2016/08/08

『王家の紋章』8/5初日 3 イムホテップ様が可愛すぎて死ぬ

【イムホテップ/山口祐一郎】
なかなかお出ましにならないのね・・・
1幕の半分も過ぎたころ、大きそうなお船がエジプトに着岸。外遊、じゃなかった視察からイムホテップ様がお帰りに。

イムホテップ様の姿が見えないうちから、いよいよ来ますよ~な音楽が鳴っていて、国の重要人物なのが分かる。メンフィスも客席も待ちわびてた・・・♪

これまでだと、ひれ伏すのは浦井くんたちなんですが、メンフィスは彼を見守り、深々と礼をするのが祐一郎イムホテップ様なのだった。何て新鮮!

でもうっかりメンフィスが頭下げちゃいそうなくらい威厳があった。

若者よ、コレが威厳というものじゃー。

ヘアスタイルがまたバージョンアップですね。純白に近づき、特に顔回りがくるくる巻き毛に。明るく質素なグレーの衣装。
歩く姿は、巻き毛の白のガンダルフ。神々しき限り

大きな印象のお歌でしたねぇ ファラオの地位のあるべき姿について、国の行く末について。イムホテップ様がエジプトにいる限り、かの国は安泰でしょう。
夏のお疲れか、ちょっとお声が絶好調ではありませんでした。千秋楽まで、どうかお元気でらっしゃいますように!

リーヴァイさん、やっぱり祐一郎には歌いにくそうなメロディ当ててくるよね?? 聞きながら、これは難しそうでっす、と素人ながら思いました。CD出たらもっと真剣にチェックできるのに。くうぜんぜつごのごねつぼう、とはどのくらいの熱量が必要かのう・・・頑張るわ。

帰ってきましたって言ったあとは、可愛いおじいちゃんに大変身。そういうキャラですか! おじいちゃん可愛いですけど!

・(見ない間に)またこんなに立派になられて!(そんなセリフはなかった気がするんだけど、言外に盛大に漂ってたのだ。お父さんみたいだった)
・あんなものやこんなものがたくさんあったんですよー。
・その金色の髪の女の子は・・・???

ちょっと鉄の話をしただけで、キャロルについて聡明さが目に(だっけ?)などとイムホテップ様が言って、さすがキャロル。あんな短時間で、イムおじいちゃんまでメロメロにさせてしまった。

別シーン、宮殿の外も見たいなーのキャロルとイムホテップ様の会話。
キャ:ピラミッドとか、
イム:ぴらみっどぉぉ・・・・???
キャ:スフィンクスとか!
イム:???
はてな?それはなんじゃろう? わしも知らぬことじゃのう・・・と
超絶可愛く小首をかしげます。可愛すぎの刑。

闘いにいくファラオを見送りつつ、これまでのメンフィスの歩みに思いを馳せるイムホテップ様。これはもう、帝劇デビューから一緒にやってた浦井くんを見守ってきた祐一郎さん自身の心に通じそうで、じいーーんとしました。この先も立派に歩め、とエールを送ってるようだった。

2幕、キャロルなどを妃にしないでとお怒りのアイシス様を、いさめるイムホテップ様。ミヌーエ将軍など平手打ちのアイシス様が、宰相様の言葉は尊重するのね・・・エジプトのため、お心を鎮めてください、と言われて、引き下がるなんて。
うーむ、威厳、威厳。

そして愛を確かめ合ったメンフィスとキャロルの絆を高らかに歌い、大団円でございますーとまとめた。そっか、イムホテップ様がまとめちゃったか。
まとめてくれてありがとう。

でもね、
ここでメンフィスとキャロルの愛のデュエット欲しかったですー! ラブラブな歌をもう一度見せつけてもらいたかったなぁ

そうだ、イムホテップ様くらいはサンサル履きかと期待していたけれど、あの謎の革靴かもしれない。紐部分が被せになってるの。外反母趾とか?? 足は大事だもんね…

次に見るときには、さらに可愛さ大爆発してると思う(断言)楽しみ。

稽古場の写真で、首飾りつけて歌ってる様子。いつもこういうの用意してるよね、手作りなの?って思ってたら、エジプトからお取り寄せ&浦井くんの分も用意したとか。おおお。

