者、コーネリアス、隊長/村井國夫
ガートルート/浅野ゆう子
クローディアス、亡霊/國村 隼
演出:ジョン・ケアード
一言でいうなら、とても楽しかった。演劇の楽しさがつまったハムレットでした。
舞台の床と照明、小さな箱と大きめの台、舞台上下手に観客、上手に待機の役者と演奏者、
悲劇とくくられることを笑ってるような、今ここで生きているハムレットたちの生の人間らしさ、舞台と箱と照明、ほんの少しの壁に映る抽象的な映像で、400年分を飛び越えてきます。当時の時代性よりも、今の私たちに引き寄せる視点でした。
うだうだしがちな1幕は腰が少し痛くなりましたが、2幕は怒涛の展開であっと言う間です。
セリフを聞いてて、「見る」が何度も登場するんだなと発見(今頃)
亡霊も、見る。目の前の人物を、見る。見られる。ハムレットは見かけと中は違うんだと繰り返してます。演じる人生、どれが自分か誰にもわからないじゃないか、と。
でも再婚した母の心のなかはおもんばからないんだよね。弱きもの、女、とか言っちゃって(ヒドイ)
対して、叔父クローディアスなどは見かけや態度が整えば問題ない、と思ている節がある・・・そう思ってるだろうから、再婚した母はつまり悪だと思ったってことかなー
ここきっと評論されてるんだろうな、今度探してみよ。ありすぎて大変そうだ。
それに劇中劇も見られる自分、演じるわたし、を強化してますね。十分にもてなすことなんかないと言われる身分の役者たちが、「王」「王妃」になれる。
演じるということを重ねて強調しているのね。身分制がしっかりある時代に書かれたと思うと、身分を身にまとっているだけの「わたし」への興味があるのですね。
苦悩する(だけの)ハムレットではなくて、親近感のわく隣のお兄さんハムレットといった内野ハムレット。次期王、の風格もありつつ、学生らしきまっすぐさもあって見目麗しかった。
いかにも、な演技におちいらず、今ここで考えて出た言葉、のようにセリフを言うので、すごいのう・・・と惚れ惚れする。
活字を読んでる感じにセリフを言うパターンもあるけれど、いまここで、というリアルな感情を感じるような演技・演出でした。
ハムレットは父への敬愛の気持ちを母が踏みにじってしまった、という怒りと失望があって、亡霊に導かれ復讐の機会を待っているのですが、ねじれた父殺しの話になるんですね・・・ふーむ(ってどういうことなんだろう?面白いわー)
その心が、オフィーリアへの態度にも出てしまったのだろうか。贈り物や言葉をささげていたのに、彼女の心に触れようとしないんですよね。
その母を演じた浅野ゆう子、おお女優という綺麗な姿でした。背も高いので見栄えがいい。色気はなかったな。何か致し方ない理由があって叔父と結婚したのかなと思いたくなるほどで、それが「弱さ」なのでしょうか。
叔父の国村さんは、テレビや映画ではセリフ何を言ってるのかわからないランキング上位の方なので、心配してたのですが、きちんと聞こえました。マイクと相性悪いんですかね? 能のような風情の亡霊。父も父で自分を殺した弟に復讐しろといいながら、再婚した妻は憎まないあたり、え、優しい・・・?のか、ばかにしてんのか。
おじじコンビな國夫と壤さん。墓堀の場面は最高に笑えました。ああ、最高。二人とも70才前後ときいて、おじいちゃんの味わい・・・すてき。
國夫は役者の役のときの長セリフもびしーっとカッコいいし、墓堀のすっとぼけたじいちゃんぶりも良い。お二人ともありがとう!
