2016/12/10

『貴婦人の訪問』11/26.27 3 目には目を!

SCENE5 イルの雑貨店
♪愛こそ砦
良かったー、瀬奈さんのマチルデ。君は楽天家、のセリフがぴったりです。

クレアとは秘密の森ですぐにあの頃にもどってデュエットするアルフですが、マチルデ渾身の夫婦愛の歌では、妻に子供みたいに抱きつくくせに、デュエットし・ま・せ・ん。しくしく。こんこんちきめ!

そのあたりに、アルフとマチルデの切ない関係が浮かびます。
無償の愛は難しいよ。2幕のあのアルフのセリフを聞いてしまったら、絆は断ち切られた~♪(あ、エリザ)の。

SCENE6 それぞれの場所
♪ダメだ 忘れろ
どのシーンも見どころある作品なれど、歌詞が自己中なのにカッコよくてまいっちゃう大好きなシーン。オペラみたいに途中でもアンコールでもって、また聴きたいなぁと毎度思います。だからCD出して。

・市長 彼は最初から自分と市が豊かになることだけが目標なので、あの金があったら、と考えるのは当然な感じ。キラキラ好きそうです。

・警察署長 自分に都合よく事実や倫理もねじまげて「正義」へまっしぐら。
彼のなかでは、ほとんど金と友情が天秤に掛けられても揺らがない。悪いのはアルフだから。って、すごい。今のとこ、でも積極的に死なせることはできないって思ってるけど、抜け穴をさぐってそう。「俺は法律」

・牧師 ようやく人命と金を交換することに慄いてる人が登場。
しかし議論は民主主義の根幹だ、とか言われて、あ、そうだよねと脇が甘くなる! うう、残念賞だ!
福祉に使える、って目がキラリーン☆になった中山さん、初演時より宗教人というか人としての葛藤があったうえでの金に屈した後の変化、生生しくなってて良い。
みんな、言い訳探し始めてる。

・校長 悩める先生、にこにこ(へらへら)登場。
ここも、初演時は自分のヒューマニズムを信頼している状態だと思ってみてましたが、今年はけっこう撃たれちゃってました。その上で、言葉のうえで友人たちに「ダメだ!」と言っているのかなと。そして自分へ言い聞かせてるようにみえました。見る日によっても違うかもしれない。

それにしても、これ聞いてるとキャスティング完璧すぎてお礼のお手紙書きたくなります。重く支える系の声で合わせてくる先の3名、そこへ飛び込む禅さんの永遠の青年さわやか高音。最高でしょ。

いつまでも幸せつかんでくれない感じの禅さん(私が観劇するときは大抵「切ない役」)が素敵です。クラウス校長は自分たちの弱さを自覚しているからこそ、その時が来てしまうのを恐れている。

SCENE7 イルの雑貨店
♪贅沢しても
にわかに活気づく町。イルの雑貨店も繫盛。初演時より、アルフの子供たちが普通な子供だった。良かった。両親のこと愛してそうでした。

一見コミカルで楽しい曲調、祐一郎の演技も軽くしてますが、この先にあるものを考えると胃が痛くなります。
余裕でクレジットー♪(私のことか)
欲望パワーすごいよね、わかるもの。わかるわ・・・わかりすぎる。
払うよちゃーんと、死んでもちゃーんと♪

曲の最後にアルフがハゲタカ?とかもってけー!と爆発してからは、ここまで明るめだった雰囲気が徐々に重くなっていくのよね。

SCENE8 ホテルのスイート・ルーム/クレアの部屋
♪正義
このままじゃ町の人に殺される!とクレアのところへ駆け込むアルフ。
26日は普通にボディガードに制止されてたんですが、27日(おけぴ観劇会)では尻もちつきました。サービスか、な・・・?

そうそう、ボディーガード二人も人格がきちんとついた風に演出されてて良い。小樽出身てことで、港さんを特に注意して見てるのですが、いかつくて良いわぁ(死んでも返せない恩って何でしょう。設定があるなら伺ってみたいものです)

謝ってるじゃないかーーーー!!と叫ぶアルフ。謝ったから赦されるわけじゃないんだよ、テメェ!(あ、言葉が乱れました。しかしここで明かされる過去のアルフのしでかしたこと…裁判での偽証、納屋に置き去りは、全女子の敵)
死んだと思って怖くなって置き去りにしたとかいうし。ホント、ひどすぎる。

目には目を、命には命を。
あの時自分は死んだのだから)死んでよ~♪

裁判シーンで若いときのクレアが苦しむと同じように今のクレアも苦痛の表情になるの。アルフにとっては遠い過去のことになっていたものは、クレアにとっては昨日の出来事のようにくっきりしてるのね。