『王家の紋章』8/5初日 2 キャロル、まさにキャロル(聖子)

浦井くんの続き。
・後ろから抱きしめるとか、私のツボなので大変ありがとうございましたーーっ
聖子ちゃん小さいので、浦井くんの大きな手のなかにすっぽり入っちゃう。宮澤さんはどうなのかな。

・1幕でわりと悪い顔してたのよね。冷血な感じというか。ファラオだからなんだけど、イムホテップと並ぶと威厳というより息子感がでて、たいへん微笑ましかったです。

・処刑もファラオ自らが?? 働き者だなぁ
・キャロルをモノからニンゲンとして見るようになる変化は、さすが良い。こういうの浦井くんすごく良い。
・ミタムンを見る目が冷たい(興味なさそう) その顔好きだぁ

【キャロル/新妻聖子】
完璧にキャロ子でした。
冒頭のキャピー!な声を聞いた瞬間、聖子の本気を感じたわ。

ふわふわのヘアとか、フレアスカートのウエストぎゅっと絞るデザインとか、おお今ここは70年代! 声の調子が70年代アニメっぽいわ。はぁぁ

自分が愛されてることを100%疑わない。でもそれは、ライアン兄さんが日々愛してくれてたからだね。女の子は男子から保護されることに慣れてる感じ、昔の少女マンガぽい気がする。

・私のために、エジプトとヒッタイトが闘っている・・・私のために!
・ひどいことしないでー!
・歴史に介入してしまうか、メンフィスへの愛を貫くか(メンフィス!!愛しているわ!! …あんまり苦悩は深くなさそうじゃ)

こんなセリフを恥ずかし気もなく
原作読んでてもそんなキャロルには同情しにくくて、もちろん舞台の聖子キャロルも全然できません。
だが、同情・共感などしなくても面白いものは面白い。聖子、17歳って感じ!

聖子ちゃんの全身キャロルっぷりは見る価値大です。歴史のロマン大好きとダンスするとき、怪我したとき、メンフィスから逃げようとするとき、コレは恋?と震えるとき、すべてにおいてキャロル入ってます。

友人いわく、誰もが会った途端にキャロルLOVEになるのは、ヒロイン力(りょく)のなせる業と。腕ボキも、すぐ治った。イズミルにムチで打たれたのにケロっとメンフィスに抱きついてるし。すごい。

歌については何も言うことないよねー。メンフィスとのデュエットもきれいだったし、ありがとう聖子ちゃん。

2016/08/07

『王家の紋章』8/5初日 1 マンガが3Dになってるー! ってことでいいんじゃないかな

@帝国劇場 1階S席

メンフィス/浦井健治 キャロル/新妻聖子
アイシス/濱田めぐみ イズミル/宮野真守
イムホテップ/山口祐一郎
ライアン/伊礼彼方

帝劇入口で、小柄なマダム二人をお見掛けする。ほ、細川先生よ!(色違いお揃いのチャイナな上着。かわいすぎる)
と思っていたら、大きくて丸いおじいちゃんがー! あの方が作曲したS・リーヴァイさんよ!
フハー!!(鼻息)

・・・ところで、この日は友人と一緒の観劇。
たまにヅカも見る道産子R子ちゃん(一緒にヅカメイクしにサロンドタカラヅカへ行った)とでした。

そんな大事な日なのに!
なのに!
チケットを取り違えてもってきてしまい、二人分揃って札幌に置いてきたのだった・・・・・(青ざめた)
夫にチケットスキャンして送ってもらいなどして(席番号確認のためね)、無事に観劇。ああよかった。帝劇スタッフさまお世話かけました。申し訳ございませぬ。土下座ー!