今さん、ストプレで拝見するの初めてで勝手にドキドキしていたら、颯爽としてました。わりと若いひと、というのを自然に演じていたな。ウッチーもそうだけど、30歳程度っていう役どころで、ちゃんと30歳くらいの男子なのでした。山口馬木也さんとコンビになっていろいろ出てくれてました。
そしていい役もらったねの加藤和樹。最後、ハムレットに父と妹を死に追いやったと復讐に燃えるレアティーズです。
役者の役のとき、すごい跳ねてました。すごい。
終盤のハムレットとの試合、殺陣のするどさではウッチーに軍配。これはそういう演出というよりも、慣れの差かな? ウッチーのほうが腰が据わっててよかった。
自分で仕込んだ毒で死ぬんですが、あ、また死んでしまった・・・とか思いつつ。
帝劇でみると濃いめに入る和樹も、ここではさわやかな好青年なのだった。周囲が濃すぎなので。
精神を壊してしまったオフィーリア(貫地谷しほり)が歌ってるそばに寄り添って、一緒にやさしく歌ってあげてるレアディーズ和樹、夢のように美しかったです。この二人が並ぶと、リアル感が若干うすれました。
(ウッチーと貫地谷しほりちゃんが並ぶと、夢っていうより、ミツと勘助を思い出すでごいすー)
そしてそして、有起哉ですよ。顔ちっさいんだ!とウッチーと並んで気づきました。ウッチーの顔もでかいんじゃないはずですが、しゅっとしてますねー。
最後までハムレットを支える友人ホレイショー、死に瀕したハムレットを抱きかかえてくれるので、眼福です。出番は多くないが、ハムレットを見続けている人物として最初と、最後を締めています。
ストプレは素人観客なんですが、戯曲読んでる段階では気づかないことを見せられる驚きがいつもありますね。
え、こういうこと?(と演出家は捉えてたんだ!)とかね。
意図せずある結果をもたらしてしまうこととか、身体と心の関係とか、またも文学部魂が刺激される観劇となりました。シェイクスピア面白いから、こんなに上演されるんですねー。
舞台が斜めに飛び出た下手の角の正面という良いお席をいただいてました。ありがとうございますーーーっ
お陰で、かっこいいウッチーをデレデレしながら拝見しました。
衣装は少し日本風のイメージ、麻か綿、そして絹の質感。男性は墨色のようなダークな色合い、女性は白で。
ハムレット、フォーティンブラス/内野聖陽
オフィーリア、オズリック/貫地谷しほり
ホレイショー/北村有起哉
レアティーズ、役者/加藤和樹
ローゼンクランツ、バーナドー、役者、イギリス使節1/山口馬木也
ギルゼンスターン、マーセラス、役者、イギリス使節/今 拓哉
フランシスコー、レナルドー、役者、牧師/大重わたる
ヴォルティマンド、役者、水夫/村岡哲至
貴婦人、役者/内堀律子
役者、水夫2/深見由真
ボローニアス、墓堀の相棒/壤 晴彦
墓堀、役者、コーネリアス、隊長/村井國夫
ガートルート/浅野ゆう子
クローディアス、亡霊/國村 隼
演出:ジョン・ケアード
一言でいうなら、とても楽しかった。演劇の楽しさがつまったハムレットでした。
舞台の床と照明、小さな箱と大きめの台、舞台上下手に観客、上手に待機の役者と演奏者、
悲劇とくくられることを笑ってるような、今ここで生きているハムレットたちの生の人間らしさ、舞台と箱と照明、ほんの少しの壁に映る抽象的な映像で、400年分を飛び越えてきます。当時の時代性よりも、今の私たちに引き寄せる視点でした。
うだうだしがちな1幕は腰が少し痛くなりましたが、2幕は怒涛の展開であっと言う間です。
セリフを聞いてて、「見る」が何度も登場するんだなと発見(今頃)
亡霊も、見る。目の前の人物を、見る。見られる。ハムレットは見かけと中は違うんだと繰り返してます。演じる人生、どれが自分か誰にもわからないじゃないか、と。
でも再婚した母の心のなかはおもんばからないんだよね。弱きもの、女、とか言っちゃって(ヒドイ)
対して、叔父クローディアスなどは見かけや態度が整えば問題ない、と思ている節がある・・・そう思ってるだろうから、再婚した母はつまり悪だと思ったってことかなー
ここきっと評論されてるんだろうな、今度探してみよ。ありすぎて大変そうだ。