ここだっけな? アルフはやめてくれ!っていう仕草をしてるのは。忘れてなかったかのようにしてきた醜い思い出したくない過去に対して。
手を振り続けてる祐一郎が可愛いのは私の心に秘めておくとして)いい人面してたけど、こんなひどいことしてて良く金の無心とかできるよね、と毒づいておきます。

2016/12/06

『貴婦人の訪問』11/26.27 2 正義の値段よ

ACT1
SCENE1 ギュレン駅
♪栄光のファンファーレ
初演のほうがよれよれ感強かったかなぁと思いつつ、冒頭から市民たちは落ち着きあり、ややコミカルでもある。いろんなことが落ちてる感じのギュレンだ。そしてマダムへの無責任な期待感がほのかにあふれる。
横断幕つけたり、段取りを確認したり。レーナちゃん可愛い。

仲良し4人とアルフの関係もすでに出てきますね。現実路線の政治家マティアス、権威に弱そうなゲルハルト、クラウスは時流に乗り損ねてそうな感じがいいし、この場面では常識人らしき笑顔のヨハネス(豹変後との対比が面白い)

今回はマティアスの政治家な表現がより強く出るようになりました。アルフを囲む仲間に、お前たちもおだてろ!とジェスチャーしてるの。友情より政治。

祐一郎、頼れる男アールフレーッド♪ ・・・初演の時より髪が短め? 痩せてるので若返ったなと思う。やだー、かっこいいんだけど。

♪ようこそマダム
列車と思ってたら、ヘリコプタでやってくるマダム。妻マチルデのスカートの裾を風に煽られてるのよ風にパタパタ動かしてる、アルフ祐一郎が可愛すぎるのが問題。

合唱隊の音痴具合もグレードアップ。静かに歓待を受けてる態度のクレア偉いと思うわ。

初演のアルフの印象は、「昔」のことは100%過去の美しい思い出にしてしまっている本気のくず野郎で、わりと無邪気にニコニコしてた気がしますが、今年のアルフは少し緊張感のある表情。でも、市民の手前があるから平気な顔してようとしてるような。深みが出たわ。

クレア! 声かけられて振り返る涼風クレアが、どれだけこの日を夢に見て繰り返し心のなかで描いていたんだろう? 彼女、自分が思ってたよりもハッと動揺があるように見える。
お互い、距離感を図っているような二人(特にアルフか)
秘密の森で、っ言うのもずっと決めてたんだろうな、色々詰まってる再会のシーンでした。

SCENE2 コンラーツヴァイラーの森
♪愛は今も
愛を信じ相手を信じたきらきらの笑顔で若い時のクレアとアルフが、時を経た二人の周りを駆け回る。命があふれてる!
クレアがどういう思いでここにいるか既に知ってるので、ここのやり取りで泣きそうになる。
アルフがいつだって想ってた、っていうの本当なのかな・・・

若い二人を演じるお二人の声の清らかさ美しさ。じーーーん。
見つめる(思い出す)クレアの愛おしそうな表情、若干、他人行儀にぎこちないアルフ。
4人の声が重なって、ほんと美しい。ハートのマーク、愛の思い出がこの森には隠れてたのよね・・・
CD化しようよー。

今年のアルフレッドを見てると、世間に合わせてる自分、とクレアに見せる素直な面、がさらにはっきり区別されてます。
ここではクレアに金を出させるためのミッションが課せられてるので、わりと世間体の顔(クレアとは若気のいたり、古い話だよねという)が最後に出てきますよね。声も高くなるし、表情や動きが“演技がかってる”感じに。

若い時の自分たちを思い描く2人が舞台に出てきて、クレアは若いアルフがしっかり抱きしめるけれど、アルフは若い時のクレアを抱きしめないの。ゲルハルトとのシーンでも繰り返されてて、過去と今がしっかり結びついていない風に吹かれるままの彼なのだった。

SCENE3 ホテル“黄金の天使”の中
♪彼女は型破り
無責任な市民の噂話が展開する。いわゆる“モブ”ですね。クレアの母親も娼婦だったよね的な話で盛り上がってる。他人の不幸は蜜の味。
この問題は自分のことじゃない、でもおこぼれ欲しい。分かるわ・・・

SCENE4 ホテル“黄金の天使”の中
♪晩餐のアンダースコア
クレアから金が引き出せる感触を得たのを自慢気に仲間に話すアルフ。冒頭より自信回復の様子。次は君が市長だなとおだてられてその気になっている顔。