あ、私は舞台化が決まってから原作を1-10巻まで買ってざっと読んだ程度でした。友人はもうちょっと読んでたようです。

・70年代って女の子ってこんな感じで良かったのか?? DVファラオに耐えるキャロルがどうしてメンフィスLOVEになったのか、いまいち解からぬ。
・アイシス様のほうが筋が通ってて、つい肩入れしてしまう。
歴史介入への罪悪感が軽いのではないか。

プレビューの感触もチラホラ耳に入っていたものの、さて初日、どうでしょうか?

出来不出来をここで断じてしまうのは、あまりに乱暴なので、雑感という感じで思い出せることを今後の自分のためにメモしておこうと思います。次は終盤に見に行きます。

【舞台セットなど】
・上演前、2幕の前に波の音が場内に流れてて、それがなかなか心地良い。
・同じく上演前のライトがきれい。帝劇の天井まで緑色のライトが届いていて、雰囲気いい。
・同じくエメラルドなのかなー、巨大首飾りが開演前の舞台に掛かっていて、それも雰囲気が出ている。
・しかし舞台がけっこう、さっぱりめ・・・ もっとぴかぴか豪華な背景を期待してました。せめて玉座だけでも・・・お願い、ぴかぴかに!!
よくある扉絵みたいに、きらびやかな背景をお願いしますー。
・1幕はそこそこ立体的(高低)に人が動くけれど、2幕は急に平面に。なぜ?
・帝劇の大きさを生かしきれてないと感じた。キャストが少なめなのかなぁ 高さもだけど、奥行きも使ってません。

・拍手のタイミング作ってください。この作品はストーリー重視っていうよりビジュアル楽しさ重視だと思うの。だから、各キャラのキメ歌のときは盛大に拍手したい
・音楽、それほど異国風音楽を多用せず。ロック寄り、ポップス寄り、というあたり。たまに「レディ・ベス」みたいな転換の音。

【メンフィス/浦井健治】
ほぼ息子を見守るママの心境な気がするので、まともな目で見れてないと思うんだけど、硬いというよりも、真面目全開(いや、毎回いつも真面目なんですけれど、特に特に真剣さが伝わった)

新たに開拓中の、重々しい声、前半のファラオに多用しているのかな? 
若くしてファラオの地位についた少年王、ということなので、“威厳を出そうとしているけれど、やや空回り・・・” しかし、エジプトの人たちはファラオの地位に対する畏れがあるので、空回りしてるのは本人だけで、わりと上手に威張れてる(ひどい)ようだった。

で、この太めの声はまだ使い慣れてない(よね)ので、声が一本調子になりがち。
月末には、このファラオとしての声、のなかに表情が生まれてくるといいなと期待してます。
浦井くんの武器、裏などないと100%信じてしまう真心の声、がファラオの時の内面をちょっと覗かせてくれたらいいなぁ・・・ 初日はキチキチっとファラオを演じていたので、その揺らぎはほとんど見られず。

ファラオとして話す俺様1幕から、身分を忘れてただの青年のままにキャロルを見つめる2幕との落差は素敵でした。2幕は浦井くんのピュアナチュラルラブリー声なので、デヘヘーデヘヘーと顔がニヤケた。キャフーン

キャロルに看病してもらった、と分かったあとの歌よかったなー。
ザ・少女漫画キターー!
キューン(死)したわ。ありがとうございますーっ

肌露出は(スカート長くなった)少なくなった・・・いいんだけど、ちょっと残念だわぁ 前方席だときゃ、チラリー!になってたらしいけど。
闘い場面での衣装、キラキラ度が上がって「せいんとせいや」みたい・・・うふふ。

ミントグリーンのマントをひらひらさせながら闘うファラオ、かっこよさのみ追及するシーンに眼福(下に公式さんの画像つけとく)
なのに強いのねーと思った次の瞬間、ズサーっと切られてビックリだよ。油断しわたね? だめじゃん!