それに劇中劇も見られる自分、演じるわたし、を強化してますね。十分にもてなすことなんかないと言われる身分の役者たちが、「王」「王妃」になれる。
演じるということを重ねて強調しているのね。身分制がしっかりある時代に書かれたと思うと、身分を身にまとっているだけの「わたし」への興味があるのですね。
苦悩する(だけの)ハムレットではなくて、親近感のわく隣のお兄さんハムレットといった内野ハムレット。次期王、の風格もありつつ、学生らしきまっすぐさもあって見目麗しかった。
いかにも、な演技におちいらず、今ここで考えて出た言葉、のようにセリフを言うので、すごいのう・・・と惚れ惚れする。
活字を読んでる感じにセリフを言うパターンもあるけれど、いまここで、というリアルな感情を感じるような演技・演出でした。
ハムレットは父への敬愛の気持ちを母が踏みにじってしまった、という怒りと失望があって、亡霊に導かれ復讐の機会を待っているのですが、ねじれた父殺しの話になるんですね・・・ふーむ(ってどういうことなんだろう?面白いわー)
その心が、オフィーリアへの態度にも出てしまったのだろうか。贈り物や言葉をささげていたのに、彼女の心に触れようとしないんですよね。
その母を演じた浅野ゆう子、おお女優という綺麗な姿でした。背も高いので見栄えがいい。色気はなかったな。何か致し方ない理由があって叔父と結婚したのかなと思いたくなるほどで、それが「弱さ」なのでしょうか。
叔父の国村さんは、テレビや映画ではセリフ何を言ってるのかわからないランキング上位の方なので、心配してたのですが、きちんと聞こえました。マイクと相性悪いんですかね? 能のような風情の亡霊。父も父で自分を殺した弟に復讐しろといいながら、再婚した妻は憎まないあたり、え、優しい・・・?のか、ばかにしてんのか。
おじじコンビな國夫と壤さん。墓堀の場面は最高に笑えました。ああ、最高。二人とも70才前後ときいて、おじいちゃんの味わい・・・すてき。
國夫は役者の役のときの長セリフもびしーっとカッコいいし、墓堀のすっとぼけたじいちゃんぶりも良い。お二人ともありがとう!
今さん、ストプレで拝見するの初めてで勝手にドキドキしていたら、颯爽としてました。わりと若いひと、というのを自然に演じていたな。ウッチーもそうだけど、30歳程度っていう役どころで、ちゃんと30歳くらいの男子なのでした。山口馬木也さんとコンビになっていろいろ出てくれてました。
そしていい役もらったねの加藤和樹。最後、ハムレットに父と妹を死に追いやったと復讐に燃えるレアティーズです。
役者の役のとき、すごい跳ねてました。すごい。
終盤のハムレットとの試合、殺陣のするどさではウッチーに軍配。これはそういう演出というよりも、慣れの差かな? ウッチーのほうが腰が据わっててよかった。
自分で仕込んだ毒で死ぬんですが、あ、また死んでしまった・・・とか思いつつ。
帝劇でみると濃いめに入る和樹も、ここではさわやかな好青年なのだった。周囲が濃すぎなので。
精神を壊してしまったオフィーリア(貫地谷しほり)が歌ってるそばに寄り添って、一緒にやさしく歌ってあげてるレアディーズ和樹、夢のように美しかったです。この二人が並ぶと、リアル感が若干うすれました。
(ウッチーと貫地谷しほりちゃんが並ぶと、夢っていうより、ミツと勘助を思い出すでごいすー)
そしてそして、有起哉ですよ。顔ちっさいんだ!とウッチーと並んで気づきました。ウッチーの顔もでかいんじゃないはずですが、しゅっとしてますねー。
最後までハムレットを支える友人ホレイショー、死に瀕したハムレットを抱きかかえてくれるので、眼福です。出番は多くないが、ハムレットを見続けている人物として最初と、最後を締めています。
ストプレは素人観客なんですが、戯曲読んでる段階では気づかないことを見せられる驚きがいつもありますね。
え、こういうこと?(と演出家は捉えてたんだ!)とかね。
意図せずある結果をもたらしてしまうこととか、身体と心の関係とか、またも文学部魂が刺激される観劇となりました。シェイクスピア面白いから、こんなに上演されるんですねー。
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