クレアとマチルデの怖い対面、面と向かうのはこの場面だけですが、二人の関係が垣間見える一瞬。当時、クレアが町を去るまでは窓の奥から見てるだけだった、と。

♪クレアに乾杯
マァーダァームゥゥーにぃぃ~♪ もすっかりいい声で乾杯発声してる市長でした。
あの重そうなキラキラのドレスを着て、脚の悪い動きして、階段を昇降する涼風さま…すべて素敵です。うっとりー。乾杯のときグラスに口つけないのも、クレアっぽいなぁ(自分でお気に入りのシャンパン持ってきてそうだしね)

寄付をいたします!」わー!!
盛り上がっていく音楽、内容とは裏腹で高らかに堂々とむしろ明るく楽しそうに。爆弾落としたぁぁですねー。
アルフレッド(が?)死ぬこと!

♪とんでもない
初演の時は、この時点では市民らはまず拒否の気持ちでいると思ってた。が、今年はどうも違う。すでにけっこう巨額の金に心が揺らいでるなと思いました。不思議です。歌詞は同じだし、ダンスも変わらないはずだけど。
なんだろう、切れ味が薄れた気がするの。市民の金は欲しい、しかし死なんて!という悩ましさが伝わってきましたねー。面白いのうー

となると、最後の“あああああーーーー!!”という叫び声も、金か死か!という選択肢で悩んでしまっている自分、に対する叫びに聞こえてきます。清く正しいキリスト教徒なら、命と金は天秤にかけられないはずなのに、金に目がくらんでいる!という叫び。

2016/12/05

『貴婦人の訪問』11/26.27 1 再演の深み

11/26夜、11/27昼(おけぴ観劇会)@シアタークリエ

アルフレッド/山口祐一郎 クレア/涼風真世
マティアス/今井清隆 クラウス/石川禅 ゲルハルト/今拓哉 ヨハネス/中山昇
マチルデ/瀬奈じゅん
若い時のクレア/飯野めぐみ 若いときのアルフレッド/寺元健一郎

再演、しかもマチルデ以外はキャスト変わらずという夢のような再演。
2015年の初演からすぐの再演ということで、そんなに変わらないのかなと高をくくってました。ごめんなさい!
演出の山田和也さんはじめ、出演者スタッフの向上心、すごかった。

同じセリフなのに(気づくような変更点はなかったと思うの)各キャストの視線、表情、声のトーン、何かのタイミング、それらが「こういうものを表現したいんだ」っていう明確な意図というか、思いが貫かれています。

初演のときには、“このときアルフレッドの気持ちはどんな風なんだろう?” 読み取りにくい、もしくは読み取りにくく表現しているのかな?と捉えていた点が、いくつかあったのですが、それらがとてもくっきり見えるようになっていました。

大きな疑問は、アルフが「クレアだけをずっと愛していた、忘れたことはない」という言葉の誠実度
彼はその場しのぎ、相手に合わせてしまう男なので、この言葉もクレアへのリップサービス的な意味が大きいのか?と捉えてました。
アルフは“その時(だけ)は誠実”病でもあるので、言ってるときはそう思ってるんだけど、別に真実ではないかもしれないってことでもあるよなーと。

2016年のアルフレッドは違ったわ! ほんと吃驚なんですけど!
言葉を発した瞬間も、その後もラストまで、誠実な心情としか思えません。でも金のために捨てたんだ、っていうはっきりとした自責の念を抱えて暮らしてきたんだなって分かるの!

どうしたのよ、すごいわ。

お前、そうだったのかーーーーっ ですよ。
クレア様と一緒に、打ちのめされそうになったよ。愛してくれてたなら、なぜ? なぜ、酷い目にあわせたのよぉぉぉぉ

あともうね、祐一郎の声がぁぁぁ・・・・・(素敵すぎて死にそう)私ならここでもう「ゆるちゅー」、って負けてしまったけれど、クレア様の受けた傷は深くて許さないわー!って拒絶なさってたわね。そうよね。

2公演だけ見てきたんですけど、濃すぎたので大満足です。休憩時間もすぐに席立てなかったしね。祐一郎が、じゃなくて作品自体にお腹痛くさせられました。辛かった、そして素晴らしすぎた。

つづく。

2016/11/15

新妻聖子コンサートツアー2016 10/23

@道新ホール

道新ホール(700席)に、聖子ちゃんが!!! がががー! と叫んでましたが、客層は謎のおじさまおばさま(おじいちゃんおばあちゃん)層が多くてびびる。親戚ばかりでもないだろうし、謎だった。