キャロルも鞭打ち拷問に合うんだけど、痛いシーン案外多めかもしれない。そしてみんなあっという間に治癒する。すごい。あいのちから?

まずは原作寄りのファラオ像を作ってきたな、と思います。めでたく再演も決まったことですし、徐々に浦井メンフィスの味付けが生まれると、奥行きが深まるのかなーと。

あとビジュアルにはほぼ文句ないんですが、ずっとブーツ履いてるのが暑そうで気になりました。エジプトだし、にょきっと太ももと素足も見たかった。

もひとつ、制作発表時より黒髪が短くおなりになってませんか。長いほうが好きなんですが! 動きにくいか、もしくは体が動いたときに長いとうまく髪がなびかない、ので短くなったのかなと、推測。
TdVの黒髪とか、エリザのトート閣下とかを彩ってくれてるアデランスに頼めば、さらさら黒髪でイケるんじゃないでしょうか。アデランスさまぁぁーっ

2016/07/31

『JERSEY BOYS』7/26夜 team WHITE アッキーに痺れた

@シアタークリエ
熱そうなREDも見たかったのですが、日程の関係でWHITEのみ観劇です。

team WHITE
フランキー・ヴァリ/中川晃教
トミー・デヴィート/中河内雅貴
ボブ・ゴーディオ/海宝直人
ニック・マッシ/福井晶一

ボブ・クルー/太田基弘 ノーム・ワックスマン/戸井勝海
ジップ・デカルロ/阿部裕
綿引さやか 小此木まり まりゑ 遠藤瑠美子
大音智海 白石拓也 山野靖博 石川新太

演出/藤田俊太郎 音楽監督/島 健 美術/松井るみ

ちなみにREDは
トミー・デヴィート/藤岡正明
ボブ・ゴーディオ/矢崎広
ニック・マッシ/吉原光夫

ちょっとスマートそうな白、チンピラが似合いすぎる赤というイメージです。

え、CD化決まってないの・・・? 絶対出ると思ってたんですけど。

空前絶後のご熱望、ということで(未来の私へ。これは2016年流行語大賞ノミネート@ミュージカル界 エリザ映像化における東宝演劇部ツイートの表現)感想書いて帰ってきたわ。出すでしょ? 
もしくはWOWOW(東宝と共同制作)さんの力で放送とかね?ね?

C・イーストウッド監督の映画版を見ていたので、お話は確認済み。それでも生の声が作る世界の感動度を強く感じられました。

ストーリーはニュージャージーの田舎町で、不良チームがフランキーの声と、ボブのメロディを武器に全米を席巻していき、おなじみの金銭問題と裏金借金問題、女性問題、仲間割れと・・・再集結。

上昇とトラブルのなかで、友情や親子の愛が揺れ動く。



公演終盤のためセリフを噛むなどお疲れも見えたものの、アッキーもプロモ映像よりキレてるし声も神がかってました。ステップもキレキレだったわ! 

アッキーの喉ってどうなってるんだろう? 演技も青年期からおじさま期へと無理に老けないものの、けっこう様になってた。アッキーがパパ役なんてねー。

トワングの歌唱法で歌ってるアッキーですが、物まねにならずアッキーが演じるフランキーになっているのが素敵。実際の歌手を題材にするとオリジナルに負けそうだけど、アッキー色のフランキーに。

第一声、フォーシーズンズの声が生まれたシーン。まるでその瞬間に一緒に立ち会ったように高揚! きゃーーーーっ

ど、どこからその声が出てくるんだろうと思う、不思議な鼻にかかった高音。
ジャージー・ボーイズはフォーシーズンズ世代には懐かしく、知らない世代には・・・アッキーたちの「声」を味わう舞台になってたかな。
客席にはけっこうな年の男性もいて、いい感じ。