そしてお茶の間のように、歌ってる間も話を続けてる同列のジジババ団がいて(注意するには3人分離れてる)コロス!とじりじりしてたら、さすがにすぐ前のおじさまがにらんでくれて静かになった。迷惑だった。何しに来たんだ。

さて普段、ミュージカルに全く興味のないオットですが、カラオケの番組で若手もベテランも蹴散らす鼻息の荒い美声の聖子ちゃんを気に入ってくれ、コンサートなら行きたいというものだから、彼もつれて行きました。
結果、とてもじっくり聴けて満足してくれたようで良かった良かった。

・聖子ちゃんはお父さまの運転する車で札幌の家(親戚宅)から会場入り。
・本籍は北海道。
・バンドのみなさんトンボ帰りと聞いて、今度はおいしいもの食べて帰ってね。

耳も心も浄化されたわー。また来てね、聖子ちゃん。

0 Overture
1 Man of La Mancha
2 SWANLAKE2016
3 自由の鳥になれ風になれ(organic ver)
4 愛をとめないで ~Always Loving You~
5 My Favorite Things
6 Shake it off
7 あの人の手紙
8 Sisters
9 GOLD

10 I got Rhythm
11 この祈り ~The Prayer~
12 SWEET MEMORIES
13 On My Own
14 命をあげよう
15 ピエタ
16 ひまわり “SUNWARD”

アンコール
・ありがとう
・Nessun Dorma

『WEST SIDE STORY ウェストサイド物語』10/19昼

@札幌 ニトリホール

ジェット団
リフ/上川一哉 トニー/神永東吾 アクション/岩崎晋也
A-ラブ/新庄真一 ベイビー・ジョーン/横井漱
スノーボーイ/川村英 ビッグ・ディール/沖田亘
ディーゼル/ツェザリ モゼレフスキー
グラジェラ/相馬杏奈 ヴェルマ/原田美欧 クラリス/坂本すみれ
ポーリーン/伊藤瑛里子 エニイボディズ/馬場美根子

シャーク団
マリア/岩城あさみ アニタ/相原茜 ロザリア/門田奈菜
コンスェーロ/八木絵巳子 テレシタ/浅越葉菜 
フランシスカ/岸田実保 エステラ/村上今日子
ベルナルド/荻原隆匡 チノ/林晃平 ぺぺ/龍澤虎太郎
インディオ/河津修一 アンクシャス/楢原じゅんや
ファノ/提箸一平 ニブルス/大木智貴

大人たち
ドック/荒井孝 シュランク/志村要
クラプキ/荒木勝 グラッド・ハンド/中村伝


新演出版となったWWSを初めて見ました。
衣装、テンポが刷新された。当時、を表現していながら、現在のセンスに合わせてブラッシュアップしてきた。
ダンスシーンは、ますますキレキレで、カッコよくなっていた。ほんとキレすぎだった。

前回見たのは、福井晶一さんがトニーを演じた最後の全国ツアー版。ともかく福井さんの男気感、頼りになる感じがすきなので、マイベストトニーであることには変わりないけれど、今回の神永トニーも相当に落ち着いていてジェット団の若者たちを見守ってる感、よかったです。

その分、リフが刺されて逆上、のあの流れが何とも哀しいですね・・・ 素手でケンカしなきゃだろうよーーーーーーーっ

それから、マリア役の岩城あさみさんが、これまた落ち着いたマリア。
声も無理がなくのびやかで、トニーときっと幸せに暮らせたのにね、とまたも悲しくなる。ラストシーンの怒りと悲しみを無言のまま背中で表現して立ち去るとこ、こんな風に大人にならなくてもいいのにねって思う。

サムディ、のとこも変わったような・・・ ダンスのフォーメーションが。
より幻想的に見えました。
ここは旧版のほうがリアルな感じがしたんだけど、役者さんの違いからかもしれないです。やさしくやさしく歌ってらしたので。

▲会場の音が悪すぎて、あの劇団四季のはきはき発声でも聞き取れなかったのが、泣き所でした・・・ 
音もひどいけど、ここ集中しにくい雰囲気だなと改めて思いました。大きくても安心感と一体感がある帝劇、きらきら壁面がうっとりの日生劇場を思いながら泣いてた。

ここは天井がすごくざっくり開けていて不安な気分になるし、前の席の方の頭は邪魔だし、来年だか再来年くらいに札幌市との契約終わるはずだから、取り壊しなのかしらねー。
ひどかった。
いい劇場が欲しい札幌市民。