振り付けは新海絵理子さん。
後半、大きな振りが増えているのはオリジナルがそうなのかな。細かくステップを踏みながら歌ってて、アッキーは歌もすんごい上にダンスの才能まであって、おお神よ!の気分です。しかも可愛い!可愛いし!(大事なので二回言う)

道産子福井晶一さんのステップ、味わいあったわー。
華麗なるステップ、とは反対の、うーんうーん、誠実なステップ? 
マンカストラップされてた福井さん大好きで、あの時も体育会系猫だったっけ。いいわぁ

ボンボンボン♪ バリトンで歌うのでソロは少なめだったけど、年齢差あるのがどうだろうと思ってたら、意外とチームになじんでて兄貴っぽくない福井さんも新鮮でした。
後半、突如爆発するシーンが見もの。それは辛かったねぇ・・・慰めてあげたい。やだ、福井さんの可愛さ爆発してる。

海宝さん、やっとやっと拝見できました。
声を聴いて、これはシンバだしアラジンの声だと納得。好青年声なのねー。

まっすぐな目で真面目に契約交渉してる姿、面白い。才能があるっていう役を疑問の余地なく演じられる海宝さんでした。きらきら。
次・・・マリウスで会えるといいな。

中河内さん。こちらも初めて。
噂だけ(といってもとても人気あるという程度)聞いてました。仲間思いだけど見栄っぱりで素行に問題のある役。若干、悪に徹しきれない感(かっこいいからか?)が見えてしまうのも愛嬌のうちか。けっこう上品にお見受けしました(洗面台にシャーッとしそうに見えないもの)。
歌って踊ると輝く方ね。
今回未見の藤岡トミーのほうが納得のチンピラに違いない。

ボブ・クルー役の太田基裕さん。こちらも初めてでした。
細くてひょろひょろしてるんですが、声や動きが舞台映えするなと思っていたら、2.5次元ミュージカルで大活躍の方なのですねー。良かったなぁ
ゲイ(っぽい感じ)のプロデューサー役が似合ってました。

戸井さん&阿部さん
たくさんの役を(アンサンブルのみなさんもですが)演じてて、おお、また出た!と楽しいお二人。
戸井さんは久々すぎでしたが、いつ見ても素敵おじさまビーム・・・阿部さんは、楽しそうに演じているので、こちらもウフフーとなります。

女性アンサンブルは大活躍。
可愛くて声がマイクによくとおる小此木まりさん、いつのまにか大人の女性役もこなすように。それもまたいい声でした。
まりゑちゃん、ダイナミックダンスが素敵です。綿引さんと遠藤さんは大人女子をカッコよく。

再演するよねー??? ぜひーお願いしまーす!!

2016/07/28

『BENT』7/17 いい演技でした、そしてお腹痛かった

@世田谷パブリックシアター

演出/森新太郎
作/マーティン・シャーマン

マックス/佐々木蔵之介 ホルスト/北村有起哉
グレタ/新納慎也 ルディ/中島歩
ウルフ・護送列車の囚人・伍長/小柳友
収容所の大尉・隊員・護送兵/石井英明
親衛隊の中尉・カポ/三輪学
護送列車の将校・隊員/駒井健介
フレディ・護送列車の囚人/藤木孝
声の出演:武田浩二、藤家剛

ゲイの男性二人がナチスの収容所で出会う。
わずかな希望を捨てずにいれたのは、お互いがいたからかもしれない。
少しずつ状況が悪化していく構成、毎日「死」へ向かっている怖さ。お互いを見てはいけない、目を合わせてはいけない。でも、感じることはできる! 抱きしめられるし、愛し合える!
こんなにまっすぐに、生きてるぞ、この心は全く自由だ、という叫びが人の心の強さを見せてくれた。

そして、ナチス側にだってゲイはいるし、ひとりひとりはごく普通の市民だったはず。システムのなかにいると、弾圧すればするほど、反撃が怖くてさらに弾圧していってしまう弱い心。監獄実験とか思い出した。役割を進んで演じてしまうっていうやつ。そのほうが楽だものね。こわい。

こういうことが起こったのだということが、そもそも恐ろしいうえに、でもこのシステムに組み込まれてしまったら、自分が生き残るため虐殺やリンチにかかわってしまう可能性はゼロと言い切れない怖さが浮かぶ。

遠い昔の話ではなく、今まさに起こりつつあるのでは? 最近の社会状況を思えば自然に感じられるのも、また、上演すべき時に演じるべき俳優がいてくれたのも何だかぴったりすぎだ。

佐々木蔵之介ファンの友人に相乗りで日帰り観劇してきたのですが、価値はあったわ。
蔵之介ってこんなに上手かったんだね・・・(忘れがち) ああ、もっと蔵之介にいい脚本出してよ!(たぶんなまじ顔がいいし硬軟行けるから重宝されちゃうんだ。疲れた刑事とか正義感あふれるハンチョウも殿も好きだけど、うわぁって圧倒されるような役もいいでしょ?)

演技的ハイライトな直立不動で二人が言葉でセックスするシーン、哀しいし素敵だった・・・・
快楽じゃなく、抗議というか、俺の心も体も全くすべて自分だけのものだ!と。
ちなみに蔵之介のほうがよりセクシーだった。ふふ。セリフのなかでも「おれ、セクシーだから」みたいなのあったっけ。可愛い。

北村有起哉はイケボイスもほっそり絞った体も堪能しました。
あまり感情的にならない落ち着いた人なんだけど、心に秘めたものは実は熱くて、それがマックスを動かしていく。と同時に、冷静に収容所内で生き抜こうと思っていたホルストは、自分以外の人を思う気持ちを思い出し、マックスのために生きようと変化していく。

もし、以前のように冷静でいられたらあの時に死ぬことはなかったろうと思う。でも死期は早まったが濃く生きたのかも。

世を斜めに見て恋人ともきちんと向き合わなかったドラ息子のマックスが、日々生死を綱渡りする収容所で出会ったホルストから、「お前は誰だ」「自分を偽るな」と言われ続けたラストのあの行動、うわああん!
マックスはゲイとして収容されるのではなく、ユダヤ人として収容されることにしたのだ。もちろんユダヤ人などではない。そして☆印の囚人服を着ている。

ホルストは感電死か銃で撃たれるかのどっちも死、の選択で、収容所の人間に立ち向かって銃殺されるほうを選んで死亡。死体穴に入れろって言われて一度は無表情にホルストを放ったマックスが、ついに自分はどう「生きる」のかを選択し、ホルストの遺体から“同性愛者のピンクの三角”印の服を取って、着替えて高圧電線に突進していたのだった。あああ。

現象としては自殺、になるのだけれど、他人に生死を決められることを拒否した、生を表現する(結果としての)死である。

・藤木さんいつも素敵すてき。ゲイのおじさん役でした。いい声。

・新納慎也さん。
数日前に大河ドラマ「真田丸」の秀次役で見ていたので、女装グレタは あ、通常営業にお帰りなさいという感じ。歌があったのは知らなかったのでうれしかった。
とても美しかったです。かくまったマックスとルディを追い立てる目がさみし気でした。いい声。

・中島歩
ああー朝ドラ「花子とアン」で駆け落ちする大学生のひと・・・? すごく上手になった。リンチ死するまで、おしゃべりで健気なダンサー君。あの時はイケメンだけしか取柄がなさそうだったが、人は変化するものですね。普通のかわいい子が死んでしまった・・という悲しみあふれました。

森慎太郎演出、まだ二つめ(前回は「ビッグ・フェラー」)だけど過剰になりそうな題材をもってくるけれど、過剰過ぎないところで勝負してる感じがします。スーパーマンじゃなく普通の人たちと歴史の大きなうねりの関係性というか。
また森演出のものを見てみたいなと思います。